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4. Attractive Work Place(魅力的な職場)

戻る→)0. スウェーデン人と働いて感じたこと

勤めていた会社が突然スウェーデン企業の傘下に。スウェーデン人やその他の国の人たちと一緒に働いて感じたことを記事にしています。

Attractive Work Place(魅力的な職場)

スウェーデン人の考える理想の職場は日本とはちょっと違うみたいです。上司と部下の間にあまり垣根が無い、お互いに自由に話し合い、率直に意見が言えるフラットな関係がある職場。「Attractive Work Place(魅力的な職場)」と言っていました。スウェーデン人から見ても、それまでの日本の職場はちょっと違うな?・・・と感じてたらしく始まったのがこのコンセプトでした。


※ご参考) Great Place To Work(働きがいのある職場)

Attractive Work Place(魅力的な職場)の呼び方が途中から「Great Place To Work(働きがいのある職場)」に変わった記憶があります。この「Great Place To Work」と言うコンセプトを広めている企業体を見つけたのでご参考までに紹介します。このようなコンセプトが国内でもどんどんと広まると良いですね。


FIKA(スウェーデン式のコーヒーブレイク)

まず始まったのがFIKA。スウェーデン人のコーヒーブレイク文化として有名ですね。日本語では「フィーカ」と記述されるけど自分の身の回りにいたスウェーデン人は「フィッカ」と発音してました。本来FIKAは家族や友人たちとゆっくりお茶を楽しむ、コーヒーや手作りの甘いお菓子などを用意して会話を弾ませる時間です。スウェーデンではこのFIKAを職場でも楽しみます。それぞれの職場で思い思いに特色のあるFIKAがあり、これが日本のIT部門でも始まりました。

ご参考)スウェーデンのコーヒーブレイク、FIKA(フィーカ)とは?

最初のスウェーデン人上司の時に毎週金曜日の午後に彼の周りに人が集まってきてゆっくりとお茶をする時間が始まります。誰かがコーヒーを用意してくれることもあるけど多くは自分で好きな飲み物を持ってなんとなく集まってきます。お菓子は彼が自ら用意、そのうちに参加者が旅行のお土産などを差し入れたりして、自然といつも誰かが何かを持参してくれる感じになりました。

会話のトピックは何でもOK。上司は日本人の生活に興味があるので日本人同僚たちに週末の予定などを聞いたりして、そこからいつも話が膨らみます。FIKAは上司を中心に毎回1時間程は行ってましたが参加者は忙しい人も多いので途中から出たり入ったりとだいたい15~30分程度参加する感じです。

欧米諸国の働き方は個人主義と言われます。一方でジャパン・アズ・ナンバーワンと言われた1980年代に日本に対する研究が盛んだったらしく、日本の強さはチームとして成果を上げる働き方と分析していたそうです。つまり働く人たちのチームワークが大切と理解してたんですね。スウェーデン企業もグローバルに展開していく中で、欧米の会社特有の専門性を重視するジョブ型雇用に加え、職場でのコミュニケーションを大事にする文化として取り入れてきたそうです。スウェーデンの伝統的なこのFIKAもそのような活動の1つになってたみたいです。

それまで仕事一辺倒だった職場に何か少し余裕?くつろぎ?みたいなものが感じられるようになってきました。スウェーデン文化の融合ですね。

FUN(ファン)予算

いろいろな活動で職場を活性化し魅力的にしよう・・・と言うことで「FUN(ファン)予算」が設けられます。職場のみんなで楽しいことを行う。会社としても予算をつけて少し補助しますよと言った感じ。

各チーム単位に何かの活動(イベントでも、勉強会でも、なんでもOK)を提案して採用されると会社から少し補助金がでます。例えば英語学習を頑張っている人を英語教師が認定し表彰するとか、多様性に関係する写真展覧会を開催し掲示するとか、職場の飲み会に普段は行わないチャット時間を追加して新しい人との接点を作るとか、アイデアはいくらでも出てきます。

それまでの仕事一辺倒、上司からはいつも叱咤激励で成果を上げることのみに集中・・・と言う職場から何だか雰囲気が変わってきます。不思議なことに生産性も上がってくる感じ、仕事の成果も心なしか増えてきます。

そういえば昔実施されていた職場の運動会や温泉旅行が無くなって久しい。休みの日まで会社の人間関係に縛られる煩わしさから解放されて良い面もありましたが、一方で働く場所が仕事ばかりになって同僚達とのコミュニケーションも減ってたように感じます。FUN予算は脳を刺激して新しい活動を創造するのに良い役割を果たします。

数独は日本の発祥
スウェーデン人も大好きです

ボランティア活動のすすめ

各国のIT部門が一堂に会するようなグローバルな会議があると、それぞれの国での社会貢献活動(Corporate Social Responsibility)についての報告が求められます。どうやらスウェーデンではCSR活動をするのはある意味当たり前みたいです。

日本では社会貢献なんてやったこともなかったので特に報告することもなく困りました。仕方がないのでとにかく皆で考えて近所の市役所と連携し地元のお年寄りに無料でインターネット講座を開くことにしました。(小さな活動でOKなんです。)

講師とサポートスタッフとなるメンバーはボランティア参加で希望者による交代制です。会社からはPCの貸与とお昼のお弁当を支給する補助があったり・・・でも受講する年配の皆さんが感謝してくれてお礼にお昼をご馳走してくれるたりと・・・最初は地域の公民館をお借りして実施しましたが途中から受講者の皆さんを会社に招待して見学などもしてもらったりと・・・継続していると徐々に地域との絆が増えてきます。

ある時は同僚2名がベルギーに3か月の長期出張をしている際に日本で災害が発生し、心配したベルギーの同僚たちが日本人同僚と一緒に「Waffles for Japan」なる活動を実施してくれます。ベルギーでワッフルを販売してその収益を日本の災害基金に寄付する活動です。ベルギーに滞在中の日本人同僚も日本のおせんべやどら焼きなどを一緒に販売したりして自らボランティア活動を体験します。

別の時にはネパールの地震の際、日本のIT部門にネパール人同僚がいたことから職場で自然と募金活動が起こります。職場の皆が寄付してくれます。

職場の仲間にボランティア活動をする機運が醸成されてきました。業務以外でも自ら汗を流して社会に貢献する活動が推奨される、会社も活動を少し支援する、このような流れで従業員の満足度も上がり働きがいを感じられる職場になってきます。職場が魅力的になってくると生産性が改善したり業績の向上にも繋がってきます。ボランティア活動おすすめです。



スウェーデン人と働いて感じたこと(目次)

0. スウェーデン人と働いて感じたこと
1. ある日突然上司がスウェーデン人
2. 英語が何とかなる人、そうでもない人
3. 英語にもいろいろあります
4. Attractive Work Place(魅力的な職場)
5. 自分のキャリアは自分で切り開く
・続く・・・



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