ストーリーポイントを導入してみたらプロダクトバックログが健全になった
最近になってスプリントプランニングにおいてストーリーポイントを利用し始めました。
これが案外良かったのでここにまとめておこうと思います。
スクラム開発をなんとなくやっているがうまくいかない系の方のお役に立てば幸いです。
ストーリーポイントとはという話はここでは省略します。
なぜ導入したか
私のいる開発チームでは元々スクラムの開発プロセスを採用していましたが、以下のような課題が挙がっていました。
プロダクトバックログの順番通りに開発を進められていない
(スキルやスプリント内での残り時間によって、プロダクトバックログの下の方からタスクを取らないといけないことが。。)プロダクトバックログアイテムがなかなか完了しない
(アイテムのサイズがでかい。。)プロダクトバックログの総量がわからない
(下の方のアイテムはいつ着手できるんだろう。。)機能が多くてプロダクトの全体像がわからない
(自分の担当してる箇所しかわからない。。)
その結果として、
本当に今やるべきことから順にやれているのか、リリース期限やロードマップを達成できるか不安
今スプリントで何か成果を得られたのか、前より改善しているのかわからず不安
機能ごとの知見が属人的で、その人がいなくなったら誰もわからなくなりそうで不安
と感じており、どう対応するか悩んでいました。
一方で、せっかくスクラムを採用したのだからポイントでの見積もりをやってみようという声が複数メンバーから挙がっていました。
割と導入にコストのかかる施策だということはわかっていたのでしばらくは見送っていたのですが、ある時に下記のような形で、上記すべてではないですが一部の不安が解消できるのではと気づきました。
不安が解消されて成果が得られるには時間がかかりそうだと思いましたが、やってみたいと複数のメンバーが思っているならうまくいかなくても続けられそうなので、やってみることにしました。
どうやったか
プランニング前に、PMから新しいプロダクトバックログアイテムの説明をした後、開発メンバーが話し合ってポイントを振る。具体的には、
相対見積もりなので、別アイテムのポイントを振り返る
説明を元に、やることを箇条書きでざっくり出す
やることを見て、思いついたポイントをメンバーが一斉に言う
乖離があれば、なぜそのポイントと思ったか意見をそれぞれ言ってもらう
納得感があれば自分の出したポイントを修正する
大体みんなが納得するポイントの落とし所が見つかればOK
既存のプロダクトバックログアイテムに対しては、プランニングと別に時間をとって臨時ストーリーポイント会を開催する
スプリント終了時に、各スプリントバックログアイテムの、今スプリントで消化したタスク分のポイントを引いて、残りのポイントを算出する
これによって、消化したポイントの合計がベロシティ、全プロダクトバックログアイテムの残りポイントの合計がプロダクトバックログの総量という風に可視化できそうです。
まだすべてのプロダクトバックログアイテムにストーリーポイントを振れていないですが、毎週1時間くらいかけて2~3のアイテムにポイントを振る、というのを3週繰り返している状況です。
一気に一度でポイントを振った方が早くベロシティが可視化されて良いかもしれないですが、長くミーティングしても疲れますし、回を分けることでプロセスを改善できるチャンスがあると考えました。
どうなったか
ということでまだ始めたてですが、この時点で以下のような実感が得られました。
ポイントの議論をする中で、他の人の担当領域への理解が深まった
→ 属人性が徐々に解消しそう?デカすぎるとポイントをつけるのが困難なので、適切なサイズにプロダクトバックログアイテムを自然と分割するようになった
→ なかなか完了しないアイテムがなくなってプロダクトバックログがすっきりした
→ スプリントごとにちゃんと何かが完了になるので、スプリントの成果が明確になった
→ 普通に優先度高い順に完了できるようになりつつある
当初は成果が得られるまでかなり時間がかかると見込んでましたが、予想に反して上記の不安が解消しそうな雰囲気が早くもあります。
逆に課題としては、ポイントの付け方がむずい、このポイントで合ってるか不安というのがありそうです。
ストーリーポイントの概念は抽象的なので(具体的な時間の見積もりではない、スクラムチーム外の誰かへのコミットメントではない等)、時間をかけて繰り返しやっていくことで学習を深めるしかないかなと思っています。
読んでいただいてありがとうございました。
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