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年中休業うつらうつら日記(2023年1月7日~1月13日)

年が明けて早くも2週間近くが過ぎました。せいうちくんの仕事が始まり、新大河ドラマも始まり、連ドラも始まり、もうすっかり日常です。そんな日常に楯突くように去年録画した「鎌倉殿の13人」を最初から観ている我々。我が家はまだ2022年かもしれません。

23年1月7日

中学の時の女友達Cちゃんの肝煎りで女子新年ZOOM会。
コロナ以来会っていないKちゃんMちゃんとおしゃべりできた。
Cちゃんは千駄木の仮住まいやこちらの新居を見に来てくれてるので会えてるけど、話すの久しぶり。
働いていた結婚式場が閉鎖になったので取り合えず辞めて考え中の人、銀行のフロアレディのパートをしている人、役所を定年退職して財団のお仕事をしている人など様々。
みんな働いててエライなぁ。
「私、仕事しないと絶対ぐうたらしちゃうのよね!」と力説するKちゃんだが、そりゃあ誰でもぐうたらするよ。
30数年ぐうたらしてる人間の意見を聞いてみたいかね?

事前にLINEでお知らせしておいたのでみんな息子の入籍を喜び、お祝いしてくれた。
ケーキを切るMちゃん(皆さん「お嫁ちゃん」と呼ぶ。名古屋風?)の左手薬指にサファイアの指輪があるのにめざとく気づいたのはKちゃんだけ。
「これ、うさちゃんのを直してあげたやつだよね。つけてきてくれるのね」
お金が貯まって結婚指輪を買うまで、してくれてるんじゃないかな。
「うさちゃんたちの新しいおうちはすごく住み心地はいいけど、決して広くはないわよね。そこに泊まりに来てくれるって、とっても親と距離の近い、いい息子さんご夫婦ね」とCちゃん。
みんなもうんうんとうなずく。
「お正月にダンナさんの実家を訪ねるのはわかるけど、そんな遠くないのに泊まってってくれるって本当に仲良しよね~」だそう。
結婚前からしょっちゅう泊まりに来てたと聞いてなお驚く彼女たち。
うん、うちの距離感は少しヘンかも。
私が、近い時は無茶苦茶近くなるタイプだからかしらん。

ZOOM会が楽しすぎたか、そのあとの真夜中、とても寂しくなる。
故郷も過去も実に遠い。
誰か、今生きている他人と触れたくなる。
この孤独に1人で耐えたら、私は昨日までより少し正しく少し強い。
朝を迎えられればまた1日がくり返せる。

薬をのんで1時間。
灼けつくような不安や孤独感は去った。
人間の脳は繊細で緻密だけど、意外と化学的なものかもしれない。
ドーパミンやセルトニンを分泌させて、隣に寝ている人の温かさにすがって、今夜は眠ろう。

23年1月8日

ジョジョシリーズの最後の作品、「ジョジョリオン」全27巻を読み終えた。
息子が大好きなシリーズなので彼の入籍の記念に読み始めた「ジョジョの不思議な冒険」全63巻「ストーン・オーシャン」全17巻「スティール・ボール・ラン」全24巻、そして「ジョジョリオン」で足して131巻。
「ウルトラジャンプ」2月号からは新ジョジョの連載も始まると聞いている。
めでたいめでたい。

ひと月分溜まっていたレシートを整理し、年末年始の家計簿をつけた。
たぶん腰を抜かすだろうと自分で思ってはいたが、本当に腰が抜けた。
12月の支出は生活費目標予算を75%上回っていた。つまり倍近いってこと。
お正月があるから高い食材を買ってしまうものの、それを食べてしのぐ年始が含まれる1月分はどうだろう、とよろよろと計算すると、目標通りの予算で暮らすには、今月あと4万円しか使えない。

12月も1月も、食材を買い過ぎたと言うよりAmazonのツケがありすぎるのだ。
前月の日用品や書籍代が今月の家計簿を直撃している。
「家計に占める食費の割合」をエンゲル係数と呼ぶように、「家計に占める書籍代の割合」を本ゲル係数と言うのだ、と去年の暮れにSくんが言っていたが、うちの本ゲル係数は3割ほどだったものがここ数カ月、夫婦2人のストレスが上がるのに同調して上昇し、今や5割から7割を占めているのだ。
せいうちくんはいつ果てることもなく古本を買い続けてスキャンしているけど、それを一体いつ読むつもりなのか、と詰め寄って、今後古本は買わないと決心してもらった。
私が買うのはほとんどがマンガで、新巻が多いので止めるわけにもいかないんだもーん。

なので新巻を注文するついでに「現在最新巻待ち」のマンガがどのくらいあるか、リストを整理してみた。
163冊。
これだけの最新巻を、待っている。
すでにAmazonで予約を済ませたものもあるし、最近最新巻が出たばかりでまだ次巻の案内が出てないものもある。
いずれにせよそれだけの「お話の続き」を待っているのだ。
ストーリーを覚えていられなくて最新巻が届くと第1巻から読み返さずにはいられないのも当然だ、と納得がいったよ。
毎日のように何かしらの新巻が届く現象もついでに納得。

私の本ゲル係数を下げるためには、新しいマンガに手を出さないぐらいしかできることはない。
今までは古い本をまとめ買いしてスキャンするのも本ゲル係数の内だったが、せいうちくんに古本をあきらめてもらった以上、私も何らかの犠牲を払わないわけにはいくまい。
もし新しい作家さんが発掘され、彼ないし彼女が過去にかなりの量の作品を出していたとしても、もうそこを追っかけるのはやめないと。
ちょっと悲しい。
しかし、年金内で暮らす数年後の生活を思えば、早目に慣れておいた方がいいだろう。

23年1月9日

昨年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の総集編を観終わり、あまりにもの足りないので録画した第1話から全部観返している。
今、第23話ぐらい。やっと半分。
この3連休に全部観られるかと思ったが、さすがに大長編だった。
一度観てからのドラマはひとつひとつ納得のいく素晴らしいストーリーになっている。
伏線が張り巡らされ、「ああ、ここで回収されるのか」と納得のいく場面が多い。
最終回に向かって、ここまでのエピソードがもっともっと生きてくるのをすでに知っている。
しゃぶり尽くして観尽くしたい。
これを観終わるまで「どうする家康」は録画するだけで観ないでおこう。
我々夫婦にとって2022年はまだ終わらない。

「どうする家康」は今のところあまりいい話は聞かない。
我々が「おんな城主直虎」のあとの「西郷(せご)どん」でがっかりして1年間大河ドラマをお休みしていたように、「鎌倉殿の13人」ロスを抱いたまま過ごす人がけっこういるようだ。
まだ観てないので、不安なような嬉しいような。

23年1月10日

石田スイの「東京喰種(トーキョーグール)」全14巻と「東京喰種 Re:」全16巻を読み終えた。
何度読んでも意味がわからない。
今回で4回目ぐらいだろうか、喰種特捜隊のメンバーがずいぶん喰種になってしまったのが理解できたので自分の中でストーリーが少し進んだ。
最初に間違えたまま「トーキョーグーグル」と読むクセも直ってきた。

「呪術廻戦」とか「チェーンソーマン」とかこの「トーキョーグール」とか、「痛い」話が多いよね、最近のマンガには。
「不死、しかしケガはする」「手足が取れる」「再生するけど痛い」みたいな設定がよく見られる。
「転生モノ」が流行るのと同じぐらいに、若い人たちは自分の身体を破壊し、痛みを感じ、リアルを取り戻したいのだろうか。
欠損はイヤだから「再生」を組み込んで。
なんでも「取り返しがつく」体裁になっているところが今っぽいのかな。

20歳の頃から「ものすごく痛いけど、実際の欠損は伴わない」のと「全然痛くないけど小指とか身体の一部が欠損する」のとどっちがいいか、という質問を他人にしまくっていた。
これは反応がまちまちで、そもそもそんな「痛い」質問をするな、と怒る人も一定数いた。
どちらかというと「痛くなくて欠損」を選ぶ人が多いかな、って感じだった。
私自身が圧倒的に「身体的欠損」を嫌い、「痛いのはどれほど痛くてもかまわない」派だったので、答えを素直に聞けていたかどうかはちょっと自信がない。

「欠損はしないが、痛い」という意味なら陣痛ほどそれに向いている事態はなく、ぜひ陣痛を経験してみたかった。
1回半(1人目は途中で帝王切開になったので)経験してみて、いやー、痛いのって最強!
二度とイヤ!
(と言いつつ、皆数度経験してしまうものなんだって助産師さんが言ってた。「次に後悔するのは分娩台の上ですよ笑」そのとおりだった)
痛いの痛くないのって、いや、痛い。
「あのー、これ以上痛くなったら私どうかなっちゃうと思うんですけど、どうしたらいいですかね?」と陣痛の合間に助産師さんに長い愚痴をこぼし、
「あなたが産むんだから、あなたが頑張るしかないでしょう(苦笑)」というもっともなお答えをいただいた。
それ以来、「痛いのは人並みにイヤ」と思うようになったよ。

23年1月11日

せいうちくんは出社で、しかも会議があって帰りが遅い。
寂しいなぁ。
22時頃には帰ってきたのでマシな方か。

母の従弟夫婦がわりと近くに住んでいるんだが、私が「おじちゃん」と呼んでいた「いとこ違い(親のいとこは子供にとってそう呼ぶらしい)」である人がおととし亡くなった。
母はどちらかというと従弟の妻の方と仲が良く、私も何かとお世話になっている。
近くに引っ越してきたことだし、おじちゃんにお線香を上げに行こうという話になっていた。
「おばちゃんは来週の週末のどっちでもいいって言ってるから土曜日にしておくけど、大丈夫?」とせいうちくんに聞くと、「大丈夫!」。
じゃあ昼過ぎってことで14時にお邪魔します、とLINEで連絡。

ところが寝る頃になってせいうちくんが急に慌て出した。
「僕、そのへんに同窓会が入ってたかも」
果たして、来週の土曜は同窓会の日であった。
17時開始だから、16時に先方をお暇すればたぶん問題なく着けるだろう。
私は先に1人で家に帰っていればいい。

腹が立つのはそういう善後策を一切考えつかないで「ごめんねー、ダブルブッキングしちゃって」とおろおろ謝るのみのせいうちくんだ。
久々にカンカンに怒った私は友人のミセスAが今度貸してくれるマンガ「妻が口をきいてくれません」に倣って「口をきかないモード」に入ろうとしたが、やっぱり無理!
どうしても「なんで予定を確認しないの!『大丈夫?』って私は聞いたのに、安請け合いして!」と罵倒してしまう。

何とか私のふくらはぎを揉むところまでは近づいて攣りがちな筋肉をもみほぐしながらせいうちくんは必死で、面白い話を探してるようだった。
私「信じられないよ、あなたみたいな人が会社では人に『予定の確認はきちんと』なんて言ってるなんて!」と言う私に、
せいうち「そうなんだよ、今日もそれ言った。でもね…」
私「なに?」
せ「遅くまで弁護士さんも呼んで会議があったから、当然お弁当かなんか出るかと思うじゃない。なのに、何も用意してないのが30分前に発覚したんだよ。『水だけでもいいから出しなさい!』って言っちゃって、あとからHくんに『10分あればスタバのコーヒーポットぐらい用意できますよ』って言われちゃった」
私(すでにすっかり興味を持って)「当然じゃん。何ならスタバのサンドイッチつけてもいいし、そもそもピザと人数分のコーラとかデリバリーしてもいいよね。会議の間に届けばいいんだったらお寿司とってもいいぐらいだよ」
せ「よくそんなにすぐにいろいろ思いつくね。僕はもう、常備してある水のペットボトルのことしか考えられなかった」
私「あなたの立場で『水を出しなさい』とか決めちゃうと、部下の人が『コーヒー用意しました』『軽食を取り寄せました』って言いにくいじゃん。上司の指令に異を唱えるみたいで」
せ「そうか、水って決めてかかっちゃったのがかえって悪かったのか」
私「なんのために『鎌倉殿の13人』観てるのさ。『尼御台がおっしゃる、というのはそういうことでございます!』だよ。上司は軽々しく決めちゃダメなの。むしろ『何とかしろ!』って言った方が下の人が自由にやれる」
せ「『何とかしろ』かぁ…これまでの一生で言ったことないフレーズだなぁ…」
私「何かと重宝な言葉だから、折を見て使ってみれば?」

その頃になるともうすっかりケンカ(いや、私が一方的に怒ってただけ)は忘れていて、てきぱきと親戚訪問と同窓会の流れを確認して寝たのだった。
せいうちくんの「人間の小ささ」「最初に思いついたアイディアにしがみついてしまう癖」「応用力のなさ」みたいなものがずいぶん仕事の邪魔をしているんだろうなぁと気の毒に思う。
私が日頃とっさにいろいろ思いついたり、最初に出てきたアイディアをたたき台にもっといい案はないか発展させて探す傾向が強いから、彼は「物事をあれこれ考えて決める」のが苦手になってるかもしれない。
私が彼に頼っているのは「精神的に非常に丈夫」な点だけだからなぁ。

それにしても会社での話はけっこう説教の種になるじゃないか。
もっといろいろ話してくれたらいいのに。
本人が「会社で面白いことなんか起こらない」と思っているのがネックだね。

23年1月12日

昨年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の録画をずっと観返している。
困ったことに、全部録画したと思っていたのに第32話だけとんでいた。
録画予約の重複があったのかメモリがいっぱいになっていたのか、いずれにせよ虫食い穴のようにぽつんと失われている。
仕方ないのでNHKオンデマンドを考えてみた。
もしかして初回30日無料とかやっていないだろうか。

調べてみたところ、無料期間はあるがU-NEXTやAmazonプライムに入会した場合30日無料になるのであって、その中でも別に契約することになるNHKオンデマンドが無料かどうかはわからなかった。
その代わり、NHKオンデマンド本体に入会し、1番組220円(税込み)で購入できると知る。
うん、それでいいじゃないか。
サブスクの無料期間ってすぐ忘れちゃって会費を払い続ける羽目になるから、必要な番組だけ買うPPV(Pay Per View)で行こう。

しかしタイミングを誤った。
入会手続き等は済ませ、あとは220円をどうやって払うかだけ決めればいいところまでページを進めておいたから、せいうちくんが今夜の晩ごはんのピザを買いに行ってる間に手続きできると思っていた。
しかし昨夜のうちにPCに強制再起動がかかったらしくてページはどこかへ行ってしまっていた。
やっとそこまでたどり着いてau Payで払おうと思ったら、スマホとの連携がうまくいかなくて支払いができない。

えーい、もうしょうがない、ってんでクレジットカードを使って、なんとか支払う。
ところが今度はリビングのテレビで4K Fire Stickを使ってNHKオンデマンドを観る方法がわからない。
そうこうしているうちにせいうちくんがピザ持って帰ってきて、まだログイン画面も見つけられない状態だもんだから、泣く泣く「鎌倉殿の13人 グランドフィナーレ」の録画を観ることに。
ピザは熱いうちに食べなくちゃだからね。
まあこれはこれで面白かったよ。
山本耕史が語る「市原さんの大胸筋」、笑ったなぁ。

無事にピザを食べ終えて、ちゃんとログインしよう。
落ち着いてやったらすぐにできた。
失われた第32話「災いの種」を観られた。
あいかわらず大変なことになっており、小四郎もどんどん顔がどす黒くなっていく。
もうじき「黒小四郎」の完成形だろう。
寝るまでに全部で4話観た。
明日はせいうちくんが遅いから無理だろうけど、この週末に何とか全部クリアしたいものだ。

棚上げ状態になっている「どうする家康」、ネットやSNSで見る限りあまり評判は良くない。
すでにがっかりして「今年は鎌倉殿のブルーレイBOXでしのぐ」と言っている知人もいるほどだ。
我々が「西郷(せご)どん」に入り込めなかった年のようなものだろうか。
大河を観てると、たまにそういうことはある。どうしてもある。

23年1月13日

今日もせいうちくんは出社で、しかも帰りは遅い。
最近、前より出社が増えたし、忙しいよなぁ。
コロナは決して減ってはいないんだが出社するし接待もする。
これが「ウィズコロナ」という生活だろうか。

最近よくぼんやりしている。
かつては決してできなかった、ぼんやり。
どこへたどり着くでもない思考を転がして、何にも行きつかず、ただぼんやり。
砂金よりも貴重な「限りある残された時間」が指の間からさらさらとこぼれるのを眺めて、ぼんやり。
老人にはぼんやりがよく似合う。

はくり「幸色のワンルーム」全11巻を読み終えた。
Twitterから火がついただけあって、ネットマンガにありがちな人物以外あまり描き込まれていない絵だ。
確か、4巻あたりでストーリーの「家で虐待され、学校ではいじめや教師からのセクハラを受けて、居場所のない中学生女子を身元不明の若い男性が『誘拐』し、2人はその日その日の幸せに満足して暮らしている」という主題が問題視され、炎上し、コミックスの発売もしばらく止んでいたようだった。
こうして最終11巻まで入手してみると、そんなことを思い出す。

うちでの合言葉は「子供のことはまず児相!」なので、主人公「おにいさん」も少女の虐待を見かねたなら児相に通報するべきだっただろう。
でもそれはそれで両親にごまかされてしまうと恐れたのもあるか。
(彼女のストーカーをしながら撮っていた写真にある身体の痣が、のちに虐待の証拠のひとつになるのだが)
人が人を救いたいと思う時、本当は自分が救われたいだけなんだ、という感じのことを11巻かけてぐるぐると描き続けていて、正直読みごたえはあまりない。
ラストが思っていたのとは違う流れなので驚いたぐらいか。
やや話題先行の感がある作品だった。

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