世界のエリートMBA

「世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた」感想

 こんにちは、とんがりです。今回は永井たかひささんが書かれた「世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた」を読んで感じたことを記述していきます。

どんな50冊がまとめられているか

世界のエリートMBA裏

 こちらの50冊が1冊にまとめられております。言わずと知れた名著を各本4-8ページ程度で分かりやすくまとめられているので経営者の方はもちろん、経営者ではない人も読んでみる価値のある本だと思います。この中から興味の湧いた本を何冊かピックアップして読んでみようと思います。

 私にとって面白かった本を4つ紹介します。

ゲーム理論で勝つ経営

 ビジネスは必ずしも勝ち負けではない。競争相手と不毛な際限のない価格勝負でお互いに消耗してしまうことも少なくない。これでは誰も得をしないので考え方を変える必要がある。私がある経営者に言われてすごく良い言葉だなと思った言葉がある。それが「競業から協業へ」である。これは単に競合他社と仲良くしろという訳ではない。他社の手の内を知り、自社の強み弱みも把握する必要があるということだ。パイ(市場)を取り合う前に一緒にパイを大きくできないか考えることで戦わずして勝てるかもしれない。

ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則

 この本の前にビジョナリー・カンパニーという本がある。超一流の企業を調査して何がその企業を偉大な企業たらしめているのか明らかにした名著である。しかし、多くの企業は超一流の企業ではない。そのような大多数の会社がどうすればいいのかを書いたのがこの本である。本書の調査では、長期間平凡だったが、あるとき急に飛躍し好業績を長年維持した企業が対象になっている。またそのライバル企業についても調べている。飛躍した会社とそうではなかった会社について探した結果、「第5水準のリーダーシップ」・「単純明快な戦略」が大切であるとわかった。(他にもあるので詳しく知りたい方は読んでほしい)

第5水準のリーダーシップ
 カリスマ性のあるリーダーによってもたらされたと考えるだろうが、実際には違う。むしろ彼で大丈夫かと心配された人達の方が多い。著者は彼らを「第5水準の経営者」と呼ぶ。一見、謙虚でおとなしく人前にでたがらないが職業人として強い意志を持ち大胆な判断をすることができる。華やかで目立つような人ではないが、勤勉に仕事をし偉大な企業にするためには大胆な決断も行うことができる。普段、私たちは華やかでカリスマ性のあるリーダー・経営者をよく目にすることが多いのでそのようなタイプが経営者に向いていると思うがちだが、実際調べてみるとそうではなかった。個人的にこれで思い浮かんだのは、Weworkの華やかに経営者(元も含む)はよく見るが競合であるIWG(REGUS)のことは全然見ないけど調べるとIWGの方がはるかに堅実で高収益な経営をしていたということです。

単純明快な戦略
 ハリネズミは鈍く短足。キツネは俊敏で頭がいい。しかしいつも勝つのはハリネズミだ。キツネがどんな手を使おうがハリネズミが体を丸めて針を突き出すとキツネは勝つことができない。ビジネスも同じだ。単純明快なハリネズミの戦略をとる。

ハリネズミ

 まず、世界一になれる部分を探しその中で情熱を燃やして取り組める物を見つける。そうすれば、組織の外発的動機付けも必要なくなる。最後にそれが収益をもたらすものにすればOKである。ハリネズミの戦略があれば迷いは消え、何をやるか何をやらないかという意思決定が容易になる。各社がハリネズミの戦略を生み出すのに、平均4年間かけている。社内で徹底的に議論をし、全員で腹落ちするベストな戦略を作り上げている。

人を伸ばす力

 「報酬はやる気を高める」という常識を覆したのが心理学者のデシが書いたこの本だ。
 部下や子供がどうすればもっとやる気を出してくれるだろうかと悩む人は多いと思う。「やる気」、つまり「動機付け」には2種類ある。外発的動機付け内発的動機付けだ。多くの人はどうすれば内発的動機付けをすることができるか悩んでいる。
 デシは報酬で内発的動機付けがどう変わるかをパズルゲームを用いて実験した。2チームにパズルを解かせた。片方は金銭報酬あり、もう片方は報酬なしだ。両チームとも実験時間中は熱心にパズルを解いた。しかし差が出たのは実験後の休憩時間である。無報酬チームは休憩中もパズルを解き続けたが、報酬ありのチームは休憩中はお金がもらえないのでパズルをやめてしまった。また、他の実験も行った。金銭報酬ではなく「解けなかったら罰する」という脅し文句を使って実験した。パズル解きは順調に進んだが、パズルを楽しむか感覚は消えてしまった。さらに他にも二人一組で、タイムを速くするグループと競争するグループで比較した。競争させたグループだけが内発的動機付けが弱くなってしまった。
 つまり、報酬・脅し・競争では内発的動機付けは弱まったり消えてしまう。では、金銭的な報酬以外で何があると人は内発的動機付けをすることができるか。それは「自分にはこの仕事をこなせる力がある」という有能感と「自分でこの行動を選んだ」という自律性だ。管理・統制されると人は自ら学ぼうとしなくなる。そして統制されないと何もできなくなってしまう。そのならないために、常に好奇心と興味を持ち有能感と自律性を発揮できれば、人は成長し学び続けられる。

予想通りに不合理

 従来の経済学は「人は完璧に合理的に考える」が前提であった。しかし人は意外と合理的に考えない。本書では行動経済学の全体像を身近な例で分かりやすく紹介している。

相対性の真実...ついつい比較しがちな人間 
 三年前、投資会社に入社した社員。入社当時は「三年後に年棒10万ドル欲しい」と言っていたが今の年棒は3倍の30万ドル。でも同じように働いている同僚が31万ドルなので不満のようだ。また、1992年アメリカ政府は企業幹部の報酬高騰を抑えよう考え、企業に報酬公開を義務つけた。しかし経営者は他企業の報酬と比べるようになり逆に報酬は高騰した。人は比較対象があると、それを基準に考えてしまう。アメリカのあるベンチャー創業者は、ポルシェのボクスターからプリウスに乗り換えた。より高級車に乗りたくなり最後にはフェラーリになることを知っているからだ。

社会規範 vs 市場規範...金銭的なつながりで失われる人間関係
 イスラエルの託児所は、親が子供の迎えに遅刻するので困っていた。そこで遅刻に対して罰金を科したところ逆に遅刻が増えてしまった。当初「遅刻は迷惑をかける」と罪悪感を感じていた親は、罰金を払うことで罪悪感が消えてしまったのである。そして数週間後に罰金を廃止したら、なんと遅刻はさらに増えてしまった。
 私たちは人間関係で動く社会規範と金銭関係で動く市場規範の2つの世界に生きている。社会規範の世界に市場規範を持ち込むと、簡単には社会規範には戻らない。託児所の場合、社会規範から市場規範に切り替わり、元に戻すことで社会規範に加え罰金も消えたため遅刻が増えたのだ。

最後に

以上の4つが私が興味のわいた内容でした。人や組織に興味があるためこのようなチョイスになっていますが、戦略やイノベーション、マーケティングに関しての名著もたくさんまとめられておりますので是非読んでみてください。ありがとうございました。

参考
https://irnote.com/n/ncaf1ee81a383

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