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【実話】Tinderなのに、なぜか人狼が始まりました。(相手:元職場の既婚男性) / はじめてのnote


はじめまして。とにかく明るいバツイチ、とにバツと申します。
都内で会社員をしている32歳女性です。

先日、初Tinderであまりに貴重な経験をしたので、勢いでnoteを始めてしまいました。

自己紹介やこれまでの人生については後日書かせていただきたく思いますが、まずは、先日起きたことについて書かせてください。


みなさん、Tinderってこういうアプリなんですか?
教えてください。



個人を特定できないよう、本筋に関係ない部分にフェイクを入れています。
あくまでひとつのエピソードとしてお楽しみください🙇‍♀️

性描写は出てきません。安心してください




*

32歳の夏。学生時代から連れ添った夫に別れを告げ、一人になりました。

その冬、生涯の伴侶を探すため、生まれて初めてマッチングアプリを始めました。Tinderです。

数あるマチアプのなかで、なぜ遊び目的の男が多いTinderを選んだか。
まずは、いろいろな人と会ってみたい。そう思ったからです。


そもそも私は、元夫以外の男と深く付き合った経験がありません。
「気軽に会えるTinderでたくさん会って、視野を広げたい。」

そのときは、本気でそう思っていました。




Tinderを始めて3日目のこと。

プロフィール文や写真の設定を済ませ、仕組みをひと通り理解し、毎時毎分のようにくる「like(≒いいね!)」に少し浮かれていました。


そんなとき、ある男のlikeが目に入ります。

プロフ写真はグレーのウレタン製マスク姿の顔アップ。
切れ長の目と整った眉が印象的ないわゆる「イケメン」で、短髪の黒髪を今風にセットしていました。

年齢は課金して非公開のようですが、見た目は30歳前後でしょうか。

プロフィール文が、少し変わっていました。



隠しても、秒でバレる。
だから、先に書いておく。
マジメに、不マジメやっております。

【Like】感度◎ / ぬくもり / まったり派 / 和の心 / 大人の距離感 / ハグは大事 / 美しい所作 / たまにはロマン /…

Tinder®︎

※実際には、ここでは書けないような激しく生々しい描写が相当数並んでいたのですが、さすがにそのまま載せるのは忍びなかったので、マイルドに仕上げています。他にも「いろんなことがたくさん」書いてあったのですが、詳細は割愛いたします。※



言葉を選ばずにいうと、
いわゆる、「ヤリモク」というやつです。

(この人、面白いなーー)


Tinderではヤリモクの場合でも、もう少し遠回りな言い方をするか、はなから開示しない場合がほとんどです。隠さず、ここまで生々しく書かれているのは少々レアなので、興味を持ってしまいました。

また文面から滲み出る知性とユーモアに惹かれたのもあり、半分怖いもの見たさにlikeを返すことにします。…話してみたい。


平日の深夜にマッチング成立。
数分後、男からメッセージが来ます。



男「マッチありがとうございます。ただこんなプロフィールですけど、大丈夫ですか?笑」
私「こちらこそ、やる確ではないんですが、いいですか?笑」

男「美人さん(※お世辞)とお見受けしたたのでまあ、、いいですよ」
私「しぶくて笑いました、、ふだんは即ホテルって感じですか」


深夜のテンションもあり、やや踏み込んだ質問をしました。

ポンポンと、テンポよく会話が続きます。


男「はい、ホテルでお酒飲んでお喋りしてほろ酔ったら、って感じです笑」
私「すご、Tinderこわ…ちと抵抗あります笑 うーん、まずは軽く通話ってどうですか? 興味ないわけではないので」


男「そしたらx日x時はどうですか?」
私「おけです◎」
男「そしたらそれまでにzoom URL発行します」
私「(zoom…?)ありがとうございます」


勢いで、通話の約束をしてしまいます。

このスピード感もTinderなのかもしれないなあ、と思いました。




さて、当日です。

平日の昼間だったので、私は在宅ワークの昼休み時間をあて、指定されたzoomのトークルームに入室しました。もちろん、私のカメラはOFFです。


男も入室し、通話開始です。
こちらは顔も晒してないし、どうせ向こうもカメラOFF…と思っていました。


ところが、

ところが、相手のカメラはONでした。


色白で整った顔が映ります。マスクもせず、素顔を堂々と晒していました。
プロフ写真とは印象がやや異なるのは気になりましたが、世間でいう「イケメン」というやつだと思います。

※ちなみに後日、プロフ写真は「Tinder遊びの師匠」から譲り受けた拾い画(=別人の画像)だと知ります。Tinderって怖い。


私(初手で顔出し…録画とか、怖くないのかな)


オフィスの会議室のような場所から、zoomをつなげているようです。男は会議テーブルの上にPCを広げ、肘をつき、ゆったりと両手の指を組んでいました。


私(待って、カジュアル面談始まったかもしれん。Tinderなのに)


非常に開放感がある空間です。男が座るハイバックのオフィスチェアと重厚感のある木製の会議テーブル以外に、家具類は見当たりません。

かなり引きのアングルで、後方には画面いっぱいに大きな窓が広がります。眺望がよく、遠くの方までビル群を一望できました。ずいぶん景気のいい会社に勤めているようです。


…あれ? 



この眺め、見覚えある。


街にそびえ立つ、○○ビル、○○ビルーー。


ここって、


ウォール街だ…

※フェイクです。都内のとある地名が入ります。



思いきり、ウォール街でした。


結構、有名な街で、びっくりしました。


ウォール街で、この高さのオフィスって、結構限られてる気がする…。

性癖やヤリモクもオープンなのに、
会社や身元を特定されるリスクは気にならないんか….?


いろいろな考えが頭を巡りますが、初対面で距離感がわからないので、飲み込みます。



会話が始まりました。


私「こんにちは〜」
男「こんにちは」


正直、このとき何を話したかはあんまり覚えていません。
初対面あるあるで、お互いの仕事や生活の話をしたんだと思います。

覚えているのは、男がいま務める会社の業界を明らかにしたとき。

男「今は⚪︎⚪︎業界で…」

私「あ。⚪︎⚪︎通りの⚪︎⚪︎(社名)ですか?」


ウォール街のこの高さで⚪︎⚪︎業界といえば、⚪︎⚪︎か⚪︎⚪︎か⚪︎⚪︎くらいだと思います。

男に一番マッチしそうな社風の会社名を挙げましたが、そのときは眉ひとつ動かさずに否定されました。

※ちなみにこのあと、男はやはりその会社に勤めていることがわかります。男、ポーカーフェイスの達人です。Tinderって怖い。


そうして、何気なく続いていた会話。


その流れを変えたのは、男がポロッと口にした一言でした。



男「前の職場のオフィスは、⚪︎⚪︎⚪︎にあって…」





ドクン、と、

心臓が波打つのを感じました。



あの業界で、⚪︎⚪︎⚪︎といえば、もう、⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎しかありません。




私「……」




私「…⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎(社名)、ですか?」





それは、私が5年前まで勤めていた前の職場でもありました。



この段階では私が自分の情報をあまり出していなかったので、同業者とは思わずにポロっとこぼしてしまったのかもしれません。


男の顔には、緊張が走り…ませんでした。
さきほどからずーっと、眉ひとつ、動きません。

私はある種の尊敬の念を抱きました。



そうすると、このあたりから、
「相手が会話やアプリで顔も性癖も職場も開示しているのに、私は何も開示していないのは申し訳ないなあ」
という、いま思うと少し奇妙な倫理観が、ほんのりと込み上げてきました。

私は、言葉を続けることにしました。



私「…私も以前、そこに勤めてました」




別に、

別に言う必要はないんですけど。
「自己開示をお返ししないと」という思いが、私をそうさせました。

あとは「共通の知り合い多そうだし、仲良くなれるかも」という平和な期待も、胸にあったのでしょう。



男「…へぇ」

男は、否定しませんでした。
弁のよく立ちそうな人でしたが、さすがにこれまでの状況からでは、嘘をつけないと悟ったようです。

ただ、引き続き表情は変わりません。かなりの手練れです。



男はこう、言葉を続けます。






男「知り合い、誰いる?」








ドッドッドッドッ….



私は、自分の心拍数が上がるのを感じます。




詳細は省きますが、これまでの会話から、在職期間がかぶっている可能性が高いことは自明でした。

しかも、どうやら事業領域も同じらしく…少なくとも共通の知り合いは余裕で2ケタいくだろうし、名前くらいは確実に聞いたことがあるであろうことがわかります。


(前職は異なる事業領域であれば、働く場所も仲間も全く異なっていました。同じ事業領域であれば、その限りではありません。)



おそらくですが、男としては、顔を映さない私が誰であるかを特定し、情報漏洩リスクを評価したいのでしょう。


私としても、正直、好奇心がありました
男の正体について、プライバシーに関わる部分なので、口外するつもりはありません。
(フェイクを入れ個人を特定できない範囲で記事にはしているけれど。)


でも、ここまできたら、相手が誰だか知りたいのは人間の性でしょう。
また、いまでも業務領域が被るところがあれば、仕事の情報交換もぜひしたいと思っていました。
(のちに、こう思っていたのは自分だけとわかります。トホホ〜)



こうして、
顔と勤め先と性癖を知られた男 vs 顔を隠した私で、



なんか人狼みたいなやつが、始まりました。




Tinderなのにーー
人狼ゲームが、開幕しました。zoomで



ここまできたら、
自分の情報はできるだけ出さず、相手をなんとか特定したいー。



師走の平日昼間。冬晴れ。


ウォール街の眺望のいいオフィスの会議室と、


都内30平米ワンルームのベッドの上で、


手に汗握る心理戦が始まったのです。







…みなさん、Tinderってこういうアプリなんですか?






続きます。








次回予告。


私「自席って、オフィスグリコからどれくらい離れてました?」



バツイチ32歳。
初Tinderでヤリモク男性とマッチするが、男はなんと元同僚だったー


一体、あなたは誰ー?

たとえ自分の正体がバレるリスクがあっても、相手の正体を知りたい。


はたして男を特定できるのかー。

男との今後の関係はー。



𝑻𝒐 𝒃𝒆 𝒄𝒐𝒏𝒕𝒊𝒏𝒖𝒆𝒅…






*

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
少しでも笑っていただけたら、嬉しいです。

次回をまたすぐに投稿します。スキやフォローなどで応援いただけると、とても励みになります。


とにバツ

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