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ゴアトランスDJをやってみた。

7月28日にVRChatのDJイベント、CLUB OASISにお招きいただき、ゴアトランスでDJをやらせて頂きました。ゴアトランスオンリーでDJするのは初めてでしたが、本noteで行ってきたゴアトランス考察の成果を実践できる機会として取り組んでみました。その総括を行いたいと思います。

同時録音したMixはこちら。Rekordboxで直接録音した音源です。

TOMSUCKのメインアバター、ルゼブルさん。この日はゴアトランス仕様にお着換え。

今回かけたセットリスト12曲と寸評。

前回で懲りたので今回は軽い寸評に留めます。
フルで聴きたい方は曲名をクリックするとYoutubeで視聴できます!

①Transwave - Code S9

Transwave大好き。イントロが異常で激しい曲を選んでみました。

②Sibilant - The Fly

ロングセットの序盤で聴けるような地味な曲を。

③Mindfield - Ghost on the Highway

忍び寄るようなアシッド音が印象的。Mindfieldのベスト盤お勧め。

③MFG & Astral Projection - The Sleeper Must Awake

MFGとAstral Projectionとのコラボ曲。アグレッシブにMixしてみました。

④Shakta - Lepton Head (Deedrah Remix)

ブレイクの間奏がAstral ProjectionのPeople Can Flyに似てません?

⑤Etnica - Starship 101

Shaktaとの相性良好。バロック感のあるシンセで押してくる感じが好き。

⑥Oforia - Uplifter

気合の入った低音で押しまくり、からの狂気に満ちたサビが最高。

⑦Lunar Asylum - Topple

このセットで無理にでもかけたかった、まともなベースが入ってない&邪教感ある発狂したサビが最高なイカれた曲。

⑧MFG - To Eternity (Take 2)

MFGの2曲め。⑦からのビルドアップに。Etnicaとの相性ばっちり。

⑨Etnica - Tribute

Etnica2曲め。この曲もバロックな感じの重厚な曲。

⑩Asia 2001 - Vertige (Goa Gil Burning Man Mix)

サビのコーラスが印象的。Jz Tranceクラシックのひとつ。

⑪Oforia - Why Not on Mars?

Oforia2曲め。ゴリゴリの低音とシンセのラッシュ後のサビが最高。

⑫Indoor - Sweet Coming Home

エンディングにふさわしい曲を。Man with no nameのSugar Rushに似てる?

ゴアトランスは1時間あたり何曲が適当?

ゴアトランスは複雑な構成と、徐々に展開する音楽的要素を持っているため、他のジャンルと比べて長めの、8分くらいの曲が一般的です。
Rekordboxを見ると、このDJのためにプレイリストに入れた曲が全部で43曲、全ての曲の長さが5時間43分=343分。343分÷43曲=7.97分…で、やはり1曲平均ほぼ8分でした。
このDJセットの総時間59分09秒を実際にかけた曲数の12で割ると、4.92で、1曲あたり5分弱かけている計算になります。
YoutubeやMixcloudなどにあるゴアトランスMixを聴いてみると、やはり1時間あたり10~14曲、1曲あたり4~6分プレイされている例が多いようです。
長い曲が多いゴアトランスでも、ある程度展開したポイントでビートMixを試みると、プレイされるのはおおむね楽曲全体の6~7割、5分弱から6分台中盤。約1時間で12曲はまあまあ平均的なペース配分と言えそうです。

オールドゴア風Mix再現への取り組み。

さて、今回のDJではオールドゴアトランスのMixCDで聴けるような、次の曲が覆いかぶさってくるような感じの再現を目指しました。
いちばんイメージしていたのが、このnoteでも紹介したPaul Oakenfold版A Voyage Into Tranceの1曲目、Genetic - TrancemissionからMan With No Name - Sly-Edへと繋がる場面です。(4'58~5’10くらい)

この感じを出すため、いろいろと試行錯誤した結果、

EQはノータッチ、Mixに使うのはクロスフェーダーだけ

というやり方に落ち着き、本番でも、この手法だけでMixを試みています。
この手法を使った場合でも、BPM、音量レベル、キー、楽曲の相性がマッチしていれば、縦フェーダー同様にきれいなロングMixが可能です。また、クロスフェーダーを使えばキーが合わない曲どうしでも、EQなしでもある程度強引にMixしてしまうことができます。

Rekordboxが解析したキーのキャメロット方式表示。
数か所、キーが合わない曲どうしでもMixしてます。

自分は可能ならキーを合わせてハーモニクスMixを試みますが、このMixではキーが合わない曲どうしでもMixしています。上物が静かなタイミングなら比較的きれいに混ざったように思えます。
Rekordboxでクロスフェーダーカーブ等の設定も何パターンか試してみましたが、最終的にこの設定に落ち着きました。

もう少し設定を追い込めたかも。

今回、自分ではそれなりにオールドゴアトランス風のMixを再現できたと思っていますが、いかがでしょうか。SNS等で感想を頂ければ幸いです。

ミキサーのお話。

実は、1990年代はチャンネル独立EQがないDJミキサーも普通に売られていました。EQがないので、縦フェーダーよりもクロスフェーダーのほうがMixしやすく、当時は今よりクロスフェーダーが活用されていた気がします。
そんな当時の機材環境がオールドゴアトランスのMixスタイルを作り出した可能性もあるのではないでしょうか。
当時のゴアや、世界各地のパーティーでどんな機材が使われていたか、どんな風にMixされていたか、情報をお持ちの方はぜひお寄せ頂きたいと思います。

オーディオテクニカのAT-MX25G。EQもゲインもない。

けつろん。

今回はオールドゴアトランス風のMixを狙ってみましたが、別に縦フェーダーを使おうが何をしようがいいDJができればいいと思いますし、わざわざMixの自由度を狭めることもないと思います。
とはいえ、DJをやっている方はクロスフェーダーを使ったMixも試してみると何か発見があっていいかもしれません。

あとがき。

クロスフェーダーでゴアトランスをMixしてみた、というだけのお話でした。ですが1カ月間、通勤中も家でも絶え間なくゴアトランスを聴きこんでゴアトランス文脈のMixがある程度できたんじゃないかと思います。
すごく有意義でしたし、今後はゴアトランスも自分の活動の軸に据えていきたいと思いました。
他にも書きかけのnoteがいくつかありますが、気長にお待ち下さい。ネタはたくさんあります!


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