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英語圏に住んでいて、日本の英語教育について思うこと

※素人がGoogle先生に頼って調べた内容です。
 不十分だったり間違っている部分あったらごめんなさい。

今回このテーマで書こうと思ったきっかけは、横山了一さんのとある家族エッセイ漫画であった

▼今の英語の授業って完全に別物だった…(2022年11月08日)

え、最近の英語教育って文法とかよりSpeakingなの?
それで本当に日本人の英語力って上がるの?
そういった疑問が自分の中にあり、そして海外生活を送る中カナダでの就職を目指す非英語圏の外国人たちを見て、思うことがあったのでつらつらと書いていきたい。

最近英語教育が変わったらしい

まず、英語教育が昨今どう変化したのかを調べたい。
指導要領の変化に着目して分かりやすくまとめられている資料を見つけたので参照する

▼小・中・高等学校 新学習指導要領の変化 <英語>(株式会社ラーンズ)

https://www.learn-s.co.jp/com/pdf/pg/info/201225/info201225_e.pdf

これによれば変化をざっくり言うと以下の通り

  • 小学校の英語時間が3倍に増えた。学ぶ単語数200程度増えた。簡単な文法を学ぶようになった。6年間の総授業時間は概ね157.5時間

  • 中学校の授業が全て外国語にて指導されるようになった。学ぶ単語数500程度増えた。3年間の総授業時間は概ね350時間

  • 高校で習う文法の一部が削除(代名詞のうち,itが名詞用法の句及び節を指すもの /分詞構文)、単語数が最大1300増加、英語での発言が求められる内容が増えた印象、3年間の総授業時間は概ね600時間(普通科高校を想定)

なるほど、文法を小学生からに前倒しして全体的にSpeaking関連の時間数を増加、それでもやりきれない文法は高校の範囲から一部削られた…と言った感じか。それから中学校では全ての授業が英語で行われるため、母国語で習うよりも感覚的に英語を学ぶことになる、と言った感じだろうか
(実際の現場を知らないので、もっとこんな感じですよ!みたいなの知りたい)

英語の習得に必要な学習時間の話

そういえば母国語によって英語を習得するのに必要な学習時間の総計って違うんだよな、と思い出しGoogle先生に尋ねてみる。

https://www.emojapan.com/wte/legend4/

上記の言語が母国語だと600時間くらいかかるとのこと。ただスペイン語圏の知り合いに「スペイン語が母国語だと英語って勉強しやすいの?」ってきいたらそれはフランス人とかドイツ人の話だ!と言われたのでこの言語間での差分はあるんだろうな。たしかに語学学校に行った時、1番上のクラスはドイツ系フランス系多くて、中位から中の上くらいのクラスはスペイン系が多かった。(ちなみに私は上から3番目の9割南アメリカ人とメキシコ人で構成されたクラスにいたよ。)

https://www.emojapan.com/wte/legend4/

1100時間の言語が1番多いのかな?

https://www.emojapan.com/wte/legend4/

日本出てきた!2200時間…だと…。

つまり日本人が英語を習得するまでにフランス人とかイタリア人は英語含め3カ国語くらいマスターできちゃうかもってこと?そりゃ日本人は英語が苦手だわ。これって努力不足じゃなかったんだね。

考えてみれば当たり前のことで、600時間のグループの言語は歴史的に繋がりがあったりして単語が似通っていたり文法が似ていたりするから、母国語で文章作ってそれを英単語に入れ替えていくだけで大体文章が作れたりしちゃうわけだ。日本語の漢字カタカナひらがなで構成されたSOVの文をアルファベットで構成されたSVOにする労力とは訳が違う。

さっき調べた今の指導要領の小学校から高校までの英語の授業時間は大体1100時間、半分くらいにしか満たないから高校卒業時に英語ができない状態なのは当たり前ではある。自主学習であとの1100時間を補うのには本人の相当な努力と恵まれた家庭環境が求められると思う。

大学で英語の授業時間がたっぷりとれればまた別だけど、社会に出るまでに普通に日本で暮らしていたら今までと変わらず英語が苦手な日本人は多いままだろう。Speakingが増えたからコミュニケーションを英語で取れる人は若干増えるのかも。でも文法理解に割く時間が以前の指導要領より減ってる可能性があるってことはReading力を犠牲にしていたりするんだろうか。

そもそも高校までの過程で(学部によっては大学を含めても)英語を完璧にするには質量が足りないという高い壁があって、じゃあ日本語を母国語とする私たちは教育課程の中で何が英語でできるようになった方がいいのか、そういうことが曖昧なまま、表面化しやすい"Speakingが苦手"という問題を解決したいというのが先行してしまっている印象を受ける。

そもそも日本人に(というか母国語が英語でない国出身の人に)英語力が求められるのはどういう場面で、英語で読み書きが出来たらいいのか会話ができたらいいのか、そういうイメージを具体化する必要があるんじゃないか、そんな気がしている。


日本人に求められる英語力って何?

帰国子女とかは置いておいて、母国語がガッツリ日本語の日本人はどの場面で英語力が必要なのか。なんとなく考えてみる。

日本人は恵まれていて、英語にほぼ触れずとも生活することができる。英語ができなくては仕事に就けないこともなければコンテンツを楽しめないこともない。人気のある海外のコンテンツ(本とか舞台とか映画とか)も翻訳されたものを簡単に受け取れる。ぶっちゃけ生きる上で英語はあんまり必要ではない。

日本国内が英語が話せる人材に困窮していたりするだろうか?帰国子女や留学帰りなど、英語が流暢な人はいくらでもいる。英語ができる人が増えれば国内市場よりも巨大な市場を見据えたビジネスが生まれるかも?とか?

海外の大学に進学する人が増えてほしいとか?でもそうなったらだんだん優秀な若者は海外に行くだけ行って帰って来なくなるような…。そういう国って結構あるよね。インドとかそんなイメージ。てかトロントはインド系の人すごく多い。

海外で活躍する日本人が増えてほしいとか?語学学校の社会人クラスを思い出すと英語に必要性を学んでいるトロント留学中の社会人達はエンジニア(ITだけでなく船などの設計士含む)がほとんどで、あとは国際関連の問題を扱う弁護士、政治家などだった。弁護士や政治家は自国に帰って仕事に生かすために学んでるようだった。それ以外がエンジニア等なのは英語が流暢に話せるだけでは海外に引っ越すメリットがあるほど良い職には就けないということだと思う。

そりゃそうだ。日本でいう営業職とかって外国人をわざわざ雇うメリットがあまりない。英語が流暢でもカルチャーとかお約束ごとを把握しているのは当然ネイティブの方だし、大体外国人を雇うのはビザ発行手続きなどのコストがかかるからそれを上回るメリットがなくては採用する意味がない。

そういえばトロントで働いている日本人ってワーホリとか飲食店以外だと大抵医者か研究者か日系企業のサラリーマンだな…。つまり海外でガッツリ働きたければ英語が分かる+αが必要ということか。+αは優れた論文を出しているとか専門的なキャリアの実績とかになるんだね。エンジニアのスキルも+αになり得るんだろう。

ノーベル賞とるような日本人が今後もたくさん生まれてほしいとか、画期的な発見をする医者が育ってほしいとか、海外の人材とも交流できるエンジニアが増えてほしいとか、そういう方向性なら夢を感じる。

そういう専門領域で活躍する人が増えるには、必要な英語力は読み書きの力じゃないの?と思ったりする。"スムーズには話せないが正確に英文を読み解き伝わる文を書ける"のと"正確な読み書きはちょっと苦手だけどハキハキ英語で話せる"ていうのはどっちが今後の日本人の理想的な姿なんだろうと考えてみたりする。

語学学校に通う中で、私の英語のSpeaking部分は他のスペイン語圏の人々と比べて下手な部分もあったかもしれない。ただ、その一方で文法理解とReadingはすごく高い評価をもらった。成績表で先生からのメッセージに"文章を正確に読む力がある"と書いてもらったし、上位クラスのドイツ人もいた文法のクイズ大会で優勝したりもしたので、割と平成の英語教育を真面目に受けた日本人の英文法力と読解力って本物なんじゃないかと感じる。(ブラジル人のおじさんに"日本人…なんでこんなに文法できる…と言われたのいい思い出)

いずれにせよ日本の若者の未来像に対して明確なビジョンがなく、表面的な問題にのみ着目して指導要領が変更されてしまい、今までの日本人の強みと認識されていた部分が凹まないのかなと思ったりするのだ。


英語教育について私が思うこと

語学学校で1ヶ月英語を学ぶことにより、そこそこ英語でコミュニケーションをとれるようになった私であるが、実のところ高校までの教育を受けての今だと思う。

母国語を加味すると世界の中で英語を習得するのに不利な日本人が、学びたくなったら英語を学べる下地を平成の英語教育は与えてくれたと思う。日本語とあまりに異なる英語という言語、それを日本語で論理的に学ぶのは理にかなっていると思う。

もちろん我々が母国語を習得するのと同じように英語を習得できたら理想なのかもしれない。ただ日本て英語に全く触れなくても生活できちゃうからそういうのにメチャクチャ不向きだと思う。たまに日本の英語教育を受験英語と揶揄しているのを目にするけど、英語圏の語学学校で英語習っても高校の授業をそっくりそのまま英語でやるだけだよ。受験英語バカにできん。(もちろんアウトプットの時間はすごく増えるけど)

海外に行くと確かに日本人の英語って他の言語圏の訛りと比べてなんかカッコ悪く聞こえちゃって、そのトラウマが日本人に伝承されてる側面もあるのかな。あと文法とかReadingの授業受けるよりもSpeakingの授業の方が楽しく感じるかもしれないね。

でもその結果今までの日本人が強みとしていた英語力を失ったりしないか、それが完全部外者の立場ながらちょっと心配だったりする。

※素人がGoogle先生に頼って調べた内容です。
 不十分な部分あったらごめんなさい