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RICOH GRを5年間使ってみて

noteに記事を移す中で、過去に書いたGRのレビューを書き直してみようかな、と思いました。

書いた時の知識や経験が少なすぎて、もう一度人前に出すにはあまりにも恥ずかしいものってありますよね。中学生の頃に書いた黒歴史になっている手帳みたいな。

今ならもう少し良さげな記事が書けそうな気がしています。少しは成長したのかもしれません。野球のルールを知らずに、打ってから三塁に走り出していた人が一塁に走り出せるようになったような、成長というよりルールが分かっただけでは? というような変化ですが、ひとまず成長ということにしておきましょう。今後は打球を遠くに飛ばせるようになる、みたいな成長をしたいものですね。

もちろんGRのレビューなんて、山ができるくらい沢山ネットの海に放流されているし、自分が書けるのは使ってみてどうか程度。いつも通り、しっかりしたレビューではなく、サイクリングでまるっと5年間使ってみた結果の個人的な感想です。
悪しからず。

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GRを手にしたのは2019年の秋。
ツイッターで見ていたIndigoさんがGRIIIを使われているのを見て、「いいなーあんな感じで写真撮りたいなー」と思ったのがきっかけだったと思います。あとヨドバシで持ってみて、あまりの「しっくり感」にビビッと来たのも大きかったです。あれは完全に一目惚れでした。

当時、大学入学した時に、サークルでのライド用に買ったNikon keymission 80というウェアラブルカメラが、ちょうど壊れてしまったというのも理由の一つでした。「iphoneより画質悪いっすよ」とヨドバシの店員に言われたけれど、見た目と防水に惹かれてツーリングカメラとして買ったNikon keymission 80。確かに画質は悪かったけど、キーホルダー並みに小さくてかわいくて好きだったな。今だったらもっといい写真撮れたのかな。

Nikon keymission80
Nikon keymission80

話が逸れました。
GRのほうに戻します。

自分が持っているのはGR。
GRIIでもIIIでもIIIxでもありません。
発売は2013年。10年以上も前のカメラなんですよね。

自分がGRを買った2019年はGRIIIの発売年で、お店で持ってみて「しっくり感」に衝撃を受けたのも、Indigoさんが使われているのもGRIIIの方でした。とはいえ、当時大学生だった僕には高すぎて、結局2世代前の中古のGRに落ち着いたのでした。

当時3万円くらいだったと思います。
今の中古価格見てびっくり。
並品で10万近く。
株かなって感じですね。

そんなGRの良いところは、

  • 目の前の瞬間をそのまま写真に出来る

  • 軽量コンパクト

  • 画質が良い

といったところでしょうか。
こうして書いてみるとたしかにサイクリングにいい。

「目の前の瞬間をそのまま写真に出来る」
GRの良さの半分くらいはここの気がします。
残りの半分はサイズかな。
パッと構えてそのままその場面が写真として手に入る速写性。高速レスポンス。起動が速く、重量も軽いので、パッと構えるがものすごくやりやすい。

反対に、じっくり撮るカメラじゃない気がしています。もっと軽やかにパシャパシャと撮るカメラ。「きょうは撮るぞ~!」という日に持ち出すのは違う気がします。「今日もポケットに忍ばせていくか」が似合うカメラ、みたいな。

いや、GRでじっくり撮って上手に撮れる人もいるんでしょうけど、腕の無い自分にはそれが難しいのです。あとファインダーが無いのも大きいかも。ファインダーを覗く行為が「撮るぞ!」という気持ちにさせてくれるのは間違いないと思います。

サイクリングのお供として使うなら、大きなカメラのサブ的な使い方にするか、今日は走りの方に重点を置きたいな、とか思う日にポケットに忍ばせるのがいい気がします。あるいは散歩的なサイクリングとかで持っていくか(これはカメラ好きの人、というのが前提)。

あと一番いいと思っているのが、同行者がいるときにサブ的に持っていくこと。
「ツーリングの思い出のあの瞬間」が手に入ります。

重さは245g。
シルエットはだいたい名刺よりちょっと大きいくらいで、ポケットに入れておくのも苦にならないサイズ。荷物を減らしたい自転車旅とは相性が良さそう。

それなのにちゃんと持ちやすいのは、すごくいいなと思います。
持ちやすさとか、スペックに現れないけれど、カメラとしては大事だと思います。
特にこういうサイクリングでパッと構えたいカメラなら。

画質面というか、写りの面では、GRはホームランバッターだなと思うことがあります。

三振かホームランか、みたいな。ツボにハマると、ものすごい写真をたたき出す一方で、苦手なものは全然みたいな。猫みたいな気まぐれさを感じることすらあります。これは自分の腕もありますね。はい。

ちなみにこの記事にあげている全ての写真は、ツボにハマったなと思う写真です。この後ろには、ボツ写真が結構ある……。

このホームランバッター&猫気質は多分28mmという画角のせい。

この画角、とにかく難しく感じます。ハマるものとハマらないものがはっきりあるような気がします。情報量が多くて、画像内が落ち着かない感じになりがちです。28mmだとカメラを構える前にどの辺までが映るな、という仮想ブライトフレーム的なものが頭に浮かべられなくて、ふんわりしたイメージでカメラを構えているからかも。

「広角が上手い人は本当に写真が上手い」と言いますが、これは本当に真理だと思います。

テーブルフォトも(ハマれば)行けます

その点、画角が40mmのGRIIIxは、扱いやすくていい感じ。

自分の母がGRIIIxを持っていて、帰省の度に借りては「40mm、使いやすいわあ」と思っています。
(母から「GRみたいな軽いカメラほしい」って言われたときに、「28mmは難しいからGRIIIxの方がいい」と伝えた結果、GRIIIxになった模様。)

「カメラ1台目をGRにしたい!」「GR1台でサイクリング行きたい!」という人は、28mmがいいか40mmがいいか、お店で一旦試した方が良い気がします(私は40mmのGRIIIxの方がいい気がします)。

その他のGRのデメリットを言っておくと

  • センサーにゴミが入りやすい

  • AFはだいぶトロい

あたり。

GRIIIになってダストリムーバル機能が付いたようで、だいぶゴミはつかなくなったそう。自分の持っているGRはすでに大きめのゴミが付いているので、lightroomで処理したりしています。大きなセンサーサイズの代償ですね。

AFはGRIIIでもなかなか遅いらしく、GRIIIxユーザーの母も「よく迷ってるのよ」と言っていました。実際母から借りて使ってみると、たしかに暗い時を中心によく迷っています(自分のGRよりはだいぶマシですが…)。

そういう時は「フルプレススナップ」。
シャッターボタンを一気押しすると設定したフォーカス距離で撮影できる便利機能。
絞りをF5.6〜8ぐらいにしておけば大体パンフォーカスになる……けれど、そういうことじゃないよね、と思うこともしばしば。AFの遅さは割り切って付き合った方がよいような気がします。

たしかこれはフルプレススナップで撮った

■まとめ

その軽さ、コンパクト性と画質から、ツーリングカメラとしてよく候補に挙がるGR。カメラ一台で行くなら40mmのGRIIIxの方が扱いやすいような気がしますが、28mmのGR一台でいくのもそれはそれでよし。GRIIIとGRIIIxの2台持ちも(沼の香りがするけど)よし。

使えば使うほど、どんどん難しさと面白さが出てくる、そんなカメラな気がします。でも、その難しさをあんまり考えずバシャバシャとにかくと撮る、それが楽しいカメラでもあります。
難しいことは後回し、とりあえずポケットに突っ込んで、いい感じの何かを見つけたらシャッター押す。そのぐらいのほうが、今の自分には合ってます(いつかGRでもじっくり撮れるようになりたい)。

オススメできるのかできないのかよく分からない記事になってしまいましたが、個人的には好きなカメラです。嫌いだったら、多分今頃売っているでしょう。しっかり利益出ちゃうし。

オススメはさておき、使っていて楽しいカメラです。
もし、気になっているなら使ってみたらいいと思います。

画質とコンパクト性の両立という意味ではカメラの中でもかなり上位。サイクリングで使うカメラとしては(ハマる人には)、ハマると思います。

おしまい。

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