PUNK WORKSHOPレバーレスのSTART/SELECTボタンを右上に移設する方法
経緯
PWSのレバーレスを購入したのですが、1点だけ不満点がありました。START/SELECTボタンが標準では右上ではなく左上に配置されていることです。右上にもボタンはありますが、そちらを使いたい場合は自分で配線を付け替えないといけません。その作業に四苦八苦した結果、色々と知見を得ましたので書き残しておきます。PWSのレバーレスを自分でメンテされる方の参考になればと思います。
(注)私は電子工作に関してはずぶの素人なので、適切ではない内容があるかもしれませんがご了承ください。最終的には自己責任でお願いします。
レバーレス
PWSのMINI BOX/PKB PC/レイアウトD(2024年7月購入)です。他のモデルでは事情が異なる可能性があります。
方法
単にSTART/SELECTボタンの配置を変えたいだけなら、方法は2通りあります。
①ケーブルを新たに用意して配線する
標準の基板の位置から右上のボタンに配線したい場合、既存のケーブルでは長さが足りず届きません。よって、新たにケーブルを用意する必要があります。(本記事ではこの方法を解説します)
②基板の位置を右側に移動させて、既存のケーブルを使って配線する
この方法であれば追加費用は掛かりません。ただし基板の配置が結構シビアです(※)。私も最初はこちらの方法でやるつもりでしたが、色々といじくり回しているうちに端子から配線をぶっ千切ってしまい、修理のために工具やら何やら揃える羽目になって、結局①の方法でやることにしました。
※PWSのレバーレスは薄型なので、ボタンの真下に基板を設置すると、干渉して蓋が閉まらなくなります。よって、基板を設置できる場所は下記赤枠どちらかの範囲です。しかも、方向ボタンの下に比べてKボタンの下は、長方形の基板を収めるには長さがギリギリです。一応、Kボタンの端子の向きを変えるなど工夫すれば収まりそうでした。
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必要なもの
色々なサイトを見た結果、工具類はAmazon、部品類はモノタロウで買うのがよさそうでした。
部品
ファストン端子 #110 メス
ボタンに配線をつなげる端子です。START/SELECTボタンも操作ボタンも全部これです。
XH端子
基板(に差すコネクタ)に配線をつなげる端子です。Brook基板を使う自作アケコンなどではPH端子とかQI端子とかを使うらしいですが、PWSのPKB基板ではこれです。これが一番調べるのに苦労しました。似たような端子が多すぎるんじゃい。
ケーブル
細いものでいい(細いものがいい)です。XH端子が対応している最小のサイズが28AWG(※)なのでそれでいいでしょう。既存のケーブルもおそらくこのサイズです。
※AWG=ケーブルの太さの規格。数字が小さいほど太く、大きいほど細い。
必須ではないもの
既存のものを流用できます。うっかり破損・紛失させてしまったときだけ買ってください。
ファストン端子カバー
ファストン端子に被せて絶縁するためのカバーです。
XHコネクタ
基板に差すコネクタです。
工具
ワイヤーストリッパー
ケーブルの被覆を取って、端子に付けられる状態にするための工具です。
圧着ペンチ
ケーブルと端子を圧着する(※)ための工具です。端子のサイズによって適切な工具が変わるのですが、このSN-2549というのでファストン端子/XH端子両対応でした。
※専門用語でカシメる(かしめる)というらしいです。
ちなみに、このようなワイヤーストリッパーと圧着ペンチが一体化したやつでも、サイズが丁度ではないなりに工夫すれば圧着できるらしいです。値段はそちらの方が圧倒的に安いのですが、ワンボタン昇竜とコマンド昇竜ぐらいの難易度差がある気がして不安だったので、初心者にも安心のちょっといい方を買いました。
先が細く尖った何か
XHコネクタからXH端子を引っこ抜くために使います。XH端子には"返し"が付いていてコネクタに差すとカチッとロックされ、抜くときにはその返しを細いもので抑えてやる必要があります。私は精密ドライバーの0.9mmを使いました。
あとは、ラジオペンチとか精密ピンセットとかもあると便利です。
作業方法
①ケーブルを配線したい長さに切る
②ワイヤーストリッパーで両端の被覆を取る
買ったケーブルのAWGに対応した穴を使います。被覆を取る長さは、ファストン端子側は4mm程度、XH端子側は2mm程度です。
③圧着ペンチで端子を圧着する
(SN-2549の場合)ファストン端子は大きい方から2番目の穴、XH端子は一番小さい穴を使います。
XH端子の圧着は、グリップをMAXまで握るとケーブルが千切れてしまうことがありました。ラチェットが解除される丁度ぐらいの位置で止めるのがコツです。
④既存のケーブルを取り、新しいケーブルに交換する
基板のピンと各ボタンの対応が分からなくなったら、これの5ページを見てください。
https://cdn.shopify.com/s/files/1/0829/4419/6887/files/PKB__0630.pdf?v=1719754834
参考資料
端子の圧着方法に関しては、Web上に参考資料を上げてくださっている方がいるので、それを見るのが一番わかりやすいと思います。
ファストン端子
動画 https://www.youtube.com/watch?v=quulIxauNjA
XH端子
記事 http://cat0048.my.coocan.jp/JST_XH/JST_XH.html
動画 https://www.youtube.com/watch?v=-CE_2HUecYM
(noteって他の人の記事を勝手に引用していいんかな?駄目なら教えて下さい・・・)
完成品
部品が余りまくるので、ついでに操作ボタンの方もバッチリ整線してやりました。自分で言うのも何ですけど結構キレイじゃないですか?
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