see the sea
むかし、くじらとチョコレートという文章をかいて、それなりに気にいっている。
あの頃。
何かに救われたくて、いつも心は揺れていた。居場所がない気がして、ゆらゆらと歩いた街、聴いた音。
今日、下北沢シェルター。
1年以上ぶりにみたくじらたち。
いい顔をしていた。きらきらしていた
いつか彼らを地上でみれたらいい、また会う日まで、なんてことを思った、
だってたぶんもう、一人じゃなくなったから。
ずっと一人だった、それでライブハウスに、そこで鳴らされる音楽に、
どうにもならない孤独を埋めてもらっていた
陽のあたる場所ではみつからない居場所をもらっていた
2017年12月3日。渋谷のWWWではじめて耳にした彼らの音。そのときから何かがはじまって
その瞬間に気がついて、わたしは一人になった
それから一人の間、いろんなことがあって、途方もない気持ちを抱いたり勝手に傷ついたりして、その間彼らの存在はずっとそばにいた、その音とともに、生きてきた
そして、ひさしぶりに一人じゃなくなって、下北沢シェルターで彼らをみた。
あのときの音がした、あのとき心に痛く響いた音を聴いた。
虚しく寂しかった心を埋めてくれた音、いつも心の中に鳴っていた音、
もう、地下室で深呼吸をしなくても大丈夫そう
やっと、地上で心の底から幸せだと笑えてる
もうすきじゃないというわけじゃない、大事な存在だ
でもある意味で、そこを卒業する感覚でいる
きっと喜ばしくて大丈夫なことだと思う
そしていつか彼らを、地上でみれればいい、
地上で彼らの音を聴くときがくればいい
こそこそにんまりしながら、聴いてみたい
あのときの二人だ、わたしあのときを知ってるって、にんまりしてみたい
なんだかんだ言って、きっとまた気が向いたら地下へ足を運ぶし、音源を手に入れる。でもきっともうそれは自分を救うためじゃない、もう少し寛大だ
あの頃の自分に頑張ったねと言いたい、大丈夫だよと言いたい、今が大丈夫だとも言い切れないけれど、少しずつましになっていくよと背中をさすりたい。
地下の音楽。また会う日まで、