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マンガ読みの年中休業うつらうつら日記(2022年3月19日~3月25日)

まん防まだ取り下げになってなくてややフライングの形ですが、ちょっとドライブ行ってきます。車で走る分にはコロナも大丈夫でしょう。引っ越しを間近に控えた息子に車の練習をさせてやりたいという親心もあります。軽トラ借りて自分たちでやる引っ越しって、我々も昔やりましたよ。通ってきた道ですねぇ。

22年3月19日

昨夜のZOOM飲み会はほとんど記憶に残っていない。
酒を飲まない私の記憶に残っていないということは、薬をのみすぎたってことだろう。
自分では自覚がないが、20時前にレンタカー借りに行った時に少しふらふらしていた。
運転はどうせせいうちくんがやってくれるからいいが、明日、眠れてないと困ると思って早くものみ過ぎになってる感がある。

近所に夜中は最大300円のコインパーキングがあったのでそこに入れておく。
さすがは東京の西の果て、千駄木の値段とは全然違う。

今日は事務机が来るのを待っていたので、12時までは寝るわけにいかなかった。
しかし届いて設置してPCの配線をしてからは、ドライブに備えて昼寝。
14時から18時ぐらいに寝て、ごはん食べて風呂入って、また寝た。
せいうちくんはこのすべてのスケジュールを寝ながらこなせる達人だが、私は2回目の昼寝の時はもうすっかり眠りに飽和していた。
結局、せいうちくん8時間半、私4時間ぐらいの睡眠をとった。

これで朝、3時に起きて4時に出発だ。
そのぐらい速く出ないと富士山の方とかは混むんだ。
帰りも早く帰ってきたいし。
そんなに渋滞がイヤなら最初っからドライブなんか行くな!と自分に突っ込みたくなる。

文書名 _[木尾士目] はしっこアンサンブル 第01巻

さて、今日のマンガは、悲しいことにこれから面白くなりそうなところで連載が終わってしまった木尾士目の「はしっこアンサンブル」。
工業高校で低い声を恥ずかしがっていた男子が一躍スーパーバリトンに、って話だと思ったのに、全然頁が足りませんでした、って感じ。
気合入れて読んでたのに残念だ。
人はこれを「打ち切り」と呼ぶのだろうか。
「げんしけん」なんか一部二部合わせて20巻以上続いてたのに。ちなみに「げんしけん」も面白い。「現代視聴覚研究会」の略だが、要するにただのヲタクの集まり。
卒業した先輩がいつまでも部室に来てたのとか、懐かしすぎて鼻水が出る。
いずれにせよ、「はしっこアンサンブル」万歳なのだった。

22年3月20日

3連休なので、まん延防止法はまだ解除されてないけどもちょっと出かけてみることにした。
昨日の夜、レンタカー屋さんが閉まる直前の20時に車を借りて24時間300円の近所のパーキングに停めておき、朝の4時に出発だ。
どうやら営業時間外でも借りられるアプリがあるらしい。
申し込んでおけば夜中でも取りに行けて、夜中でも自動精算できる。
次からはこれを使ってみよう。

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中央高速に入って富士山が見えるところまで行き、雄大な景色を眺めてコメダでお茶。
すでに家から持ってきたくるみパンとコンビニで買ったおにぎりを食べてしまったので、コーヒーだけ。
もし今度同じコースを通ることがあったら最初からコメダでごはんを食べる計画にしておこう。
それぐらいコメダのメニューは豊富で魅力的だ。
シロノワールというスイーツだけでも4種類もあった。
イチゴの季節だからか、イチゴを飾ったのとかイチゴアイスのとかがいろいろあるんだ。
普通のシロノワールでも十分美味しいが、どれを選んでも超高カロリー。
7時頃なのにもうお客さんの待ち行列ができてる。

ここから昔住んでいた神奈川県戸塚に向かい、なんとなく当時住んでたあたりを走る。
その頃からすでに古かった社宅はとっくの昔に一般マンションに建て替えられており、国道一号線に直接登って行ける階段だけなぜか健在。
ここ上って道路に出て、箱根駅伝見たことがあったなぁ。
道路を渡ることはできないので往路しか見られないんだが。

当時よく使っていた八百屋を捜してみたが見つからなかった。
道がわからなくなってるせいなのか、もうなくなってしまったのかわからない。
かろうじて息子をお願いしていた保育園跡を見つけた。
今では向かいの立派なビルになっていて、当時の小さな保育園、二宮尊徳像が置いてあった小さな園庭はもう民家になっていた。

これまたすっかり変わって高架になったためやたらに発達しちゃった駅前にも行く。
昔、闇市的な商店街にあったとても美味しいケーキ屋さんが今は駅ビルに入っている。
引っ越したのちもドライブのついでによくケーキ買いにきたもんだ。
宝石箱のようなガラスのショーケースに入ったこれまた宝石のようなホールのケーキが常時20種類以上置いてある。
注文してからナイフをお湯につけて綺麗にカットしてくれる気の配りよう。
10ピースもケーキを選んで、ずっしり重たい箱をトランク部分に積み、また車で走る。

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今度は港北のIKEAだ。
10時の開店時間を過ぎたばかりというのに、もうぎっしり車が集まって来ている。
いつもならお昼をここで食べるんだけど、混んでるから今日はやめとこう。
何を買いに来たでもなく、強いて言えばこないだ小物を通販でまとめて買った時にシリコンの万能フタを買い忘れたので買いたかっただけなんだが、それだけですまなくなるのがIKEAの恐怖。
最初は店内用の手提げ袋で歩いていたが、あっという間にカートに交換した。
だってお買い物がどんどん増えるんだもの。

シリコンのフタ以外にも布巾のセットやバスマット、トレイ、整理用の箱などをどんどん買う。
この箱がなぁ、前に2つ買ってすごく気に入ったし紙製だから傷んできたので新しいのを加えようと思ったのに、同じ柄のがもうない。
いろいろなものがなんだか無印良品的に真っ白や無難なベージュになっていた。
IKEAの、あのいかにも異国情緒な派手な色や柄が好きだったのに。
日本向けに調整しているのか?
だとしたらそのせいで人気が落ちるぞ。
IKEAにはIKEAならではのものを売ってもらいたい。

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最後に人気のワゴン、こないだはサイズを間違えて小さいの買っちゃったから今度はちゃんと大きい方。
大小合わせてうちで4つ目のIKEAワゴンだ。
すごく使い勝手がいいんだよ。

興奮して買い物を終え(気がついたら3万も買っていた。大物は全然ないのに)、車に積み込んでまたドライブ。
今度は息子を迎えに行く。
しかしまだまだ約束の時間までたっぷりある。
18時頃にはなるかなーと思ってその頃自宅へ迎えに行くと言ってあったのだ。
いや、今度彼らの引っ越しで息子が軽トラ借りて運転するって言うから、少し車に慣れさせとこうと思ってさ。

連絡を取ってみたら、今現在は下北沢にいるらしい。
これから家へ帰るつもりだったのか。
しばらくカフェでPC作業してるって言うから、スズナリのへんで拾うことにした。
あのあたりなら何とか車が入れる。
下北は車では無理なエリアが多いんだ。

結局16時15分にスズナリ前で拾って、息子に運転してもらう。
正直言って若い人は運転をしたがってると思っていたのに、息子は、
「あんまり車運転したくないんだよね。事故起こしたら怖いじゃん」といたくまっとうなことを言う。

せいうちくんが大学生ぐらいから就職する頃は、お金のある人は自分で車を買い、ない人は親の車を借りてきてよくみんなで一緒にドライブ旅行に行った。
温泉やらスキーやら海やら。
今の若い人が車を欲しがらなくなったとは聞いていたが、まさか運転も嫌いだとは思わなかったよ。
若い頃の私に似て、息子はとっても運転が上手いのに。

道路もそれほど混んではおらず、スムーズに我々の家までたどり着いた。
息子と私がIKEAの荷物とケーキを運び込んでいる間にせいうちくんは車をレンタカー屋に返して清算してきてくれた。
ガソリン代込みで24時間で1万2千円ほど。
やはり車は持つもんじゃない、借りるもんだ、と駐車場だけで月に3万かかるマンションに住む身としてはしみじみ思う。
前のマンションはバス便使用だけあって、安い価格帯の駐車場は1万だったからなぁ。
駅近は土地代が高いから駐車場も高いんだ。当たり前か。
もうすっかり車のない暮らしに慣れてきたよ。
時々レンタカーで遊びに行けば、十分車なしで生活できそう。

このマンションに完全に慣れた、と言う息子はまず風呂を所望。
すぐにわかしてあげたら気持ちよく入っていたようだ。
着替え用に置いてある息子のトランクスと先日安売りで買ったジャージの下を出してやり、上は今日IKEAで買ったバーコード模様の白いTシャツ。
「どうしたの、これ?IKEAって書いてある」と聞かれて、
「買ったんだよ。毎月YouTubeでやってる配信、グループ全員基本白のTシャツ着てるじゃん。あなたのはいつも『ムー』のプリント入ってるから、たまには違うのもいいかと思って」
「ほんとっ?ありがとう。うれしいなぁ。さっそく着るね」とにわかに商品のように見える息子。ピッとバーコード読み取ってみたい。

ケーキを食べよう、と箱を出してきて、中身の膨大さに驚く息子に、
「あなたの生まれた街で買ったんだよ」と仔細を説明し、好きなやつを取らせてやる。
「チョコのやつなら何でも」というアバウトな答えだったのでややこしすぎて名前は忘れたチョコのケーキを。
私もチョコで、「カイザーショコラ」。
せいうちくんはチョコとバナナの融合「バナール」。
みんなチョコじゃん。

食卓を囲んでケーキ食べながらバーコードの話になって、最初にバーコードをスキャンする店を見たのが結婚してすぐ住んだ街の小さな食料品店だった、と話したら、
「えっ、そんなに前からあったの?もっと最近のものかと思ってた」と息子はびっくり。
とは言っても彼が小さい頃、スーパーなんかはもう「ピッ」になってたんじゃないのかな。
むしろテンキーで値段を打ち込むのを見たことがあるのか。
そこを聞いてみるべきだった。

最近活動しているスタジオでの定例会みたいなものについて話してくれた。
ITでお金をもうけたわりと若い人が、レンタルスペース兼貸しスタジオのようなものを始めたので、そこを使わせてもらってよくYouTubeの撮影をしているらしい。
もうひとつ、NYで知り合った日本人が始めた催しとして、何でも人前でやってみよう、という集まりがあるんだって。
息子はほぼ常連化し、毎回のようにそこでインプロコントを広めているという。

今のところコントグループでなく息子だけの活動で、いろんな方向に触手を伸ばしてつながっていくなぁと感心してる。
昨日はNYに10年近くいたグラフィックデザイナーの女性とペアを組んで「いきなりインプロ」をやっていた。
さすが表現者で、勘のいい人だったので、インプロのコツをあっという間につかんでいいペアにしてくれた。

こういうのを「学園祭に酔っているだけ」で終わらないように、とつい苦言を呈してしまう。
「学園祭ではワーッと騒いで思い出が残って、でも他には何も残らない。うんと若い時には必要なことだけど、大人になって仕事にできるかどうかは継続性と成長だよね。あなたのインプロをみんなに伝えて、あなたもみんなからもらって、大きな場にしてほしい」と反感を招きかねない老婆心を語ると、息子は、
「うん、その通りだと思うよ。ちゃんと広げて一緒に仕事できる人間関係を作るよ」と受け止めてくれた。

晩ごはんのリクエストは事前にmessengerで聞いてあった。
「1. カキフライ
 2.タラフライ
 3.カレーライス
 4.ビーフシチュー」
息子からは速攻で「カレー!」と返ってきた。
「好きだねぇ」
「だーいすき」と子供っぽくなってしまうぐらい好きみたいだ。
本人曰く、
「他の選択肢を見る前に『カレー』って文字が飛び込んできたので、他は一切覚えてない」ぐらいだそうで。
息子に凝った料理を食べさせてやらなかったんだなぁ、と少し反省。

来月頭にはカノジョの家に近い方に引っ越す彼は、嬉しくてしょうがないらしい。
「そりゃ、2人で堂々と暮らすの、嬉しいに決まってるじゃない」
当たり前か。
今やってるバイトのチェーン店が向こうにもあるので異動を頼んでみたが、人員に空きがないんだそうで、不運だね。
でも配達系のバイトは楽しいから、なんかしらやるかも、って。
配達先のおばあちゃんに飲み物もらったり、有名人のお宅に配達したりプロレス練習場の近くで休憩して練習風景をながめたり、彼なりの楽しみがいっぱいあるようだ。

食事が終わると映画(ここで2回目のケーキ。10個買ったうちの残弾数は4個)。
計画とは少し変わってしまったが、ダイニングの壁西側を一面使ってほぼ100インチの大画面をプロジェクターで楽しむ。
ホントはリビング付属の小部屋の壁を使おうとスクリーン仕様の壁紙を東側の壁に貼ってもらったのだが、部屋が狭すぎて十分な距離が取れず、70インチ弱になってしまう。
すぐ横に65インチのテレビがあることを思うとバカバカしいので、こういう変更になった。

しかしダイニングの壁を使った大画面はかなり素晴らしい。
頑張って高いプロジェクター買ってよかった。
IKEAのワゴンに乗せてあるプロジェクターを押し入れからコロコロ出してきて電源コードと4K Fire Stickをつなぎ、電気を消して各々好きな椅子に座るとそこはもう小さな映画館。
今日の私はぜいたくさせてもらい、プロジェクター前にソファを持ってきて寝ころんで観た。
(後ろの人、及び投影の邪魔にはならないようだ)

最初は息子が4日前に観てまた観たいと言う「ダークナイト」を観てた。
バットマンの新作映画を観に行って、いたく感動し、やっぱりダークナイトだよなぁと思ったらしい。
私もDVD持ってる程度には好きだが、よくは覚えていない。

ところが、途中でせいうちくんが、「ジョーカー」と「キング・オブ・コメディ」はロバート・デニーロが出てきた途端に「あ、これはオマージュだ」と思った話をしたら、息子が猛烈に「キング・オブ・コメディ」を観たがる。
「オレ、それ観たことないんだよ。面白そうじゃん。見せて見せて。『ダークナイト』はあとでまた観るから」と言うのでNetflixで探したが、ない。
アマプラでは299円で観られる。
このぐらいは投資してやろう。

スコセッシのこの映画、せいうちくんが私も見たはずだと言って譲らないんだが、本人まったく観た覚えなし。
スコセッシは長くて細かいので苦手なんだよぅ。
なるほど、ロバート・デニーロがジョーカーみたいな売れないコメディアンの役で、有名コメディアンの収録後の出待ちを熱心にしてるんだ。
(「タモさんみたいな存在なのかねぇ、この有名コメディアンは」と息子)
熱狂的なファンを押しのけて、ちゃっかり車に乗り込むデニーロ。
「私もコメディアンです。ぜひ私のコメディを聞いてください」と頼み込み、
「明日秘書に電話したまえ」というとこまでは言ってもらえる。
「こんなの、追い払う常とう手段だよね」と息子。

そこからデニーロの妄想と、現実の非常識な行為が繰り返される。
面白いことに、妄想の場面はちょっとピンボケなんだよね。
追い払われても追い払われても有名コメディアンの事務所に現れるデニーロ、ついには女友達を連れて彼の別荘に「招待された」と出かけていき、当然ながらたたき出される。
このあと私はちょっとうとうとしてしまい、最後の場面で目を覚ましたら、デニーロがブレイクして、テレビショーに出ている。
でも、そのシーンはぼやけている…

途中であっちこっちへと追いかけっこがあったり(ジョーカーの病院のシーンそっくり)、デニーロがスタジオにいるつもりで等身大写真パネルの有名人に語りかけたり(ジョーカーもショーに出てるつもりになってる場面があった)、オマージュとしか思えない。
それでジョーカーの有名コメディアンがロバート・デニーロなんだから。
「これ、オマージュだって評判にならなかったの?」とせいうちくんが聞いたら、息子は、
「古すぎて、誰も知らないんじゃないのかなぁ」とつぶやいていた。
どちらも哀しい映画で、特にコメディアン志望の息子と一緒に観るとなかなか胸に迫るものがあるよ。

文書名 _[末次由紀] ちはやふる 第46巻

今日のマンガは有名どころで「ちはやふる」既刊47巻。
カルタ(百人一首)やってるだけなのにどんどん話が伸びてゆく。
「畳の上の格闘技」と呼ばれるほど激しいスポーツだそうだ。でもそれ、柔道だよね。
「ちはや」という女の子の成長物語で、インターハイなども盛り上がるが、クイーン戦とかなるともう、1日で体重が減るほどの運動量と緊張らしい。
「流行りすぎてる」という理由で長いこと読まずにいたが、やはり王道、楽しませてもらった。
みんな、今年の実家での百人一首は勝とうな!

22年3月21日

10時頃にゆっくり起きて、昨日の残りのカレーを食べて朝ごはん。
息子はシャワーまで浴びて行った。
(「ミストサウナに挑戦する?」と聞いたら、「もうちょっと心の準備ができたら」だそうだ。我々だって心の準備どころか使い方もよく知らずに入ってるぞ)
そのあと息子はちょっとソファでうとうとして「あー、窓が広くて気持ちいい…」と半ば寝言のように言っていた。
そして3回目のケーキを食べて、それぞれ着替えて解散の準備。
ひとつ余ったのは私が夜にでもいただくか。

昼頃に3人で一緒に出かけて、駅前の図書館の前で別れた。
息子がなんか手をひらひら動かすからなんだろう、と思ったら、
「人が通るから、邪魔になるよ」と私を歩道の端に引き寄せ、ぎゅっとハグしてくれた。
「いつでも祈ってるよ」と言ったら、
「僕もだよ。元気でね。僕も頑張るから。楽しく暮らしてね」と言い、せいうちくんとも握手して、何度も手を振りながら雑踏に消えて行った。
残されて、きゅーんと寂しくなってしまったので、せいうちくんと手をつないで、
「楽しかったね。また来てくれるよ。でも帰ると寂しいね」と言いながら互いのぬくもりで何とか支え合って図書館寄って家まで帰った。

息子がいた部屋に今はいない。
寂しい。
親にも与えられたこのモラトリアム期間を、私は楽しみすぎているかも。
どこか遠くに住んで子供まで持ったら、それこそ何年に1度かしか会えない親子はたくさんいる。
ひたすら今を楽しませてもらおう。

文書名 _[尾崎衣良] 深夜のダメ恋図鑑 第09巻

今日のマンガは尾崎衣良の「深夜のダメ恋図鑑」既刊10巻。
「女のクセに!」と口走るようなステレオタイプのダメ男くんがどんどんでてくる。
「理不尽」を体感したくなったら読んでみるといいマンガ。
幸い男友達にも道理のわかった人が多くて助かってるが、世の女の人は本当にこんな地獄を生きているのだろうか。
しかも菩薩の微笑をたたえたままで。
真似できん。

22年3月22日

息子が帰った翌日、本格的に不安になる。
「『カレー、ありがとう!おいしいよ』て聞いて、お母さんは人の言葉をないがしろにしておけないから、いちいち悩むんだね」とかせいうちくんに「お父さんは全力でお母さんを守っている。人間1人助けようと思ったらそのぐらいの覚悟と根性はいるんだ」などなど、非常にポジティブに親を見ている気がする。

そんな彼の嘘か私の妄想に引きずられてまともにものが考えられなくなっているだけだ、と言うと、せいうちくんが、そっと諭してくれる。
「すごくくつろいで居眠りしたりマンガ読んだり、好き放題してると思うよ。カレーは本当に好きなんだろうし、テキトーに『美味しいねーっ』って言ってるわけでもあるまいし、もしあるとしてもそれはお世辞やおべんちゃらじゃなくて、最低限の好意の発露だと思うなぁ。僕らのことも大好きなんだよ。僕には、彼が嘘をついてるとか心にもないことを言ってるとは全然見えないな。そりゃ、多少のお化粧はしてるかもしれないけど、言ってることは全部本心だよ。映画観てる最中にキミが寝ちゃったら、小さな声で『寝ちゃったね』って優しい目で見て笑ってたよ。『疲れてるんだね』って、本当に優しい感じだった」

一緒に歩いてても車道側を歩いてくれるのみならず、「速すぎない?脚、痛くない?」とこまめに気にしてくれる。
別れ際には歩道を歩く人の邪魔にならないように隅の方に呼んだうえで、家を出る時にもしたハグをたっぷりふるまってくれる。
こっちもついつい抱きしめた肩をポンポンと叩いて応えてしまう。

心身ともに好調で穏やか。
4月頭の引っ越しを控えているが、焦ったりイライラしたりする様子はない。
「そりゃそうだよ。一番楽しいことが始まるんだもの」と臆面ないのも普段と変わらず。
向こうでもいいバイト先が見つかるといいね。

文書名 _[渡辺ペコ] 1122 第01巻

今日のマンガは渡辺ペコの「1122」。これ、「いい夫婦」って読むんですねー。
友人がこの日に結婚したので、来賓の挨拶にもちゃんと「いい夫婦の日」ってのが入ってた。
日にち限定ではあるが、「3つの袋」「3本の棒」のように使い勝手がよさそうなスピーチの定番ネタ。
婚外恋愛アリの結婚ってどうなのか、本当に婚外だけにしておけるのか、女性がマッサージ以外もしてくれるマッサージ屋さんに行くのはどうなのか(今では「エステのように気軽で気持ちいい」のだそうだが)。
お役人さんが一生懸命夫婦同姓にするか別姓もアリか考えてくれてる間に、当人たちははるか遠くへ行ってしまっている。
渡辺ペコは他にも良作が多いので読むべし、読むべし。

22年3月23日

短いカウンセリングの日なので、ドクターに「息子が猫をかぶってるかお世辞を使っているのではないか。いい子過ぎて気持ち悪い」と訴えたところ、腹を抱えて笑っていた。
「次から次へと心配を生み出す人だね、あなたは。息子さんは全然嘘なんかついてないと思うよ。あなた方の新しい家にも慣れて実家が楽しくて、やりたいことをやっていて、カノジョとも一緒に暮らすお墨付きが出て、いいことばっかりじゃないの。そりゃあ機嫌も良くなるし、親にも親切になるよ」

「自分が実家でまったくくつろげなかったので、なんだか不思議な生き物を見ているようです」

「実家でくつろげるなんて、うらやましいなぁ」とため息をつくドクターも、母親とうまくいかずに育ち、兄弟仲もいまだに不穏だそうだ。
「あなたはさ、親からの虐待の連鎖を断ち切ってるんだよ。親にされたことはつい子供にしちゃうものだけど、そうしないようしないよう気をつけて育ててきたんだよ。だから今の平和な家庭があると思うよ」

「親にされたことを繰り返してはいけないと思ってきました」

「あなたの人徳だよ。子供に押しつけない、支配しない、気を配る、そういうことがちゃんとできる人だったってこと。ただ、自分を顧みてばっかりいるのが難点だね。あなたは自分で思っているよりいい親で、大したもんだよ。そこら辺の若い人の親を捕まえて聞いてごらんなさい、コメディアンなんてとんでもない、大会社に入る気になるまで家に入れない、って怒鳴りつけますよ。ご主人がまた、変わってると言うか、あなたとお子さんたちに尽くして尽くして尽くしぬいてますね。この歳であんなに奥さんのこと大好きなダンナさんって、僕、初めて見ましたよ。その気持ちをわかってあげなさいよ。いやぁ、彼は不思議な人だなぁ。ここに2、3度一緒に見えたでしょう。あの時の彼は、僕に新しい窓を開いてくれましたよ。ついてくるダンナさんなんてたいがい精神的DVの人で、都合の悪いことをもらされないように一緒に来るんですよ。あなたのダンナさんは、一から十まであなたの味方をしようと努力してる。いやぁ、なかなかできることじゃないですよ」

むやみに褒められて、とにかく今の路線で何の問題もなし!と言われ、相変わらず減薬を続けながら次はまた2週間後。
出てくる距離としてもちょうどいいし、ごはん食べたり買い物したりできて、便利。
もっとも面談が終わるとたいてい興奮して泣いているのでそんな気にならないんだが。

文書名 _[山田金鉄] あせとせっけん 第01巻

今日のマンガは山田金鉄「あせとせっけん」全11巻。
汗っかきなのがコンプレックスの女性と鼻が利く男性が石鹸メーカーに勤めている。
A boy meets a girl.
昔の王道だった「コンプレックスっ子ちゃんが憧れの王子さまと」ってストーリーを、ビシビシ見せてくれる。
ちっとも古びた感じがしないのは背景やエピソードに気を使っているからだろう。
終わった時は感動で涙が出た良作だった。

22年3月24日

そろそろ鏡と絵を壁に掛けなければ。
せいうちくんの重い腰がなかなか上がらないので、引っ越し以来ずっとプチプチでくるんで放置してあった。
倉庫に預けてあったものもあり、けっこうな量。

姿見が2枚。1枚は書斎のコート掛けの横の壁につけた。
もう1枚はカノジョと息子がお泊りする時に使うパーティション部屋の端に。
着替えたり髪を整えたりの時に鏡がないと困るもんね。

絵はなぁ…ずいぶんある。
とりあえずダイニングの横に親戚のおばさんからもらった氷河の版画を掛ける。
寝室には一番大きな、額縁がグリーンの大きなものを。ここはグリーンの部屋だから。
トイレにはいつものように「おさるのジョージ」に張り番を頼んで、高見沢さまは廊下の途中の空間に収める。
こんな場所でも案外面白がって夜間警備を務めてくれる人かもしれない。

あとは、一番最近買った版画(と言っても4年前に京都で買ったものだが)の掛け場所に困った。
せいうちくんの好きな絵だから彼からよく見えるところに飾ってあげたかったが、どうしてもパズルの結果は廊下からダイニングに抜ける廊下の端。
毎朝見られるよ!

これだけの大プロジェクトを1人で勝手にやったのに、事故があった時の責任の取り方とかせいうちくんへの謝り方とか、全然浮かんでこない。
「留守中にやっといたよ~!いいでしょ!」とか言ってごまかすしかないか。

しかし結果としてはたいそう喜ばれた。
「全部、思っていたのとちょうどおんなじ場所!ぴったり!」
くるんであったプチプチを乱暴に引きはがして部屋の隅に山を作っているのは全然気にならないらしい。
嬉々として片づけてくれた。

残った絵をそのうち掛け替えるためにしまっておいて、作業完了。
こうして家としての体裁が十分に整ったことでもあるし、お客さんの1人も招いてみたいものだ。
オミクロン株の出方次第とは思うが、現実に少しずつ縮小してるのはありがたい。
西東京方面にご用の方は、どうぞお寄りください。

文書名 _[つのがい] #こんなブラックジャックはイヤだ2

今日のマンガはつのがいの「こんなブラックジャックはイヤだ」全5巻。
いや、恥ずかしながら、手塚治虫のイタコと言えば田中圭一しか知らなかったので、「別のペンネームでも描いてるのかな?」と長いこと思ってた。
つのがいの方がやや上品である以外は区別がつかないぐらい似ている。
そもそも2人とも完全に御大の絵を自家薬籠中の物にしていて、びっくりだ。
田中圭一はいろいろ活動してるけど、つのがいはとりあえずこれだけみたい。
もっと描いてくださいよぉ。

22年3月25日

田村由美「ミステリと言う勿れ」の原作中でもドラマ中でも、主人公が、「オトヤ」くんのお兄さんの名前を「ハヤ」と当てるシーンがあった。
弓道の2本セットで一番矢を「ハヤ」、二番矢を「オトヤ」と呼ぶからだそうだ。
「ふーん、整(ととのう)くんは物知りだなぁ。どんな字を書くのか、今度調べてみよう」と思いながら、まるっきり忘れて他のマンガを読んだらいきなり出てきた。

嵐田佐和子の「青武高校あおぞら弓道部」全4巻の中で、初心者に矢の説明をしている。
1枚の羽根を縦割りにした片側ずつを取って、矢1本につき3枚つける。
その1本目を「甲矢」と書いて「ハヤ」と読み、2本目は「乙矢」と書いて「オトヤ」と読む。
知らんかったー。

マンガでわからなかったことがマンガでわかる。
なにやら美しい関係のような気がする。

文書名 _[丹羽庭] トクサツガガガ 第19巻

さて、今日のマンガは丹波庭の「トクサツガガガ」全20巻。
「大きなお友達」になっても戦隊ものがやめられないとかフィギュアやおもちゃを買ってしまうことってあるよね?
私はマンガ方面に特化していて、今では誰もそれを「ヲタク」とは呼ばないので、ひと安心。
でもコミケにパワースーツを着ていきたいタイプの重症者は大変だろうなぁ。
そんな趣味をかくすことなく、堂々と白日の下にさらけ出せ!とは思いながら会社では普通人を装っている主人公、でもだんだんカノジョのまわりにいろんなジャンルのヲタ友が集まるようになり、母親ともちょっと雪解けムードかな、でも番組は続くよどこまでも、と増えるグッズと母親のお見合い光線といっぺんに戦いながら、行くはヲタクの修羅の道。
実に笑えて面白いマンガだった。

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