年中休業うつらうつら日記(2023年6月3日~6月9日
23年6月3日
前夜の定例ZOOM飲み会もそこそこに、息子を迎え、おしゃべりをする。
それでも3時ごろには寝て、我々は10時前に起き、メインPCとノートPCをログイン状態にして2人でスタンバイ。
脇に置いたスマホの時計の大きな画面を見ながら、「10:00」が出たとたんに「柳家喬太郎さん予約サイト」でEnterを押しまくる。
何しろ各会員1人当たり2枚きり、しかも昼夜両方の公演のどちらかしか取れないという厳しいシバリなのだ。
むなしく「ただいまサイトが混み合っております」からの行きつ戻りつの5分後、「あっ、取れた!」とせいうちくん。
うー、なんでいつもあっちの方が早く取れるんだ。メインPCだからか?
ますます焦ってEnterを繰り返すも、結局、私のログインナンバーに変えたせいうちくんの方が先に釣果を上げた。
やれやれ、これでまた友人たちの分と4枚がゲットできたぞ。
熱闘8分の物語。
ちなみに10分たったら完売していた。
そこから息子が起きてひと風呂浴びて劇場入りはいいが、グレーの綿パンの膝に大穴が開いている。
「お父さんの貸してくんない?」っつっても、君とせいうちくんでは足の長さが違うだろうに。
この間セシールで新しいズボンをせいうちくんに買ってあげておいてよかった、と思いながら2本出したら、
「黒い方はシャカシャカ音がする。これは舞台には良くない。ベージュの方は大丈夫」と、相当丈が合わない父の愛のズボンを履いてついでにスニーカーも借りて出かけて行った。
それもこれも今日が台風かもしれず、自分の家に帰らず劇場に近い実家の方に泊まったせいだと思われる。
外は皮肉なほどの快晴だ。
いったい彼は「嵐を呼ぶ男」なのか「晴れ男」なのか。
そこからぐぐーっと昼寝し、15時頃起きてお出かけのしたく。
今日は息子の名を冠したコントライブが比較的大きな劇場で催されるのだ。
いつも20席ぐらいの箱でやっているので200以上の席が埋まるかどうか心配で、親の友人知人も動員してしまった。
12人も来てくれるうえ、1人は直前に「娘さんも行きたがってるが、まだ自由席の券はありますか?」って問い合わせ。
ええ、ええ、余ってますとも!ぜひ親子でご来場を。
17時に会場のある駅でお笑いに詳しい女性、Cさんと待ち合わせ。
デニーズでごはんを食べて、「楽しみですね~」と語る。
何しろ彼女は、息子が大学生の頃の学生お笑い時代から3度ほど舞台を見に来てくれているのだ。
貴重な定点観測者。
開場時間前に会場に着くと、ぽつぽつと我々がご招待した方たちが現れ、お礼とご挨拶をしなければならない。
Cさんにはその旨話して失礼し、各お客様とお話をする。
せいうちくんにとっても「会社を離れたのちもつきあってくれそうな友達」である貴重な人々で、それが大学同期、会社同期、会社先輩・後輩、くらぶ関係などいろんな方面からやってくるので、頭がぐーるぐる。
皆さん、実に快く多くが自腹で払ってくださる。
差し入れのお菓子をくださる人もいて、コントグループのメンバーに渡しておいた。
「スタンド花をお願いしたんだよな。息子に名前変えてってお願いしておいたけど、大丈夫かな」と劇場入り口を見に行くと、バーンと2段の大きな花タワーが立っていた。
両親の実名が麗々しく書いてある状態で。
問題なのは、これが「親バカ花タワー」であることよりも、息子が名前を直しておくほど恥ずかしくはないと思ってる点だろう。
いやあ、いろんな人に会った。
元会社仲間のSさんとS‘さんとYくんにせいうちくんがご挨拶してる間に私はまんがくらぶの長老とNさんを見つけて話しかける。
幸いCさんがNさんとは知り合いなので、あとは託す。
そこにTくんが娘さんを伴ってやってくる。
Gくんも来たので、長老にGくんの相手をお願いし、せいうちくんが学生時代の仲間のTくんとS‘’くんに話しかける横でお辞儀する。
Kくんは見かけただけ、息子の塾の先生だったNさんにはせいうちくんがご挨拶。
こちらで声をかけた人は全員確認したか、と思ったところに息子経由でやってきた甥っ子が現れた。
母の葬式以来で、10年ぶりだ。
可愛らしい奥様と一緒だった。
「あなたや息子を見てると、若い人の晩婚化ってどこで起こってるかと思うよ!おめでとう!今度うちにも遊びに来て!」と握手を交わす。
おっと、息子の保育園からの幼なじみJくんもやってきたよ。
「いやー、こんな大きな劇場じゃ、来なくちゃって思って」と頭をかく彼は念願の教員試験に受かって中学の教師をしているそうだ。
今度お母さんと遊びにおいでよ。
君がどんなに手の焼ける小学生だったかで小一時間盛り上がれるよ。
開演直前までそんな感じで、息子妻のMちゃんが仕事を終えて駆けつけたところで2、3言かわすのがやっと。
最後の最後に入場する。
端の方に2人並びの空席を見つけて座り、あらためてまわりを見渡すと、290人の劇場の席はほどよく前方に集中して埋まり、それほど寂しい感じではない。
むしろぱっと見は盛況な感じだ。
100人以上のチケットが売れており、赤字が出るラインも超えている、と息子から聞いていたし、よかった、と胸をなでおろし、さあ開演だ。
息子が出てきて挨拶をし、その日のメンバーを呼び込む。
同じインプロコントグループから1人、前に一緒に公演をしたインプロ劇団から2人、ギター漫談の人、漫才のコンビ、ピン芸人、いつも下北沢のパフォーマンスパブでジャズピアノを弾いてる人、そのあたりまではおなじみだが、詩人とダンスの女性は初めて見る。
その中には息子の呼びかけに応じてくれた一般参加の方々6名もおり、総勢16名が舞台に横に並ぶと壮観だ。
いつものようにお客さんからお題をもらってインプロコント。
タイミングを計っていた数人は出損ねて出演しなかったが、面白いものが1本できた。
それを数回続け、目新しかったのは詩人が朗読した詩の後で、それをコントにしたものと、即興で踊るダンサーを囲んでくり広げられるコント。
それから全員を3グループに分け、4人ずつでお話を作り、途中で次のチームに役割はそのままで交替していくコントだった。
予定の1時間半を20分ほどオーバーし、全員挨拶から息子が締めるまで、スムーズに進んだ。
まあまあの成功じゃないだろうか。
いつものことだが、台本のない即興だからドキドキするのか、親が子供の学芸会を見てドキドキする気持ちなのか、全く区別がつかない。
とにかくずっとドキドキである。
終演後、ロビーでいろんな人と話したが評判は上々だった。
しかし、このシチュエーションで苦言を呈されるようではまったくの失敗舞台であろう。
せいうちくんの友人たちは2グループに分かれて久々の再会を楽しむようだし、NさんとCさんも一緒に去ったし、我々はKくんが息子に前に仕事を依頼したという女性が今日も観に来てくれていて、一緒に飲む約束をしている。
長老とGくんは適当に飲んでて、最後に我々と合流して我が家でお泊まり飲み会の手はずだ。
かなり時間が経ってしまったが、Kくんと女性Hさんは隣のバーで待っててくれた。
初めて会うHさんはどんな仕事をしているのか、経歴も一切聞かなかったが、バリバリ働いている雰囲気で、部分的にはSEとしてのKくんと同業な部分もあるようだった。
大学の研究者たちが自分たちの研究を面白く紹介できないか、という試みで息子に白羽の矢が立ったことがあるらしい。
「1回だけの機会に終わってしまったけど、同様のことをまたやってみたい。息子くんは頭の回転が速いし話がうまくて面白いので、何かやれると思う」と言っていただけた。
そのバー自体が非常に面白い「コンセプト・バー」で、店主のコレクションをところ狭し(実際、狭い)と展示しているそうだ。
今のテーマは「古いケータイ」。
ガラケーやアンテナがついたもの、初期のブラックベリーなどが並んでいた。
カセットテープの収集もしているそうで、皆で、
「赤はなつかしい。メタルは高くて手が出なかった」などと盛り上がる。
私はなぜかTDKを使っていた思い出がよみがえった。
途中から43分とか76分などのレコード録音用に特化したものも出たねぇ、と話題は広がる。
「古くて消えて行くものをコレクションしたいんですよ。雑誌なんかも集めてますので、今度はそれを自由に読める場にしたいと思ってます」と言う店主の店の看板は「原稿執筆バー」。
自由な気分で原稿を書いてもらう場にしたいそうだ。
ノマド生活者のK子ちゃんにぜひ紹介しておかねば。
Kくんも、
「息子くんは、うまくなりましたね。司会の流れとか、コントの作り方とか。頑張ってるなぁ、と思いました。親は見守るだけですね」といつものように笑っていた。
小さなころから知っていて、応援してくれるおじさんおばさんがたくさんいて、息子は幸せ者だ。
小さな瓶ビールを飲み切ったところで2人と店主にお礼を言って、我々は店を出た。
駅に向かいながら長老とGくんに連絡を入れるが、駅に着いた頃に「バーリアルの缶を飲みながら商店街中の店を冷やかして回り、今は路上にいる」。
ここまでの道で見逃したかな?
同じ路上にいることを確認して劇場の方に戻る途中で、反対側の歩道を歩いている2人を無事捕獲、一緒に電車に乗る。
うちにヱビスが1ダース冷やしてある、と言っても2人は「そんなもんで足りるかい!」と強気で、家の近くのコンビニでさらにビールを仕入れている。
ここまでにもすでに飲んでいるらしいのに、どれだけ飲むのだろう、この2人は。
うちに着いて、さっそくビールで乾杯だ。
私は何が何でもシャワーを浴びる。
パジャマに着替えて出てくると、せいうちくんはおつまみに作ったローストポークを切っており、2人は食卓に落ち着いて飲んでいた。
そこから繰り広げられた楽しい時間を全部は書けない。
特筆すべきは、長老とGくんにとって「裸エプロン」は価値があり、せいうちくんには「何がいいのかわからない」らしいこと。
あと、ハイレグとビキニの論争をしていたなぁ。
せいうちくんが、
「お尻の下の肉はちょっと出るからいいんで、ハイレグみたいに出し過ぎては艶消し」と力説していた。
Gくんに、
「こういう話に異性の私が混じっている、というのは男性陣的にはヒートアップするのか?」と尋ねたら、
「する」ときっぱりしたお返事。
「ネットのきちがいフェミが騒ぎそうだが、フェミのうさちゃん的にはどうなんだ」と聞き返され、
「私はソフトなフェミだから特に何とも思わないけど、いろいろ言いたい人はいるだろうね。せいうちくんに最初に会った40年前の日から『少しは穴のある身にもなってみろ』と言い続けてはいるよ。やっぱり女性性は搾取されていることが多いとも思う」と語る。
長老は、
「搾取される価値を持っているってのはブルジョアだろう。男はプロレタリアートだ」と開き直っていた。
かなり盛り上がったなぁ。
2時を過ぎたあたりでもう明日の朝7時からカラオケに行くという計画は無理と判断され、「起きられたらその時間から行く」計画すらその2時間後には放棄されていた。
最後は2人とも食卓の椅子で眠りこけ、せいうちくんはとっくにベッドで、リビングの一角に敷いた布団に「はいはい、おじいちゃん、お布団で寝ましょうね」と2人を誘導し、私も寝た。
いい晩だった。
23年6月4日
朝の4時まで続く猥談。
笑い転げる長老は久々に「楽しいにゃ~!」を連発してた。
全員が布団に入り(掛け布団の上に倒れているGくんを「布団に入った」とするならば、だが)私が目覚めたのは10時。
Gくんが1人静かに座って飲んでた。
この人は睡眠時間が安定しないのか、かなりの確率で一番早起きだな。(過去の我が家と長老宅での家飲みの結果観察より)
起きた順に飲み始め、せいうちくんも加わって、終了したのは14時頃か。
2人が紳士的に辞去したあとは、我々爆睡。
夕方に起きて、各方面に昨日のお礼のメッセージやLINEを書く。
返事が来ればまた返す。
あまりに非日常で、なんだかわけのわからない週末だった。
23年6月5日
心臓の定期検診&コロナワクチン6回目。
患者さんも少なく、すぐに診察室へ案内された。
血圧、心音共に問題なし。
ワーファリン値は「1.9」でやや低め。
「こないだ『2.7』と高かったのは、自転車が足の上に倒れたせいで内出血があったせいだと思います。帰ってから気づきました」と報告したら、江口のりこ似の女医さんは冷静に、
「そう。ま、これで様子をみましょう。正常数値内には入ってるわけだしね」と言っていた。
彼女はあわててワーファリンの用量を上げたり下げたりしない。
そこは非常に気に入っている。
一生つきあう薬で、長い目で見るしかないからだ。
3カ月に1度の採血と採尿。
採血してくれる看護師さんが小さな試験管を6本用意するのを見て、
「血が糸のようにほとばしるのをみるのが好きなんです。『くれないの糸 ああ生きている』なんて短歌作っちゃいました」
「人によっては目を背けてますけどね」
「だから、注射器で引くタイプの採血だとがっかりしちゃいます。今回は試験管がたくさんで嬉しいです」
「よかったですね。でもすごい、短歌なんか作っちゃうんだ」
「おしゃべりだから、字数に制限があるのがいいようです」
なんて会話をしながらのんびりと。
そのあとコロナワクチン接種。
15分待機して、異常ないので帰宅ついでに整形外科のぞいたらすいてた。
こないだ月中3回目だからもらえなかったシップをゲットして帰る。
途中で処方箋をアプリで送った薬局から「調剤機械が壊れてしまって、今日のうちにご用意できません」と連絡があったが、心臓の薬はかなり余裕を持ってみているから大丈夫。
あさっての心療内科の診療日に一緒にもらおう。
「お熱」が出たら看病する気満々のせいうちくんだったが、結局夜のうちには最大「37度」までしか出なかった。
ひと晩39度の熱にうなっていた長老の話を聞いて期待していたんだが。
どうも私はワクチンで熱が出ない体質らしい。
倦怠感と頭痛はしこたまある。
23年6月6日
ワクチン後の倦怠感がずっと続いている。
「だるい」という、本当にわずかで主観でしかない感覚を認めていいものかどうか、自分の仲では激しい葛藤がある。
まあどっちみち1日中寝てるだけだから何も変わらないんだが。
うちでは「紅しょうが」を業務スーパーで1キロのを買っている。
と言ったら長老に「そんなに食べきれないだろう。食べきる前に傷むぞ」と言われた。
しかし、先月は焼きそばが多かったせいか、5月10日に開けた1キロパックが6月2日の時点でもう下のような状態だ。
新しい1キロ袋も買ってある。
紅しょうがってのは、好きな人は死ぬほど好きなんだと思ってもらってかまわない。
たこ焼きをするとさらに減るよ。
今クールでとても楽しみにしているうちの1本、福山雅治が盲目のFBI捜査官を演じる「ラストマン」で、歯磨きのチューブについて言及があった。
福山雅治が、
「歯磨きなどのチューブの押し出し方は、人によって違い、プロファイリングにも使われているほどです」と関係者たちにハンドクリームのチューブを使ってもらったあとに解説する。
端から押し出す人、真ん中を押す人、結局「真ん中タイプ」が犯人だったわけだが、うちはせいうちくんも私も「端からタイプ」らしく、「ほえー」と思って観てた。
しかし、こないだ息子が泊まりに来た時、はっきりと見た。
彼が使った後のチューブは見事に真ん中がへこんでいる!
確かにプロファイリングに使える!
と喜んだのもつかの間、あとでよくよく聞いたらせいうちくんも「真ん中から出すタイプ」なんだって。
ペーストのチューブがよく戻る素材でできているせいで、ずっと「端から派」だと思い込んでいた。
福山雅治よ、時間が経過するとそのプロファイリングは使えないようだぞ。
23年6月7日
心療内科の通院日。
思い切って減薬を頼んでみたら、ドクターは大変喜んで「うん、減らそう減らそう。コロナ以来、薬の量が増え続けてて、どうしようかと思ってたんだ」。
日中の薬を3種類減らしてみた。
ここ2、3週間、続けてみるいろんなパタンの悪夢が、全部「生活に困っているが、働きたくないし働けない。誰かに援助を頼んでいるが実に屈辱的な気分である」だと話す。
ドクターは深くうなずきながら、
「あなたの人生で、取り返しがつかない後悔がそれなんだろうね。キャリアを失ったということ。あなたならそう思うだろう」と言っていた。
わかっちゃいるが、苦にしても仕方ないことだ。
私はせいうちくんのパートナーとして、少なくともせいうちくん側に何の不満もないパフォーマンスを上げて「せいうち家」を継続させてきた。
子供も2人、生んだ。
ここでまたパフォーマンスの問題が出てくるのは娘に失礼と言うものだが、今や息子も社会に貢献しているかどうかは怪しく、せいうちくん以外は実に生産性の低い一家である。
しかしそれでも、4人がそれぞれに幸福である(私が幸福でないのは私の事情だ)家庭を作ってきたのだから、この結婚は成功したと思うしかないだろう。
「あなたでなければ、ダンナさんはここまでやってこれてないよ。あなたという非常にまれな人とめぐり逢ったから、今の生活や地位や幸福があるんだよ。きっとダンナさんも同じことを言うでしょう」
ハイ、その通りです。
私が個人的な事情で幸福になれないのはせいうちくんに申し訳ないことだ。
時々すごく幸福だが、すると即座に「怖くなる」「イヤな気分になる」。
「誰かが、キミの幸福を邪魔するんだよ。誰かは言うまでもないけどね」といつもせいうちくんは言う。
人は幸福になるのに誰の許可もいらず、誰の制限も受けないのだと、いつになったら私は芯から底から理解できるのだろう。
23年6月8日
かわぐちかいじの「僕はビートルズ」全10巻を読んだ。
息子に映画「イエスタディ」の話をした時に、「かわぐちかいじそっくりな話だね」と言われ、「まだ読んでないマンガ」の山から「これから読むマンガ」のフォルダに移して半年以上、やっと読めた。
素晴らしい作品だった。
ビートルズとの出会いは中学1年の頃、クラスメートの家のガレージで今で言うディスコパーティみたいなのをやった。その時初めて聴いたのが「MEET THE BEATLES」だった。
S&G以外の洋楽を聴いたことがなかったが、夢中になって踊りまくった。
独学でギターを始め、「Black Bird」を弾けるようになるのに3年かかった。S&Gの「Scarborough Fair」も弾けるようになっていたが、この歳までに手が忘れてしまった。残念なことだ。
ビートルズが関わっている小説やマンガを4つ知った。タイムリープした若者が息子と気づかない父親と一緒に渡米し凶弾に倒れるジョンを救おうとする清水義則の「イマジン」、「Fab 4」という言葉を初めて知った東野圭吾の「ナミヤ雑貨店の奇蹟」、THE BEATLESのいない世界にスリップするミュージシャンの映画「イエスタディ」、そして今回「僕はビートルズ」が加わった。
本当はもっともっとあるのだろうが、私が知っているのはこれだけだ。
でもそれで十分なぐらい、ビートルズが特別な存在であることが胸に沁みた。
1980年12月、大学の女子寮に住んでいた。
誰からともなく悲報が伝わり、皆、泣いていた。
寮の各部屋の扉が開け放され、それぞれの「My Favarite One」が流れていた。
衝撃と悲しみを全員が共有した時が流れていた。
どうしてビートルズはこんなに胸を揺さぶるのだろう。
それはいろんな評論家がすでに書いていることで、これ以上つけ加えることは何もない。
コンサートに駆けつけるほど大人ではなかった、でもティーンエイジャーとしてあのメロディとリズム、ハーモニーに酔った。
ビートルズのいた時代に青春を過ごせて、本当に良かった。
23年6月9日
疲れがたまって口内炎ができており、とろとろと眠って過ごした1日。
「会社幽霊」という小説が書けそうな夢をずっとみていた。
クビになるが、手続きの隙間に落っこちてどこの所属でもなく籍だけがある。
会社中をふらふらして、いろんな仕事を眺めたり邪魔をしてしまったり社食で食事をしたりする、20代の私。
自分の立場の不安定さは承知しており、次の仕事を探さねば、と思って元夫にまで声をかけるほどの精神的困窮ぶり。
働かないで生きていたツケが夢の中までまだ追ってくるとは。
先クールに貯めこんだドラマのうち、「Get Ready!」を観始めた。
日曜劇場だからてっきりビジネスものかと思ったら、闇医者モノだった。
妻夫木聡がごていねいに髪を半白に染めて、ブラックジャックのオマージュか。
第1回は下町ロケットのような泣かせも入って、なかなか面白かった。
藤原竜也はいったいいつ老けるのか?
ドラマは、貯めておくと「次回までが待てない!」と焦る状態にならずに済む。
その代わりデッキの管理はいつも綱渡りだ。
今期は「ラストマン」と「教場0」とアニメだけど「鬼滅の刃 鍛冶の里編」を観ており、どの作品も次が待ち遠しい。
こないだ長老にそうぼやいたら、
「そんなこと言っておまえら『大河ドラマ』観てるじゃないか」。
確かにあれこそ毎週次が楽しみ、の総本山だ。
我々は今、BS4Kで日曜18時から観ているが、なんと一番早い放送は同じBS4Kで12時からやっている。
本当の「早康」は昼間っから観られるのか!