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#仮面おゆうぎ会 全作品あらすじ感想&(袋とじ)作者予想

追記:#仮面おゆうぎ会 は幕を閉じました。るいすありがとう!

#仮面おゆうぎ会 の募集期間が終わりましたね。

noteユーザーが正体を隠して「坂るいす」のアカウントで小説作品を披露する。そして「5/30 21:00まで(たぶん日本時間)」は審査タイムです。審査員は「読み手の皆さん」。作品についたスキ数で賞金の行方が決まります。


仮面を付けておゆうぎ会に参加したのは29作品。

公開期間が終われば「坂るいす」アカウントから全ての作品が下げられてしまいます。作者自身が公開し直さないかぎりそれらの作品を再び読むことができなくなっちゃって悲しいし、自分のためにも読んだ思い出を残したい〜!(よって公開終了後はこの記事もリンク切れまみれになります。)

そこで「文庫本裏表紙のあらすじ」のようなものを書くことにしました。あらすじと感想が混ざったような短いコメント。Twitterシェア時の帯みたいな。「全部読んだけれど、最初の方に読んだ作品はどんな話だったっけ」 「全作品読み切れていない。でも気になる作品があればつまみ食いして読みたい」そんな皆さんの参考にもなれば。

※ あらすじと言っても作者の意向を確認できないため、作者の意図から外れたものもあるかもしれません。が、そこは私個人の解釈と割り切って楽しんでいただけると幸い!

※ あらすじなので感想部分が薄いです。このnoteを読んだ皆さんが後に続いて「面白い」「トゥクトゥーン」「好き!」など、どんどんnoteやTwitterで感想を放ってくれ〜。


また、この記事末尾で作者予想をします。こちらは有料(返金可能)設定にするので「スキを付ける判断基準に作者は関係ねぇ」「他人の言うことには影響されねぇ」と自信のある方(もしくは袋とじオマケがあると見ずにはいられない方)は覗いてみてください。


※ この先ネタバレを含みます。まっさらな状態で作品を読みたい方はまずこちらのマガジンへどうぞ。


紹介順について

乱数計算ツールでランダムな順番を生成し、その番号順に作品紹介をします。どうしても最初と最後が読まれやすくて真ん中あたりは目が滑るだろうから、少しでも公平を期せたらいいなという狙い……。

ランダムに並び替え|乱数の計算|計算サイト

↑この順番で紹介します!


【No.6】 ワイルドサイドを歩け

高校を卒業してから10年。担任の通夜をきっかけに再会するかつてのクラスメイト。10年も経てば、仕事、結婚、ライフステージも変わる。続かない昔話と、それぞれの近況報告。男の人の「昔好きだったんだよ」は、女の人のそれと、どこか違う匂いがする。

【No.20】 牡丹の上で猫はキリンの夢を見る

亮ちゃんのお父さんは「私」を家系存続の部品と思っている。「結婚したくなくなっちゃった」とこぼす私に亮ちゃんは。「生物学」「種の保存」を掲げて個を縛り付ける価値観は、キリンにでも食わせとけ。根強い人権侵害に対する一つの回答。鮮烈で、愛に満たされたカウンターパンチ。

【No.29】 また一緒に良い仕事をしよう

「ぼく」は新人時代の上司、城崎さんに会いに金沢へ行く。昔のメモを見て城崎さんは笑う。ビジネス書の格言めいた一言じゃなく、上司の何気ない一言が、水を運ぶ道管となり、部下の幹を育てた。「ぼく」はまた新たな道管を得て、きっと青々とした葉を繁らせる。「ぼく」はとても幸運だ。

【No.21】 近未来 fall in love

近未来の『時間割』は蓄積されたデータから導き出され、各自に合わせてプランニングされる。「オフラインで会う」特別感、「他人の口元を見る」特別感。いつも怒っているような彼女が、「僕」の心を揺さぶる。今現在のリアル社会と、地続きかもしれない近未来の話。

【No.1】 雨露つたい 骸は何処へ

指先を見つめ、発泡酒をあおる「じぶん」は川べりで朝を迎える。歩き出した先で、手指に朝露をぶらさげた油蝉の抜け殻を見つける。プルタブを開ける指に気づいても、露を抜け殻に流し込んでも、ひとりの寂寥感に覆い尽くされる。モノクロームの明け方の詩。

【No.22】 餃子味の涙

恋人に振られた「私」は偶然出会った彼女と餃子パーティーをすることになる。彼女が肉ダネを作り、「私」は彼女と一緒に餃子を包む。彼女と笑い合いながら餃子を包み、焼き、食べるうちに、抑え込んでいた涙が溢れ「私」の感情が戻ってくる。おいしいは、楽しくて、やさしい。

【No.4】 思い出を消さないで

1カ月の部屋ごもりの後、タスクを完了すれば報酬100万円を受け取れる。求人に応募した「僕」は部屋に案内され、そこには魅力的な女性型アンドロイドがいた。簡単だと思っていた実験が、愛の芽生えによって簡単じゃなくなっていく。実験最終日に「僕」が取った行動とは。

【No.28】 闇を、書く。闇を、売る。

物書きの「私」は、心の闇を成功に変える同業者を嫉視している。四か国語を操る大学職員の妻に胸の内を伝えると、妻はあっけらかんと笑って、ストレートにとぼけた言葉を返してきた。考え方が真逆に見える二人ほど、似合いの夫婦になるのかもしれない。

【No.23】 マチルダ

ズルいことを思いつく「あいつ」は悪い奴。いつも主導権はあいつにあって、それがまた苛だたしい。やりとりしたメッセージも、写真も、デートの思い出も、すべての痕跡、すべての記憶を消してやる。別れの時間に投げつけられる、マチルダからの贈り物。

【No.8】 夕顔

在所中の巡査と、交番に駆け込んできた女。女は言う「いなくなってしまったんです」。窓口相談というには滑稽な、コントというには不穏な、どんなに言葉を重ねても少しずつズレる会話。夕顔とは結局何なのか。女は何者なのか。こういうとき、どんな顔すればいいかわからないの……。

【No.27】 交差する雨音

晃一の腕に抱かれる「わたし」は届いたメールを読んでいる。差出人は終わってしまった恋の「かれ」。指先の動き一つで、「わたし」は選べる。でも、もう過去には戻らない。「かれ」との時間はこれからずっと交差しない。少しだけキスが乾いていても、現在を「わたし」は生きている。

【No.5】 『おはよう』を告げるネコ

言葉をしゃべる不思議な黒ネコ「クロ」。学校のこと、友達のこと、家族のこと。クロは何でも話を聞いてくれる。ネコになら言える素直な気持ちを、そのまま人間にぶつけても大丈夫。むしろ、ぶつけていこう。ネコに勇気づけられて「私」は今日も元気。しゃべる黒ネコ、心強いメンター。

【No.26】 Vanillaトレイル

楓はこのところ様子がおかしい。楓はモテる。一緒に暮らす「わたし」は、ソファに転がりスマホから目を離さない楓に気が気ではない。女と女も、女と男と同じ。成約済みを示せないところは違うけれど。胸を焦がす夜も幸せな夜も、ヴァニラの香りが包みこむ。

【No.10】 笹原さんはおしえたくない

「あたしには、5分後を見る力がある」教室に流れる暗黙のルールに「5分」を使って溶け込む「あたし」と、ルールがあること自体を気にもかけない自然体の佐伯くん。恋愛模様の5分より先、それを「あたし」は眺めるしかない。未来を見通すには、あまりにも5分は短い。

【No.7】 声の告げる先

あの人がいなくなって1年、突然聞こえてくる声。たった2文字ですべての会話が通じるほどに、35年の歳月は厚い。今までも、ずっと見守っていたのだろうか。そして、これからもずっと見守ってくれるのかもしれない。温かい風が部屋に吹き込むハートウォーミングストーリー。

【No.15】 オレにマイクをくれ

大人になった「オレ」に注がれる家族愛、ノスタルジーと黒歴史。好きを追いかける人生は、時に生き恥、時に失敗を連れてきて、嫌になることもあるけれど。これだけは信じていたい、「すき」は自分を支えてくれる。子どものままではいられなかった大人たちへ贈るメッセージソング。

【No.18】 悲恋をこえて

結ばれずに生涯を終えたおさよと仙太郎は、現代でまた出会う。古今東西人々を魅了して止まない、生まれ変わり、輪廻転生の物語。「形見」は譲与された遺品を指す他に、愛着ある人の存在を手元で感じるためのアイテムを指す言葉でもあります。王道のロマンティックストーリー。

【No.3】 アイリッシュ・パブで昼食を

上品で知的で、海外経験豊富な憧れのヤスヨさん。見た目も会話の内容も立ち居振る舞いも、全てが私の羨望の的だ。背中を追い続けたいと思わされる完璧な人の、完璧さの中にあるほころびを見つけたら。私が見つけた憧れの人の小さなほころび。独り占めしたい甘美な秘密を「わたし」は。

【No.25】 芽生え映え

マキの指先から突然生え出した草。聞けば、マキのお母さんにも草が生えた時期があったらしい。特に慌てることもなく、マキも「私」も、草の使い道で盛り上がる。インスタ映えしてインフルエンサーになれるかも?植物好きのあの人と仲良くなれちゃうかも?そして、最後の最後で大草原。

【No.16】 約束

長年に渡り歌い継がれる「ぼく」と「私」のように、都会に出て少しずつ変わっていくコウキと地元で待ち続けるユイカ。あの日のキスを拠り所に嘘をつき続けた二人は、最後の手紙で破綻する。原曲の解像度を極限まで高めた、リミックス版『木綿のハンカチーフ』。

【No.9】 神さまの手ちがい

フツウのおじさんみたいな神さまが「ぼく」の前に現れた。「ぼく」の希望は、カンケイカクショへ問い合わせた結果、神さまには叶えられないそうだ。なぜ叶えられないのかを、神さまはフツウのおじさんみたいに「ぼく」と一緒に考えてくれる。神さまはやっぱり丁寧なのだ。

【No.14】 勇者とホストとハローワーク

職業は選べる。選びさえすれば勇者になれるし、勇者を選ばなくてもいい。キミは何にだってなれる。ブンブンハローYouTube、ホストのヤマギシさん、16代目勇者、魔王、杉並区。現実とファンタジーの反復横跳び。あなたの隣のあの人も、勇者かもしれない。

【No.19】 多角形の月

「あかりと松井くん、付き合わないの?」ボディブローのように効いてくる序盤のセリフ。二人だけの特別な関係に酔いしれる時間は永遠なようで、あっけなく終わる。友人と、好きな人と。特別な関係を諦めたくない、でも。胸がチリチリする大学生の恋愛。

【No.13】 20日ぶり35回目

「幸せだと思った瞬間に、世界が崩壊する。」自分の幸せが怖い、自分の幸せを信じることができないという悩みはよく聞くけれど、幸せが見えなくなる瞬間が物理的に訪れたら人はどうなってしまうのか。幸せはどこから来るのだろう。消えてしまった幸せは、どこに行くのだろう。

【No.11】 蛍売り

戦争は、見えるところにも、見えないところにも傷を残していく。母親とふたりで貧しく暮らす「僕」は、蛍が高く売れることを知り、蛍売りになる。人間の傷など知らぬかのように、軽やかに清らかに舞う蛍が、夜に灯りをともす。闇と光の間を漂い、戦火をくぐった人々の生は続いていく。

【No.2】 不器用な青春を夜に隠す

「マッチングアプリ」「アッチ目的」「会って、ヤった人数は3人」世間では眉を顰められるような話を、女友達に堰を切ったように打ち明ける。彼氏がいながら他の男と遊ぶ凛ちゃんは、悪い女になりきれないようだ。夜に紛れてひっそりと炸裂させた思いに寄り添う「私」、二人の友情。

【No.24】 わたしはだぁれ

わらべ歌の調べに載せて問われる「わたしはだぁれ」。きらきらと目を輝かせ、あらゆるものと戯れた日々を「あなた」は忘れてしまったの?忘れた「あなた」を責めながら、「わたし」はひとつ謎を置く。物語を書くあなたなら、きっとずっと一緒にいられる。

【No.17】 付け足されたエンドロール

「友達」に優しい男。その優しさが、終わった恋に残酷な傷をつける。斜め後ろの距離感が生む、いまいちタイミングの合わないキャッチボール。終電間際の胸を焦がすゲームセットが、きっと毎夜、日本中、世界中のどこか、誰かと誰かの間で繰り広げられているのだろう。

【No.12】 夜空に舞う桜は

桜の季節、同性同士の恋バナに花が咲く。人知れず、十五年もの歳月、温め続けた思いを伝えるのは難しい。彼に会うのも十五年ぶり。学生時代のノリで作戦会議をしたのちに「私」に押されて彼女は走る。恋は花と共に散るのか、それとも。恋する女は美しい。


作者予想

作者予想の前に。
この企画のルールは「みんなに見つけてもらえる文章を書いたら勝ち」ではありません。いつものあの人を見つけた喜びでついつい「スキ」を付けそうになるけれど、審査員としてここは我慢。

せっかくの「仮面を付けて遊ぶ企画」なので「スキ」の判断に作者を加味するのはもったいない。作者に引っ張られないよう、作者予想は事前に「スキ」の基準をしっかり決めてから見ることをオススメします。

この企画において私の「スキ」の基準は、そうだなぁ。「本屋さんで買った短編小説集にこの話が入っていたら嬉しい」と感じたものに「スキ」を残します。web小説というより、紙の小説っぽいものを選ぶかも。(これはあくまでも私の基準ね!)

さて、ここからは作者予想。それぞれ「スキ」の基準は決めましたか。私の脳に棲む、古畑任三郎、山田奈緒子、ポワロが疼くぜ。ンンーッ、全部まるっとお見通しだヘイスティングス!返金可能ですので気軽に見てね。

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