春のお彼岸と3連休

月に1度、段ボールいっぱいの野菜が届く。
隣県に住む夫の祖父が畑で育てた無農薬の野菜。
ブロッコリーとほうれん草、大根、白菜、来る途中で寄った道の駅のイチゴ1パックを、段ボールにぎゅうぎゅうに詰めて持ってきてくれる。
長年勤めた会社を定年退職してから始めた畑に一度連れて行ってもらったが、家庭菜園の規模をはるかに超える広さだった。
去年の台風の被害が大きく、今年は野菜の種類が減ったと言っていたが、それでも夫婦2人暮らしには十分すぎる量でとても助かっている。

それが、今月はちょっとしたハプニングが起きた。
野菜を受け取って1週間後、また段ボールいっぱいの野菜が届いたのだ。
2回目の野菜は、大根2本にほうれん草が8束、ブロッコリーが6房。
すでに先週の野菜で我が家の冷凍庫は満員。
おかげで晩御飯に土鍋で蒸し料理ばかりやった。我が家で定番の、ほうれん草の上に豚こま肉を敷き詰めて、酒と水を1:1(私はいつも100ml:100ml)を入れて蓋をして火にかけるだけの超簡単料理。ポン酢で食べるとめちゃくちゃ美味しい。
今回は大量のブロッコリーとネギ・もやし・ウインナーも入れてボリューム満点にしたけれど、夫婦2人でペロリと平らげ土鍋いっぱいの野菜はあっという間になくなってしまった。それでもまだまだブロッコリーは減らない。

その2回目の野菜到着が先週の水曜のことだった。
義祖父が1週間しか置かずやってきたのは、墓参りのためだったようだ。
春のお彼岸といわれてもいつのことだかピンと来ていなかったが、春分の日の前後3日間ずつ計7日間(17日~23日)までだったらしい。

仕事中だった夫にLINEを入れた。
「3連休中にお墓参りに行こう」
返ってきた返事は「仕事が終わらない。連休初日は仕事に出ます」だった。

連日終電まで仕事をしても終わらないなんて、どういうことだ。
会ったことのないトンデモ上司(夫談)をちいさく呪った。
忙しさで目の下にクマをこしらえている夫をだれか休ませてくれ。

そんなわけで、連休初日は家で1人洗濯三昧。
夫が帰ってきたのは夜23時を過ぎていた。

連休2日目、いつもよりゆっくり起きた夫と墓参りに行った。
墓参りにいくと連絡したら、夫の実家の両親と兄弟も一緒に行くことになり、にぎやかに墓地へと向かった。
みんなで草むしりをして墓石を磨いて、新しい花を活ける。
風が強くてなかなか線香に火がつかなかった。
顔を知らない夫の祖先に手を合わせ、どうか見守っていてくださいと祈った。
夫も、久しぶりにお参りが出来てすっきりしたようだった。

帰り道、近況を報告しあって、夫が異動のたびに激務になるのは遺伝かと思うような義父と義弟の忙しさを聞いて、もう少し熱心に先祖にお願いしておけばよかったと思った。
義母にたくさんのお菓子を持たされ帰宅後、晩御飯はまた鍋。

連休最終日は家から出ずにひたすらゆっくり。
昼寝をして、夫のリクエストで豚骨を作った。
豚のブロック肉を焼いて白菜・ネギ・人参・大根・エノキと一緒に鍋に入れ、水(具材の半分が浸かるくらい)と味噌・みりん・酒・醤油を入れる。
今回は味噌を大匙3くらい、他は大匙2で作った。最後に生姜も少し加えてなんとか味が整った。
祖母から習った南九州の郷土料理。
食堂をやっていた祖母のレシピは「醤油を鍋にひと回し」とか「砂糖を大匙で適当に」とかおおざっぱすぎて自分で改良するしかない。
本来は骨付きのスペアリブがいいらしいが、食べるときに面倒なので我が家ではブロック肉で。


なんだか祖父母のことをいっぱい考える3連休だった。
いろいろ落ち着いたら、顔を出しにいこう。




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