スクー 「キムゼミ 第五回 - 決断の流儀 -」
<キムゼミの目的>
『人生を変える、作る』
人は自分の人生を作っていると感じている時に幸せと感じる。
自分の人生を作る力は自分の中に内在している、と信じることが大切。
自分の意思と自分の決断と自分の行動で自分の人生を変えることができる。
<Schoo受講生の「言葉の感度のマニフェスト」ベスト3>
No. 3 「言葉は、誰でもカンタンに交換できるプレゼント。壊れやすい、ふんわりとした見えないものだからこそ、取り扱いには十分注意!」
情景が浮かぶような文章で文字が踊っているよう。プレゼントは嬉しいものではあるけれど、内容によっては相手を傷つけることもあり得るので取り扱い注意。
No. 2 「言葉にならない言葉に 耳をすます あるとき 自分の言葉をたくさん説明しなくても 言葉の奥まで 受け取って理解してくれて いままでなかったことだから夢がかなってうれしいと言われて胸がいっぱいになりました その人が発した言葉の奥や 言葉には現れない 無言のコトバみたいなのをききとれるようになりたいです。」
この方にとって言葉が持っている概念範囲が広い。人の思いも混ざった言葉。言葉に対する感受性、感度が高いのだろう。
我々は結構言葉をドライに扱ってしまっていることがある。受け取っても心の潤いにならない。言葉に潤いを与えて相手に届けると、相手の心も潤う。
No. 1 「言葉、言とは私、葉とは形の創造。」
読む人によって解釈の柔軟性が高い言葉を使っている。含蓄というかいろんな意味が込められている。言葉を発することを英語でencoding, 受け取ることをdecoding と言う。言う人と受け取る人との間で思いが一致すると素晴らしいコミュニケーションになる。高次元のコミュニケーションになると、伝えた方の思いに対して、受け取る側がさらにクリエイティブに解釈をすると、ある意味クリエイティブな作業になる。思いを交換する作業のみならず、相手の感覚や思考を刺激するための材料を投げると、想像できない結果が生まれてそれを伝えてくる。各自がこの言葉にはどんな意味合いが込められているか自分なりの解釈をしてみると良い。この文章は一つのアナロジーでもある。ある種の詩。言葉の持っているふわっとしたイメージが伝わってくる。言葉を盲信しない、言葉の不完全性についても認識すると良い。
<前回授業の質問>
Q. 友人が「転職したいけれどワクワクすること(仕事)を見つける気力がない」と言う相談をされる。どんな言葉をかけたら助けになるか?
A. 友人は疲れているので、すぐに次のゴールを見つけさせようとせず、睡眠と、あまり先のことを考えずに日常の当たり前のことを丁寧にしていく。ご飯を時間をかけて食べる、呼吸をする。家族に時間をかけて電話する、など。日常の中で非効率だと思うものをできるだけするよう心がけると良い。効率性や便利なことは人間の幸せを殺す。効率を追求しないこと、便利を追求しないこと、若干非効率的なことが人間を幸せにする。あえて散歩に出かける、あえて歩くことを選ぶ、など。今この精神的に疲れている状態で次の目標を決めると、その目標は自分の心が反映されない。地に足をつけていま目の前にある日常を余裕を持って丁寧に感謝しながら生きることをしたほうが良い。散歩に誘い出したり映画を見たりするのが良い。自分一人ではしないことをさせて気分転換させて感情が動く体験を一緒にすることが大切。効率的に頑張ることは、最終的に非効率的なことをするためにやっていて、それが人間が求めること。それを先送りせずに今すぐにでも手に入れることはできるので、そのためにもちょっと立ち止まり、来た道を振り返り、周りの景色を吟味する、また今進んでいる、進もうとしている道が本当に自分の進みたい道なのかを再点検するべき。速度だけ上げようとすると、本来の目的地からどんどん離れてしまう。歩く速度より歩く方向がまず大事。その方向が自分の目的地に向かうよう軌道修正しながら余裕が出てきたら加速する。散歩しながら語り合うと友情がとても深まる。目的志向をなくして行為に集中する。散歩の時間をなにか生産的にしようなどと考えると夢中にはならない。純粋に何も考えずに二人の時間を楽しむ。目的意識を明確にすることは大切だが、休憩を入れたり日常を楽しむ上では、目的思考は除去した方が良い。
Q. 「与えるGiveの心」と「自己犠牲」が時々分からなくなります。「自己犠牲」は自分を大事にしていないことになるのでしょうか..?
A. 自分が喜びをもって与えるもの以外は与えないようにしている。お返しを求めて与えた時返ってこないと自分が苦しくなる。自身も大事にしながら他者も大事にすると言うことは皆が大事にしたいポイント。それがトレードオフになるとどっちかが幸せになるとどっちかが苦しむ。自分が与えた時相手は喜ぶは自分は自己犠牲を感じて苦しくなる、と言う関係は良くないと思う。相手が幸せになることによって自分も幸せになると言う確信が持てない時は、自分を犠牲にしてはいけない。
「美しい自己犠牲」というものがある。親の気持ちや国のための特攻隊のような愛する誰かのために身を捧げる、後悔のない清々しい自己犠牲。それを通じて多くの人が幸せになったりその土台を作る部分がある。そういった自己犠牲はすごく美しい。そういう人たちは苦しみを感じながら自己犠牲はしていない。自己犠牲全てが悪いわけではなく、そういった美しい自己犠牲もある。決断に後悔があるかないか、ということ(徳田さん)。
Q. 聞くのは得意ですが、相槌だけでは間が持たず... 質問力を伸ばすトレーニングはどうしたらよいですか?
A. 質問を3つ準備していく。例えばその会の目的やその人の性格、気まずくなった時などのために3,4つの質問を用意しておく。その場で自分の即興的な質問力に委ねるのではなく、会うことがわかっていたら、そのための武器を準備しておく。会う2時間前にいくつか質問を考えておくと、会う時に思い出せる。準備をしておくと心に余裕が生まれるから、用意したものでなく即興的な質問も出てくる。心に余裕があると相手の話を傾聴できる。傾聴できると相手の話をより深く理解できる。理解できると、相手の思考と感覚を伸ばすための質問を即興で作ることができる。その3つの質問を10人にそれぞれ考えるようにしていくと質問が30でき、それらは使い回しができるし、質問に慣れていく。苦手なことはそれに時間を使ってこなかったこと。時間を使えばいいだけのこと。相手にとってこのミーティングから何を持って帰ったら一番喜ぶか、を考える。
<決断の流儀の5ヶ条 その1>
「自分で運転する時は車酔いはしない」
自分の人生の指揮権を自分で握っている感覚を持っている人はすごく幸せ。どんな状況におかれていても、自分の中に自分の人生を決める権限があると思ったらすごく満足。自分で運転しない車で気持ち悪くなるのと同様、人生も自分が決めているという感覚になった時はそこまで迷わないが、誰かに決められてると感じると苦しくなったり無力感を感じたりする。自分の人生に関わることは最終的に自分で決めることが大事。生きてる限りは自分の人生の指揮権は手放さない。逆にいうと、誰かにとっての重大な決断の場面に決断を代行してはいけない。その人を信じてその人に委ねる。参考材料を与えるのは良いが、決めるのはその本人であり、その決断を尊重する。
日本は自分で決めることに慣れていない。子供の頃から決めることをしてこなかったから。提示されたオプションの中から決める=選択しかしてきていない。苦手なことには経験が必要なので、日常の中でも決めることをしていく。決めると決めたことに対する責任を負わないといけない。人は無意識に責任を負いたくないので委ねてしまう。
<決断の流儀の5ヶ条 その2>
「正解は選択するものではなく、選択後に証明するもの」
受験などの時は、正解が決まっている、それを当てるかどうか。その場合は正解は選択するもの。人生の場合は、自分が何かを決めたら、その決めた選択を正解にしていくために努力する。選択した瞬間に人生の正解は決まらない。逆に言うと、何を選んでも良い。選んだ後にまずは自分にとって正解にしていくことが大事。理想的には、自分の周りと社会から見てもその選択は正しかった、と言うことを、事前ではなく事後的に皆が見て納得いく形になると、自分が選んだ選択を最終的に証明した、と言うことになる。それが人生である。選択をする時、決断をする時は、それほど悩みすぎなくても良い。自分の心にしたがって下した決断は全て正しい。その決断が人生にとって正解だったと証明するために自分が努力する。
<決断の流儀の5ヶ条 その3>
「Innovation without Permission
心から信じるものであれば他者の承認は要らない」
Innovation without Permission = 承認なきイノベーション。基本的な精神的なマインドとして、誰かの承認は必要とせず、自分がこれだと思った時の自分の心の声を世間の眼差しよりも大事にできるかがすごく大事。自分の重大な人生の問題に関しては、他者に対する説明も承認もそれへの依存心も要らない。依存心を自分への信頼に転換できるかがとても大事。そうすると、誰かの言葉を参考として聞く耳を持てる。Innovation without Permission は、他者の言葉に全く耳を傾けないと言うことではなく、最終的には自分で決断をする、そのための参考材料を集める際は誰よりも聞く耳を持つ、オープンスタンスでいる。この2つを両立させることができるかどうかがすごく大切。
Q. 選択の軸の選び方には何かあるか?
A. 自分の価値観と照らし合わせて、自分にとって一番大切な軸を自分自身で選ぶ。自分の価値観と連動した形で判断基準を持ち、それに基づいて決断をするということが癖になっている人の場合は、選択にかかる時間と選択の精度は比例関係にない。選択にかける時間が長いほど選択の精度が高まると思い込みがちだが、そういう時は、自分の価値観を明確に持っていないか、またはそれを明確に認識してないか、認識していてもそれに当てはめて選択してない、ということ。自分の中に価値観と判断基準がある人は瞬時に決められかつ制度も高い。仕事ができる人は即断即決。本質が見極められて、会社の目標や自分の能力に照らし合わせてその正解を出していくことが瞬時にできる。自分にとって大切なものは何かを常に考えるとどんどん目に見えてくる。そうするとそれらが自分の価値観であるとはっきり認識することができる。日常の中で決めることをルーティーンにすると、自分は何が欲しいか自分に問うことになる。自分の心の声を自分に問い合わせることができると、徐々に自分の価値観が明確になっていき、自分の価値観が明確になっていくと、選択決断の場面における判断基準が当たり前のように明確になっていく。そうすれば悔いもなく、気持ちよく「決めて断つ」ことができる。「決めて断つ」には自分にとって判断基準が必要で、判断基準の根幹になるものが自分の価値観。何を大切にして何を大切にしないか。その価値観の中には、信念もビジョンも全部含まれている。その魂の根幹となるものを常に大事にする。
<決断の流儀の5ヶ条 その4>
「人生は軌道修正勝負
切り替え、割り切り、引きずらない」
人生は自分の思い通りには絶対にいかない。一見まっすぐに行っているようでも、成功者の顕微鏡で見ると細かく軌道修正している。自分が想定していないことが起きてもめげないこと、引きずらないこと。軽やかに軌道修正して切り替えていけば良い。レジリエンス、打たれ強さを持ってほしい。結果を出している人は、まっすぐ進んでいるように見えて無数の軌道修正をしている。やり直しはいくらでもきく。
<決断の流儀の5ヶ条 その5>
「結果に対する全責任を負う決意のある選択は常に正しい」
自分が決める、という主体性を持ち、自分がその責任を取る。その2つが組み合わされたらその選択は常に正しい。自分に対して宣言する。その決意があるとエネルギーが高まり加速できるし軌道修正もできる。活力を持つためにも自分で決め自分で責任を負うという決意を持つ。
<推薦図書>
「選択の科学」 シーナ・アイエンガー著 http://amzn.asia/97ana3x
こういう仕組みがあるから人はこういう選択をしてしまうんだ、本当の自分の心に従った選択、後悔をしない選択をするためにはこういったことを心がければいいんだ、という再現性のきく理論が書かれている本。
いろいろな決断をする時に迷ったりすることがあるが、迷うことはすごく大切。迷うことは、自分の人生に対して、また選択と決断に対して自分自身が真剣であるという証拠。自分の中の迷いは否定しない。迷ってもいいが、最終的には自分が決める。最終的なところさえブレなければ、その過程で迷いがあることは良いこと。ゴールにたどりつくまではいろいろな寄り道をしても良い。今決められない、迷っている状況があるとしてもあまりネガティブに捉えず、「これは過程だ」と思い、最終的には自分が決断し自分が責任を取る、ということで良い。迷いと決断は相反するものではなく、決断のためにはたくさん迷って良い。迷っていたら肯定してあげる。迷う、決断する、責任を取る、の3つをセットにすると、決断の後も気持ちよく過ごせる。