日記【夕立と魔王の訪れ】

ポツポツと雨が降ってきた。急いで雨宿りのためにお店の軒下にお邪魔する。

夏の夕立ってすごい勢いだ。遠くの空は明るいのに局地的に暗くなり、突然雨が降り始める。

晴れながら雨降ってるなぁ、変な天気だな、なんて観察していると、アニメで魔王が登場する時みたいにみるみるうちに空が雲に飲み込まれていく。

そして滝のような雨がしばらく降る。そのうちに雷まで鳴り出してすごい迫力のある天気になるのだ。

魔王登場の瞬間である。

イメージは映画ドラえもんの魔界大冒険に出てきた、あの魔王。じぶんはのぶ代さん世代なので昔の魔界大冒険の方だ。

あんな魔王が大雨と雷の間から顔を出したら相当恐ろしい。普通に怖い。

じぶんは魔法が使えないので、すぐさま夕食にされてしまうだろう。それかメデューサに石にされるかもしれない。

などと考えていると、気づけば雨は止み、夕暮れの色に染まった空が見えてくる。魔王の脅威は過ぎ去ったようだ。よかったよかった。

さっきの魔王登場の様が嘘のように、地面がキラキラして少し空気も冷たく静かになった気がして、雨上がりは気持ちがいい。

夕立ってたのしいな。