スクー 「キムゼミ 第六回 - 目標設定と実現法 -」
<キムゼミの目的>
『人生を変える、作る』
人は自分の人生を作っていると感じている時に幸せと感じる。
自分の人生を作る力は自分の中に内在している、と信じることが大切。
自分の意思と自分の決断と自分の行動で自分の人生を変えることができる。
【 Schoo受講生の「決断の流儀のマニフェスト」
ベスト3 】
No.3 「決めた事以外は絶つ」
(キム先生)決めることは止めることでもあり捨てることでもあるが、我々は、止めることは決めることより実は難しい。何かを決めたものの他のことを引きずりながらやってしまって集中できないことが結構ある。「決断」は1つに集中するために残りの99の行為を捨てることでもある。自分の中で緊張感を持って、「これを決めるということは他のものは捨てるんだ」というような、決めたこと以外やらないという決意が大切。それが一行の短い文章にすべて込められている。表現力も素晴らしい。
No.2 「愛から決める 娘が学校に行かなくなった時に私はどういうことを大切にしたらいいのか最初わかりませんでした。いろんな人に話を聞いたりしながら、私は娘の味方でいようと決めることができました。そんなことしてたらいまはいいかもだけど将来困るよという脅しではなく、いまの自分がどうやったら幸せになるか考えようねと娘と話すことができました。」
(キム先生)一番大切なのは、何に対して決めるか、ということ。
決断の対象をどのレベルにおくのか。この方は一番高次元のものを選んでいる。「娘さんの味方でいる」ということは他の次元よりもはるかに高レベルなもので、これがしっかり娘さんに伝わったとすると、これがある意味最高の教育だと思う。
子供が両親にもらった言葉の中で一番パワフルなのが、「私はあなたを信じる」「私はあなたの味方」。
悩んでる中で一番大切なのは何なのかということを、決断を下す時に、決断の対象が、目の前にあるものかそれともより本質的なものが対象の中にないか、をしっかり検証した上で、一番本質的、一番高次元なものに対して決断を下す。
No.1 「『選択』というスタートを切り、『正解』というゴールを目指す」
(キム先生)選択した瞬間に正解が決まるわけではない。自分のした選択が正解となるために努力して、選択したものが正解であることを証明していく、構築していく。それを比喩を使って素晴らしくまとめている。「選択」をスタートして、その道のりの中で正解にしていく。つまり「選択」と「正解」の間にはタイムラグがあって、「選択」を「正解」に変えていく「転換」は自分自身が行なっていく、ということをうまく表わしている。
その言葉を聞いたり読んだりした時に、自分の頭の中や相手の頭の中に情景が浮かばせられるかどうか。イメージを浮かばせられる人は言葉の能力が高い。
【 前回授業の質問 】
Q.韓国では、子供の頃から自分で自分のことを決めるのでしょうか? 同じアジアの文化なので類似性や相違に興味があります。日本以外の他の国では、どういう風に、本人に決めさせる訓練をさせているのでしょうか?
(キム先生)韓国では日本に負けないくらい、親が子供の意思決定を代行してしまう。
フランスでは、例えば、レストランに行った時でも3,4歳の頃から自分でメニューを決めさせる。学校でも、「あなたにとっての正解は何か」をみんなに語らせ議論させる。一つの正解にたどり着かせる教育をしないで、個々が自分の意見を言うことを教育の目的としている。
個として独立して生きていくためには、考えていることを自分の言葉で表現する、さらに言えば、自分の考えと感覚に基づいてちゃんと自分で決断して行動を起こしていく、または行動がもたらす結果に自分が責任を取っていくという大人になった時に、本当の意味での大人という事ができる。
時間の概念を入れると良い。今現時点で私が考えている事は、私にとっては真実ではあるが、自分が知らない事、無知に対して謙虚さがあるので、他社の言うことに耳を傾けて、時には自分自身を客観的に眺めて、自分の意見を修正していくということも一つの勇気。時間の概念を入れて、人とのインタラクションの中で、自分の考えを、一貫性という愚かさではなく、学びを通じて柔軟に自分の考えていることを変えていくことは勇気があると思うし、一つの知恵でもある。時間の概念を入れることで物事を複合的に捉えることができる。
Q.子供は、経験や情報量が少ないと思います。決める能力が十分でないことが多い気もしております。しかし、高校生あたりになると、もう自分で決めるべきのような気もしております。どういった年齢から、自分自身での決断をしていくべきでしょうか?
(キム先生)子供は、大人がどう接するかによって、子供がもっている能力の発揮度合いが変わる気がする。年齢で判断するのではなく、1歳でも2歳でも、両親が子供を一人の人格体として、子供の感覚と思考というものにちゃんと耳を傾ける、聞き出すことを心がけることが大事。小さい頃から一人の人格体としてその子の意見に耳を傾けるようにしていくと、その子供は早い段階で自分で自分のことを決め、その精度も高くなっていくと思う。親の子供に対する向き合い方によって、子供が自分のことを自分で決めていく年齢は変わっていくのではないか。
親の介入の仕方もいろいろあって、子供が正しい判断をするための情報を与えることは素晴らしいことだと思うが、ただ最終的な決断というものは子供に委ねていく勇気も大事。「決めてあげる」「強引に親が決めてしまう」ことはよくないと思う。親として子供にできることは、最終的に決断は委ねるにしても、その子供が自分の心の声に沿ってその子供にとって正しい選択をするために必要となる最善の情報を親が与えていくことは素晴らしいと思う。その時に、親の意見としてこうだ、と伝えることは大事だと思うが、こうしなければならない、という抑制的、強制的な高圧的なスタンスは子供にとっては自由を奪うことになるし、自立にも向かわせないと思う。
(コメント)自分の意見を聞いてもらえた子は、人の意見も聞ける子になると思います。
(コメント)自分自身で選択肢を作るということも必要かなと思います。
(コメント)こどもには「どう思う?」「どうしたい?」といちいち聞くようにしています。
Q.私は切り替えがとても苦手です。ショックを受けると引きずってばかりなのですが、気持ちの切り替え方でおすすめの方法はありますか?
(キム先生)僕はショックな事があったら文章にする。書きながら、苦しんでいる感情を客観的に眺める時間を持つ。あと、水と触れ合う。お風呂とかサウナとか。あるいは何もしない時間を持つ。効果的なのはクラシック音楽をかけること。音楽や美術は魂を癒す。魂のエネルギーが落ちている時は、大自然や大切にしている人たちの笑顔や人々にたいする感謝、音楽などの芸術の力を借りたり、神社などでパワーチャージをしてもらうとよいのでは。
キム先生はグレン・グールドの演奏するバッハのゴルトベルク変奏曲がお気に入り。https://youtu.be/O9dX3aYsNlk
【 目標設定と実現法の5ヶ条 】
1.”目的地の無い船にはどんな風も順風にはなれない”
(キム先生)ギリシャ・ローマ時代のセネカという思想家・政治家(ネロ皇帝の家庭教師でもあった)の言葉。目的地が分かれば、どんな風も帆を使って目的地に向かって加速するための風にできる。目的地が明確な人は、今一見自分の周りに起きていることが試練や逆境でも、目的地に到達するための糧にできる。まずは目的地を持つことが大事。
目的地は具体的なものや漠然としたものいろいろ持っていいが、絶対持たなければいけないのは、今日この瞬間自分がどこに向かいたいのかが分からない人は本当の意味での目的地は持てない。
中長期的な目的地は、方向的には大事だと思うが、今この瞬間に集中することがとても大事。10年度、5年後、3年後、1年後の目的地が明確であっても、今自分がぼーっとしてると何の意味もなさない。今この瞬間ちゃんと目指そうとしている目的地に向かっているかどうか、向かっている時間がある人はすごく幸せになる。
例えば、今日キムゼミというものを作っていく時、我々の目的は、見てくれている人たちが他の1時間と比べて濃密で自分の人生を変える、または自分の人生を作る上で役に立った1時間であったと見た後にちゃんと感じて、その後に日常生活の中で活かしていくことによって、あのゼミのあの回のおかげでこうなった、というのを感じてもらいたい、という二人(キム先生と徳田さん)の暗黙的な目的地がある。それに向けて我々はいろんな形で質問などをある意味料理しているが、二人共目的地を共有しているからできている。どんなことを投げられても、その目的地につなげるために会話を進めている。この瞬間においても、なぜこれをやっているのかという目的意識と目的地に対する認識が大切。
遠く何をしたいかを考えることは楽。今この瞬間自分はどこへ向かいたいのかを考えるのはすごく自分にとって緊張感やエネルギーが必要になってくるが、それをしないとこの瞬間が全て無駄になる。
怠けてもよいが、怠けることを決意すること。最初は疲れるが、そういうことを心がけていくことで、将来的には無意識にできるようになる。自分が無意識に自分の目的意識を明確に持って、目的地に向けてちゃんと軌道修正をしている、という感覚のある人は、ある意味嵐の中をくぐり抜ける老練な船乗りになれる。自転車も最初は何度も練習して乗れるようになるが、今は無意識に乗れる。そこ(無意識のレベル)までいければそれは才能。
2.現状への不満は未来へのリクエスト
(キム先生)好きなことが分からない、どういう目標を持てばよいか分からない人がいるが、未来の目標を探す方法は2つある。1つは、本当は何がしたいんですか、と自問自答すれば目標設定できる。が、結構「何なんだろう?」と答えられないことがある。それに対して、「現状の不満は何ですか?」と問うと何かしら現状の自分に対する不満があるはず。つまり不満が解消されれば今以上に幸せになるということでもある。皆さんがなにか現状に対する不満を持った時は、その不満をネガティブに捉えたりないがしろにせずに、「これが私の未来への要望、リクエストなんだ」と受け取ることができるかどうか。そう捉えると、現状自分が持っている不満というものは、ネガティブなものではなくて、自分の未来への方向性、なりたい自分にきづかせてくれる一つの手段だと捉えることができる。未来の目標リストを作るのも良いが、それがよくわからない人は、現状に対する不満を書いていくと、それらが克服された状態が自分が目指したい未来の像となる。そんな風に未来への目標を導き出すこともできる。
(コメント)大体いつも不全感に苛まれています。
(キム先生)以前の講義で話した「未完の自分が美しい。未完と完成の間にある空間は自分の可能性」。
完成に向けて全力を尽くすという決意につなげるとよい。人間は死ぬ間際まで不完全であることは宿命。死ぬまで成長していくことはある種の使命でもある。不全感を持つ事自体に対してあまり苦しんだり苛まれたりする必要はないと思う。そこからどうするか、が勝負。
(徳田さん)不完全感を持っているということは逆に言えばものすごく向上心があること。
(キム先生)自分の人生に真剣である、ということのスタート地点にたったということ。生きる活力を持つ、ということがとても大切。「私は活力を持つ」と大きな文字で書いてみる。「活力」という大きな文字を見ると人は活力を感じる。「自分は自信がある」など。言葉にしたり文字にしたりすると活力が生まれてくる。
(コメント)人を癒やしたい、そのために自分のエネルギーを高めるのが今の目標です。
(キム先生)授業が終わって家族を癒やしたり両親に電話したりするとエネルギーをもらえる。先に人を癒やすと、自分のエネルギーが高まる。人を癒やすことをすると自分の中のエネルギーが高まる。
3.夢への臨場感を高める。
限りなく具体的に未来をイメージし、達成時の感情を
先取りしてあじわうこと。
(キム先生)イメージトレーニングでも使うこと。自分が成し遂げたいことを成し遂げた状態を想像し、成し遂げた時の感情を先に味わうと、その感情のパワーに導かれて、目標や夢を実現するための活力が高まる。夢に対する具体的なイメージングをしていくと実現する可能性は高まる。夢に対する具体的なイメージを鮮明にしていくことによって実現の可能性が高まる。
なんとなく「これしたいな」ではなく、「これをするためには具体的にどうすればいいんだろう」と考えていくと、夢見るものが実現しやすくなる。夢に対する臨場感を高めていき、今よりもリアリティがあるところまで持っていくと、行動に移すので叶ってしまう。自分はその夢を叶える力を持っている、と気づけばその人は夢に向かって走っていく。
(コメント)夢の臨場感を体験すると、夢と今の落差がありすぎて、へこむ…
(キム先生)臨場感が高まると落差も感じなくなる。「乗り越えてやる」と落差を楽しんでほしい。
4.一番高い山ではなく、自分だけの山を登る。
(キム先生)僕は、人生の中で誰かと競争するのはやめよう、と決めている。自分の人生で何かやる時に、「誰かに勝つ」というマインドセットを捨てた。それをぜひ皆さんに今日決意してほしい。
比較をして競争することが自分のやる気を出させることもあるが、それはあまり健全ではない。自分は比較と競争の力を借りなくても、自分が本当に心から望むものであれば、できる力が自分の中に内在されている。
「私の人生では競争することはやめる」と決意し、それを周りの誰かにも言うと良い。
一番高い山に誰が一番早く登るかを競争するのは受験などだが、人生においては、自分が登る山は人が登る山と必ずしも一致する必要はない。
自分の心の声に従って決めた自分の夢や目的地であれば、それは自分の山。結果的に他の人が登る山と一緒ではあるが、他の人達が登るから自分も登る、という風に順番が逆になってはだめ。
自分の人生において自分はどういった山を登りたいのか、登った時にどういう景色を見たいのか、を自分の中で考えて、みんなが登るから登るではなく、逆に言えば、自分の後に道ができるということでもある。足跡が多い道を選ぶのではなく、その道を選んでその先に見える景色の美しさで自分が進むべき道を決めるのが美しい。
(コメント)競争を手放す具体的なコツがあれば教えてください。
明日会う人3人に「私は競争する人生は昨日でやめた」と宣言すればいい。自分に対する自覚にもつながるし、周りから実行しているかどうか見られる。
(コメント)周りが比較する時は?
(キム先生)周りが自分を比較対象としてみることに干渉せず、相手の自由意志を尊重する。
5.見える角まで全力疾走する。
(キム先生)高い目標や難易度の高い夢を設定すると、身動き取れないことがある。
壮大な目標を設定してしまうと、「今日どうすればいいんだ?」とか「明日からやろう」などとなる。
実行が一番大事。今それに向けて出来ることは何か、ということを考えて、それを今この瞬間すばやく実行に移すことが出来るかどうか。そこだけの差。
目標を立てる人も、それに向かって計画を立てる人もたくさんいるが、いますぐ行動に移す人はわずか。夢を実現する人はその僅かな人。
まずは見える角まで走る。袋小路だったら戻ってくれば良い。そこに行って初めて見える景色がある。その中でまた道を探していけばいい。
目的地までの道のりを把握できないから身動きがとれないのはすごくもったいない。その方向だと思ったら、まずは見える角まで走ってみる。
まずはアクション。それを心がければ、目標を実現する可能性は高まる。
【 推薦図書 】
「WHYから始めよ!ーインスパイア型リーダーはここが違う」
サイモン・シネック著 http://amzn.asia/3VxPUgY
(キム先生)目標設定をする時に大切なのは、なぜそれが自分にとっての夢・目標なのかということを、ちゃんと自分の言葉で説明できるかどうか、自分自身が認識しているかどうかが大事。
目標は設定すればいいものではなく、ちゃんとその目標の中に自分の思い、信念が含まれているかどうかが大事。それが人生のみならずビジネスにおいても「WHY」からスタートしたビジネスが大成功した、ということを書いたのがこの本。
【 ワーク 目標設定と実現法のマニフェスト 】
提出はこちら https://goo.gl/forms/Yrfqp2RaoLo9TeSX2
(キム先生)楽しんでやっていくことが大事。余裕を持ったり立ち止まりながら、自分が何をやっても、それを楽しむんだという気持ちを持つことが大事。真面目に自分の目標に向かって走って目標達成する、満足感を得ることは大事だが、そのプロセスが楽しい、自分にとって充実していることが大前提。遊び心を入れたりリラックスしたり余裕を持ったり立ち止まったりして、楽しむ気持ちを持ちながら生きていってほしい。