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マンガ読みの年中休業うつらうつら日記(2022年8月27日~9月2日)

9月に入る直前から、かなり涼しい日が続くようになりました。雨が多くて湿度が高いとはいえ、エアコンつけずに眠れるのはありがたいです。東京都のコロナ新規罹患者は数字的には落ち着いてきて第7波の山は越えたように見えますが、検査数が間に合っていないとか無届状態になってる人も多いのではないかとか、予断を許さない状況との噂も聞きます。とりあえず我が家では誰もかかっていない、特に人前に出ることの多い息子が罹患していないのはほぼ奇跡だと思っています。

22年8月27日

まずは昨夜のまんくらZOOM飲み会。
Gくんに「普通は人に自分の見聞きしたことを100%伝えたりしない。そもそも不可能だろう!」と詰め寄られたので、
「もちろん物理的な制約はあるから100%は無理。でも8割、9割は伝えたいと思ってるし、伝えてるつもりだよ」
「それがあんたら夫婦のデフォルトなんだろうが、それは異常。普通はそんなにしゃべる相手なんかいない」
「Gくん結婚したことないじゃん。2回結婚した私が2回ともそうだった、って言ってるんだからさぁ。普通とまでは認めなくていいけど、異常ってのもあんまりじゃないの?」
「じゃあここにいる他の人に聞いてみようじゃないか!」

その瞬間のメンツはGくんを含む独身男3人、妻を亡くしてる既婚者1人。
そして現在結婚継続中の人は体調が悪くてもう落ちてしまっていた。
これで何をどう聞くというのだ。

独身の方々も「あんまり全部は言わないかもしれませんね。知られない方がいいこととか」や「どう思われるかとか、多少は気にしますね」という答え。
既婚者だった長老は、
「ウケそうなことは全部言っていた。大して面白くない話はせんかったし、怒られる話はしない。若い女の子と徹マン(もちろん麻雀の方だよ)したって言ったら怒られた」って。

じゃあ要するに絶対怒らない、何を聞いても態度が変わらない人になら何でも言っていいんじゃないのか。
「普通言わない」のは相手との関係で「言わない方がいいなー」と思ったら言わない、ってことなんでは?
せいうちくんは私が何をしようがそれを話そうが、気にしない。
むしろ「隠してることがある」と聞くと「うさちゃんらしくないなぁ」と不安になると思う。
結局いろんなパターンがあるんだとは思うけど、Gくんの言うような「異常」ってこたぁないぞ。

「じゃああんたは親や息子に全部言うのか」と聞かれれば、親は私の一部しか評価しないし掣肘を加えるので言わなかった、息子の時間は全部私のものではなく彼の未来を作るために使うべきだからあまり時間を奪ってはいけないと思ってるので言わない。
「言わない方がいい」「怒られるから、どう思われるかわからない」心配がないせいうくんには全部言う。
時間も、彼は私と時間を使うために生きていて、仕事とかは生活のためにお互いガマンしている部分だから遠慮はしない。
そもそも夫婦は「ゼロ親等」なんだぞ。親や子供は「1親等」だ。
結婚中に増えたお金は夫婦の財産とみなされるし、他の人とはわけが違う。

「そうするとうさこさんにしゃべったことは全部せいうちさんに伝わるわけで、通常はしゃべる口はひとつなのに口が2つあるんだから、倍はおしゃべりってことじゃないか」というのがGくんの結論だった。
これからはあまり面白い話はしてくれなくなるかもなぁ。

長老の娘さんが飲み会で酔っ払って帰ってきて、様子を見に行ってみたら歯ブラシを握ったままベッドの上で大の字になって寝ていた話が聞けたり、いつものように荒れてて実りのあるZOOM飲み会だった。
2時とか3時に終わった気がする。
眠れないから5時頃戻ってみようかとは思ったけど、誰もいないとつまんないからやめといた。
実はGくんが「誰か来ないか」と部屋を開いていたらしいと朝起きて知って、地団駄踏んだ。

昼間は久々の休みだったのでせいうちくんはバリバリ自炊を片づけていた。
本の山がみるみる減っていく。
私のマンガのように表紙と中身を別にとってあとでくっつけるとか中身はサイズがいろいろなのできっちりタテヨコを測ってスキャナを調整するとかしないんだって。びっくり。
よくさぁ、コマの外側にベタ塗ってある回想シーンとか悪者の考えのシーンとかあるじゃん。
あれを、サイズ測らないで「自動的に紙の大きさでスキャン」にすると、周囲が黒いもんだから境目がわからなくなってぼやーっと変なうつり方しちゃうんだよね。

だから私のスキャナマネージャーの画面は「12.5×18.1 400」とか「11.1×17.5 400」とかサイズ別に30個ぐらいの仕様が並んでる。
400ってのはスキャンの細かさね。
600使えるとかなり綺麗なスキャンがとれる。
一番繊細なのが1200だからねぇ。
もちろんめちゃくちゃメモリを食うので400でとれればおおむねその辺の釣り合いは取れる。

さて、夜は中学女子ZOOM会だ。
名古屋のCちゃんが開いてくれた。
参加者はCちゃんと私を入れて4人。
コロナにかかった人がいてびっくり。
「孫だけならうちもかかったわよ」と言う人がさらにいてもっとびっくり。
もうそんなに身近まで来てるんだね。

Cちゃんは常日頃、
「いっぺんかかったからって免疫ができるわけじゃない。かかる時は何度もかかる。だからハイリスク患者の貴女はなるべくかからないようにおとなしくしてなさい」と口を酸っぱくして言ってくれる。
メンツの1人、Kちゃんの職場の人は3回かかったそうで、「3回目が一番えらかったって」と名古屋弁で語ってくれた。

一度この新居に遊びに来てくれたCちゃんは、
「みんなはまだうさちゃんが引っ越ししたこと知らないのよね。あのね、連休頃に遊びに行ったんだけど、とっても素敵な新築マンションなの。前のマンションよりダウンサイズはされてるけど、老後の2人が暮らすにはぴったりな、いい選択だったわよ」と話をつないでくれた。
心配りの人だなぁ、Cちゃんは。
しかし書斎でZOOMしてるからって、「何かの事務所かどこかからZOOMしてるんだと思った~」と言われたのには驚いた。
そうか、来年3月まで見られるカレンダーが壁に貼ってあるとか後ろの本棚にやたらにファイルホルダーが立ってるとか、事務所みたいなのか。

11月に愛知県にジブリパークができるそうで、Cちゃんも誘ってくれるから行ってみようかと思ってたけど、開園間近な今、大変な盛り上がりぶりらしい。
愛知県や名古屋市の人向けの特別な抽選が行われ、ZOOMに入ってたKちゃんはなぜか「絶対当選すると思った」と不思議なほどの自信を持ち、スケジュール表に「この日はジブリ」って書き込んでいたらしい。
で、くじに外れたので「どうして?!」と驚いたと言う。その自信はいったいどこから?
愛知の人々の現在の感想はおおむね「最初は混むから、1年ぐらいしたら行ってみよう」に落ち着いてきてるみたいだ。
私もそのぐらい待つかな。どうせコロナだし。

画面共有で、私のサファイアの指輪をサイズ直しして息子がプロポーズの時に使う予定のを見せた。
「わ~、素敵な話ね~」と喜んでくれた。
中古品をもらうカノジョの立場に立つと少しかわいそうだけど、息子はお金がないからなぁ。

結婚式場に勤めてるKちゃんから面白い話を聞いた。
新婦のお母さんは「ベールダウン」と言って式場の入り口で娘の頭のベールを顔の前に垂らす、という作業がある。
これで次に新郎がベールを上げた時(ディスカバリーと呼ばれる)には花婿と結ばれている、ということだ。
そして新婦のお父さんはベールダウンした娘と一緒にバージンロードを歩く、ってお仕事がある。
うちは「ベールダウン」は知らなかったししなかったので、わりと新しい儀式なのかもしれない。

そうするとおさまらないのは新郎の両親だ。
これまでは新婦はこれでもう実家の人ではなくなり婚家の人になるので実家サイドにはお別れの儀式がたくさんあったわけだが、今は「嫁に来る」ケースは少なく、「2人が結婚する」という認識。
なので、新郎方も巣立つ息子を応援する儀式が欲しい、ってことで母親がジャケットを着せかける「ジャケット・セレモニー」、そして父親が手袋を渡す「グローブ・セレモニー」なるものが発生しているらしい。
うちは家族だけのリゾート婚でちゃちゃっとやっちゃうつもりだから、あんまりいろいろはやらないだろけど。

ZOOMが終わってからせいうちくんにその話をしたら、
「僕は手袋を持たされてたけど、手にはめる場面は一度もなくてずっと左手に握りっぱなしだった。ただの飾りだと思った。あれを渡す係を、新郎のお父さんがやるのか。そこにもまた料金が発生したりしたらどうするんだろう」となにやら心配そうだった。
お葬式とか結婚式は、気がつかないうちにどんどん請求されてるからねぇ。
正気の時はテーブルに飾る花だけで10万とか20万とか、聞く耳ないよ。

そんな中、息子が指輪を取りに来た。
舞台を昼夜2回こなして下北沢の店に寄ってからきたので疲れていた様子。
だからこそ気休めでも抗体検査キットを使わせる。
マンションホールのチャイムが鳴った時点で自宅ドアのカギも開け、玄関先に抗体検査キットを置いておいた。
もし陽性が出たらその場で帰ってもらうシステムになってる。
いや、さっきまで若い人の人ごみにいたんだから、本当に気休めでしかないけどね。
「もう終電終わってるから、帰すんだったら大宮までのタクシー代を渡さなければ」
「カノジョも実家に避難しておいた方がいいから、カノジョの分のタクシー代も出さなきゃ」と右往左往していたら、勝手に検査して陰性だったらしい息子がのしのしと入ってきた。

さっそく「風呂入る」で、そのあとは「カレー食べたい」(作っておいた)だったので、指輪とかあとでちゃんと向かい合って渡そうと思ったが、忘れちゃうと大変なのでいちおう食卓までは持って来た。
「あとでゆっくりね」と言うそばから、息子は白くて小さな紙箱を取り上げ、無造作にフタを取る。
中からブルーベルベットの指輪ケースが出てきたのでさすがに「おっ」と思ったらしい。
「この箱って、新しく買ってくれたの?いくら?」
聞くのはそこかい。
「650円ぐらいだよ。それほど高いもんじゃない」
「こんな立派な箱が千円しないのか。すごいな。中国の人、頑張ってるんだな」
いいから、指輪見て!

カレーを頬張りながら箱を開き、「おお」とは言った。
「内側にイニシャルとか今年の西暦とか彫ってもらったよ」
「ホントだ。こんなに細いとこによく!」
前にも話しておいた来歴を、まだ貧乏な頃だったがボーナスが入って気が大きくなっていたので下北沢でデートしてる最中にはずみで買ってもらった、うちで一番高い指輪だ、ともう一度話す。
「母さんからもらってサイズ直ししたって点は行っても言わなくてもあなたのお好みで」「うん」となったが、最終的にどっちになったのかは聞いておきたいな。
私、言っちゃいけないこと忘れててうっかり言うからな。

「いつ渡すの」
「来週」
「それはまた、急だねぇ」
「再来週は仕事が入って京都行くから、その前に」
「場所は?飼ってたハムちゃんが亡くなって、埋めた公園に2人でよく行くから、そこでプロポーズしたいって言ってたじゃん」
「うーん、ちょっと遠出するつもりだから、その時行った先かな」

先週末はコントライブの配信があって、今週水曜から日曜まではADやってる劇団の公演が毎日昼と夜2公演で、その間にも下北沢のパフォーマンスパブには顔を出し続けてて、運営や企画もやっていて、人のつながりで別の仕事も単発で入りそうで…
聞いてるとずいぶん頑張ってるね。
カノジョともしばらくゆっくり会えてなかったようだから、来週は少しのんびり2人で過ごして、将来の楽しい話ができるといいね。

テンションバリバリにもかかわらず、
「お母さん、お誕生日おめでとう。63歳までも長生きできて、本当に良かったね。これからも元気でね」
「お父さん、お仕事の方はどう?大変?」と言ってくれた。
しかし、頭の中では脱水洗濯機が少し片寄った中身をぶんぶん回してるような、イマイマの彼の関心事でもう洗濯機自体がガタガタ歩きだしそうな様子だった。(そういう現象ってあるでしょ、洗濯機で脱水してる時)

疲れてるだろうから、とみんな早めに寝た。
でも2時半ぐらいかな。3時近かったかな。
息子は明日も昼公演からあるんで9時半には出るって言ってるし、せいうちくんも朝の9時から会議だ。
ゆっくりできるのは私だけか。
申し訳なし~。

今日のマンガは一智和智の「便利屋斎藤さん、異世界に行く」既刊7巻。
もともとTwitterに上がってる冒険者もののマンガを気に入ってラフデザインっぽい絵を楽しんでいたが、いつの間にか人気が出て電子書籍を中心に出回るようになり、今では紙の本も買える。
こっちの世界で便利屋さんをやっていた男がダンプに轢かれかけた瞬間に異世界に飛ばされる。
「ダンジョン飯」みたいに皆がダンジョンでひと儲けしている世界で、彼は呪文を忘れがちな老いた魔法使い(名前がモーロックって洒落に最近まで気づかなかった!)、回復魔法を担当するがめついエルフ(身長1マデラカ。この世界の単位で、大昔の偉大な王のナニのサイズから来ているらしい。約30センチ)、斎藤を憎からず思っている女性戦士のパーティーに入れてもらい、宝箱を開けたり罠を解除したりと元の世界でのスキルを活かして貴重な戦力になっていく。
他のパーティーや国王も絡んできて、ダンジョンものが好きな読者にはたまらないストーリーだ。
同じ作者の「剥かせて!竜ケ崎さん」と一緒に友人に貸したら、すっかりハマったそこんちのダンナさんは外で子供らがトカゲを見つけた時小さな声で「竜ケ崎さん!」とつぶやいたそうである。

22年8月28日

朝方、座談会で発言している夢をみていたらしい。
「あなたはウソをついている!」「それはおかしくないですか!」などと大声でまっすぐ議論するような寝言を言っていたんだって。
仕事中のせいうちくんがびっくりして飛んできた。
何をそんなに憤っていたのかは本人忘れたてしまったが、
「びっくりするほど真面目だった。背筋がピンと伸びるような声だった」とせいうちくん。
 
私の側としては夢の中でしゃべっている時にどんどん声がかすれて小さくなっていってた。
そこを一生懸命声を張って精いっぱい伝えようとしていたところ、現実の方で大きな声が出たんだろうと思う。
面白い現象だった。

ものすごく頑張って、3カ月近く溜めていたレシートを整理し、家計簿をきちんとつけた。
これがないと将来の生活の予算が立たない。
だいたい以前と変わらない生活費で暮らせているようだ。
コロナで旅行や飲み会に行かないから、全体的には支出が少なくなっている。
マンガを買うのとお菓子を買うのを少し控えればもっと健全な家計になりそう。

千駄木を経由してこちらに住むようになってから昔住んでた近所の優秀な八百屋に縁がなくなり、その結果家計簿上「野菜」が上がっている。
夏場なんか大袋2つ分の買い物をしても2、3千円の激安な店だったからなぁ。
今は「ミョウガ」とか「大葉」を定額で買っているので高くつく。
大葉100枚が98円で買えた夏がなつかしい。

せいうちくんがそのうち時間ができたら、何歳まで働けばゆとりを持って生活できるか試算してみてくれるって。
早く仕事辞めてくれたら、ストレスがなくなってマンガもお菓子も控えられる気がするんだけどな。

今日のマンガは冨明仁「ストラヴァガンツァ ~異彩の姫~」全7巻。
「ストラヴァガンツァ」とはイタリア語で「奇妙、狂態、やり過ぎ」などを意味し、要するに「やっちまった感満載のお姫さま」の話。
普段は国王として仮面をかぶっている彼女を始め、侍女たちや巨人族の姫まで、みんな非常に豊満でふんだんに見せてくれる。
さすがは現役のハルタ連載作家、としか言いようがない。
森薫といい入江亜季といい、あの雑誌はどうしてこれほど女体フェチのマンガ家が集まるのだろう。
冨明仁の読み方、私は「とみあき・ひとし」と主張し、せいうちくんは「とみ・あきひと」だと言って譲らなかった。
コミックスをよくみてみたら、「Tomi Akihito」と書いてあり、私の負け。
天皇みたいな名前じゃないか!

22年8月29日

再編成番組の、「スマホ」シリーズを観た。
今日は「光秀のスマホ」、それから「土方のスマホ」を途中までだった。
残りと「義経のスマホ」は明日以降観よう。
「LINE」が「FUMI」になってるとか「FaceTime」が「OmoteTime」になってるのが面白い。
「武春砲」に狙われて情報漏れするとこなんかもね。

なんでパロディってこんなに面白いんだろう。
特に元のを一緒に観てる人とだと、同じところで「おお!」となって大爆笑。
楽しいじゃないか。
土方歳三が大河の「新撰組!」のテーマ曲をハミングしちゃうとか、面白いぞ。
もうちょっとでお茶吹くとこだった。

最近、こういうちょっとしたゆっくりする時間が持ちにくくはなってる。
寂しくてストレスがたまる。
常時頭痛がしてるのも、目の使い過ぎだと思っていたがストレスからくる神経性のものかもしれない。
せいうちくんとまとまった時間、話をしなくなってもう2カ月以上たつからなぁ。
おかげでちょっと時間ができると「いつ仕事辞めるの?」って話になってしまう。

まだ60歳にもならない彼に隠居しろというのも酷な話だが、何度も言うように90歳あたりまえと思ってる長寿の一族と80歳になった人が親戚にほとんどいない短命の家系では時間の大切さが違うのだ。
せっかくサラリーマンという「アリとキリギリス」のアリをやってるのに、せいうちくんが働いてる間に私が弱って死んでしまったら元も子もない。
そう長生きはしたくないと思ってきたが、自分の寿命があと20年ないかもしれないと想像すると、ちょっと焦る。
せいうちくんもヒマになって、一緒にゆっくり散歩をしたり本を読んだり古いドラマを観たりして過ごしたい。
そんな贅沢な夢をつい求めてしまう60代前半、微妙なお年頃だ。

今日のマンガは逢坂みえこ「獣医者正宗捕物帳」既刊3巻。
ホームズのパロディもので、「そあ橋奇譚」とか「六つの鏡餅」「赤鼻連盟」「真鱈の干物」などのタイトルがおかしい。
本業は獣医者である正宗が岡っ引きの手伝いもして大活躍。
あと、面白かったのが江戸の風俗として「戸板を立て、てんでにそこに意見や文句を書き込む『といったー』」なるシステム。
時々エキサイトしすぎて火をつける輩が現れ、「炎上する」そうだ。
なので最近は雷蔵さんという人が作った「組ごとに違う印がついているので仲良し同士が交流できる掲示板『ら印』(らは雷蔵のら)」の方が人気があるのだとか。
逢坂みえこは安定のおだやかな絵なので、誰にでも親しみやすいと思う。

22年8月30日

マンガ紹介の中でのりつけ雅春「アフロ田中シリーズ」を2回書いてしまった!
しかもほんの2週間前に書いたのを忘れて。
どうもどこかで読んだようなことを書いてるぞ自分は、とは思っていたんだ。
まあ、長い長いマンガだから(各シリーズ10冊総計60冊)、2回紹介してもいいか。

せいうちくんは1年半かかってジョジョシリーズを全部読んだ。
その後オノ・ナツメの「ACCA13区監察課」を読んでこないだよしながふみの「大奥」を読み終えてる。
1日10分ぐらいしか時間がないのによく読めてるなぁと感心するよ。

こないだZOOM会で「うさちゃんのおススメを次々読んでいる」と言ったら、マンガに厳しいSくんから、
「せいうち自身の好きなマンガはないのか。人に勧められて読む、ってなんか違うだろう」と叱られた。
でもさぁ、もともとアンテナ感度の低い人だから、「今、こういうのが評判だよ」「これは最近終わったけどいいマンガだったよ」ぐらいの指標はあってもいいんじゃないかな。
私自身、年末になると「このマンガがすごい!」を買って人気作をカタログ買いしてるぞ。
そこを自分から探していけ、と言われると読めるマンガが少なくなっちゃうからなぁ。

特にせいうちくんは「もうマンガの時代は終わった。過去の名作並みのものは出てこない」と思っていたらしい。
今、オトナになった新しい目で見ても十分鑑賞に堪える上質なマンガがたくさん出てるのを知って、俄然読みたくなっているんだって。
「自分だけだったら読まなかっただろうマンガ」を読めるのは2人顔を突き合わせて暮らしてるおかげもあり、あながち悪いことでもあるまいと思える。
ほっとくとせいうちくんがついつい買って集めてしまう松森正とか辰巳ヨシヒロを私が読むかどうかはまた別の問題なんだが。

今はおかざき真理の「阿・吽」全14巻を読み返している。
どのページを見ても見事な絵と表現であふれていて、この人は天才かと思う。
同時代に生きていてこのマンガを読めて、幸せだ。
すでに紹介しているのが残念なぐらい。何度でも紹介したい。

今日のマンガは小西明日翔の「来世は他人がいい」既刊6巻。
関西ヤクザの孫娘である女子高生染井吉乃は、組同士が決めたいいなずけ、関東ヤクザの深山霧島(「苗字みたいな名前やな…」)の屋敷の離れに住むことになる。
イケメンで頭脳優秀、スポーツ万能の霧島は高校でもモテモテ男で、家がヤクザなので怖くて近づけない女子たちは美人で気の強い吉乃に陰湿ないじめを仕掛けてくる。
そんな中、当の霧島からも「僕はドMで高慢な女に振り回されるのが大好きなんだ。君、案外普通でつまらないから、大阪帰っていいよ」と言われ、「1年かけてどっぷり惚れさせてから捨てて帰る」決心をした。
かぶっていた猫をかなぐり捨てた吉乃にすぐにぞっこんになった霧島は、つき合えばつき合うほど謎で地獄な性格。虎の入れ墨まで入っている。
吉乃の組の若衆、竜の入れ墨をした翔真も加わって竜虎の対決の行方はどうなる?
というところまで読んだので、絵はそれほど好みじゃないのに続きが気になって仕方ない。
ヤクザの世界は独特のルールで動いていて面白いといえば面白いよ。

22年8月31日

せいうちくんのお昼休みに自転車で出かけ、カノジョのお誕生祝いにチーズケーキを送った。
クール宅急便で冷凍で送るからか、送料が高くついちゃった。
元のケーキの値段から1.7掛けぐらいになったよ。
ちょっとくやしいね。

一緒に買ってきたレモンドーナッツとイチゴショートがものすごくおいしい!
イチゴショート、あんまり好まないんだけどスタンダードだからと食べてみたら、実にまっとうに本物のショートケーキって感じ。
レモンドーナッツも、ドーナッツにありがちなパサついた感じがなくて、ほどほどにふわっとしていて実にさわやか。
また買いに行ってしまいそう。
ああ、どうして住む先々でお気に入りのケーキ屋さんができてしまうのか…
パン屋さんのくるみパンをなんとか断ってから半年ぐらい頑張ってたんだが。

晩ごはん食べながら「土方のスマホ」の残りを観た。
ハンドルネームが「Toshi-Baragaki」ってなってるから、
「茨木のガキだったんだねぇ」とせいうちくんに言うと、意外そうに、
「いや?武蔵の国の人だったはずだよ。多摩の田舎」
「ふーん、ゴールデンカムイで永倉新八のこと『がむしゃらな新八で、ガムシン』って呼んでたから、『バラガキ』の土方歳三は茨木のガキなんだと思ってた」。

その後よく調べたら、「茨のように人を傷つける」悪童だったため「バラガキ」と呼ばれてたと知る。
「触る者みな傷つけた」り「盗んだバイクで走り出し」たり、若いって大変だなぁ。
次は「義経のスマホ」だ。楽しみ。

今日のマンガは長田亜弓の「やわ男とカタ子」既刊7巻。
モテない女、ネットスラングで「喪女(もじょ・もおんな)」と呼ばれるタイプのアラサー女子藤子はキスもデートも経験ないのがコンプレックス。
そんな彼女が親しくなった男はオネエでバイの小柳。
自虐ばかりの藤子を見るに見かねて様々にアドバイスをしたりデートの相手をしてくれたり。
いつしか小柳を好きになってしまう藤子だが、実は小柳の方も藤子に本気。
しかし藤子の自信のなさと小柳の男女問わないモテが邪魔をして、なかなか進展しない2人の恋の行方は…
いいね、人が自分自身として自分を好きになったり他人に受け入れられたりするのは。
アラサー喪女の「白馬の王子様願望」ではあるものの、藤子の素直な可愛らしさに惹きつけられるレディースコミック。

22年9月1日

9月中旬にカノジョ母娘とうちの3人で箱根の温泉に1泊旅行に行こうと思っていた。
しかしコロナ第7波が激しかったので遠くまでの移動はやめておくことにし、代わりに息子たちが住んでてカノジョの実家にも近い大宮で飲もうという話になった。
カノジョのお母様はお酒が大好きだそうだし、カノジョによればいいビアガーデンがあるらしいんだ。
終わりゆく夏を偲んでビアガーデンで枝豆つまむのも悪くないね。

最近はそういう連絡はカノジョと直接LINEでやっている。
息子が間にはさまると、不正確で場当たり的でテキトーすぎるからだ。
息子に「カノジョに『お母様に聞いておいて』って伝えて」「うん、わかった」とやってると、「大丈夫そうよー」とかニュアンスのまったく感じられない答えが返ってくるのだ。
その点カノジョは連絡が早く、あっという間にお母様に連絡して正確な答えや自身の意見を言ってくれて、話が早いのだ。

昨日お休みだったケーキ屋さんにめずらしく1人で自転車で行って、イチゴショートとレモンドーナッツを買ってきた。
家からずっと下るだけなので間違いようがないのだが、帰りにタバコ買おうとコンビニのある細道に入ったのがよくなかった。
見事に道に迷った。

GoogleMap見てても、どうも逆走してるのにも気づかずどんどん自宅から遠ざかってしまった。
結局なんとかGoogleさんに連れ帰ってもらったのだが、あまりに時間がかかったのでせいうちくんが心配していた。
「どこまで行ってたの?」と聞かれて覚えてるポイントをいくつか話したら、
「そりゃまた、ずいぶん遠くまで行ったもんだねぇ。完全に家と逆方向に行っちゃったんだね!」と慰めてくれた。
地図が読めないのと方向音痴はGoogleMapさえあれば怖くないと思っていたが、装備していても年季の入った「迷い人」には役に立たない場合もあるよ。

一番コトをややこしくしたのは、ケーキの袋を手に持って自転車のハンドル握ってたこと。
このケーキ屋さんは細かく気を配ってくれるお店で、「自転車でおいでですか?」の問いに「はい」と答えると、「自転車の前カゴは意外と揺れるんです。どうぞ手に提げてお持ちください」と袋を渡してくれる。
そのため、左手にスマホを持って移動しながらGoogleMapを見ることがかなわず、しばらく移動してはポシェットから出して見ていたもんで、気がついたらずいぶん遠くまで来てしまっていたのだ。自転車だもん。
なんとか帰りつけて本当によかった。

夕方、激しい雨が降ってきた。
にわかに暗くなりざあっときたと思うと、遠くの空が明るく見えるような典型的な夕立。
そういえば今年はいわゆる「ゲリラ豪雨」が少なかったなぁ、と思いながら先刻取り込んでおいた洗濯物からハンガーを外していると、せいうちくんがおやつのアイスを取りに来て、妙に焦っていた。
「あっ、洗濯物!忘れてたよ」
雨が降ってきたので急いで取り込んだ、と思ったのかな。

「洗濯は私の管轄だからあなたがそんなに焦ることないのに。ちゃんと15時過ぎには取り込んでたよ」
「いや、キミが寝てる間の家全般に関しては、僕も責任を負ってるつもりなんだ。『ゆっくり休んで』と言ってる以上、心配をかけちゃいけないからね」
こんないいダンナさんがいるだろうか。
大丈夫だよ、最近日中は前ほど薬のんで気絶したりしてないから。

せいうちくんの仕事があんまり忙しいのでこれ以上この状況が続いたらガマンできないと思い、「そろそろ一線を退いてはどうか」という話を最近ずっとしている。
今夜も寝る前に話していたら思わぬことを言われた。
「僕らは普通と違うことをしようとしてるんだから、もうちょっと考えさせて」
「普通と違うこと、って何?」と聞いたら、60歳前に事実上引退する点だそう。

そんなの、年上の、しかも短命の家系の女性と結婚し、しかもできるだけ長く一緒に遊びたいと思った時点で織り込み済みじゃなかったの?
仕事って、けっこう人の頭を喰い荒らすもんだなぁ。
早くヒマになって私と遊びたいって口癖のように言っていたのに、「仕事を辞める」こと自体が恐ろしくて考えたくない問題になってるみたい。
今、退かなくても5年後には確実にやってくる定年なのに、どうして永遠の命みたいにどこまでも欲しがってしまうんだろう。

「誓って言うけど、前と同じように出世や地位には興味ないよ。心配なのはお金のことだけ」って言っても、「老後の資金が心配」なら、今ある貯金で十分暮らせると思うし、そもそも思わぬ出世をしてなかったら貯まってないお金だよ。
なければないなりに、あればあるなりに心配なのは誰でもおんなじだよ。
今ある貯金で暮らせるように将来賃貸に出すべく新築マンションに買い換えたのに、まだ心配なの?
なんだかせいうちくんが違う人になってしまったような気がする。
「また相談しよう。おいおい考えよう」って言いながらお互い寝たけど、なんだかすっきりしないぞ。

今日のマンガは沖田×華の「お別れホスピタル」既刊8巻。
産婦人科でバイトしていた時の体験を元に描いた「透明なゆりかご」がヒットした彼女、第2弾は赤ちゃんからいきなり老人専門病院の話へ。
実にいろいろ参考になる。
ボケてるけど動ける患者さん、動けないけどボケてない患者さん、それぞれの介護の仕方はかなり違う。
しかし基本は「真心をもって適当にごまかす」ことであると思い知る。
老人に対して真剣に理を説いても仕方ないのだ。
私もいつか、理を理解したいとは思わなくなるだろう。
叶う限り「心を満足させてあげる」以外に人を幸せにする方法はない。
特に行動が思うに任せなくなった老人に対しては、「彼らの世界を壊さない」のが一番なんだと思う。
もちろん限界はあるけどね。
立派なお仕事マンガだ。

22年9月2日

コロナのため施設で暮らす娘と自由に面会できなくなってからずいぶんになる。
この3年間、下火になった時を狙ってマスクとフェイスシードルをつけて面会室で15分、という制限で年に1度ずつほどしか会えてない。

今回、初めての試みとしてTEAMSアプリを使ってのリモート面談が行われた。
大宮の息子も別途入れるのが大きなメリットだ。

15分間のリモート面談が始まるまでに少し時間がかかった。
現場の方たちもまだ慣れていないのだろう。
久しぶりにフェイスシールド越しでない娘は、位置を動かしてもらってアップに。
声を聞いて時々目線をこちらに向けようとするのだけれど、力を入れると目玉がひっくり返ってしまうものだからなかなか「はい、目線くださ~い」というわけにはいかない。
息子も自宅のノートPCから入ってくれて、家族全員そろうのは何年ぶりだろうか。
人数制限2人だったから、息子が面会に来てくれる時はせいうちくんか私と一緒に会ってもらって、残る1人は入り口のホールで待ってたんだよね。

介護士さんたちが2、3人つきっきりで娘の様子を話してくれたり、顔をこちらから見やすいよう車椅子を動かしてくれたり、娘の手を取ってこちらに振ってくれたり、大変な労力だと思う。
とても良い面談だったので、次回も申し込みたいな。
人気があるのか、9月はもういっぱいで10月になりそうだ。

終わってから息子と少しZOOMで話そうと思ったが、下北沢のお店に行くため家を出なければいけないので、とのことだった。
しかし夜になる頃、「今夜泊めてもらったら迷惑かしらん」と問い合わせが。
特に話があるからではなく、明日も都内なので宿に使いたいだけらしい。
せいうちくんはさっそくカレーの仕込みをすると張り切っている。
来るのはどうせ夜中だから、定例ZOOM飲み会のさまたげにもなるまい。
長老の娘さんのように深夜までつき合って一緒に飲む、なんてサービスはしてくれないだろうが。

急に思い立って萩尾望都の書いた「一度きりの大泉の話」を読み返し、流れとして竹宮惠子の「少年の名はジルベール」も読んだ。
出版されたのはジルベールの方が先だが、萩尾望都が書いてる事情が本当ならこんな持ち上げ方をされ、竹宮惠子の嫉妬とスランプで大泉が解体した、と言われても納得できないだろうな。
心情的には萩尾望都サイドだが、こういう人の心を凍りつかせると恐ろしい、ってのは深く身に沁みた。
若い頃一緒に暮らし一緒にマンガを描いてきた友人同士が50年近く口もきいてない、しかも同じ狭い業界の中で、ってのはまわりもずいぶん神経を使っただろう。

さて、世間の人はどういう意見だっけ、とTwitterを調べていて大変な事実を知った。
「大泉問題」の当事者3人のうち、竹宮惠子と一緒に萩尾望都と袂を分かった増山法恵は昨年突然死していたのだった。
元々病弱な人で最期の様子はあまりわかっていないようだが、竹宮惠子が友人としてその死をネット上に発表していた。
「生き証人がひとり減ってしまった」と見る向きもあり、確かにこれはお墓の中まで持っていかれてしまってるなぁと感じた。
結局当事者同士の問題だし、本当のところは他人にはわからないものだろう。

今日のマンガはいがらしみきお「ぼのぼの」既刊47巻。
2022年3月に最新巻が出ており、今でも続いているのに驚く。
第1巻を読んだのはまだ私が会社に勤めていた1987年で、同僚の女の子に貸したら、「どうしてもどこで笑っていいのかわかりません…」と困られたことが記憶に鮮明。
ある種のシュールなギャグマンガだった。
スナドリネコさんの名言をラッコの「ぼのぼの」は真剣に受け止める。
「生き物は、絶対、こまるんだよ。こまらない生き方なんか、絶対、ないんだよ。そして、こまるのは、絶対、おわるんだよ。どうだ、少しは安心してこまれるようになったか?」
友達の雑で乱暴なアライグマくんも言う。
「後でこまるんなら後でこまればいいじゃねえか。なんで今こまるんだよ」
今でも困りそうになると彼らの言葉を一生懸命実施しようと心掛けている。
しかしシマリスくんは意外と性格が悪いのだった。


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