期待しないで2021

あけましておめでとうございます!
今年の元旦は、15歳のときにクラスメイトとして高校で知り合って、一緒に東京に出てきて、同じイラストの専門学校に通い、2002年からフリーペーパー「チェリータイムス」を10年くらい一緒に制作していた友達、ぺーちゃんの家に遊びに行った。

ぺーちゃんの7歳になる息子と、私の2歳半の娘がキャッキャッ遊んでいる風景はなんというか、なんとも言えないものがあったし、くつろぎすぎて帰るのがイヤになり、結局ダラダラ泊まって2日に帰った。正月早々。
ほんでもって、改めて考えると、ぺーちゃんと出会ってもうすぐ25年になる…。こっわ!

若い時には同居も何年かしてたし、家族の次に気を使わなくていい人というか、その頃はパートナーみたいなかんじだった。ニコイチってかんじで。無敵だった。
たぶん人生で1番なにも考えてなくて、くだらないことで腹がちぎれるぐらい笑ってた時期を共有していると思う。2人ともゴミ屑みたいな生活をしていて、世の中のことは何も知らなかったし(今も大して知らないけど)、ちょっと思い返しても、マジでどうかしてたとしか思えない。それでも、いろいろな理由で、ここ10年ほどは疎遠になっていて、ほぼ10年ぶりに(互いに子連れだが)2人でゆっくり話した。2021正月。

焼肉を食いながらテキトーにつけてあったテレビの画面では、正月らしいバラエティ番組をやっていて、チャンス大城という芸人さんと明石家さんまが何かしゃべっていた。
「わ!おおちゃん!」と2人とも声をあげた。
どうやらたまにテレビに出ているらしいことはネットなどで知っていたが、私はほぼ民放のテレビを観ないので、テレビで彼を観たのは初めてだった。
私たちの古い友達である。

当時、私とぺーちゃんが住んでいた高円寺のアパートに、家のない知り合いを風呂に入れてやって欲しいとかなんとか言って連れてきた、おおちゃん a.k.a チャンス大城。
彼はいつも連絡もナシで夜中に突然やって来た。

連れてきた家のないらしい知り合いとやらは、カラフルなモヒカンで自分では立ってられないくらい泥酔してたけど、めちゃくちゃいい奴だった。どこかのライブハウスのスタッフだったと思う。とりあえず風呂を貸したけど、待てど暮らせど風呂から出てこない。外から声をかけても応答はない。死んだかもしれないと思い、みんなで風呂を覗きに行ったら、そいつは見当たらなくて、風呂の蓋が閉まっていた。
風呂の蓋を開けるの怖すぎっ!!!!!
恐る恐る蓋を開けたら、5センチくらい湯が溜まっている風呂桶の中で、胎児みたいに丸まって寝ているモヒカンが居た。当然だが全裸である。絶妙な緊張と緩和で息ができないぐらい笑ったあと、モヒカンを起こして服を着せて布団で寝かせてやった。

その、むかーし、むかしに2人で住んでいた高円寺の家では、基本的に光熱費が払えずに、止められてから仕方なく金を払っていた。携帯電話も毎月のように止まっていたし、夜中に友達と騒ぎすぎて警察が来たことも何度かあった。最終的に、その家は「更新拒否」という形で追い出された。

ある日、家で一緒に呑んでいた、ちょっと年上のバンドの人が、コンビニから10個くらい弁当を盗んできたことがあって、一体どうやって盗んだのか未だ謎であるが、腹がちぎれるくらい笑った。昔の話。今はもう笑えない。コンプライアンス。大人になった。
そのあと、酒呑んで騒ぎすぎて家に警察が来て、信じられないぐらいビビッたけど、うるさいって注意されて胸を撫で下ろしたように思う。撫で下ろしてる場合じゃない。迷惑です。

水が止まってもお金がなくてトイレが使えないとき、近くのコンビニにトイレを借りに行きすぎて、店員から「いらっしゃいませ」を言われなくなったこともあった。めちゃくちゃ金なかったな。マジで。なんであんなに金なかったんだ。金ないのにバイトも続かず、ポイポイ辞めてたし、だいたいスナックとかキャバクラとか飲み屋でテキトーにバイトしてたから、毎日ベロベロに酔っ払ってたのに、休みの日も家で友達と呑んで、ライブハウスで呑んで。まったくろくなもんじゃない。その頃の生活を親が知ったら確実に泣くと思う。

というような事柄を、ぺーちゃんと一緒に、テレビに映るチャンス大城を観て思い出していた。それと同時に「あ、私そもそも、そういう人間だったじゃん」ということも思い出した。いや、忘れてたわけじゃない。だけど、うっかりしてた。当時の私たちの合言葉は「サイテー最高」だったし、バイブルは古谷実の漫画だったし、呑んでた酒はJINROだったし、日払いでもらった金でライブ観に行って酒を呑むから、いつも金がなかったし、記憶もなかったけど、いつも笑ってたような気がする。

今年、私は30代最後の年なのだ。
今月の26日で39歳。
私の30代はずっとシックリ来ない感を抱えていた。ホントに。ずっと。
30になって結婚して、杉並区から世田谷区に引っ越して、フリーペーパー作るのを辞めて、ぺーちゃんと疎遠になって10年。モヤみたいなのがかかってて、手応えのない10年間。何をやっても空振りって気分が拭えず、ずーーーーーーーっとその原因について考えていたら、もう終わりかけている30代。みたいな感覚だったけど、最後の最後の年にその原因がハッキリと分かった。やっとこさ!

自分が最低で最高のゴミ箱の住人であることを忘れて、まともなフリして生きてたからだわ。自分の力量を測り違えてたわ。ゴミ箱スタイルでいいはずなのに、必要以上にちゃんとしようとしてたんだわ。そんで、それだと、な〜んか自分的にうまくいかないし、息苦しいし、うっすら面白くない、みたいな状態が続いてたんだわ。すっごいスッキリした。

もうやめます!一切合切!
配偶者が居るそこそこの年齢の女性らしさとか、母親らしさとか、30代〜40代の大人の人らしさみたいな、謎のプレッシャーを勝手にかんじて、自分で雁字搦めになるのを!

お前のバイブル「行け!稲中卓球部」だったろ?を合言葉に、40代にむけてゴミ箱の住人として、堂々と自分らしく生きて行こうと決めました。
自分がクズであることをうっかり忘れない為に、なんかそれらしいタトゥー入れようと思う。ぺーちゃんに入れるイラスト描いてもらおう。決めました。勝手に。

この10年のあいだに知り合った人にとって、古いハイパーで無敵な私は新しい私になってしまうわけで。ですから、今年からの新しい(古い)完全体の私のことも何卒よろしくお願いします!フルパワーでいきます。という、新年のアイサツです。全然ちゃんとしてない私のこともカワイイし愛おしいと思って欲しい。



追記
去年の12月16日に発売になった、札幌のTHE KNOCKERSとFIVE NO RISKのスプリット7インチを、今日の昼に娘とケンカしながら聴いたんだけど。
THE KNOCKERSの「OH OH OH」って曲さ、マジ私の曲なんだけど!!!
私もディストーションでぶっ飛んで吠えてるだけの酔っ払いなんだけど!
てか、あっちゃんはこういうこと歌ってる曲、今までもあるのに、私がちゃんとしなきゃオバケに取り憑かれてたから、カッコイイって思って聴いてたけど、自分のこととして捉え損ねてたわ。図々しいねぇ〜!ちょっと、上手く言えないけど、不思議と憧れみたいな気持ちで聴いてたわ。なんでだよ!
しかも、あっちゃん「ちゃんとしなくていいんだよ」ってことも歌ってたのに!
オバケに取り憑かれてた、つまんない期の私と知り合ったのに、ちゃんと臭いでクズだって気づいてくれて、仲良くしようぜって握手してくれた当時のノッカーズのみんな!天才すぎるよ!ありがとう!
変な話だけど、あっちゃんとは、今日の昼にレコードを聴いた瞬間に、ホントの意味でマブダチになったような気分だわ。変な話だけど。マジで。

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