駅伝鉄の観戦記 埼玉2大駅伝、奥むさし駅伝へ
東飯能駅前はスタート前のちょっとソワソワした雰囲気を感じた。アップする選手、付添いのチームメイト、応援の人たち、様々な人がこのような雰囲気を醸し出しているのだろう。
奥むさし駅伝、1月最終日曜日に行われるこの大会、自分は埼玉2大駅伝と思っている。この大会と翌週行われる埼玉県駅伝がその2つ。奥むさし駅伝は、東飯能駅をスタートして、国道299号線を西吾野駅近くまで行き折り返して飯能駅近くの商店街にフィニッシュするコース。私も二度走っている。高校の部と一般の部があり、県内のみならず、関東近県や長野、新潟あたりからも出場するチームがある。ちなみに、埼玉県駅伝はその名の通り、県内のチームのみの大会である。
この奥むさし駅伝は今回24回目だが、前身となる奥武蔵駅伝はスタートフィニッシュは同じだが、折り返しは西吾野駅のひとつ先、正丸駅近くで折り返していた。こちらの大会は高校時代に3年連続、その後OBでチームを組み、3回走っている。自分としても思い出のある大会なのだ。
今回は、家族が秩父にある神社に行きたいな、ということで、自分だけ少し早めに家を出て、1区を見ようという算段だ。
スタート付近を見てから西武線のホームに入る。
この日、西武鉄道は駅伝の区間に合わせて、フリー切符を販売する。この切符、走ったときに何度か使っている。昔は紙の大きめの切符で臨時の窓口があって売っていたが、今は自動券売機で買えるようだ。当時に比べて東飯能駅も、だいぶ様変わりしている。
普段は4両編成の電車がのんびり走っているが、臨時電車も走り、賑やかになる。
8:58発の電車は秩父鉄道へ乗り入れ、三峰口、長瀞へ途中で分かれるため元々8両編成。階段から遠い後ろの車両に乗ろうとホームで待つと、駅伝応援のみなさんが列をつくる。
電車は少し遅れてやってきた。車内に入ると、パンと号砲が聞こえた。その後少しして、電車は発車した。車内は、山登りへ向かう人が多数いたが、東飯能からは駅伝応援の人たちが加わって、混雑している。これはあらかじめ予想されたことだが、飯能から乗った人はなぜここでこんなに混むのか⁉と思う人もいるであろう。
車内からコースの国道299号線が見える。交差点には警察官が立ち、白バイも見えた。
次の高麗で少し降りた。駅伝観戦、山登りの人、それぞれいたようだ。
自分の目的地は、その次の武蔵横手。ここは駅の目の前が国道299号線、すぐにコースなのだ。
後ろの方に乗ったので、出口のある先頭まで歩く。やはりここでも駅伝観戦、山登りの人が降りる。以前は駅員さんがいたが、無人駅になってしまったようだ。簡易改札機にタッチして、外に出る。駅伝観戦の皆さんは、駅すぐそばで見るようだが、自分は東吾野寄りに歩く。右カーブの出前に場所を取る。このあたりは人がいない。そして、コースの反対側には西武線の鉄橋がある。
しばらくすると、駿河台大学ののぼりを持った人たちもやってきた。ここで応援するようだ。
白バイ2台が通り過ぎる。先触れなのかな、と思ったらそれから少し間が開いてパトカーが通過し、あと1分ほどと言う。
が、それよりも時間は開いたと思うが、先導の白バイが見えた。先頭がやってきた。白バイの前には中継車がいる。ここ数年、地元ケーブルテレビが生中継をして、YouTubeでも生配信してくれている。これで見るのも面白いのだが、やはり現場で見るのも面白い。
先頭は、駿河台大学。留学生が後続を離して通過していく。まさに今年の箱根駅伝と同じような展開に持ち込もうという作戦か。1区残り3キロちょっと、どこまで行けるだろうか。
その後に実業団チームが続き、高校生もその後に続く。高校生は、埼玉栄、佐久長聖といった強豪がトップを形成している。
その後は、約180チームが次から次へとやってくる。見ていて飽きない。通過するチームに声援を送る。少し先では、地元の人達が鳴り物も使って応援している。
踏切の音が鳴り、電車がやってくる。選手と列車を入れた写真が撮れるか⁉
特急が通過したあとまたも踏切が鳴る。今度は駅伝応援の臨時電車。多くの人が乗っている。山登りの人もいるだろうが、ある意味ラッキーなのかもしれない。
選手の残りが少なくなると、間隔が開いていく。予定している下り電車までは時間があるので、最後まで見られそうだ。
最終ランナーを見送り、駅へと戻る。
やってきた電車は、通勤型の電車。普段はボックスシートの電車が走っているが、駅伝仕様になっているのだろう。そこはちょっと残念。
家族と合流し、芦ヶ久保へ向かう。時折見える国道299号線を見ると、ランナーの姿があるので、ちょっと興奮してしまう。
吾野を過ぎ、西吾野に向かう途中では、折り返した選手と西吾野へ向かう選手がすれ違っているのが見えた。西吾野では繰り上げスタートがあるので、タスキをつなげたいところだろう。
芦ヶ久保、秩父で観光をして、帰りの車中、見える国道は普段の姿で、数時間前まで駅伝の熱戦が繰り広げられていた様子は微塵も感じなかった。