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バンディは何が変わったのか
こんにちは、トナカイです。
今日はなんとなく読んでいたエンゼルスのディラン・バンディ投手に関する記事を僕のnoteに思い出として残して置きたかったので書き留めますよ。
2020年は現地時間8月21日の時点で5試合に登板しており32.2イニングを投げ38奪三振、7四球、自責点9のWHIP0.85、防御率2.48でFIPは3.35とエンゼルスが恋に恋い焦がれ恋に泣くほど待ち望んだ先発投手としての働きをしております。
オリオールズ時代から多くのイニングを投げローテーション投手としてはありがたい存在ではあったはずなので、エンゼルスとしてもテイランと共にエース投手(不在)に次ぐイニングイーター的存在でありながらそれなりに試合を作れる投手として計算し迎え入れたのだと思います。
2019年は誰も規定投球回を投げられずブルペンにかなりの負担がかかってしまっていたので。
しかしいざ開幕すると最初の4試合(アスレチックスとマリナーズ2試合ずつ)で全てQSを達成する安定感を見せ、特に3試合目の登板となったマリナーズ戦では無四球10奪三振完投までしてしまう活躍っぷり。4試合目の登板となったアスレチックス戦でも7回10奪三振で無失点に抑えました。
バンディにどんな変化があったのか少しのデータを見ながらまさにそれが真実かのように大げさに書きたいと思います。
まずはMLB Savantを参照し取得した投球データの紹介から。
バンディはフォーシーム、スライダー、チェンジアップ、カーブ、シンカーを投げるそうなのですが、その割合が2020年は変化がありました。
フォーシームの割合が格段に減り、同じくらいの割合にまでスライダーが増え、さらにチェンジアップも増えております。
元々バンディはフォーシームの被打率が高く、2020年も少ない登板回数ながら.343、一年を通して投げた2019年は.335、2018年は.303と当たり前に3割近く打たれてるんですね。平均しても91マイルくらいで、2020年は平均90.3マイルとより遅いです。
逆にスライダーは2019年の.152、2018年の.178と抑えているんですよね。スライダーを投げ始めた2017年も.169なので元々武器にしてます。2020年も現在のところ.029と無敵のボールになっており、その割合が増えているなら今の好成績はシンプルに想像しやすいですね。
そして2020年は初球にカーブボールを投げる割合がかなり増えています。ちょっとこれ最新のデータないんですけど2週間前の記事の時点で30%超えだったので意識してるんだと思います(2019年は15.7%だった)。
だからなんだと言う話ですけど、バンディは見逃しストライクが多いんです。現状ではレッズのソニー・グレイに次ぐ多さですね。
バンディの場合カーブも例外ではなくカーブでストライクを取ることがかなり多いです。特に2019年からはそれを意識的に増やし、60%近くがゾーン内に投げられてるようです。
加えてカーブボールはスプリットやチェンジアップと比べると年々スイングされる割合が減ってきている変化球だそうで、ストライク先行で対戦を進めやすく、その中でスライダーやチェンジアップと組み合わせ、フォーシームで意表を突くなどして打ち取ってるんだと思います。
あとは外角にコントロールされるスライダーが良いですよねぇ。これも見逃しストライク取る率高いですし、その印象を付けた上でゾーン外に逃げるように投げても良いですし。
そもそも前提としてコマンドの高さがあるのかな。それが投球を組み立てやすくしてるのかなと。2020年はサンプルが少ないのもあるでしょうけど例年より高いK/9と低いBB/9がそのまま防御率などの成績に結びついてますね。
逆に言うと直近のジャイアンツ戦のようにスライダーとカーブのコマンドがうまくいかないと、フォーシームやチェンジアップの割合が増えて投球の幅が狭まって結果的にハードヒットされやすくなるのかも知れませんね。あの試合はサンドバルが自身の首の高さに迫らんとするフォーシームをホームランにしているのでイレギュラーなことがあったとも言えなくはないですが。
ちなみにWhiff%は31.8、Swing%は43.4です。
あとはその辺のコマンドを捕手のスタッシが助けていた面もあると思います。スタッシはフレーミング技術が高くBaseball Prospectusが定義している(他でも使われてるのかも知れないけど)Called Strikes Above Averageという指標で2019年MLB2位だったそうで、それが下位だったオリオールズのセベリーノやシスコと比べたらよりストライクを取ってもらえるようになったのかと。
With Dylan Bundy's most recent gem in the books (7 IP, 0 ER, 4 H, 1 BB, 9 K), he now has a :
— Alex Fast (@AlexFast8) August 12, 2020
1.57 ERA
2.12 FIP
0.63 WHIP
10.99 K/9
40.2% CSW pic.twitter.com/JMekXulUkg
ですので結論すると、シンプルに打たれやすいフォーシームの割合を減らして打たれにくい変化球の割合を増やしただけでしょうかね。球が速くなったりスピンレートが変わったとかではなく、組み立ての変化だと思います。ピッチトンネルも上手いこと使えてるので打たれやすいフォーシームも随所に活かせてるのかなと思ったり。
現地時間の明後日日曜日(日本時間8月24日)再びアスレチックス戦に先発します。アスレチックスは打線が活発なチームで、チーム自体がかなり勝ち始め勢いが出てきているところも踏まえてバンディが抑えることができるのか期待しましょう。
それではみなさん、ごきげんよう
参考にした記事です