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年中休業うつらうつら日記(2024年10月11日~10月18日)

24年10月11日

腸の内視鏡検査を受けるため午前中から2時間かけて2Lの下剤をのんでいたせいうちくん、検査する病院が早稲田だそうで、「帰りに絶対目の前にある『丸亀製麺』で天ぷらうどんを食べるんだ」と固い決意をしていたらしいが、結局、早く帰りたくなってうどんはスルーしてきたらしい。
今夜からのドライブに備えて17時頃にGくんがキャラバン運転してやってきた頃には、もう「おなかがすいておなかがすいて具合が悪い」、まるでアンパンマンのキャラクターかばおくんのような状態だったそうだ。

荷物を積み込んで、空腹のまませいうちくんがハンドルを握り、Gくんと私が15時頃に食事をした、と言ったので1時間ぐらい走ってから丸亀製麺に飛び込んだ。
Gくんは「はなまるうどん」派で、私はそもそも外でうどんを食べようと思ったことがないのでどっちでも初体験。(OLの頃に品川駅のホームで食べた立ち食いうどんは美味しかったが)

始めて入る店にはいつもビビる。
作法というか、システムがわからないからだ。
せいうちくんのあとをついて行くと、カフェテリアのように横移動しながらうどん玉(温うどんの時は湯がいて温め、冷やうどんは食べなかったのでわからないが、なんだろう、流水で洗うのかなぁ)、天ぷらをのせたい人は途中の天ぷらコーナーで好きなものを選んでのせる。
せいうちくんはさつまいも天とイカ天が好きなようだ。

私は麺をもらう段階で、濃いめの汁をかけるという「ぶっかけ」に惹かれて、「ぶっかけの温かいの」をオーダー。
湯がいた麺を放り込んだ丼にお玉いっぱいの濃いかけつゆを「ぶっかけて」くれる。
天ぷらはといえば、野菜かき揚げに決めていたのに在庫切れで棚に並んでない。
「かき揚げ、もうないですか?」と聞いたらカウンターの奥のおねーさんが「今、揚げます」と請け合ってくれ、しばらくしたら野菜かき揚げが出てきた。
すでにかき揚げ込みの料金は支払い済みの段階での話だった。

そのかき揚げが、なんというか、直径10センチに高さ8センチはありそうな代物で、一目見るなり「竜の巣だ!」と叫びたくなったり、かき揚げというよりモンブランだ、と思えてきたり、いろいろと巨大に盛り上がったものがすべて脳裏を走って行った。

席についてせいうちくんの「普通の天ぷらうどん」の汁を少し味見させてもらったが、うーん、関西風に薄い。
醤油でまっ黒なうどん汁を好む私は、「きしめんの汁はどうなるんだ」とGくんに問われながらも自分の選択は間違っていなかったと思う。
いかんせん、巨大な野菜かき揚げ天に対して汁が少なすぎて、天ぷらを沈めて汁をしみこませるという芸当がどうしてもできない。
「ぶっかけうどん」に「野菜かき揚げ」という組み合わせは不可能への挑戦だったわけだ。

かき揚げ天をちぎっては底の方に少し溜まっている汁に無理やり浸して食べるのを繰り返して、やっと完食した。
ひと口も汁を飲んだりしてないのに、少量のつゆは全部うどんとかき揚げが吸ってしまい、丼の底にはひと口の汁も残らなかった。
野菜かき揚げ=吸水ポリマーのようだった。

Gくんはどうしても「花まるうどん」の方が安いと思うらしく、車に戻って走り始めてもまだしばらく続くうどん談議。
最近は「第三のうどん屋チェーン」も出てきたと聞いており、うどん業界は嵐の様相を呈しているらしい。
結局、家で冷凍うどんを茹で、麺つゆを希釈したつゆで食べるのが一番惜しいと思った。
もちろん「ねぎ、天かす取り放題」システムはたいそういいと思う。

その晩は3人で車中泊だが、Gくんがレイアウトを変えまくって3人で寝られる状態ではなかったけど、彼が後部座席を倒した寝にくいところで寝てくれたので、我々2人はベッドキットの上で安らかに眠れた。
もっともGくんがほぼ固定してしまったテレビ台のようなラックで横幅が狭くなっており、ベッド板も1枚減らしてあったので足はうんとリクライニングした後部座席にはみ出す。
その横にGくんの頭があるわけで、夜中に蹴とばしてしまわないか心配だったよ。

24年10月12日

今夜は伊豆半島の付け根のあたりで別荘暮らしのKくんとMちゃん夫妻を訪ねてゲストルームに泊めてもらい、大浴場を楽しむ予定だったので、比較的のんびりしたコース。
向こうさんに着くのは15時の約束なので。
こういう時はカラオケだ、と途中の「まねきねこ」に寄って3時間ばかり歌いまくる。
せいうちくんはまだ前回の北海道旅行が抜けないらしく、「襟裳岬」や「北坂場」みたいなのばっかり歌ってた。

私の最新曲は乃木坂48の「インフルエンサー」で止まっており、しかもカラオケで歌えるほどははっきり覚えてないという体たらくなので、Adoの「うっせえわ」をシャウトできるGくんを素直に尊敬する。
せいうちくんの一番新しい曲が米津玄師の「REMON」であると言えば我々夫婦の立ち位置がおおむね想像つくだろう。
アニソンも2000年で終わってるからなぁ、我々的には。

カラオケ屋を出てからはあちこち通ったんだろうが、後部座席で首の骨が折れるほど居眠りをしていた私にはまったくわからない。
気がついたらKくんたちの別荘近くに来ていた。
お土産用と自宅用に塩辛の瓶詰とサバのみりん干しを買い込み、さらに足を延ばしたスーパーでは前回「すごく長くもつ!」とMちゃんに大好評だった花を先代の愛犬にお供えするため買っていく。
私用の梅酒も買って、万全だ。

15時に向こうについて車庫の扉を開けてもらい、ゲストルームに荷物を運び、同じフロアの彼らの住居を訪ねる。
テレワークが続いているので東京の家に帰らなくても全然困らないそうだ。
熱海の海と半島部分の森を眼下に見下ろす見晴らしのいい角部屋で、風景が大変なご馳走だった。
「こんな景色を眺めて暮らしていたら、楽しいだろうね」とせいうちくんがつぶやくと、Kくんは「うん、楽しいよ。買ったら?」とまるで「大根も買っておいたら」みたいに気軽に勧めてくれた。

安い部屋は200万ぐらいあれば買えるそうだが、さすがにこのシービューの部屋はもっとずっと高いらしい。
ちなみにゲストルームのベランダに出たら目の前は草木の生い茂った湿った崖が迫っており、「なるほど、こういう部屋なら安いかも」と思ったよ。
Kくんが学生時代には想像のつかなかった堅実な生活をしているのが一番の驚きだ。
誰もが知る寝起きの悪さも、起きるまでの30分、布団の中でもぞもぞとストレッチをしたりする時間にあてているそうで、もう完璧じゃん。

楽しみにしていたMちゃんとの大浴場女子会をしに行き、露天、サウナ、水風呂、さまざまに巡りながらガールズトークを楽しんだ。
2人とも大好きな人と結婚しているので夫の愚痴にはならず、不倫願望の発露もなく、「親の世代はちょっとヘンだよね」と言うぐらいが最大に不穏な話、という程度の女子会であった。でも楽しかった。
私には女子会トークできるような友達が少ないんだ。


お風呂を終えてMちゃんたちの部屋に行くと、大きな皿盛りの刺身いろいろが出てきた。
そこにKくんが次々揚げてくれる地元の漁港でとれる新鮮な魚のフライが出てきて、フライは写真を撮ろうにも置き皿にのった次の瞬間誰かの箸が伸びて消えてしまうので、取れなかった。(よく考えれば、自分の取り皿に取ってからゆっくり写真撮ればよかったのだ。私もいきなりソースかけて食べてたのが間違っていた)

なつかしい話もいろいろ出たが、趣味と実益でアプリ作ったりしてプログラマとしての腕を今も振るっているKくんに言わせると、
「新しいことをやってない人と話すのは時間がもったいない。あと、同じことばっかり繰り返す人もイヤかな」だそうなので、金曜ZOOM会はそういう人たちの巣窟なので近寄らない方がいいかも、と忠告したら深々とうなずいていた。
私たちもすでにKくんからは見放されてるかもな。
クリーピー・ナッツという全然聞いたことないグループの「のびしろしかない」って曲が2人ともとってもお気に入りなんだそうだ。
還暦になってものびしろしかないと感じられる、スゴイ夫婦であった。
穏やかな茶飲み友達になってくれるのは30年ぐらい先かもしれない。
とても生きていられる気がしないぞ。

新しく来たワンコはまだ2歳で、人間でいえば16歳ぐらいだそうなので、可能なら「盗んだバイクで走り出す」タイプなのかもしれない。
お客さんを非常に警戒し、飼い主以外の誰かが冷蔵庫にビール取りに行こうと立ち上がるたび、ものすごい勢いでギャン泣きし、飼い主たちが口を開かせないようにしたり目を覆ったり毛布でくるんだり、大騒ぎになってしまうので、立ち上がってもワンコを驚かせにくいKくんに何でも頼んで取ってきてもらうシステムになった。
しかし、生理現象だけはどうしても代わってもらうわけにもいかず、トイレに立つ人が出るたびにまたギャン泣きしていて、ワンコに非常に申し訳なかった。

前に来た時Mちゃんから電子タバコを勧められ(夫婦2人とも電子タバコ派)、
「なんなら本体をうさちゃんにあげるから、持ってっていいよ」とまで言われていたのに、何となく電子タバコに納得いかずにありがたくお断りした。
しかし今回は、かなり興味が出てきており、まだ残っていたらあわよくば本体をいただいてしまおうと、Mちゃんに問い合わせたら「まだあるよ!うさちゃん用に充電しとくね。タバコの方?うちはカートンで買ってるから持ってこなくていいよ。あげるあげる」って状態で、結局本体と半分以上残っているタバコ部分をひと箱もらってしまった。
明日、コンビニでこれ見せて同じものを買おうっと。

Mちゃんとマンガの話をたくさんできて嬉しかったよ。
彼女は「もう、この先は何度でも読みたい作品だけ持って読み返していく」主義らしい。
その気持ちはわかる。
私は新作も買いまくっているが、やはり心に残るマンガは市東亮子の「やじきた学園道中記」や「花のあすか組」などのとにかくシリーズが続いて長いやつで、それを丸呑みして喉ごしで楽しむようなやり方で、何度も何度も読み返している。
「同じ本を何度も読むって意味がわからん」とGくんはいつも言うけど、いつでも感動できるんだよ。便利だよ。

と言いつつ、旅行前に手に入れてスキャンしてきた「はまぐり」の「TRUMP」全5巻と「シェパードハウス・ホテル」全3巻がとてもよかった。
後者は萩尾望都の「あぶな坂HOTEL」を連想させるよ。
萩尾望都大好きなMちゃんとはこの先一生萩尾望都の話題には困らないな。

23時頃、かなり酔った状態でゲストルームに戻り、Gくんはたちまち寝てしまった。
我々は少し話をしてから寝たが、やはり畳の上はいい。
寝袋とは言え、車内よりずっと快適だった。
何しろ室内だから、全然寒くないのがありがたいね。
寒い車内でせいうちくんとぎゅっとくっついて寝るのも大好きだけど。
なぜか車の中ってとっても安眠できるんだ。
ドクターが「不眠症の人に周りを囲った狭いところで寝るように指示してみたら、驚くほどよくなった」ケースについて話していたから、車内にも同様の効果があるのかもしれない。

24年10月13日

朝、Gくんが我々を起こしてもひたすら寝ぼけて寝袋から出てこないので、あきらめて朝風呂に入ってきたらしい。
気持ち良かったろうな。入ればよかった。

9時にMちゃんにゲストルームのカギを返しに行ったら、廊下を歩いてる時点でもうワンコがバウバウ言ってた。優秀な番犬だ。
ちょっと寝ぼけまなこのMちゃんたちにお別れを言い、また遊ぼうねと約束して、さて出発。
私の毎朝のルーティン、ファミマでハムサンドとツナ卵サンドとカフェラテホットのLサイズに「シナモンパウダーシュガー」をどっさり入れてマドラーでかき回し、車中で朝食。
ラテはどのコンビニでも買えるが、4種のフレーバーシュガーを置いてるのはファミマだけなので、朝はファミマと決めている。

またあちこち寄りながら長老の別荘に向かうが、「早くおいでー」と連絡を受けて私はもう逸る気持ちを抑えられない。
例によって寄り道しないと生きてられないGくんがのちに、
「暗くなる頃着く予定で動いてたのに、あんたはもう『私は早く行きたい!』って止まらなかった。助手席から感じる『早く着きたい圧』もすごかった」と語っていた。

それでも彼が地元の業務スーパーで見かけたことのある「北京ダックの丸焼き」パック詰め冷凍を探して業スーを5軒ぐらい回ったよ。
候補を1軒残して、ついに巡り会えた北京ダック、すぐ横には「くるんで食べる皮」も並んでいたそうで、抜け目なくそちらも買い整えたGくんであった。
 
でなわけで山荘に着いたのがまだ明るい16時ぐらいかなぁ。
早速さら湯のお風呂に入らせてもらい、大きな窓の外の山の景色を眺めながらゆったり湯船に浸かる。
昨日は海、今日は山の贅沢だ。


我々はGくんを長老に託して明日の午後にSくんを乗せたUくんが来たらタンドリーチキンを焼いて帰るつもり。
長老の別荘隣人である40歳ぐらいの女性が訪ねてきて皆におみやげ(雑貨商をやっていたので粉物入れの素敵な缶がたくさん余っているそうな)をくれ、アマゾン川流域で、ビタミンCをもっとも豊富に含むベリーの一種「カムカム」のプランテーションで収穫していた話とか、なんだか世界中飛び回って、もう地球1周なんてとっくに済ませて3周目に入ってるんじゃないか、って話をたくさん聞いて面白かった。
とっても「不思議ちゃん」な雰囲気だが時々難しい日本語を使う修正はオタクのそれと見たのは当たってるだろか。
あと、「For example,」と言った時の英語の発音がものすごく良かった。
さすがさまよえる地球人だ。
 
彼女が帰ったあと、気が緩んだか飲み過ぎたか、Gくんと大ゲンカを始めてしまった。
要するに彼がバッテリー直結で壊してしまった(らしい)シガーソケットを直せ、とこちらが言えば、ポータブル電源を大小2台も積んでて何が心配なんだ、シガーソケットがあれば最悪の時にスマホの充電ができる?そんなの、マックに飛び込むとか電池式の充電器を買って電池を次々消耗させていけばなんとかなるんだ、とGくんも激しく主張。
しまいにロフトで寝ていたせいうちくんまで起き出して、
「あのさぁ、Gくんの言うこともわかるんだけど、我々にわかるシステムの保険が欲しいんだよ」
「積んでるバッテリーが壊れた時用にか?そんなこと、1%、いいや、0.1%も起こらんぞ。起こらないことに備えるのは何でかわからん」
「シガーソケットみたいな車の電源システムは一応メーカーが作って売ってるものだけど、Gくんが線引っ張って工事したとこはそれよりは危ないじゃん。実際、扉のそばをコード走ってて、はさんだら切れるよ」
「じゃあ、そこを補強すればいいのか」
 
延々口論してるので、本人曰く「両親の夫婦喧嘩、特に母親の怒鳴り散らずのが激しくて、小学生にしてすでに父親に『あの母親と離婚してくれ。母親を取り替えてくれ』と訴えていた」ほどの争い嫌いの長老から、
「こんなことでケンカなんて、悲しいじゃないかぁ。みんな、仲良くしようよ」と泣きが入るぐらいだった。
多分、面白いケンカだったらいくら続けても気にしない人なんだが、両者マジになってて楽しくなかったんだろう。
 
「意見が合わないね」と溜息をつくせいうちくんの言葉をきっかけに、私にお鉢が回ってきた。
「わしが意見が合わないのはせいうちさんじゃない。あんただ!」
おいおい、他人を指さすなって学校とかおうちで習わなかったのかい?
藤子・A・不二雄の「笑ゥせえるすまん」が「ドーン」という擬音とともに指さすのとおんなじぐらい怖かったぞ。


 「わしが夕方に着くつもりだって言ってるのに、あんたは一刻も早く着きたがる。なんでそんなに急ぐんだ。おがけでわしは見たいものをずいぶんスキップさせられたぞ」
「北京ダック買いに業スーに寄るのは同意したよ」
「それ以外にもいっぱい行きたいところはあったんだ。目的地に向かう以外のことを考えないあんたのせいで、どれほどガマンしたか。なんで『ゆっくり』行こうとせんのだ?!」
 
それは彼の趣味で、私はドライブしてどこかへ着けばそれでいいんだ、って考えはどうしても交わらない。
せいうちくんは卑怯千万にも「僕も、Gくんの『寄れるところは全部寄る』とか『ゆっくり行きたい』は理解できないよ。うさちゃんと同意見だよ」とは言わず、「まあまあまあ」ととりなしに入るのみだった。
「自分が巻き込まれずにすませられればそれが一番望ましい」と「つい」思ってしまうそうだ。
あとからたっぷり、
「あなたは猪が襲ってきても私を食べてる間にとっとと逃げるってことだね?!」と追及したところ、「母親の罵声を聞かないで済むなら、頭を下げてやり過ごしたり同調して機嫌を取ったりしてきた人生だった」としみじみ振り返っていた。
 
そんな波乱含みの夜は長老の気遣いとアルコールに場を制され、0時頃には収束、Gくんはリビング部分のマットの上って定位置、我々は長老の部屋へ向かう階段の踊り場からハシゴで登るロフトで冷凍マグロのようにゴロゴロと眠りについた。
 
24年10月14日
 
昼過ぎにSくんUくんが到着したので、Gくんはさっそく「北京ダック」に挑戦を始めた。
どうやら180度のオーブンで1時間焼くらしい。
この山荘のオーブンレンジを今のところ一番知り尽くしている私が余熱からやってあげて、甘味噌を作ったり白髪ねぎを用意したりはせいうちくんがやってたのかな?
他のつまみを食べながら飲んで待っているうちに焼き上がったそれをGくんが初めて盲腸を切る見習い医師みたいな雰囲気で切り開き、皮だけをどんどんお皿に取っていく。
白髪ねぎと誰をつけて薄餅(ハオピン)で包んだ北京ダックはすごく美味しかった!
Gくん、GJ!

その間に私は私で昨日も焼いたタンドリーチキンを2パック余らせておいたので、そちらを調理。
これは北京ダックほどは焼かない。
220度で25分ぐらい。
今回もうまく行ったけど、高血圧で塩分は毒だ、と言い張る長老向けに少し薄味にし過ぎたかも。
 
食事が終わって、本格的にワイン会が始まる前に我々はお暇する。
途中で埼玉県のはじっこでちょっとだけ茨城の影響を受けて北海道と茨城限定のはずの「セイコーマート」がある場所に寄って「ラズベリージャムパン(残念なことに2個しかなかった…)」買って、3時間かけて道の駅に到着し、18時から眠って2時に起き、下の道をすっ飛ばして帰って来たのが仕事の始まる9時ちょっと前。
 
車は今週しばらく使わせてもらおうと、家の近くのパーキングに置いてある。
マンションの駐車場借りて開けて待ってるほどは無駄に出費を増やしたくはないから。
嵩張る買い物に行ったり、週末に少し離れたイタリアンファミレスに息子と行こうかな。
 
24年10月15日
 
帰ってみたら、留守を守っていたはずの息子は、堂々と我々のクィーンベッドを占領して寝ていた。
廊下の向こうのリビングに見える掛け布団の山が息子の寝ているところだと思ってまず寝室に入った私に、「うわっ、うわわわっあ!!!」と飛び起きていた。
別にどこで寝てもいいが、両親の夫婦部屋で両親のベッドで、ってのはいささか趣味が悪い、と私は思う。
 
せいうちくんが仕事に入ってる間に怒涛の片づけ、せいうちくんも会議の合間には手伝ってくれ、息子が昼過ぎに起きる頃には旅の痕跡はほぼ消えていた。
息子が出かけて2人になってもせいうちくんの今日明日はリモート会議が多いらしい。
 
今回の旅の最大の収穫は「やはり2人旅は楽しい!」ってこと(Gくんがいる面白さも捨て難いが、たまには2人もいいねって)と、IPad Pro 13に入れたアプリから家の録画予約をしたり録画済みの番組を呼び出して観られたこと。
車中で観る大河ドラマ「光る君へ」の最新回はよかったぞ~。
でも、人ってあの時代、すごく簡単に死んじゃうんだね。
 
24年10月16日
 
今日も会議の連続。
私は溜まってる新巻コミックスをじゃんじゃんスキャン。
人に貸し出す分も溜まってるので、明日出社のせいうちくんに持ってってもらおう。


 
せっかくWOWOWに入ったので「ゴールデンカムイ」実写ドラマ以外にもいろいろ録りためようと思うが、デッキのメモリが心配だ。
せいうちくんは最近達観したようで、
「いつでも何かしら面白いものは放映されてる。そんなに苦労してためることはない」
そうかもしれないが、観られない時に限ってすごく何かを観たくなったりするからなぁ。
予防精神と貯めこみ性とコンプ癖でできている人間だと思うよ、つくづく。
 
5か所ぐらい虫に刺された跡が今日新しくできて、息子がどこかで拾ってきたのか山荘か車中か、特定はできない。
とりあえず自分たちのベッドのシーツとベッドパッドと掛布団カバーは洗う。
 
気がつくと息子と全然話す時間がない。
夜中に寝て、昼頃起きるといきなりシャワーを浴びてすぐに出かけてしまい、つかまえる隙がないのだ。
せめて週末に車で一緒にごはん食べに行けるか、スケジュールだけでも聞きたいのだが。
 
24年10月17日
 
今日はせいうちくん出社。
昨夜、息子が帰ってくる前に作った「カレー、がめ煮、鶏レバーの煮つけ」は一切手をつけられなかった。
そもそも昨日(今日か)何時に帰って来たのかさっぱりわからない。
せいうちくんは7時頃会社に行ったはずだし、私は12時に起きたし、息子は16時に起きた。
そしてすぐ出かけてしまって、「なんか食べていったら?」と言っても「時間ないから」。
 
日に日に居候の態度が悪くなってきたら追い出し時なのであろうか。
妻のMちゃんはマイコプラズマ肺炎にかかって現在山を下りて実家で静養中だが、来週半ばには終ってしまうバイトを最後までやるのか、もう病欠で辞めてしまうのか、息子に聞いても「わからん」と言うのみ。
身体がしんどいだろうから、無理せずに早めに撤退してくれた方が安心なんだが…
そして、2人はいつまた一緒に暮らせるようになるのだろうか。
 
と考え込んでいたら、今夜は息子が22時半ぐらいという穏当な時間に帰ってきた。
ここぞとばかりに最近の生活やマイコプラズマ肺炎にかかったMちゃんの様子を聞く。
今日も大宮に行って会ってきたらしい。
「会えると嬉しいよね。この先の方針は話し合いが進んだ?」と聞くと、前はMちゃんは長野に住みたくて息子は仕事の都合上どうしても下北沢に通えるところでないと困る、と希望がバッティングしていたところ、中野のシェアハウスを考えていると言う。
シェアハウスなら家財道具のない彼ら夫婦にはぴったりだし、中野は都会のようで意外と古い街っぽい雰囲気もあるので、Mちゃんも気に入るかも。
小民家風のシェアハウスのようで、どこまでも彼らの貫く主義は変わらないなぁ。
いずれにせよ、いつまでいるのかと思っていた居候息子が夫婦2人で落ち着くのはありがたい。
 
あと、我々の援助を受けずに自分たちの身の丈でやっていきたいと言っていたMちゃんも、やっとカナダ行きで発生した借金を尾瀬で働いた分で返せたギリギリの状態なので、期限付きで入居初期費用などを我々から借りよう、と話の頭出しをしておいてくれと息子に頼んだらしい。
ほっとした。
Mちゃんの気持ちを傷つけずに援助ができるなら、お安い御用だ。
我々が死んだ後になにがしかが残るとしても、その時の彼らより今の彼らの方が切実に必要としているだろうから、出せるものは早めに出したい。
中野だったら下北沢にも行けるし、うちに遊びに来るのも簡単だろう、ととてもほっとしているよ。
今度、内覧に行くそうなので、Mちゃんの体調が戻っていたらついでに遊びに来て、と息子を通して頼んでおこう。
 
24年10月18日
 
この頃、思い立って10巻以内ぐらいの安めの古本セットを山カンやジャケ買いで購入してるのだが、当たりが多い。
はまぐりの「TRUMP」全5巻「シェパードハウス・ホテル」全3巻をはじめとして、藤沢もやしの「御手洗家、炎上する」全10巻、城平京×片瀬茶柴「虚構推理」第22巻まで(未完)」、斎藤岬「警視庁抜刀課」全8巻などなど。

すごくドキドキする。
ずっとマンガ読んでいたい。
もう「マンガ廃人」でいい(笑)
板垣巴留の「SANDA」が16巻で完結したがイマイチだったので、今は「BEASTARS」全22巻を読み返している。
これはものすごい傑作だと思う。
板垣巴留は真性のケモナーかもしれない。

午後は先日マンモグラフィーと超音波で検査をした「乳がん検診」の結果を聞きに行く。
2年前と今回、同じ場所に腫瘤影があるそうだ。
経年変化がないので今のところ要観察で、年に1度は必ず検診を受けに来るように言われた。
大きくなるようなら針を刺して内容物を採取・検査して初めて良性か悪性かがわかるんだそうで。
「ワーファリンのんでるんですが、大丈夫ですか?」と聞くと、
「うーん、ワーファリンだけならなんとか」
「バイアスピリンものんでます」
「それはここでは対処できないですね。何でワーファリンのんでるんですか?」
「心臓の機械弁置換手術を受けたので」
「なるほど。そうすると、針を刺す検査は大きな病院でやってもらうことになります。万が一のことがあるといけませんから」
「採血とかは平気でやってますが、針が太いんですか?」
「太いです。その時は紹介状を書きますから、とにかく必ず年に1度検査に来てください」

というわけで来年の予約をもう入れてしまった。
2年間変化がなかったのなら大丈夫じゃないかと思うが、ここはひとつ、真面目に検査受けよう。
待合室でカフェラテ飲めるクリニックなので気に入っているんだ。
前はチャップリンの映画を流していたが、なぜか環境映像に変わってしまっていた。残念だ。

そのあとせいうちくんに頼まれた買い物をしに駅前に寄ったら、それだけで汗をだらだらかいてふらふらになってしまった。
入浴剤のバブと台所洗剤のキュキュットがクーポンで安くなったのだけが心の慰め。
思ったより疲れているようなので、寝よう。

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