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年中休業うつらうつら日記(2024年10月19日~10月25日)

24年10月19日

昨日の夕方早めの時間にキャラバンに荷物を積み込み、ほんのちょっとの2人きりでの車中泊を楽しんできた。
これまでたいがい共同所有者のGくんとの3人旅だったが、「できるだけゆっくりいろんなところで止まりたい」「同じ道を2回通るのはイヤで、一筆書きを完成させたい」とこだわりの多い彼と、わりと目的地まで突っ走ってそこでゆっくりするタイプの我々とはなかなか意見が合わない。
と言うか、絶望的に合わないと言ってもいいだろうなぁ。

なので長老の別荘のような近場はともかく、長い旅はお互い無理だと悟り、基本それぞれの車中泊を楽しむことにした。
今回は息子が使うかも、と言っていたので前の車中泊から数日こちらでパーキングに停めておいたのを使い、ほんの近所、小菅の道の駅を目指す。
本来は今日だけの日帰りドライブのつもりだったが、翌日の日曜にGくんとカラオケの約束が成立したので近場に泊まることにしたのだ。

なんとか温泉の時間に間に合って(入ってさえしまえば21時までいられる)、せいうちくんと男湯女湯に別れてゆっくり温泉を楽しんだ。
しかし、実に私は転びやすい。
よくGくんから「何もないところでいきなり転ぶ」と驚かれるのだが、今回はサウナのあとの冷水浴からあがってきたところで温泉のすべる石の床の上で見事に真後ろにすっ転んだ。
まともに後頭部を打ちつけ、痛みで一瞬意識が飛ぶほどだったが、それよりなにより、浴場中の注目を集めてしまったのが本当に恥ずかしかった。
いくら老女は転ぶものだと言っても、これほど見事に転ぶことはあまりないだろう。
「大丈夫ですか?」と数人から声をかけられ、
「大丈夫です!床、すべりますね」と言い訳して、そそくさと露天風呂へと逃げ出した。

湯上りにドライヤーをかけていたら、痛い。
思っていたほど真後ろではなく、やや左寄りの少し上の方に、たこ焼き板の上で半球状を描いているような大きなたんこぶができていた。
上の方、ってことは、転んだ瞬間、私は少しブリッジ気味に頭を後ろに反らせていたのだろうか。

すでに車に戻っていたせいうちくんにたんこぶを触らせながら解説したら、しきりに、
「吐き気とかめまいはない?こぶが痛いだけ?」と心配してくれた。
まさにたんこぶが痛むだけだったが、用心して早々に寝る。

早寝しただけのことはあり、朝の5時にはすっきり起きて帰路に着く。
いったん荷物を家に置いてGくん宅にキャラバンを返すついでにカラオケしよう、と荷下ろし作業をしたのが8時頃だっただろうか。

事前に全然知らされてなかったのだが、息子が発熱していた。
幸いコロナ検査キットを使ってみて陰性だったそうなのでよかったが、事と次第によっては我々カラオケに行けなくなるところだった。

24年10月19日

カラオケチェーン店「まねきねこ」には10時から20時まで、「混んできたら3時間で出ていただきます」と言われる「まふ」というコースを使っての、最大10時間が期待できるコースがある。
「まふ」とは何ぞや?と皆で首をかしげたが、室内にちゃんと「まねきねこのフリータイム」の略だと書いてあった。
高校生、または全員60歳以上の「グループ」が対象なので、基本「1人カラオケ」のGくんはこの安い安いシステムを使えなくて悶々としていたところ、物好きな60過ぎの夫婦が話に乗ってきたので嬉々としてマイマイクスタンドとマイマイクをリュックに詰め込み、飲み放題のドリンクで様々に割るための焼酎もしっかり準備。
うちもつまみにと旅行の余りの春巻き持ってきたよ。(車内の冷蔵庫にずっと入ってたから、大丈夫)

3~5時間ぐらいのカラオケはよくやるが、3人で10時間となるとひとりアタマの持ち時間が3時間半近くなる。
人はそんなに歌を歌えるものだろうか。

3時間を過ぎたところから「追い出されるのでは」とビクビクしていたが、幸い10時間カラオケマラソンを敢行できた。
さすがに全員手持ちの歌を使い尽くし、普段めったに聴かないような歌を聴くこともできた。
GくんはAdoの「アイドル」とかYOASOBIの「うっせえわ」が歌えるので「若い!」と尊敬してるんだが、最後に近くなるとドリフターズが増えていく気がする。
全体に中島みゆき率が上がり、私は古い正統派フォークを歌い、せいうちくんはついにわかりやすいアニソンに手を出した。
今回は長老がいないから(誘ってはみたけど、忙しいそうだ)、古いアニソンは出ないと思ってたんだがなぁ。

Gくんは場の初め頃には吉田拓郎の「今日までそして明日から」を歌い、今回は中盤でリクエストに応じて中島みゆきの「永遠の嘘をついてくれ」を歌ってくれ、〆には吉田拓郎の「落陽」を持ってくるという黄金パターンだ。
私はたいていポルノグラフティの「メリッサ」(これもアニソンっちゃあアニソンだな)で始め、主に中島みゆきを歌うが、時々THE ALFEEの大曲が混ざる。
せいうちくんはロシア民謡的歌謡曲が好きだ。
結局、男性陣の行きつく先は、一番音楽をよく聞いた70~80年代の女性ボーカルだと知る。

20時に3人で1400円という破格の安値で会計を済ませ(ドリンク飲み放題なんだよ。私はココアを7杯ぐらい飲んで、マシンのココアを切らせてしまったよ)、せいうちくんと電車で帰る。
Gくんちからうちまでは意外と電車の便が良く、最後の徒歩10分も入れて1時間で帰り着いた。
と言うか、20時に埼玉を出て、21時閉店の自宅近くのスーパーに滑り込めたんだから、電車だけなら1時間かかってないってことだ。
高熱の息子を置いて1日カラオケに興じていた申し訳なさをひしひしと感じながら、ポカリスエット、バナナ、プリンなどを買って帰る。

息子は明け方に見た時と同じように布団にくるまっていた。
「ポカリ買ってきたよ」
「あ、ありがと」
「バナナもあるよ。プリンも」
「ポカリとプリン、今すぐちょうだい」
てな会話があって、それ以上は何も食べられないようだったので我々も寝ることにした。

息子からSOSが行ったのか、埼玉の実家にいる妻のMちゃんから「看病や病院の付き添いのために、明日うかがってもいいでしょうか」と問い合わせが来ており、もちろんありがたくお受けして、我々の明日の仕事は病院が開く時間に電話して「高熱外来」を予約することだな。

いやー、目まぐるしくて疲れたけど、楽しい週末だった。
息子にとっては散々な週末だったわけだが、双方リュックひとつ担いでそれぞれの実家に居候しているプチ別居状態な若夫婦なので、どんな理由でも会えるのは嬉しかろう。
息子の寝てるスペースにパネル立て回して個室を作らなきゃな。

まあまあ平和なこの状況に、とんでもない非常事態が発生した。
夜中に、私が激しい頭痛を感じたのだ。
目まいと少しの吐き気もあり、昨日お風呂の床で頭をしたたか打ったことを思い出すと、「これはまずいかもしれない」と思えてきた。
せいうちくんは週末の疲れでぐっすり眠っている午前3時、道を隔てた大病院の救急窓口にいつでも行けるように車いすも常備してある。
しかし、たった今は息子が寝ているのが邪魔で取り出せない。
そもそも歩けることは歩けるので、せいうちくんを起こさずに1人で行くべきか、いや、仮にも急患として受け付けてもらうには付き添いぐらい必要だろう。

迷った挙句に結局せいうちくんを起こし、「頭痛がひどいんだけど。吐き気もある」と訴えると、すぐに救急外来に行こうと言う。
「車いすを出す」と言うので、
「息子を起こしちゃうよ。歩いて行けるから大丈夫」と説得して、徒歩3分の窓口へ。

救急車で搬送されてくる患者さん相手で手いっぱいで、「歩ける人は夜間外来に行ってください!」と叱られるんじゃないかと思ったんだだが、日付的には一昨日、風呂で転んで医師の床で頭を強打した話をすると、すぐに診てくれる勢いだった。
せいうちくんがいろいろ書類を書き、即CTを撮ることになった。
そのあたりになるともう車いすとストレッチャーが出てくるフェーズだ。

CT撮って診察を待っていたら、
「CTだけではちょっと怪しいところがありますので、MRIを撮ります」と言われ、再びストレッチャーに。
「受けたことありますか?」
「あります。大きな音がするんですよね」
「耳栓しますけど、かなり大きな音です。我慢できなくなったり気分が悪くなったりしたら、この器具を握りしめてください」と持たされたのは、昔、ゴムのカエルに空気を送り込んでぴょこぴょこさせて遊んだ空気入れ部分をひと回り大きくして材質が丈夫そうなものだった。(それでも何かにたとえるならカエルの空気入れしか思いつかない。ボタンを押す、とかじゃなくて、全体を握りしめるようだったから)

MRIのガンガンいうのはあまり気にならない性質で、検査は無事終わった。
せいうちくんの待つ椅子の横に車いすで並び、やがてドクターに呼ばれた。
CTでは不安なのでMRIを撮る、と言われた時は少しイヤな予感がしたけど、結果は問題なしだった。
「特に深刻な状態は見つかりませんでした」と言われて病院を出たのがもう6時近かった。

せいうちくん、とにかく1時間でもいいから寝てくれ。
私は昼間いくらでも寝られる身の上だからいいが、あなたはテレワークとは言え仕事しなきゃいけない。
「やっぱり起こさなきゃよかったなぁ」と何度も思ったが、当のせいうちくんからは、
「起こさずに1人で行くなんて考えられない。問題外。今後似たようなことがあっても、絶対に僕を起こすこと!」と厳命された。

帰ったら息子は一連の騒動にはまったく気づかない様子で熱の苦しい息で一生懸命寝ていた。
なんだか嵐のような日々が続いている。
頭痛は収まってきたが、いろいろと頭が痛い。

せいうちくんは大変満足そうに、
「大病院の隣に住む利点がわかったでしょう。もう、引っ越し道楽なんて考えないことだよ」と得々としていたから、それだけはよかったかな。

24年10月21日

私の行きつけの内科クリニックに11時半の予約を入れておいたら、Mちゃんが11時前に来てくれた。
2人が病院に向かうのを見送り、昼は中華粥にしようとせいうちくんが仕事の合間にコトコトと米を煮てくれた。

帰ってきたMちゃんに聞いたら「コロナでもインフルでもない、ただの風邪だそうです」。
たぶん、ここんとこ精力的に動き回ってたから過労もあるんだろうな。
息子は中学ぐらいから、3、4カ月に1度ぐらいのペースで謎の発熱をする習慣があった。
病院に行っても特に悪いところはなく、「過労でしょう」と言われて終わっていて、家で「元気薬」と呼んでいたとにかくタウリンの量が多いのが決め手、という安い栄養ドリンクを飲み、ポカリスエットの1リットルペットボトルを抱えて部屋にこもり、ひたすら寝て治していたものだ。
今回、Mちゃんにその話をしたら、息子から特に聞いたことがなかったようで、
「昔からそういう体質だったんですか。柔道やってて頑丈、ってイメージでした。意外です」と驚いていた。

みんなで中華粥とこれまたせいうちくん作の「がめ煮」を食べて、Mちゃんも息子部屋にこもってそれぞれ勝手に過ごす。
コンビニでロックアイスとバナナの追加を買ってきたから、氷枕作ってあげられる。
昔風のゴム袋を上からぶら下げておでこを冷やすタイプのやつが私は大好きだったのだが、せいうちくんにいつの間にか捨てられてしまった、とMちゃんに語っていたらせいうちくんからクレームが入った。
「あれは、袋が破れたから捨てたんだよ。そのあと、黄門様の帽子を逆さにしたような青いアイシング用の氷嚢を買ったじゃない」
確かにそれが見つかったので、おでこ用にそっちも氷と水を入れて作る。
ただね、おでこにしっかり乗っているとは限らなくて、すぐにずり落ちちゃうから私は好かないんだけどね。

私は今日、心臓の検診日で午前中に息子が行ったクリニックに夕方行って、肺レントゲンとインフルエンザの注射をお願いし、年に1度の心臓部MRIを撮るために家の隣の大病院に宛てた紹介状をもらうミッションがあった。
しかし、息子がひいたのと同じ風邪で熱が出ないで咳だけ出るタイプのをひいていたのでそう申告する。
「昼頃、息子が高熱外来でお世話になりました」
江口のりこ似の女医さんの無表情な顔に珍しく驚きの色が浮かんだ。
「あれ、息子さんだったの?『せいうちさん』だなぁ、とは思ったけど、よくある同姓だから、まさか息子さんとは。うーん、咳が出るかー。それだとインフルは打てないかなー」
「なんか、右の首筋が痛いんですよね」と言うと触ってみて、
「あら、リンパ腺腫れてるじゃないの。なんかの菌が入っちゃったわね。ますますインフルは止めておきましょう」

このあと3月までにインフル、コロナ、肺炎球菌のワクチンを打たなければならないんだが、こんな風に風邪で延期したりしてると間に合わなくなっちゃわないだろうか。
ちと心配。
長老は同じ日に片腕にインフル、もう片腕にコロナのワクチンを打ってもらった、と自慢していたが、あんまりそういうことをしてくれる医師はいないぞ。

肺レントゲン撮って、これはお国がやってくれる老人向けのものなので江口のりこの所見では異常ないものの、大学病院かなんかに回されて精査した結果が郵送されてくるのだそうだ。
それ以外に定期健診としての心電図と血液検査用の採血をして、今日はおしまい。
「リンパ腫れてるから抗生物質出したいんだけど、前に出したことのあるワーファリンに禁忌のない抗生物質が製造中止になっちゃったのよねー」と言いながら合う薬を探し出してくれ、それと咳止め以外はいつもの処方箋。

看護師さんたちにも、
「昼間は息子がお世話になりました。付き添いの妻が、『女性ばかりでとても親切な感じのするいい病院でした』と喜んでいました」とご挨拶したら、なんだか場が騒然とした。
「うさこさんの息子さんって、あの、ものすごくしんどそうだった人でしょう?」
「ぐったりしてたわよね」
「相当つらそうだったわね」
「奥さんだったのね。結婚してたのー」と、にわかに局地的話題の人になってしまった。
それほど皆の記憶に残るとは、病院という「しんどい人」が集まる場所でもひときわ目立つ消耗ぶりだったのだろう。

18時を大きく回ってしまったので薬局がもう閉まっている。
一応アプリで処方箋は送信しておいたから明日の朝には手に入るだろうが、咳がひどいので、息子のもらってきた薬の説明と自分のをじっくり見比べ、「咳に効く」同じ薬が処方されてるのを知って、とりあえず息子から分けてもらう。
明日、返すからね。

今夜も39.8度とかの熱を出している息子、解熱剤をのんでもこれなんだからなぁ。
正直、精子工場になんらか不都合が生じるのではないかとはらはらしているよ。

夜もみんなで昼のお粥の残りを食べる。
うち中で入院してるみたいだ。
それでも息子たちの仮部屋からは時々Mちゃんの明るい笑い声が聞こえてきて、「ああ、一緒にいられて楽しいんだな」と心が温まった。

24年10月22日

今日も変わりなく息子は絶賛発熱中。
敷布団が汗でしけって、布団の裏を見ると濃い色のシーツに直径50センチ以上の濡れた跡が見て取れる。
当然床もしけっており、このマンションで一番早く傷んでくるのはこの部屋の床かもしれないなぁ、と、前に20年住んでいたマンションの、息子の部屋の壁が相当黒カビにやられていたのを思い出した。
ママ友が「男の子は家の資産価値を下げる」と言っていたが、まったくその通りだ。

熱が高くてうとうとしてる状態の息子なので、Mちゃんはリビングのソファに寝転がって本を読み、私はベッドでマンガを読み、せいうちくんは書斎でまじめに仕事をしているという棲み分けがいちおうできてはいる。

24年10月23日

息子の熱はまだまだ下がらないが、Mちゃんは明日とあさっては用事があって帰らなきゃいけないそうだ。
「週末になってもまだ具合が悪いようなら、また来ますから」と請け合ってくれた。
息子自身も土曜の下北沢のお店でのステージに穴を開けたくないらしく、ここからの週後半がキモとなるだろう。

私はヘンなハイになって安い中古マンガセットを5個ぐらい買ってしまった。
ヨシノサツキの「はんだくん」全7巻、松岡圭祐×神江ちず「万能鑑定士Qの事件簿」全10巻、くまがい杏子「チョコレート・ヴァンパイア」全18巻、宮月新×神崎裕也「不能犯」全12巻、城平京×片瀬茶柴「虚構推理」は21巻で完結かと思っていたらまだ続いてるようだ。
新巻を待たなきゃいけないシリーズが増えてしまった。
それにしても最近、原作つき、特にラノベのコミカライズが多いなぁ。
ラノベはそんなに面白いのだろうか。一度読んでみるべきかも。

24年10月24日

息子の熱がやっと37度台になった今朝、Mちゃんは所用で帰って行った。
早くまた一緒に暮らせるといいな、と思っていたが、田舎で暮らしたいMちゃんと演芸の都合でどうしても今は都会の近くにいる必要のある息子で話し合って、都内のシェアハウスに夫婦で住んでもかまわない、と言ってくれるところを見つけたので、来週内見に行くそうだ。
「古民家風シェアハウス」であるところがあくまであの2人らしい。

朝の9時にお別れしたMちゃん、また来てね。
「来週も息子くんの具合が悪かったら」なんて言わずに、元気な時に遊びに来てよ。
しかし、2人ともこれからの生活のために働いたり様々な準備をせねばならず、ヒマな姑につきあってる時間はないだろう。

午前の診療時間が終わる直前に整形外科に行ったので、すぐに呼ばれ、いつものシップと鎮痛消炎ジェルをもらう。
ここは、時間帯を選べばそれほど混んではいないのだが、院内処方でシップくれるせいか、診察が終わってからの待ち時間がけっこうかかる。
「ライオンのおやつ」で好きになった小川糸の「小箱」を図書館で借りたのを持っていたので読み始めたが、まるで谷山浩子の歌のように奇妙な世界観で、読み通せるか自信がなくなった。

少し食欲の出てきた息子が今夜は水餃子ぐらいは食べられそうだと言うので、材料やポカリを買うついでにケーキ屋に寄ってシュークリームを3つ買う。
快癒してしまうともうMちゃんは家に来なくなっちゃうので悲しいんだが、息子本人としては土曜のステージに立ちたいので、早い本復を望んでいる。
これまでの経験では、食欲さえ出てくれば峠は越えているので、多分彼は週末、下北沢のステージに立っているだろう。

その代わりと言っては何だが、せいうちくんに風邪の症状が出てきた。
私はまったく熱も鼻水も出ず、ひたすら咳だけなのだが、せいうちくんは咳、鼻水、のどの痛みとフルコースだ。
これで熱が出るようなら、いくら明日が週に1度の出社日でも行かせるわけにはいかないと思う。
テレワークが導入されてから、会社に出てこられない人でも家から会議に出たり仕事しちゃったりするから、油断がならないよ。

晩ごはんは結局90個の餃子を作り、すべて水餃子にして3人でキレイに食べてしまった。
おまけにそのあとデザートとしてシュークリームを食べる。
全員、食欲だけはしっかりしているが、せいうちくんは咳と鼻水が出始めているし、私は咳と微熱、息子は熱だけは下がったものの相変わらず咳がすごい。
風邪っぴき一家だ。
せいうちくん、明日の出社は無理だろうな。

24年10月25日

せいうちくんはやはり会社を休み、それでも必要な会議だけは出ざるを得ない。
昼にうどんを作ろうとしたら、先週の金曜に買ったはずの冷凍うどん5食入りがどうしても見つからない。
帰ってきてせいうちくんに「冷凍うどんをしまうのだけ、真っ先にお願い」と袋を渡した覚えがあり、せいうちくんも確かに渡された覚えがあるというのに。
息子に聞いてみたところ、「何度かうどんを作って食べた」との証言が得られ、うどん5玉はすべて彼によって消費されたのが明らかになった。
ごはんも炊いてないから、彼がうどんで生きていたとしても驚くにはあたらない。
しかし、「何かを消費し尽くしたら申請してくれ」と伝えてはおいたので、そこだけはしっかりしてほしい。
生活上の大事な点なので。

うどんの代わりにそばをレトルトカレーで「カレーそば」にして食べた息子と、唐突にステーキ肉を焼いて食べるせいうちくん。
私は最近ずっと食べ続けてるバナナ。
なんていい加減な食生活だろう。
せいうちくんにステーキを少しもらった息子は、
「うまい肉だねぇ」と感心していた。
オーストラリア産だが、それでも我が家では贅沢品である。
しっかり味わって栄養にしてくれ。

まだ選挙の投票用紙が来ない息子は、めずらしく熱心に役所に電話して行方を追っていた。
どうやら移動に次ぐ移動の最中のことで、彼が投票するためには選挙当日に前の住所である大宮に行かなければならないらしい。
せいうちくんは、
「病み上がりなんだし、今回は失礼したら?」と思い止まらせようとしたが、
「は?なんで?」と本人は行く気満々。
若い人たちが世の中を少しでも変えようと思ったらまずは地道に選挙に行くしかない。
息子は選挙権を得てからほぼ無駄にしたことがないと思う。
成人して5年ぐらい選挙に興味がなく、女友達から「せっかく女性も選挙権を勝ち取ったんだから、行かなきゃダメ!」と強く諭されて以来、反省して毎回投票するようにしている。
意識の高い人たちってのはいるもんだ。

熱はすっかり下がったようで、息子は郵便物を投函しがてら散歩に出かけた。
基本、身体を動かすのが好きなんだな。
私は「散歩」なんて考えたこともないよ。

今夜は鍋にしようと鶏肉や野菜を買ってきた。
だんだん食べ応えのあるものになって行ってる。
息子はほぼ4日間高熱に苦しめられた経験を、
「本当に死ぬかと思った。世界から色がなくなり、三途の川を渡りそうだった」と語っている。
回復してよかった。
我々は不思議と熱は出ないが、風邪だけはしっかりひいている。


昨日の夜中に安藤なつみ「私たちはどうかしている」全19巻をスキャンした。
裁断済みの山がだんだん減ってくる。
そのわりに5回目ぐらいになる「彼岸島」シリーズを読み返したりしているので、あまり新しいものは進まない。
はっきり言ってひどいマンガで、吸血鬼や化け物との戦いまた戦いが延々続いているだけなんだが、妙にクセになる。
息子の感想ははひと言、「長すぎる」。
読んではいるんだね。

「SANDA」の連載が終わったばかりの板垣巴留が「BEASTARS」のスピンオフ短編集「BEAST COMPLEX」第4巻を出すらしい。
正直「SANDA」は登場人物たちが妙に獣くさい顔をした人間ばかりだったので、彼女はケモナーとしての正しい道を堂々と歩んでほしい。
「BEASTARS」全22巻はちょっとない名作だ。

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