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年中休業うつらうつら日記(2024年11月2日~11月8日)

24年11月2日

全員やることがないのでそれぞれにとてものんびり過ごした。
昼は近所の焼き肉屋でランチを食べ、全員ごはんは大盛りにしてせいうちくんと私の余った分は息子の飯茶碗に引き取ってもらい、皆、満腹。
晩ごはんは特に作る必要がないぐらいだった。
せいうちくんは昨日のキムチ鍋で残ったスープの残りを飲み、さらに残った分で息子が私にもキムチ雑炊を作ってくれたので美味しくいただいた。

今日は静岡あたりで豪雨があって東京―大阪間で新幹線がたくさん止まるなど大変だったようだが、こちらでは小雨で、明日は晴天の予報。
いい機会なのでベッドまわりの寝具を全部洗濯し、ついでに羽根布団を少し厚手のものに取り換えた。
床探訪もつけ始め、真新しいシーツと布団カバー、ふかふかの布団で寝るのはさすがの暑がりの私にも非常に心地よかった。
こんなに幸せでいいのかな、と思ったが、いつも聞こえる母親の「何もしないで、いい身分だわ」という嘲りの声は隣ですやすや寝ているせいうちくんと別室でがーがー寝ている息子の寝息に守られたか、響いてこなかった。

「三体」のWOWOWドラマがあまりに面白いのでついつい原作を読み始めてしまう。
宮部みゆきの「きたきた捕り物帖」シリーズの新刊が出たので前の2作を読んでから楽しみたいのと、東野圭吾の新刊も来たのと、読みたいマンガがたくさんありすぎて、頭がぐるぐるする。

今夜はせいうちくんと私が始めて会った記念日。
もう42年前になるか。
息子に話して聞かせたら、もう何度目になるかわからないが「そうなんだー」とうなずきながら聞いて一緒に喜んでくれた。
その後もサークルで顔を合わせ続けた我々より、演劇のワークショップでのたまたまの邂逅から話し込んで後日の約束までした君らの方が奇跡的な出会いだと思うよ。
人と人との出会いはたいがい奇跡みたいなもんだが。
お互い、たまたまこの人生で巡り合えた相手を大切にして生きていこう。

24年11月3日

息子は友人のライブを観に行き、我々はひたすらSFドラマ「三体」を観る。
全30話の25話まで来た。
2人とも気になり過ぎて、未読・既読の差はあるものの原作にも手をつけ始めてしまったよ。
ドラマの方はこのペースだと完全に「三体Ⅰ」だけで終わるなぁとわかる。
Netflix版もあるので、楽しみだ。

夜に帰ってきた息子は、
「足が痛くて座っていられず、途中で帰って来てしまった」と言う。
どうやら毎日下北沢やら時には大宮まで電動機付きとは言え自転車で往復しているので、もも裏の筋が張ってしまったらしい。
シップを1枚あげて風呂上がりに貼って寝ろと言ったら、それでずいぶん楽になったみたい。

彼との4カ月にわたる同居(間に山小屋バイトが1カ月ぐらい入るから、もうちょっと短いかな。尾瀬の山小屋で肺炎にかかったMちゃんを息子がレンタカーで迎えに行って実家に送り届けたり、息子が高熱を出して妻のMちゃんが飛んできて3日ほど一緒に泊まったりいろいろあった)は緊張もしたが楽しかった。

生活時間帯がどうにも合わないのには参ったけど、だんだん慣れてきて、特に私は勤務時間などに縛られない適当な生活なので、それぞれにごろごろと本を読んだりして過ごした。
「長いこと置いてくれてありがとう。とってものんびりした」とお礼を言われた。
両親としてはお互いそれぞれの実家に数か月も滞在するなんて考えられない関係なので、若いからというのを差っ引いてもまずまずの親子関係を築けたのではと思う。
こんなに長期一緒に過ごすのは、もう生涯でこれが最後だろうけど、彼の人生はなかなか波乱万丈で先が読めないので、何が起こるかわからない。
まあ、ほどほどの距離を保って時々会えればと思っている。

24年11月4日

夜は水餃子を作って3人で食べる。
明日の夕方には新居のシェアハウスで妻と落ち合う予定の彼だ。
FBのお知らせを見ると、奇しくも7年前の今日、息子は初めての一人暮らしのために家から自転車で10分ほどのシェアハウスに移ったようだ。

そこから7年の間に大宮に引っ越してMちゃんと暮らし始め、入籍、沖縄での結婚式を経てワーキングホリデーで1年間カナダで暮らすためにアパートを引き払い、身の回りのものを処分してそれぞれリュックひとつで彼らが旅立ったのは今年の7月、ちょうど我々が北海道18日間車中泊の旅をしている最中だった。
こっちの旅行が終わる前に「生活していけない。お金があるうちに帰る」と6日間で帰って来てしまったのには驚いたし、実際我々が帰るのに間に合わないので実家に身を寄せるMちゃんと分かれて友人宅に泊めてもらい、翌日やっと我が家で会えた。
そして2人別々の山小屋での住み込みバイトを経て、息子は東京でコントライブや演劇の仕事が入ったため予定より1月ぐらい早く戻ってきて、のべ3か月ぐらいを実家に居候して暮らしていた。
肺炎で尾瀬から少し早く引き上げてきたMちゃんも自分の実家に居候。
夫婦で別居生活をしばらく送る。

そして明日、めずらしく夫婦者を受け入れてくれるシェアハウスが中野に見つかったとのことで、再びMちゃんと暮らすために出ていく息子。
生活家電や雑貨を全部始末してほぼ身ひとつで暮らしている2人は、まず家具や家電の使えるシェアハウスから始めるつもりらしい。
やることが若いなぁ。

帰国したばかりの頃は「とにかく消耗している」と不愛想な顔で、短期のバイトに行ってはくたびれていた。
山小屋での仕事や生活も厳しかったようで、やはり表情の少ない顔で帰ってきた。
我々との会話も最小限に、リビング横のスペースで起居していた。

しかしコントや演劇を通じてネットワークが広がり、他人に会ったりオンライン打ち合わせをしている時間が長くなるにつれて穏やかで晴れ晴れとした顔になってきたようだ。
イベントの入る日も多くなり、実際に家にいる時間はあまりなかった。
散歩やゲーム、読書をして過ごしていたかな。

私たちも、もう演芸の世界が彼の本業だと実感するようになったので、前のように、
「ヒマなら日払いのバイトにでも行ったら?」とは聞かなくなった。
山小屋で多少蓄えたお金で暮らしているうえ、実家は家賃も食費もかからないからさぞかしのんびりできただろう。
実際、最後の夜には、
「長いこと置いてくれてありがとう。とってもゆったりのんびり過ごせた」と感謝していた。

自分たちがそれぞれの実家に帰りたいと思わないクチなので、息子が実家を安らげる場所として受け止めてくれているだけで嬉しい。
宮藤官九郎も書いているが、実家とは、

「しょっちゅう行きたくなる。行くとあまりにいつものようなので飽きて5分で帰りたくなる。でもまたすぐに訪ねたくなる」

ような場所でいいようだ。
プライバシーもほとんどない状態で、のびのび寝て、裸で風呂から上がってきて、たまには自分や親のごはんを作り、使った食器は必ず洗うようになった彼を見ていると面白い。

こんなに長く一緒に時間を過ごすことももうないだろう。
「母さんはあなたに大事なことをきちんと伝えられたか、自信がないよ」とこぼしたら、
「そんなこと言いなさんなよ」と軽く一蹴し、
「人生で一番大事なものは何だと思う?」との問いには、
「人」と即答していた。
私としてはそれで満足だ。
つけ加えれば、
「パートナー、友達、映画や小説などの物語を大切に。マンガばかり読むのは母さんの歳になってからでいい。今はもっと小説とか読みなさい」という程度だろうか。

24年11月5日

ついにWOWOWドラマ「三体」全30話を観終わった。
11月30日までなので急いだが、充分間に合ったようだ。
「古筝作戦」のシーンなどは実に良くできていて、CGでもしっかりと船の重さが伝わってきた。
ドラマとは思えない重厚な作りで、ぜひこの調子でⅡもⅢも制作してもらいたい。

すぐにNetflix版を観始めたが、文化大革命のシーンがきちんと冒頭で描かれているところは良かった。(あれが描写されていないと、葉文潔の凍りついた心、人類への絶望がしっかり伝わってきにくい)
しかしそれ以外は舞台がほとんど中国でなくアメリカであることや、登場人物も中国人科学者たちが中心だったWOWOW版に比べて大変多国籍だ。
とても魅力的だった警察官「史強」はクラレンスという中国系アメリカ人のようだし、中心人物の1人である男性ナノ学者「汪淼」に至っては役割として2人の女性に振り分けられていた。

全体に、いかにもアメリカドラマ的な作りで、個人的にはWOWOW版を絶対に推したい。
まだ途中のようなのに8話目ぐらいですでに「面壁人」のタイトルがついているペースの速さもちょっと端折り過ぎかな。
それはそれでわかりやすくはなっているんだが、WOWOW版の東洋的な静かさや美しさ、精神性は失われていたように思う。
好みの問題ではあろうが、原作に近いのはWOWOW版だと思う。

日中、息子が少ない荷物を荷造りしていたので「シェアハウスで共同の冷蔵庫を使うなら必需品だろうから」とせいうちくんがタッパーを3つ渡していた。
きっと冷蔵庫の横にマジックペンが置いてあると思う。
私は「餞別ね」とタバコをひと箱あげた。
せいうちくんの冬用ジャケットをもらい、タオルを2枚ほど家から持っていくようだ。
向こうはシャワールームだけなので、近所の銭湯に時々Mちゃんと行くのが楽しみらしい。
バスタオルを持って行くのはいいが、純白は汚れやすいから避けた方が無難だし、どうしてもそれがいいならペアで2枚あるのに1枚だけ持っていかないでMちゃんの分も、と懇願したのは無視された。


午後3時頃、「またすぐに会いに来るよ。元気でね」としっかりハグをしてくれて、出かけて行った。
実家からの2度目の旅立ちだ。
突然NYに3カ月行ってしまったり、2度目にまた行ったと思ったら「Mちゃんに会いたくてガマンできない」と1か月で帰って来てしまったり、まあ全体にだらしないことこの上ないんだが、今さらどうしようもない。

我々は両親として我が子の「自発的な幸せ」以外のものを信じる気になれない。
他の人が「良かれと思った」にしろ、他人の幸せを決められるものだろうか。
自他に危害を加えたり犯罪に走ったりは好き好きで、とはとても言えないが、それ以外のことは本人が「楽しく、幸福である」と感じられる以上、口を出せることではない。
まして、途中までははっきりと右肩上がりでなんとかやってきた日本で育った人間として、これまでと同じ生き方を求めるのにはためらいがある。
「今の若者は、お母さんたちが思うよりずっと諦念を持って生きているよ」と言われてしまうと、「そうか、頑張れ」としか言えないじゃないか。

少なくとも我々の世代は、大人になってから親に金銭的援助をされることはあってもすることはあまりない(あくまで私の知る範囲でだが)。
生み、育ててもらい、教育を受けさせてもらった以外はほぼ借りのない状態の我々夫婦としては、老いた親を精神的に支援することと受けた恩を次世代に手渡すことで返す以外に方法を考えつかない。
そして、日本の経済的状況や世界規模のどん詰まり感について考えると、下の世代から何かを返してもらうのは申し訳なさすぎる。
互いの健康と幸福を祈りながら、絆に応じてできる時にできることを両者がするしかないだろう。

この先自分が老人になって行き、若い世代のサポートを必要とするのを想像すると、自分の親が老いすぎる前に亡くなってくれたことと、せいうちくんが彼の立場としてできる限りのサポートを両親にしてあげているのは幸いだと思う。
心細いものなんだろうなぁ。
会社を離れたせいうちくんがどういう精神状態に陥るのか、働いてきてない私には想像がつかないし、走るなんてとても無理で歩いててもすぐ転ぶ自分を振り返ると、これよりも不自由になるのか、と慄然とする。
「せいぜい運動するよ」と息子に言ったら、にやっと笑って、
「でも、しないよね」と返してきた。
その通りなので、何も言えなかった。

夜、無事にシェアハウスに落ち着いたらしい息子とMちゃんそれぞれから連絡があった。
「すぐ遊びに来てね」と息子に言われて、嬉しい。
私にとっても学生時代大いに縁の深かった中野で彼らが暮らすと思うと、不思議な気分だ。
いい街なので、2人で大いに探検して楽しんでほしい。
カメラが壊れた状態の息子には写真を送ってもらう期待はしてなかったが、今日、急に散歩に行って中古のスマホを買ってきたので撮ることはできそうだ。
問題は、
「写真撮る習慣がないから、思いつかないかもしれない」と宣言されてることだ。
せいぜい「部屋の写真ちょうだい」「街の写真送ってよ」と催促し続けるしかないね。

せいうちくんは、
「7年前に息子がいなくなった部屋を見て、布団にくるまって泣いた。今回も泣くかもしれない」と不安そうだったが、実際は、
「10分ぐらい悲しかったけど、すぐにけろっと治った。すっきりした!」のだそうだ。
私も、ほぼ4カ月にわたる緊張と、普段いない人の存在によるハイテンションと、「ごはんとか期待されてるのかしら」という不安から解放され、大いにほっとしている。
この大プロジェクトを、向精神薬を増量しながらでも乗り切ったのは今後の多大な自信につながると思う。
とりあえず、次の診療日にはドクターにいい報告ができそうだ。

24年11月6日

息子がいるとどうしてもごはんを炊いてしまい、カレーや肉ナス丼などごはんものが多くなってしまうので、ちょっと太った。
そのせいで、
「また2人きりになったお祝いにシュークリーム買ってこようか」という提案は怖い顔をしたせいうちくんから却下された。
彼も若干の体重増加を気にしているらしい。

年末に名古屋の友人Cちゃんに会いに行くつもりなんだが、先日、LINEのやり取りの中で「まあとにかく、やせるよ」とうっかり書いたら、「やせるって、貴女、言ったわね」としっかり言質を取られてしまった。
酒好きだがきちんと晩酌の量を決めてのんでいるストイックな酒飲みで、しかも非常に小食な彼女は私と一緒に食事をしてる時にため息とともに、
「やっぱり、太る人には太る理由があるのねぇ」と心底納得していたようだ。
「日本酒1合でも太る呪い」があればCちゃんにかけてしまいたい。

彼女から教えてもらった「鈴懸のイチゴ大福」の美味しさなのに、名古屋店は閉店してしまったそうだ。
「もう食べられないの」と嘆く彼女に、年末旅行の朝、新宿本店に予約しておいたイチゴ大福「お日持ち当日」をその日のうちにお届けしよう。
そこで、「めったに買えないから我々は2日ぐらいかけて2人で食べるために12個ぐらい買おうねー」と言い合ってる我々と、「家族1人につき、2つあれば十分だわ」と言う彼女との間には、やはり埋めがたい差があるのだろう。

外国人も多く住むという息子のシェアハウスにも届けたいという野望を持っており、さて、10個いるのか20個いるのか。
今後、息子からちょっとずつヒアリングして考えよう。
外国の人にこそ食べてもらいたい日本の芸術的な和菓子のひとつだと思っているので。
もちろん息子たちには別に4個あげるつもりだし、名古屋の別の友人宅にも隙間を縫ってお届けに上がる所存だ。

冬の和菓子で売り出し日が決まってないので、予約はまだ受け付けてない。
12月になってからだな。
予約した人でも、普通に買う人と同じ列に並んで順番が来たら受け取って代金を払うんだが、これがまた、すごい行列でね。
年末ともなれば大変なことになるんじゃないかと危惧している。
早めに車で行って、以前と同じ間違いをしないように「一番売り場に近い入り口に並んで入る」を実行しよう。

インフルエンザのワクチンを受けようと心臓のかかりつけクリニックに行こうとしたら、先日受けた「肺レントゲン検診」の結果の封筒がない。
委託先の検査機関から確かに送られてきて、見て、「江口のりこ似の先生に見せなきゃ」と思った覚えがあるんだけどなぁ。
肺がんの所見は全く見当たらず、心臓の肥大だけを指摘されているので、そこを口頭で報告すればいいか。
先生の方にも届いてる可能性もあるし。

夕方の早い時間は混んでる。
インフルワクチンには「様子見」の待ち時間がないらしいから、もっと遅くギリギリに来ればよかった。
コロナで15分、肺炎球菌ワクチンは初めてだと30分様子を見てから帰らせてもらえるので、インフルも早めに行かなきゃと勘違いしていた。

やはり江口のりこ似のところにも肺レントゲンの報告は来ており、結果オーライ。
前回行った血液検査だと、肝臓の数値がよくなっており、心臓の機能がやや落ちているそうだ。
要するに勝手に緩下剤のマグネシウム錠をのみすぎていたので肝臓に負担がかかっていたのでそこを憂慮して心臓の薬エンレストを減らしたところ、マグネシウム錠を減らしたおかげで肝機能は回復し、エンレストを減らしたせいで心臓の機能は落ちた、ってわかりやすい結末だ。
今回は薬を処方してもらう日ではないので、次回、その辺を相談しよう。
先生も「心機能は、たちまちどうこうするほど落ちてるわけじゃないから」と次回考えましょうをほのめかしていた気がする。

「息子さんの風邪は治ったの?」と聞かれたのはちょっと意外だった。
「もうすっかり。おまけに出て行ってくれたので、夫婦でのんびりしてます」と端折った結論だけ伝えたせいか、江口のりこ似は「えっ?!」と訳ワカメな表情になってた。
詳しく説明したいが、患者さんひとりひとりの家の事情をいちいち聞いていたら仕事にならんだろう。
治ったことへのお礼だけ繰り返して、立ち去った。
結婚して同居していたはずの息子が家を出た?せいうち家の謎!
看護師さんたちの間でスキャンダラスに語られるといいなと妄想する。


晩ごはんには久しぶりに「炎たこ」を出してきてたこ焼きをした。
あいかわらず私の分は、焼く段階から醤油を垂らして「醤油たこ焼き」にしている。
たこ焼きソースとマヨネーズとカツオ節をかけた「普通の」たこ焼きも大好きだが、自分ちで焼くときは醤油たこ焼き。
それ以外に食べるチャンスがないんだもん。
息子から「シェアハウス、とっても楽しいよ!」と連絡が来た。
何しろ久しぶりに夫婦2人で暮らしてるんだから、それだけでもう楽しいだろう。
実はこっちも同じなんだ。

さあ、今日もNetflix版「三体」を観るぞ。
原作小説の方も「三体Ⅱ」下巻に入った。
ちなみに宮部みゆきの「きたきた捕り物帖」「きたきた捕り物帖 子宝船」そして新作の「きたきた捕り物帖 気の毒ばたらき」は読破したよん。
衝動買いした藍本松「化物事変」既刊22巻と芽玖いろはのホストBLシリーズ、山田南平の「恋するMOON DOG」、榊原宗々の「今夜は月が綺麗ですが、とりあえず死ね」全10巻+「今夜は月が綺麗ですが、とりあえず死ね -last-」全5巻を早くスキャンしたい。


山田南平「恋するMOON DOG」スピンオフ作品を買ったらこういう形でやってきたのでぎょっとした。
間違えてレンタルDVDを買ってしまったのかと思ったのだ。
時々あるよね、レンタルコミックの販売。
セットで買うと膨大なケースをゴミに出さなければならないので、大変だ。

24年11月7日

今夜から週末ちょっと先まで車中泊の旅に出る。
北関東をぐるっと回ってくるぐらいしかできない日数で、せいうちくんはとにかく日光の方に行きたいらしい。
紅葉のシーズン、時と道を選ばないと渋滞に巻き込まれそうだ。
北海道と茨城、そして埼玉のごく一部にだけあるセイコーマートでラズベリージャムパンとHOT SHEFのカツ丼を買うのも大きな目的。

さすらいの旅に出ていたGくんがキャラバンをうちまで運転してきてくれるので、せいうちくんが会社から帰るのを待ってGくんを家まで送り、あとはとっととどこかの道の駅で寝る。
明日は1日中リモート会議が続くそうなので、ほとんど道の駅にいるかもしれない。
私はずっと「三体」を読む。
要するに混んでる金曜夜を避けて都内を脱出したいだけで、金曜日に仕事をしてるのは変わらない。
「車中で寝たい」がメインの車中泊旅行なんだ
車の中って、なんだかとってもよく眠れるんだもの。

これは年末年始旅行の予行演習になるかもしれない。
「ただ車で走り回る」のが楽しいという我々の車中泊はGくんにたいそう評判が悪く、「なぜそんなことをするのかわからない。それじゃただのドライブじゃないか」と言われて、「もう一緒に旅行はしない」と宣言されてしまうぐらいやりたいことが違うのだが、こればっかりはそれぞれの趣味だからなぁ。
地方のBOOKOFFの市場調査をしたり目新しい古書を買ったり、イオンに寄ってパジャマやタオルを買ったりするのは彼の「旅のメニュー」には入ってないんだから。
きっと我々は趣のわからない人種なんだろう。

18時ごろGくんが車を持ってきてくれて、せいうちくんが会社から帰る19時までビールを好きなだけ飲んでもらい、残り物の豚角煮と鶏レバー生姜につまみにおもてなし。
せいうちくん帰宅後も旅行の準備が万全でなかったため、さらに30分ほどお待たせすることになったのは申し訳なかった。
車に布団を運び込むのも手伝ってもらっちゃったうえ、出発後も私が図書館で予約した本を取りに行くという時間も必要だった。
Gくん、いろいろごめん!

なぜか予約を申し込んだ翌々日には入手できた「三体0」と「三体X」(WOWOWとNetflixでドラマを配信中だというのに、どうして予約が列を成していないんだろう?)を荷物に加えて、Gくん宅に向かう。
家の前で彼を下ろせたのは21時近かったかも。
その後、「びっくり市で買った白菜を丸ごと車に忘れた。よろしく食べてくれ」と連絡をもらったが、多分無理な注文。
6日後にそのまま返すべく、なるべくしなびないように保存しよう。

我々はそのあと埼玉のセコマ(北海道と茨城にしかないと思われていたが、最近埼玉にも進出しようとしているらしい)を4軒回り、目指すHOT SHEFのカツ丼は全て売り切れていて、人気のブルーベリージャムパンもほぼ完売、4軒目でやっと2個見つかったのでイチゴジャムパン2個と合わせて買って、今夜と明日のごはんにする。
カツ丼は、明日、予定を変えて茨城に入り、探すことになった。

泊地となった群馬の夜は冷える。
特に高地でもない道の駅かぞわたらせ(予定していた「道の駅童謡の里」はあまりにも寂しく、トイレが大型トラック駐車場方面にしかなかったので、移動)はとても寒く、持って行った敷布団がシングルなのはまだしも、掛け布団シングルでは互いに身体の端から隙間風が入る。
2時ごろに音を上げ、敷布団の上にダブルの寝袋を敷いてそれにもぐりこみ、上からシングルの掛け布団を掛けてやっと暖かく眠れた。
「三体Ⅲ」上巻に入ったところな私は、面白くてなかなか読みやめることができず、最後は睡眠薬の力を借りて無理やり寝た。
こうして群馬の夜は更けていく。

24年11月8日

朝は7時に起こされて、移動を開始。
結局、昨日からずっとせいうちくんが運転しているなぁ、申し訳ない。
午前中の私は薬で使い物にならないから、午後に期待してもらおう。

茨城に入ってセコマを探し当て、やっとカツ丼入手に成功した。
昼の分と夜の分、それぞれ2食ずつ、計4つを買い込み、さらにその先のセコマでブルーベリージャムパンとイチゴジャムパンを1個ずつ買う。
この先もう茨城というかセコマとはお別れだから、この旅で食べられるセコマ食はこれっきりとなる。
1日に2食カツ丼を食べ、2日で3個ジャムパンを食べたらさすがに充分と思う人が多いだろうが、「気に入ったら同じものを食べ続けたい」欲求はなかなか止まらない。
正月旅行ではセコマに行く機会はないだろうから、名古屋の友人その他にお土産で買って行く鈴懸のイチゴ大福を我々用にも山のように買おう。
2日ぐらいの間に1人6個のイチゴ大福を消費するつもりだと聞いたら、少食なCちゃんなどはきっと我々のことを気持ち悪い生き物だと思うことだろう。

セコマやイオンに止まりながらせいうちくんが会議をいくつもこなしている間に、私はイオンで懸案だった「半纏」を買う。
せいうちくんのがボロボロになってしまったので、捨てて私のを着てたのだ。
幸いいい柄のが見つかったので、嬉しくて思わず自分の分まで買ってしまう。

次のイオンで会議が思いのほか早く終わったので、ゆっくりせいうちくんのスニーカーを探す。
息子が「靴を片っぽ失くした」と信じられないようなセリフを吐きながら、せいうちくんのスニーカーをいただいて行ってしまったのだ。
(結局、いいのが見つからなかったので、家に帰ってからまた別の機会に、ってことになった。代わりに私がいい上着を買えた)
厚手のジャケットもカナダに行く前に突然「いらない」と思い、荷物を処分したあとだったので「公園のベンチに置いてきた」と言う。
それで今頃「寒いねー」とか言われてもなぁ。
しかし寒がっているものを見捨ててもおけず、余っていたせいうちくんのジャケットが貢ぎ物になって連れていかれた。
息子にとって実家は、失ったものが尽きずに湧く泉であるらしい。


会議を挟みながら旅は順調に進み、今夜の泊地である「道の駅・湯西川」に到着。
そのちょっと前には五十里(いかり)ダムに立ち寄った。
ちょうど「環境放水」が終わってしまったところらしくて、ダム壁の上を人々が歩いて戻ってくるところであった。惜しかった。
階段を少し降りてダム資料館まで行ったが、それ以上下に行ってダム壁上を歩くにはまだまだ階段があったのであきらめ、やや紅葉している山の写真を撮って終わり。

遅い昼ごはんにカツ丼を電子レンジで温めて食べたことだし、せいうちくんの最後の会議が終わったら温泉に入って、ゆっくり本読んでから晩ごはんにまたカツ丼食べて、今夜も温かく寝よう。
これでもう今回の旅でのカツ丼は終わりだ。
セコマのHOT SHEFのカツ丼は本当に美味しいんだよ!

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