スウェーデン西の離島から、ワクチン接種予約しました。
ワクチン接種予約しました。
スウェーデンではEUの決定にともなって去年のクリスマスイブからワクチン接種を開始しています。
LSSという主に知的障害のある方のための法律に基づいたサービスであるパーソナルアシスタント(以下PA)として働いている私は、私の雇用主でありサービス利用者のAさんと、そのご家族で同じくPAとして共同で自主隔離をしている皆さんとともに第二優先グループ(Fas2)に入ります。
当初の予定ではFas2は2月から接種が開始される予定だったのですが、ワクチンを製造している医薬品会社の複数で諸事情あって製造が間に合わず、結局1か月以上遅れて3月に入ってからFas2の接種が開始されました。
医療サービスの提供は各圏域(ランスティング≒県)にその裁量がゆだねられているので、地域ごとにFas2に移る早さは異なります。昨日のニュースではストックホルム圏域以外の20の圏域は全てFas2に移ったとのことでしたが。
本来であれば私たちには、所属しているPA斡旋会社からの案内が3月2日の時点でメールで送信され、そこに載っている医療センターのリストの中から最寄りのところで診察時間を2回とも予約するという流れでワクチン接種までたどり着きます。
ちなみに65歳以上または危険グループでない人は現在のところアストラゼネカ社のワクチンが割り当てられているので、該当する私やAさんのご家族のPAは1回目のワクチン接種からから2回目までの期間は10~12週間空けることになります。結果、ワクチン接種完了までが他の医薬品会社のワクチンとくらべて長くかかることになります。
では実際私たちはどうしたかというと、1月末の時点でAさんのお母さんが私たちの今滞在している離島から最寄りの離島にあるS島医療センターに直接手紙を送り、
・1年近く自主隔離生活を送っていて一日も早く街に戻ることを望んでいる旨とともに、
・本来ならこの医療センターの担当区域に住所がない私とAさんのご家族一人、そしてAさんの分も含め、このS島医療センターの担当区域であるこの島に住民票があるAさんのお母さんお父さんと一緒に接種してもらえまへんやろか、
とごり押ししていました。
その時点ではS島医療センターも、ワクチンさえあればどんどん接種してもらうのに手元に来ないからどうしようもないという状況だったようです。ニュースによればその後しばらくして別の医療センターでワクチンの不足のせいで翌週のワクチン予約患者と医療スタッフをキャンセルしなければならなくなったという状況さえ起きていたようです。
でもそういった状況もS島医療センターの担当者の方は丁寧に説明してくださり、私たちの順番が回って来次第医療センターの方から私たちのいる島まで出向いてワクチン接種をしてくれるという確約までしてくださいました。
さてそれから3月2日に会社からのメールが来るまでの間はただただ遅延に遅延を重ねるワクチンを待つだけのもどかしい日々。
2月の末の時点で同圏域でも別の地域に住むAさんの親せきのFas2該当者の方はすでに担当医療センターから連絡があり、ワクチン接種の予約ができたと知らされていたので、私たちのいる地域はワクチン供給が少し遅れていたのかもしれません。
会社からのメールで、もしかしたらこのルートで予約したほうが早いかもしれない、とも考えましたが、案内されている医療センターのリストの中にはS島医療センターの名前がありませんでした。
リスト内の医療センターを利用するということは、島から出てヨーテボリの市街地に出向くということです。せっかくこの1年離島で隔離生活を頑張ってきて、ワクチン接種という最終段階にきて今第3波真っただ中のヨーテボリ地域に身をさらすリスクをとる選択肢は私たちの中にはありませんでした。
会社に問い合わせるも対応しきれない様子。
はっきりせずワクチン接種にこぎつけられない状況に焦りを感じつつ、確約したといってもこの忙しい中対応してもらえないかもしれないと思いながらも、S島に催促の連絡をとってみました。電話もなかなかつながらず、メールも送ってみたりしながらも落胆気味。
もしかしたらもう少し先になるのかもしれない、とみんなが長期戦にむけて心理的に切り替えようとしていた2日後の3月4日になって、急にS島医療センター側から電話がかかってきました。
そしてすんなりとワクチン接種の時間を予約。約束通りこの島の集会所まで訪問してくれるそうです。
なんともドラマチックな展開に涙・歓喜・ワインで乾杯、離れて暮らす家族に連絡。。。
最後は食卓で、スウェーデンの誕生日の歌の替え歌を全員合唱で喜びを分かち合いました。
ちなみに歌詞はこんな感じ
“Jag mår vi leva
Jag mår vi leva
Jag mår vi leva ut i hundrade år!
Javisst ska vi leva
Javisst ska vi leva
Javisst ska vi leva ut i hundrade år!
Ett fyrfaldigt liv till oss,
Hurra, hurra, hurra, hurraaaa!!!!!!!!!!!”
本来はVi(私たち)の部分ががHan(彼)やHon(彼女)で、誕生日を迎える人に向かって歌う曲ですが、替え歌では、
「私たち、生きてるの感じてるー!
100年ぐらい生きられそう!
もちろん生きるよ!
私たち100まで生きるよ!
私たちの4倍たくさんの人生に!
万歳!万歳!万歳!万歳~!」
的な雰囲気の生命を胸いっぱいに感じる歌に仕上がりました。
ということで現在は来るその日を文字通り毎日指折り数えながら待っています。
ちなみにワクチン接種の際にはIDカードのほかに、LSSサービス従事者はそれを証明するために給与明細を持参してみせるのだそうです。偽って順番割込みしないようにということでしょうか。
ずいぶんと長くなってしまった。