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二度と行きたくない

大学生に入ってから多くのアルバイトをしてきましたが、
初日から「あ、これはやばい所に来てしまった」と思った経験を紹介します。

とある都道府県の、とある旅館で働いた時のお話です。
場所がバレるの怖いので色々とぼかして書きます。


なぜそこに?

元々その都道府県でのライブ公演に参戦する予定が某日に入っていました。

リゾバを探していたところ、
その都道府県の旅館×短期×満了日が丁度ライブの日=朝に退寮して移動すれば夜ライブに参戦できる!ということで決定した次第です。
それが後に悲劇となることとは知らずに。

初日から感じた違和感

事前にチャットで集合時間と場所を指定され、余裕を持って15分前に到着した私。
ぱらぱらと雨が降りしきる、あいにくの空模様。
集合場所は外だったので雨を凌げるわけもなく、傘を差しつつ待機することに。
早く館内に入りたいなと思いつつ、「到着しました」の一報をチャットで送る。

ところが、到着時間になっても誰も来ない。
「割とデカイ旅館だし忙しいのかもな……」と思いつつ、流石に集合時間を10分過ぎても誰も来ないので、自分から電話を旅館にかけた。
一般のお客さんのフロントとスタッフの通用口は違う可能性が高い上、
チェックインの時間でもあったから迷惑かけないように直で担当者を呼び出す方法は電話しかないなと思ったので。

そうしたら、「あ~すいません 今向かいます」と言われ、チャットしていた人とは別の人が迎えに来た。「申し訳ないです、雨の中待たせちゃって」
内部で情報共有できてないわけ?と違和感を覚える

まぁこれでひとまず館内に入れた。そして諸々の書類記入とルール説明。
そして、社員寮に案内してもらう。

社員寮に足を踏み入れた瞬間、「これは終わったな」と確信した。

まず、想像していた以上に建物の年季が入っている。
さらに廊下や個室の隅にはクモの巣が張っている。
下駄箱もボロボロだし、共用スペースの水回りも汚れが目立つ。
自宅のように靴下で歩き回れるようなレベルじゃない、埃や汚れしかない床。

個室、募集サイトには明るくて白い綺麗な部屋の写真が掲載されていた。
なのに、実際はオレンジ風味の蛍光灯、ヤニ臭いし壁も剥がれかけ。
ぶっちぎりで人生最悪の部屋。
「写真はイメージです」とはよく言うけど、流石に乖離ありすぎだろ?

社員用のお風呂も、何十年これ使っているの?と思うほどの年季の入り具合。
HPや動画などで見たお客様用のお風呂とは、天と地の差。

あり得な過ぎて急いで「消臭力」と「リセッシュ」を購入。

館内案内をしてもらい、お世話になる人に一通り挨拶をして初日は終了。

2日目、初勤務にて

今回は「ベッドメイキング」と「夜のバイキング会場案内」の2つの仕事を担当した。

・ベッドメイキング
社員さんからやり方を教えて頂いた後、「じゃあ後は、ここからここまでのお部屋よろしくね」と、いきなり放置プレイ
最初の内はフィードバック貰えるかと思っていたが、期待しすぎだった。
見よう見まねで社員さんが行った部屋を参考に作ってみる。
「こんなもので良いのか?」心配になってくるが何とか完成。

・夜のバイキング会場
担当の人から「卓番はこの表のとおり、ドリンクはこの通り、仕事はこんな感じ」とまくしたてられるが如く説明をされ、メモを取るので精一杯。
「じゃあ後は周り見て動いてね」と、勤務開始10分にて放置プレイ。

えぇ……と思いつつも飲食店のバイト経験があったこともあり、何となく仕事をしていた。
ところが1時間したあたりでその人から「もうちょっと周り見て動こうよ?」「まだ卓番覚えてないの?」と叱責。


は?無理だが?そんなすぐ新しい環境でテキパキ動けるとでも思っているのかコイツは?ノウハウも教えてくれないくせに?


と思ったのだが、流石にお客さんもいる手前、神妙な顔で頷く。
その後はなんとか上手くやって退勤。
めっちゃ疲れた~

1日やってみて「これが巷で話題のOJT 通称”お前が自分でトレーニング”か~」と思った。

3日目以降の勤務エピソード

・ベッドメイキング部門

◎私のように住み込みだけではなく、スポットでも募集をかけているらしい。
「○○君(私の名前)、△△君に××について教えてあげて」と言われ、勤務2回目の私が、1回目の人に教えるとかいう状況に。
人手が足らなすぎる。

◎スポットで募集して集まるのは主婦の方が多かった。
それもあって、社員がいない所では、「○○さんって優しいよね」「◆◆さんは言い方がきつくて嫌になるわ」と話しているのを参考に、社員への振舞い方を考えていた。

やり方を教えてくれないということは自分で学ぶしかない。
YouTubeで「ベッドメイキング やり方」で検索して勉強した。
介護や看護職もベッドメイキングでシーツなどを敷く必要があることを初めて知り、「看護学部の友人もこんなことやっているのか~」と親近感を覚えた。

◎残業15分+社員と同じエレベーターに乗り合わせた時、ぼそっと
「はぁ俺はいつになったら昼飯が食えるんだ」
「何時から働いているんですか?」
「朝8時からだからもう6時間以上もだよ」
「うわぁ大変ですね……」という会話をした。
旅館で働く人本当に大変だな……
心の余裕が無くなっちゃうのも分かるわ……

・夕食バイキング部門

◎外国人の社員の下で働いたし、(これはベッドメイキングもだけど)外国籍のバイトの人が多くいて、これまで経験したことが無かったこともあり新鮮な気持ちだった。

◎現場リーダーから「作務衣の着方が違う」と言われた。
だが、私は初日オリエンテーションで教わった通りに着たので頭の中「???」だった。
その辺の意思疎通も出来ないんですか、ここの現場は。

◎人生で初めてハンディを使って注文を入力することが出来たのは楽しかった。
ハンディは個人ではなく共用ということで、誰も使い方教えてくれないので、自分から使い方を聞きにいかないといけなかったけど。
教えてもらってないのに「なんでできないの?ちっ、後はやるから」って舌打ちされて伝票ぶんどられたこともあったけど。

◎バイキングということで自分で料理を取るスタンスなのに、意外と食べ残しをするお客さんが多くてげんなりした。

仕事以外のエピソードや所感

◎社食が美味しかった。こちらも、私の取り分も入れることが伝達されてなかったらしく食堂のおばちゃんに怒られたけど。杜撰だなぁ。

◎社員寮や旅館の周りには自然が多くて癒された!!!これは良かった!!

◎衣(作務衣支給、それ以外は持ってきた洋服、服屋はない)食(社食を食べる以外はコンビニしかなく、自炊はできない)住(汚い個室寮)をかなり制限されて
「あ、今、生殺与奪の権を他者に握られているんだ」と某漫画を思い出した。そんな状況でアマプラで見た『カイジ』が面白かった。

環境が悪いと心も荒んでいく。日ごとに部屋の中で「ガチでク〇だわここ」「終わってんな」などと一人つぶやく回数が増えた。

全体を通して

無事に生きて帰ることが出来て良かったです。

こんなに酷い(自分に合っていない)所は今後出てこないと思うので、ある意味勉強になりました。
これは就職活動の時に、会社選びの参考に大いにできるということでもあります。

旅館業界の現状や課題なども理解することが出来ました。

旅行客からの評価の高さと、そこで働いてみての自分の感想が乖離しすぎていて、もう笑うしかありません。
このような環境で、素晴らしいホスピタリティを発揮しているということが評価に表れているわけです。
中にはとても丁寧に教えてくれた社員さんもおり、尊敬できる部分を見つけることもできたため、旅館業に完全に失望することは回避されました。

皆さんの中で、もし泊まりで働こうとしている人がいたら、社員寮や風呂の築年数とか自炊スペースの有無などを予め聞いておくと良いかもしれません。
QOLがかなり左右されます。

今回は愚痴しか書き殴っていない記事ですが、どこかで誰かの役に立っていたら嬉しい限りです。
暇つぶしでも嬉しい。

最後まで読んで下さりありがとうございます。

ではまた!

とむ

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とむ
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