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あの短い名乗り合いの瞬間の

ふみぐらさんの最初の闘病記を読んだ夜に夢を見た。カフェの隅っこに置かれたテーブルを挟んで向かい合い、ふみぐらさんと私とでコーヒーを飲む夢。

2019年10月。ふみぐらさんは「note酒場でマリナさんにあいさつする」とnoteに決意を記し、私は入場時に渡されたnote酒場うちわの「会いたい人」欄に「ふみぐら社さん」と記入して、第2回note酒場に挑んだ。結果ふみぐらさんと私は「会って」「あいさつ」した。ドリンクチケット売り場で長時間スタッフをしていたヤギさんと、歩くマッチングアプリとして人と人とを引き合わすべく会場内をウロチョロしていたネズミとは、生態が違いすぎて、交差した時間はほんの一瞬だった。人混みの中でお互いを認めて、アワアワしながら名乗りあって、おしまい。でも、佇まいを感じられて嬉しかったんですよ。「福毛」の話を読むと、あの短い名乗り合いの瞬間の、少し挙動不審だったふみぐらさんを思い出す。

夢の中の私たちは言葉数が少なかった。ふみぐらさんは福毛のことを考えていて、その様子を私がニコニコ眺めていたところだったのかもしれない。私、福毛が何か知ってますけど言わないでおきますね、って。

(497文字)


「書けない」と「書かねば」の狭間で揺れて、ギリギリ「書かねば」が競り勝ってこれを書いてる。

「書けない」と思ったのはとても個人的な理由で、端的に言うと大昔のトラウマが刺激されてしまってPTSDの症状が出ているのだ。集団でお見舞いを寄せるのが苦手、とか、主義とか宗教に反するから書けないんじゃなくて、身体の反応として出るからだめ。コントロール不可能なやつ。この文章は、すごく時間をかけて、一単語ごとに深呼吸をしてちまちま書いてる。頭が痛い。企画の告知から他の参加作までずっと読んだり反応したりができずにいて、自分のをポンっと置いてく形になるのだけど、発起人のサラさんをはじめとする運営チームの皆さんごめんなさい。そしてよろしくお願いします。

こんなこと書いてどうすんだって話なのだけど、スルーしてるのを不審に思う人もいるかもしれないから、ついでに書いておいた方がいいかもしれないという気持ちが、これまたギリギリ競り勝って書いてる。言葉でつながる私たちは、言葉にしないと何も伝わらない弱点を抱えているのだ。


常連さん来ないな、単純に忙しいのかもしれないけれどもしかしたら飽きられちゃったかな、ってしょんぼりしてた第7回の呑み書き鮭場に、遅刻で走り込んで来てくれたふみグラサンの言葉がとても嬉しかったから、私も無理してでも書こうと思った。「書かねば」競り勝ちの勝因である。

DMで直接愛を伝えるのでも良かったんだけど、DMだと「お返事不要です」と書いても返事してくれちゃうから。noteだとスキで受取印を押せるから便利でしょ。

ヤギとゴールデンゲートブリッジの写真が並んで飾られた例のカフェ、行きたいですね。一対一だと私たち、口数が少なくなりそうな予感はしますが。

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マリナ油森
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