靴ってむずかしい
おはようございます。
今回は、私の靴に対する考え方について話そうかと思います。
皆さんはどのような基準で靴を買いますか?
私は、自分が目を惹かれた靴。いわゆる感覚で選んで買っています。ただ、SNSが普及している中、誰かの紹介した物がひっきりなしに視界に入ってきて物欲を刺激してきます。
なので、買った物の原点を辿ったら、誰かの買った物に影響されてといったきっかけが多いのではないでしょうか?実際私も同様の事が以前までよくありました。
天邪鬼な私は、この状況がとても気に入りませんでした。要は考え方ではありますが、同じ物を買ったとしても、自分が気に入ったから買った物と何かしらに影響されて買った物。自分の中の価値は雲泥の差があります。
物に罪は全くありませんし、影響を及ぼした媒体にも罪はありません。しかし、どうでしょう。人に『どうしてその靴にしたの?』と聞かれた時、『あの人が履いていたから』と答える人が多いのではないでしょうか?
私は、それが嫌なのです。購入への経緯が人の影響というのが。というのも、作り手は拘りを持って作っていると思いますが、購入者である自分がその拘りに共感ができて初めて買い物をするのが本来の買い物であると考えます。
よく考えてみてください。誰かの影響で物を買うというのは、その人の真似事をしたいというのと本質的な意味では同じ事だと私は思います。そういった考え方で物を買っていると全てが何かしらの真似事になっていて、購入に至った本質もわからないですし、第一人に影響されて買った物は長く使いません。なぜなら、次の新しい物に影響されて買い、以前の物は使用頻度が徐々に減ってくるからです。それが悪く、否定しているわけでは全くありませんが、私はそういった考え方は好きではないのです。
かといって、今の世の中SNSと関わらないというのはむずかしい話です。不可能ではありませんが、シャットアウトする必要もないと考えています。私の考えは、購入の目的、なぜそれを買うのか。をよく考える事が大事だという事です。そうする事によって、物の見方も変化するのではないでしょうか。作りやデザイン、物に込められた想い、など共感できるようなポイントを探す『心の眼』が生まれるのではないでしょうか?そうなれば、自ずと本当に必要だと思った物だけが手元に残っていくのでは、と私は考えます。
影響力がある物に惹かれて買っていると楽しいのは買って届くその間だけです。届いた後は、物を持っている事に満足してしまい、そこからのテンションは上がりづらいです。言ってしまえば、『買うこと』がその人の欲求を満たしているのであって、その買った物への価値は必然的に薄れていってしまいます。
私はそれがとても悲しい事だなと思っています。頑張って働いて稼いだお金、その『買い物欲』に一瞬で溶かしてしまっている事に。捉え方にもよりますが、パチンコでお金を擦っているのとそう変わりないような気もします。
今から、考え方を変えて物に左右されるのではなく、自分が主体になり、本当に必要な物だけを買うようにしてみたらいかがでしょうか?きっと今までよりも無駄遣いが減るので、多少高い物と考えてしまっていた物でも、手が届くと思いますよ。
さて、かなり話が脱線しましたね。失礼いたしました。一度話し始めると止まらない癖があるようです。
靴に対する私の考え方についてでしたね。靴というのは本来足を守るものでありますが、私の場合はそこが第一ではありません。第一は、『物への拘り』です。
その物ができた経緯、込められた想い、など纏めると『物ができた背景』。これを知るのがとても楽しいです。この形は、こういった理由でこうなっている、であったり、この革はこういう理由でセレクトしたなど、一つの物ができる背景を細かく知るというのが物を買う上で重視している事です。
これを知った上で、その製品を自分色に育てるというのが堪らないです。
革靴なんてまさにそうです。新品の物と長く履いている物。同じ物ですが、全く別の物に育ちます。
これは履き方や足のサイズなどによって変化の具合も変わってきますので、自分が履いている靴は他のものとは違うオンリーワンな物に変化していくのです。
これを聞いたら、革靴を育てたくなってきたのではないでしょうか?
はじめから足に合っているわけではありません。むしろ、足に合わず靴擦れに悩んだり、革が硬くすぐに足が疲れたりする物です。そんな気難しい革靴は、履いていくうちに足の形に馴染んでいき、継続するとコルクやレザー、足形に変形していくのです。ソールもそりかえってきたら、もうかなり足には馴染んでいますね。スニーカーの履きやすさとは別物ですが、こちらも履き心地、よくなっていきますよ。
革の表情も変わっていき、どんどんどんどん愛着が湧いてくると思うので、ぜひ履いてみてください。
ここからは、私がこの頃履きに履きまくっている靴をご紹介します。
formeのDance Shoesというモデルです。一番初めに載せている画像がそうです。
革靴にしてはかなりシャープですよね。ダンスシューズという名前は、おそらくイメージ通りのダンスで履くような靴から着想を経てできた物であると思われます。
ソールとアッパーを縫い合わせている製法がマッケイ製法になっています。これによってソールが薄くシャープな印象を生み出しているのです。
アッパーにはIncal horseの革で馬革を使用しています。革にはロウが含まれているみたいで、初めは白っぽい物が見えていたのですが、これは履き込んでいくうちに少なくなっていきました。
履き始めから、一年と半年ほど経っていますが、かなり表情が変化してきていると感じております。
履いていた日は毎回ブラッシングをして月に数回メンテナンスをする程度の頻度でしたが、だんだん光沢がみられるようになってきました。一言で言うと、『エロい』です。カーフには見ることができない。色気のようなオーラを放っています。
この靴を履くときは、少し裾がかかるくらいの丈を意識してパンツの方を履いています。カッコ良すぎて毎日履きたいくらいなのですが、Parabootの靴などと比べるとクッション性には欠けるので、仕事の日などにはあまり向かないかもしれません。
普通に関係なく履いているのですが、やはり夕方くらいには足が疲れたと感じるので、仕事に行く日は、Clarksのワラビーを愛用しています。
こちらの靴も大変気に入っているので、次回その話をしようかと思います。
長々と綴ってしまいましたが、今日はこの辺にしておこうかなと思います。
それではまた。