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マンガ読みの年中休業うつらうつら日記(2022年11月12日~11月18日)

コロナは少しヤバいですね。主治医は「もう、あの人数数えるのやめたらいいんだよ。どうせ拡大してるんだから」と乱暴に言います。これまで通り気をつけてはいて、マスクも手洗いも消毒もしてて、ワクチンも打てるだけ打ってる。でももうそのうちかかっちゃうんじゃないかと思うぐらい、まわりの人が罹患してるんですよねー。この3年間にすっかり年老いて旅行とかする気力がなくなり、これからいつまでこういう状態が続くのかわからないけど人生でかなりもったいない時間です。若い人たちにとってはなおさらでしょう。

22年11月12日

定例ZOOM飲み会もそこそこに寝た。
翌日Nさんの引っ越し荷物から最後の本の山を引き取りに行くからだ。
とっておきの本がたくさん出るらしく、せいうちくんはとても楽しみにしている。
彼にとってNさんは大学に入ってからずっと死ぬほど尊敬する先輩だからね。

ホント言うと横でせいうちくんが本のスキャンをしている音がうるさくて、頭の中で何かが轟轟と鳴り響いてたまらなかったんだ。
ZOOMを出てからせいうちくんに八つ当たりしてしまった。
「うるさいの!耳鳴りがする。頭の中でいろんな声がする!」と身体をけいれんさせて泣きわめくのをせいうちくんがぎゅっと抱きしめてくれた。
「ごめんね。スキャンがやかましくてZOOMの声が聞き取りにくくてパニックを起こしたんだね」とキッチンに連れて行き、
「とにかく一服しなよ」と泣いてる私にタバコを吸わせてくれた。

少し落ち着いたと思ったら、見えるところに座っていてくれたせいうちくんが窓の方に行ってしまった。
「どうしたの?!なんで離れるの?」と訴えると、
「いや、明日の荷物が通る通路を作ろうと、ソファを動かしていた」。
それって、今やらなきゃいけないこと?
「ほんとに多動だね。ADHDの気があるよ」となじったらなぜか2人とも大笑いしてしまった。
せいうちくんのこういう「思いついたらすぐにやらないと気が済まないところ」を笑い飛ばせるようになったのはいい傾向だ。

で、ドライバーせいうちくんは早めに寝たが、寝つけなかった私は1時ごろZOOMに戻ってみた。
全部で6人に増殖していた。
楽しくおしゃべりをし、またお先におやすみなさいを言って寝る。

翌朝はいつものようにせいうちくんがレンタカーを取りに行ってくれ、向こうを出るとき連絡をくれた。
すぐに身支度をして下に降りる。
ドライブの始まりだ。

Nさんちの本の山はこれまでの4回で最大の物量だった。
段ボール箱20個近い。
ワゴン型の後部座席も倒してぎゅうぎゅうに押し込み、なんとか予定されてた引き取り本は全部入ったみたい。
Nさんもほっとした様子だった。
これで引っ越しが住むまで会う機会がないだろうな。
お母さんとの新生活が始まったら、また!

家に持ち帰った段ボールの山をベランダに積み上げて、いる本といらない本に選別したあと、せいうちくんは日が暮れて寒くなるベランダで5時間ばかり絞った雑巾で表紙を丁寧に拭いていた。
多動の人かと思えば、ものすごい集中力の人でもある。
自分でも「僕、何時間ぐらいやってた?」ときょとんとするぐらいの仕事ぶりだった。
おかげで本は全部家の中に運び込めるようになり、そこからまたすぐ自炊作業に入る。
こんな働き者、見たことがない。

今年になってうっかり始めた「1日1マンガ紹介」がここに至って重荷になってきた。
最初はイマイマのマンガをたくさん読んでいたので紹介したいモノがあふれており、全然苦労がなかったんだが、さすがに11カ月続けてきたらキツくなってきた。
同じ作者の別の作品を紹介し始めればいくらでもタマはあるが、できればなるべくいろんなマンガ家を紹介したい。
手塚治虫なんかで始めたら、365日簡単に埋まっちゃうじゃないか。

あとひと月半、何とか持たせなければと焦っている。
あいにくなことに買う量も読む量も限度があるので、せめてテーマ性を持たせて日にちを稼ごう。
というわけで今週は「エロマンガ」ってくくりでご紹介したい。
前に「BL特集」をやった気がするが、そちらの要素も少し入れよう。


今日のマンガはもんでんあきこ「エロスの種子」既刊6巻。
もんでんあきこはエロい。
絵が上手いのでよけいにエロい。
こんな綺麗な絵柄でこんなにエロいマンガが描けるのか。しかもたぶん女性なのに。
妖しいエロや切羽詰まったエロ、人間愛のエロ、いろんなエロがつまっている短編集だ。
Gくんや長老あたりに「で、オカズになるのか?」と聞かれてもわからない。
男性のオカズにはならない気がするうえ、もしかしたら女性のオカズになるかもなぁと思うほどの情緒性が漂っている。
なかなか腹に響く作品群だ。

22年11月13日

日曜1日、せいうちくんはほとんどスキャンをしていた。
私が尻込みしたマンガの本まで、
「キミほど神経質に綺麗には取れないけど」と引き受けてくれた。
このペースで行ったら驚くべき本の山は意外と早く姿を消すかもしれない。

こざき亜衣の「あさひなぐ」を読んでいる。
高校の薙刀部の話だ。
よくある、自信のない地味な女子が高校から始めた薙刀部で努力を重ねてインターハイまで行く話。
薙刀は競技人口が少ないため誰でもインターハイに出るチャンスのある「高校部活のアメリカン・ドリーム」なのだそうだ。
ちなみに男子は競技人口がもっと少ないのでインハイ自体がなく、女子の予選大会の前にオープン戦があるだけらしい。
何の実績にも記録にも残らない、男子薙刀の栄光。

でもとてもいいマンガで、剣道から転向してクセが抜けずかえって苦労する人や、常勝校と謳われるだけに「あんたらは負ければキレーな思い出とやらになるんだろうけど、うちらは負けたら屈辱と汚名しかない」と苦労してる人、ケガでインターハイをあきらめた方が競技人生のためにはいいんだけどやっぱりインハイに出たい、それを「ある時期、ある集団でやることで熱が発生する。しかし武道は一生歩く道だ。いっときの感情で決めてはいけない」と言われ苦労する人、団体戦は甘えでしょせん個人が強いかどうかだと考えているのでまわりとうまくいかなくて苦労している人、とにかく苦労のてんこ盛り。
私には運動系の部活に燃える気持ちはどうしてもわからない。
「柔道部物語」とかでも、途中で退部したくなる気持ちの方がずっとずっとよく理解できる。

小学校入学から高校部活まで柔道やった黒帯二段の息子のおかげで少しはスポ根マンガを楽しめるようになったので、「面白く読めるよ。武道はいいよね」とメッセージ打ったところ、普段は「柔道は、オレの人生に大した意味はない」とかスカしてる彼から、「武道はいいね。特に精神面で、僕も今助けられているよ」と返事がもらえた。
「成長したねー!」とせいうちくんと2人で喜んでいる。
何をして生きていくにしろ、これまでの道のりに助けられるならその方が気持ちがいい。
やり切った人にしかわからない境地だろう。


今日のマンガはコダ「漫画家とヤクザ」既刊5巻。
これまた可愛らしい絵柄なんだが、内容はものすごくエロい。
こんな可愛いマンガ家さんが、ふとしたことで知り合ったヤクザに初めてを奪われ、しかもその後も恋愛関係が続いてしまう。
その時どきのシーンがいちいちエロい。
未熟な女性が海千山千のヤクザに教え込まれちゃう。
恋愛要素がなければ女性側にはちょっと迷惑な話かも。
セックスを中心にした純愛ってのもきゅんとするもんだと思った。

22年11月14日

せいうちくんが出社でヒマにしてたら、GくんからZOOMのお誘いがかかった。
なんでも24時間マラソンZOOMを自分に課したらしく、途中で10時間ぐらい寝たのはチャラにして、あとはずっと酒飲んでカメラの前に座ってるんだと。
「23時で終わるから、つき合え」と言われたがそこまではとても無理。
でも抜けては時々戻り、3時間ぐらいはサポートできたと思う。

Gくんは私の目標だ。
働かずお金を稼がないで30年以上、「働いたら負けだと思ってる」と言い放ち、時々ビールの買い出しに行ったり急に車中泊を企画し1週間ぐらい平気でレンタカーで寝泊まりしながらあちこちに出かける。
「社会的に価値あることを何もしないで何十年も正気を保つにはどうしたらいいか」、いつもGくんをお手本にさせてもらおうと、彼の動向は面白くてしょうがない。

しかしそんな風に思うようになったのもここ5年ぐらいのもので、くらぶの活動の中でのGくんはせいうちくんより下の代であったせいもあり、それほど親しくはなかった。
すべては彼がコロナ前からZOOMで駒場寮を再現し、「いつ行っても誰かが飲んだくれており、不運なことに誰もいなかったら、飲んだくれて待っていれば誰かが来てそのうち酒盛りになる」状態を再現したくなって変わったのだと思う。
その後本格的にコロナ時代に入り、彼が毎週末開く定例ZOOM飲み会がどれほど皆の助けになっていることか。

正直、学生時代の彼は怖いだけだった。
いつも酔っ払ってたし、麻雀が強すぎて私みたいな初心者は捨て牌が遅いだけで怒鳴られてた。
宴会でも真っ先に酔っ払い、なんか怒鳴り散らしていた。
だからあんまり話をした記憶はない。
それが今になって、寂しい時はいつでもたいがいPCの前にいて、ZOOMを申し込めば受けてくれるありがたい友人になろうとは。

今回は彼の「チキチキ24時間猛レース」でいろんなことを24時間やり続ける自己企画で「24時間ZOOMマラソン」を手助けしたわけだが、なるほど、正気でいるためにはこうやって自分に何かしら課さないと無理なのかも。
私の「25年以上続けてる日記」みたいなものだな。

合わせて数時間しゃべっていたら、さすがに特段話すことはないし向こうは酔っぱらってふらふらしてきた。
そこで言われた、
「あなた、おっぱいでかいな」。
ずっとバストショットで画面に映っててパジャマの上半身が見えてたのはわかるが、いつも見てる姿じゃないか。
「別にデカくない。太ってるだけだよ。腹肉と同じ成分」と答えておいたが、さすがのGくんもサシで長く話過ぎて照れてるかな?
♪もしかしてなんだけど~、もしかしてなんだけど~、アタシと差し向い過ぎて照れてるんじゃないの~(by どぶろっく)てな気分になる。

長いこと話してるとそれだけで相手のことがかなり気になってその場限りとは言え特別な感情が互いの間に流れる気がするんだが、そしてGくんにもそう言ったんだが、彼にとっては全くそういう問題は起こらないらしい。
「分かり合えた錯覚を持ったりしない?」と聞くと、
「わしには基本的に全員キチガイだ。あんたも、誰でもだ。分かり合うなんてことがあるわけがない」とばっさり切り捨てられた。
この軸のぶれなさこそがGくんの真骨頂であろう。

呼ばれて遅れてやってきた長老が「明日は内視鏡検査だから早起きしなきゃならんのだ」と言うのをひと通り聞いたところでせいうちくんが接待で遅いお帰り。
「お風呂入るから、落ちますね。長老、あと30分でGくんの24時間ZOOMマラソンが終わるので、どうぞつき合ってあげてください」とお願いし、すでに舟をこぎ出してほとんど意識のないGくんをまかせて退場した。
やや倒れ込みゴールではあるものの、Gくん、計画達成、おめでとう!
あと、還暦の線のこっち側にようこそ!


今日のマンガはジョージ秋山の「ピンクのカーテン」全15巻。
これは、エロいと言うよりは「いやらしい」。
「若い女はぴちぴちしていていいねぇ。あー、やりてえやりてえ」と思ってる中年男性の話だからだ。
ジョージ秋山らしいブラックさで、女性の身体を想念の中で輪切りにしてみたり様々にしたい放題に妄想する。
輪切りと言っても全然血なまぐさくはないんだ。
ただ、女性の身体をものとしか思っていない描写として多用している。
「生」と「性」が極めて近いところにある生々しいものだと心底から感じさせる、楽しくはないが引き込まれる作品。

22年11月15日

Netfrixオリジナルのドラマ、「ザ・クラウン」が途中で止まっていたところを、シーズン4から再び観始めた。
ダイアナ妃が登場する頃だ。

しかし意外と話はダイアナとチャールズ皇太子の結婚のエピソードばかりでもなく、その時期のエリザベス女王とサッチャー首相の考えの違い、対立をよく描いている。
政治家の回顧録とか好きなせいうちくんはサッチャーのも持っているらしくて興味津々で観始めた。
「サッチャーは女王とはたいそう友好的だったと聞いている。対立したことなんてないはず」と言っていたが、女王のサッチャー批判が大手新聞に載るに至って、
「てことはこれはある程度史実なんだろうか。僕は、王室側の『そんなことはないです』ってプロパガンダにずっと騙されていたんだろうか」と悩み始めた。

まあまあ、あれは「実話にインスパイアされたフィクションである」ってシーズン5の予告編にはテロップが出るらしいよ。
そういう見方もある、でいいじゃん。
王室本をかつていろいろ読んでみた私としては王室の内情をここまで描いたドラマは楽しくて仕方ない。
エリザベス女王の崩御でまた新しい「エリザベス史」が出版されていくと思うと、これからの人生にも楽しみができようというものだ。

ヨーロッパ史を勉強しようと、池田理代子の「ベルばら」のフランス革命を始めとして「女帝エカテリーナ」でロシアの歴史を、「オルフェウスの窓」でロシア革命を、「エロイカ」でナポレオンのヨーロッパ統一の野望を、「天の涯まで」でポーランド史を、名香智子の「皇妃エリザベート」でオーストリア史を、萩尾望都の「王妃マルゴ」でフランスを中心としたヨーロッパ諸国の力関係と宗教戦争を読んだ。
イギリス王室史には特に力を入れようと、書籍をスキャンしてある「エリザベス」上下、「チャールズ皇太子の人生修行」上下、「ザ・ロイヤルズ」分厚いのを1冊、読み返すつもり。
せいうちくんの頭の中にはそのへん大まかにきちんと入っているようで、何を聞いても歴史と地理を交えて教えてくれる。
知性と教養にあふれたいい配偶者を持ったものだ。


今日のマンガは松田環の「こちらから入れましょうか?…アレを」全3巻。
新婚早々レスになってしまった夫をはげますため、友人の入れ知恵で「ペニスバンド」を購入し、自分がつけて夫を攻める妻。
マンネリ打開策にはなったものの、困ったことに夫にはクセになってしまった。
そのあおりで男性友人とホモセクシャルな関係を持ってしまったり、妻に犯されたい自分に自己嫌悪でまたEDになりそうだったり、いろんな苦労があるもんだ。
さすがに生本で買うのはためらわれ、Kindleでしか持ってない。
世の中の本当のエロ本って、こういう風に電子の山の中に隠されているものなのかしらん。

22年11月16日

午前中に排水管のお掃除の人が来たじゃないか!
確かにカレンダーにはそう記入してあったけど、せいうちくん、なんとかしてから出かけてくれるって言ってたのに忘れた模様。
流しの下の大きな引き出しを引っこ抜いて対応。
すぐに終わってよかった。
でも1人では戻せない…

心療内科の通院日。
まず、「ダンナは忙しいの終わったかな?」と聞かれた。
「このひと月ぐらい、やっと土日が普通に休めるようになりました」と答えたら、
「マンションへの引っ越しも落ち着いただろうし、いい生活ができそうだね」と優しく言ってもらえた。
面談前にカルテを読み返しているんだろうけど、いろいろ覚えていてくれるように見えて、嬉しくなるね。
これが「ラポールの形成」かしらん。

「先生は『老いて死ぬこと』にはどう立ち向かってらっしゃいますか?」と尋ねたら、
「じいさんばあさんとか、父親とか、だんだん死んでいってるからなんとなく自分もそうなるのかなぁ、と思ってる」とのお返事。
「巨大な滝つぼかなんかに、地平の向こうの方からだんだん飲まれて落ちていく感じですか?」
「そうそう。生まれてくる時って、すごく苦しいからあんなに泣くんだと思うんだよね。死ぬ時も苦しいんじゃないかなぁ。人は、生まれる時と死ぬ時に苦しむようにできていて、人生はその間のほんのちょっとの期間」なんだそうだ。
臨終に訪れるというドーパミンの効果に期待したい。

「先生は、夢を重要なこととお考えですか」と聞いたら、
「うん、僕は意味があると思っています」という答えだったので、最近みた夢の話をした。
母とのことを乗り越えつつあるように思う、という感想を首肯してくれた。

「イヤな思い出のある場所や、嫌いな人の夢を、最初はみないんだよね。ずっと頭のどこかに追いやっていて、夢に出てくるようになってやっと、『ああ、意識の表面に上がってきたなぁ』って思うんです」って。
あと、子供の頃の夢をよくみるようになったそうだ。
「夢が、昔ほど現在に近くない。だんだんこうやって人生の整理をつけて行くんだと思いますよ」とのこと。
少し年上の人の言うことをよく参考にさせてもらおう。

「好褥(こうじょく)気味です。ずっとベッドにもぐりこんで、1日何もしません」と白状したら、
「何もしないでいいんです」と断言された。
「ベッドの中で泣いててもいいですか?」
「もちろんいいです」
安心して好褥状態を続けよう。

化粧品を買いに、半年ぐらい行かなかったクリニックビル付属の薬局に寄った。
顔なじみのおねーさん2人が覚えててくれた。
「今はアプリで近所の薬局に送って、そこで受け取っているのでご無沙汰してました」
「そうだったんですか!お見かけしなくなったなぁと思っていたんです」

化粧品を半額で売ってくれた。
ドラッグストアで買うオールインワンのクリーム以外にここのアイクリームと美容液を使っていて、やっと前に買った分がなくなったのだ。
2個で1個分の値段、つまり半額のセールをいつもやっているようなものだが、アイクリームに至っては2年ぐらいかかってやっと使い切ったので、2個買うのはキツイ。
「うーん、じゃあ、私たちも買って使ってますから、余分はこちらで買うことにして、1個ずつ半額でお渡ししましょう!」ってやりくりしてくれるみたい。
なんかの仕掛けがあって常時半額で売っていて定価で買う人なんかいないんだろうとは思うが、ご配慮いただけてありがたい。

小さなプラカップで美容茶もサービスしてくれたし、あったかいのしかないというからあきらめた「梅しそ昆布茶」のスティックを2本、袋に入れてくれた。
若い可愛いおねーさんたちに親切にされると嬉しい。
この女好きはいったい何なんだろう。

ブックオフでも可愛いおねーさんに古マンガを一生懸命探してもらい、待ってる間に目の前にあった中村明日美子を買う。
目当てのものは結局見つからなかったが、おねーさんにお世話になってなんか申し訳なくも嬉しかった。

自分ちの駅前でスーパーに寄り冷凍パスタを2食買い、アプリで処方箋送った薬ができてるとの連絡を受けて薬局に行ってもらってきて、本日のミッションすべて完了。
すがすがしい。
さあ、ベッドにもぐりこもう!

晩ごはんのことは考えるのも面倒くさい、しかし朝からアイスバーしか食べてないから猛烈におなかがすいてる、って状態の時にせいうちくんから「帰るよ」とLINEが入った。
「今日の晩ごはん、どうする?」に「ナスが残ってるから、麻婆ナスかな」と返され、いったんは「わかった」と言ったものの本当の本当は面倒くさくてピザが食べたい。(いや、作ってくれるのせいうちくんなんだけど、待てないほどおなかがすいてて)
「ホントはピザがいい!」とLINEしたら「そうしよう!」と頼もしい即答。
帰宅を待って注文し、こないだのように2人で取りに行くんだと思っていたら、なんと帰りに買ってきてくれた!
大好きなダンナさまと大好きなピザが一緒にお帰りだ!
持ち帰りなら半額なんだよ!

中村明日美子も原作に加わってるドラマ「先生のおとりよせ」を観ながらピザ食べて、大満足。
たまには放埓な生活もいいね。
明日も寝まくる気力が腹の底からわいてきた。
2人で流し下の引き出しも直して、万々歳。


今日のマンガはゴトウユキコの「夫のちんぽが入らない」全5巻。
ほとんどタイトルの勢いだけで今週の紹介マンガにさせてもらったが、内容はさほどエロくない。
結婚して夫と初夜を迎えたさち子は、どうしても「夫のちんぽ」が入らなかった。
過去に行きずりの男性としたことはあり、その時はできたのになぜか「夫のちんぽが入らない」。
教員を務めながら日々努力するのだが、どうしてもうまくいかないのだ。
夫とセックスできない罪悪感と仕事上のストレスから、さち子は出会い系を利用するようになる。
その時はやはりできるのに、夫とだと入らない。
やがて彼女はこの体験を一編の小説にし、「こだま」という名で「夫のちんぽが入らない」という本を出すことになる。
この「こだま」が書いた原作を読んで、どうしてもわけがわからなかった。
何かの暗喩?夫婦の相性や愛情についての訴え?単なる思い込み?
何度読んでもわからないので、マンガ化されたのを幸いにまた読んでみた。
でも、知りたいことは描いてなかった。
この夫婦はどうしてできないのか。
作品が、人の心に謎を投げかけるものなら、こだまもゴトウユキコも大成功している。

22年11月17日

京都で大学の教授をやっているまんがくらぶの友人Wくん、4年前に京都旅行に行った時何十年ぶりかに会ってとても楽しい時を過ごした。
ごちそうにもなってしまったので、「今度、東京に仕事で来ることがあったらぜひ食事をしよう」とお誘いしていた。
その後コロナがひどくなってまったく会う機会がなかったんだけど、今回、こちらに来るらしい。
このチャンスに会わずにどうする、とうちの駅前で食事をし、新居にも遊びに来てもらうことにした。

彼は学生時代からまんがくらぶとはあまりディープにつき合っておらず、自分でも「あんまりサークルにはいなかったからなぁ」と言っていたぐらいなんだが、せいうちくんの義弟にあたるMくんとは学部が同じだったこともあって親しくしていたみたい。
今回、「Mくんも誘ってみようか」と聞いたところ、二つ返事で「会いたいねー」と言ってきた。
さっそくMくんにメールでお誘いしていたせいうちくん。

しかし、返事がなかなか来ない。
Mくんはもともとこういうお誘いには返事が遅い人だ。
家族との調整が難しいとかいろんなことを言って待たせる。
いや、待たせるだけならいいのよ。
「前向きに検討するが、難しい」とか「ぜひ行きたいからちょっと待っててくれ」とか「無理っぽいが、Wくんには会いたいなぁ」とか、いろんな即答の仕方があるじゃないか。
自意識が強すぎてパーティーなんかに少し遅れてやってきて「入り口で立ち止まり、自分の臨席が価値あるものだと見せつける」タイプなのかな。

今回もメールを送って3日、まったく返事がない。
他のSNSと違ってメールは受け取っているかどうかからわからないので、まず「メール読みました」からお知らせしていただきたい。
あまり仕事を一緒にしたいタイプではないぞ。

せいうちくんの実家方面のもめごとに巻き込まれていることもあり、彼としてはあまりせいうちくんと会いたくないのかもしれない。
しかしそこんとこぐらいは大人になって、反応だけでもすぐにしてほしいよ。


今日のマンガは石ノ森章太郎の「馬がゆく!」文庫版全4巻。
風祭九郎、通称「馬九郎(ばくろう)」は、都会の裏町をうろつく風来坊にしか見えないのだが、実は大金を持っている。
行きずりの女たちと関係を持ち、危ない男たちに追われ、謎の多い馬九郎。
もちろんイチモツがでかい。
ATGの映画のような、汗臭い、生々しい、人生への苛立ちや虚無感が顕著なのはそういう時代に描かれた作品だからなのか。
根深く性的である、という意味ではやはり同時代のジョージ秋山に似ているかもしれない。
「石ノ森は案外いやらしいんだよ」とせいうちくんは言う。
手塚治虫も実はエロかったし、結局マンガ家はみんな生を様々な形で描く都合上、性にも敏感なのかもしれない。

22年11月18日

整形外科の通院日。
月に1度は行かないと、シップと鎮痛ジェルが足りなくなってしまう。
腱鞘炎もかなり悪化しており両手薬指まで広がってきたからそろそろ注射をしてもらって完治させたいとも思ったが、今日は老院長先生の診察の日だったのを失念していた。
診断は的確そうだけどいつも診てもらっている先生とは違うし、指の付け根への細かい注射がまだ得意でいるかどうか危ぶまれたので、今回はおとなしくシップもらって帰ろう。

ついでに自転車で駅前まで出て、アカギのアイスチョコバーとガツンとみかんバーをたくさん買ってきた。
せいうちくんも私も最近昼間の食事はほぼこれですませている。
まともに食べるのは夜だけ。
栄養的にどうかと思うのでカマンベールチーズもいっぱい買った。
偏った食事だ。「1日1杯これで大丈夫」と謳う野菜ジュースでなんとかできていると思いたい。

急に息子が泊まりに来ることになった。
週末までカノジョが実家に帰ってると昨日聞いた時から危ぶんでいたんだ。
寂しいのか、我々に会いたいのか、単純に大宮まで帰るのが面倒くさいのかわからないが、なんやかんや言って月に1、2度ぐらいは泊まりに来る息子。
今週こそせいうちくんと本当にのんびりゆっくり過ごそうと思っていたのに、やはり会いたい。
「急なんだけど、泊まりに行っていい?」とメッセージが来てせいうちくんは天を仰いで、
「ダメ、って言うの、無理」と絞り出すように言った。
彼もまた、2人きりで過ごしたいものの息子の顔は見たいのだろう。
親ってのは因果なものだ。



今日のマンガはよしながふみ「1限目はやる気の民法」全2巻。
タイトルから想像がつくように大学の法学部生の話だ。
まだBL時代の彼女なので、話は当然そっちの方。
エロさはイマドキのBLに比べて大したことないが、なんだか純愛なところに胸キュンになる。
チャラい大学のチャラさを煮詰めたような男子学生に、ひたすら真面目な男子学生が押し切られてるのがカワイイ。
よしながふみはこういうピュアなところが芯にあって、好きだなぁ。
これと同じぐらい好きな「執事の分際」という作品はやはり美しい、執事の愛と肉欲のお話で、「さあ、覚悟なさい、ぼっちゃま。私は作り物の喘ぎ声でお相手をしてきた可愛らしい小姓たちとは違いますよ。腰が抜けるまで愛して差し上げる」とメガネ執事が言う。
友達から「ただのポルノ」と言われた時は悲しかったなぁ…
おっと、1回で2作紹介しちゃった。もったいなかったかも。

今週ご紹介した作品は全部、人によっては「ただのポルノ」かもしれないが、生き物の根源は性なんだ、いいじゃないか!

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