ティーチングの現場から#1
これまでティーチングイベントを行うたび、
「初心者は、どのようにポケカに取り組んでいるか。」
「初心者は、どのような場面でつまづくか。」
を実感することが多々ありました。
この『ティーチングの現場から』は、そうした気づきや学びを記録する試験的な試みです。
(参加者のプライバシーには、十分に配慮して記述しています)
1.流行デッキ~ライコポン~
最近、東京チャンピオンズリーグ(CL)で活躍したデッキの使用者が増えてきています。特に注目を集めているのは、マスターリーグで優勝した「タケルライコウex」と「オーガポンみどりのめんex」を組み合わせた、通称【ライコポン】と呼ばれるデッキです。その人気は急速に広がりを見せています。
【ライコポン】デッキの特徴として、たねポケモンだけで構成されているため、序盤から素早く攻撃に転じることができる点や、ポケモンのHPが高い点が挙げられます。
しかし、これは経験豊富なプレイヤー向けに設計されたデッキであり、初心者が扱うにはいくつかの難点も存在します。
具体的には、以下の点が難しいと感じられます。
・たねポケモンを揃えにくい:ボール系カードが少ないため、場にポケモンを展開するのが難しいです。上級者は「隠し札」や「トレッキングシューズ」での素引きや、「ポケストップ」でポケモンをトラッシュして「夜のタンカ」で手札に加えるといった高度なプレイングが可能ですが、これらは初心者にとってはハードルが高いです。
・エネルギーの種類が多い:エネルギーが3種類もあるため、必要なエネルギーが揃わない場合があり、安定した動きが難しくなります。
・プレイの順番が難しい:「特性を使った手札補充」と「トレーナーズカードによる手札補充」のどちらを先に行うか、といったプレイの選択が複雑です。
また、シングルカードの価格も比較的高価で、揃えるのにコストがかかる印象です。しかし、参加者の方々が苦労して揃えたカードをしっかり使いこなしたいという意欲が伝わってきました。
実際のティーチングでは、まずアドバイスなしで対戦を行い、手札や場のカードの数を確認しながら進めます。
その後、アドバイスを交えつつ対戦を行い、手札や場のカード数が増え、デッキが回り始める感覚を体験してもらいます。
【ライコポン】では、場にエネルギーが多く出ていることがデッキの回転を示す重要なサインであり、自宅での対戦時にこの点を復習するように伝えました。
初心者の方は主にYouTubeの対戦動画で学ぶことが多いようですが、「プレイが速すぎて何をしているのか分からない」という声もよく聞かれます。
そこで、ティーチングではカードの効果を一つずつ丁寧に説明し、理解を深めるよう努めました。
それでも、上級者向けの構築を時間の限られたティーチングで教えるのは難しいと感じました。今回、初心者向けに調整した【ライコポン】の構築を作ってみました。
運要素の強い「ポケストップ」は今回は不採用とし、代わりにテラスタルポケモンである「オーガポン」を活かすために「ゼロの大空洞」を採用しました。
このスタジアムによりベンチが広がり、さらなる戦略性が加わります。その結果、「ネオラントV」と「ラティアスex」を追加して、柔軟な戦術を可能にしました。
また、初心者にも扱いやすいよう、入手しやすく、発売から間もないカードを中心に採用しています。
2.デッキ相談
ゲンガーが好きな方から、「ゲンガーex」のデッキ相談を受けました。
ゲンガーex・イイネイヌex・モモワロウexの悪ポケモンにピジョットexを加えたポケモン構成。
トレーナーズに「アンズの秘技」「ダークパッチ」が採用されて、継続的なアタックと妨害がコンセプトでした。
相談内容は、「ポケモンが上手く進化出来ない」とのこと。カードを確認していく中で、ある共通点に気づきます。
逃げゼロのポケモンが3種類、最近のデッキでは見られない特徴です。その特徴を生かせる、このカードが活躍しそうです。
逃げるゼロのポケモンをコスト無しで手札に食われる「フェザーボール」です。
初めはゴース、中盤にピジョン・ピジョットexを手札に加えられます。
イベントを流星の嵐名古屋店で開催していたので、お店の方に探してもらったお手頃価格で購入。使って頂くことになりました。
最近は、新弾発売ペースが速くて、カードの種類が多い状況です。
豊富なカード郡の中からちょいレアなカードwを提案出来て良かったです。
3.最後に
今回のティーチングは、たね単デッキと2進化デッキでした。
たびたび「どんなデッキが初心者向けか?」という議論が起こります。
初心者向けの定義が難しいのですが、「デッキのコンセプトを実践する」とします。(勝ち負けではない)
僕の意見は、「進化デッキが初心者向け」と考えています。その理由として、「目標設定が『進化ポケモン』という形でカード化されている」から。進化する過程でエネルギーを付けて攻撃する点が初心者にも分かりやすいと考えてます。
逆に言えば、たねポケモンデッキは、その目標をカードから読み取るのが難しいと考えています。
一日に2種類のデッキをティーチングして、気づきの多い一日でした。