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半生のルックバック。①

10月9日にtoybeeで新しいアルバムをリリースする。前作の発売は2023年7月14日だったので、実に1年ぶりのアルバムだ。

「LOOKBACK TO THE FUTURE」

とはいえ、7曲入りのミニアルバム。昔に比べたら一年にリリースする楽曲の数は格段に減ってしまったのだが、その分選び抜かれた楽曲たちが君の鼓膜を揺らす日を待っていると思うと、なんだかよりワクワクする。気がしてくる。

...ほら、してきただろう?

アルバムは子供時代の”柱”


きっと誰もが思い浮かべられるであろう、実家にある子供時代の身長を印つけた「柱」。僕にとって1枚のアルバムを作るというのは、あの柱の延長線上に、新しく印をつけるような感覚なのだ。


19歳のとき、初めて作ったアルバムタイトルは「Goodbye, Teenager」。

22歳、周りが学生生活を終え社会人になろうとする中、バンドで生きていく決意を込めた「KEEP ON ROLLING」。

メジャーデビューアルバム「FOREVER YOUNG」には、24~26歳の、モラトリアムから本格的な大人へと移行する中で揺れている楽曲が多く思える。

こうしてみると"年齢と向き合うこと"が、楽曲のテーマとしてとても多い。


そして現在、30歳。

いま一度自分の人生を振り返り、かつての理想と現実の狭間でもがきながら作った「LOOKBACK TO THE FUTURE」が完成した。

このアルバムには、20代最後に作った曲「LOOKBACK」と、30代になって最初に作った曲「Golden Age」が収録されているのだが、前者はどちらかというと悔しさに溢れていて、後者は反対に、あっけらかんと前向きな楽曲になっている。

進行方向は同じでも、感情の出発点が違う2曲。

それはまさに当時の気持ちを表していて、30代に突入するまでの数年はまさに、悔しさと未来への恐怖に苛まれていた。

毎夜、どこで道を間違えたのかと自問し、考えたところで戻れるわけもなくただ気落ちする悪循環。そいつを打破するため、無理やり自分自身を肯定するための楽曲を作ったのが「LOOKBACK」だ。

逆に30歳になってからは、「どうせ戻れないし、もうやるしかないじゃん!」精神というか、憑き物が落ちたように前向きな気持ちになることができた。その結果できたのが「Golden Age」である。(その不思議な”悟り”を、インド感のあるアレンジで表現しているつもりなのだ)

そんなふうに僕の作品には、楽曲単位で当時の自分が”何を感じていたか、どのように現実と向き合っていたのか”がそのまま表されている。だからこそ、この時代にもアルバムを作るのだ。1枚の盤、数十分の中に、数年間を真空パックして永久保存できる。それが、僕にとってのアルバム制作なのだ。

30歳と節目の年に、「LOOKBACK TO THE FUTURE」というアルバムをリリースできたことを喜ばしく思うと共に、いつまで経っても人間の根本は変わらないんだなぁと少し苦々しく、そしてどこか誇らしく感じている。

半生のルックバック


導入はこのあたりにして。せっかく「未来に進むため、過去を振り返る」というメインテーマを掲げたのだから、これから少しずつ、自分の30年間のうち、ちょうど半分になった15年間の音楽人生を振り返っていこうと思う。タイトルは、「半生のルックバック」(そのまますぎるか…でもほら、人生だと大袈裟だし。)

心改めて若い頃の楽曲を聴き歌詞を読むというのは、卒業文集を引っ張りだしてくるような小っ恥ずかしさもあるのだが、こんな機会だからこそ冨塚大地という人間が、人生という柱に刻んできた印をみんなと一緒にルックバックさせていただこう。

言うならば、"三十歳文集"だ。
(よし、これだ。なんかいい感じにまとまった気がする。)


それでは。続きをお楽しみに。

あなたの今日に、信号が青ばかりのような、小さな幸せが起こりますように。

冨塚大地(とみといびー)


toybee New Album『LOOKBACK TO THE FUTURE』
2024.10.9 Release

💿CD予約受け付け中

🎧先行シングル配信中 (Apple Music / Spotify / …)


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