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『吹奏楽部』というワードに心がざわざわしていた頃。
最近、高校の同期から久々に連絡がきました。
同じ吹奏楽部に所属していて、どっちの方が朝練早く来れるかなんてアホなこともやりながら鎬を削っていたお友達です。
何やら吹奏楽部を卒部するときに開いたコンサートの動画を持ってたら送ってほしい、とのことで。
カメラロールを6,7年前まで遡って久々にあの日のビデオを観てみると、いろいろなことが蘇ってきました。
楽しそうだなあ、いい音してるなあと。
まず言っておきたいのが、私は高校時代の部活動をめちゃくちゃエンジョイしていたということです。
早朝の朝練から始まりお昼休憩の時間ももちろん放課後もずっと部室に入り浸り練習しているか、教室にいても楽譜とにらめっこ。
入学当初の内気な性格もあり、部活以外で友達を作ることもなく笑、無事部活漬けの3年間を過ごしました。
本当に幸せな3年間でした。
あのときの教えが今も役立っていますし、行動の指針となっています。
そんな部活大好きな私でしたが、実は卒業してからしばらく「吹奏楽部アレルギー」をおこしていました。
吹奏楽を聴くのも吹くのも大丈夫。
でも吹奏楽部時代のビデオは見たくない。
吹奏楽界の甲子園、毎年夏に行われる吹奏楽コンクールの話題も、極力触れないようにしてました。
卒業してから数年間の課題曲(毎年コンクールで課題曲が出されるんです)も、どんな曲だったか知ったのは実はここ1,2年だったりします。お恥ずかしい話ですが。
もっと言えば、吹奏楽部を題材にした映画やアニメも見れませんでした。
ユーフォニアム奏者ながら、ユーフォニアムの知名度をぐんと引っ張り上げてくれた恩人のようなアニメ作品「響け!ユーフォニアム」もまさに高校吹奏楽部を描いたものですので、しばらくはダメでした(何年後かに見た)。
もちろん吹奏楽部で大変なこともたくさんありましたが、基本みんな仲は良いし上下関係もほどよく、顧問の先生は常に生徒のやりたいことをとこちらの意思を尊重してくださる素敵な先生でした。
ありがたいことにコンクールにも出させてもらえましたし、たくさんコンサートもできて充実以外の何ものでもない3年間のはずだったのですが…。
正直なんでこんな気持ちになるのか、本当にわけがわかりませんでした。正直今でも理解しきれていないところがあります。
ですがこれを機に、自分の気持ちを解剖してみようかな〜ということで。
まずひとつ、これは単純に部活を引退してから感じていたことですが、3年間コンクールで全国に行けなかったというのが心のつかえになっていたというのはありました。
コンクール以外にも楽しいコンサートはたくさんあったし、講師という立場で中高の吹奏楽部の皆さんと関わらせてもらっている今、コンクールだけが全てじゃない、音楽の楽しみ方はいくらでもあるというのは理解できます。
ですがやっぱり「3年間この学校に負け続けたなあ」「最後の関西大会も絶対いい演奏だったのにな」って気持ちがことあるごとによぎるんですね。
で、こんなことを考えるたびに、部活引退して、ましてや卒業して大学は音楽科で新たな一歩を踏み出しているのにいまだに高校の部活のことを引きずっている自分が少し恥ずかしかったんです。
こういうのって引退してしまえば「全国行けなかったのも含め、思い出だよね」って割り切れるもんじゃないの?燃え尽きてしまうまでやりきれなかったってこと?って。
決定的だったのが卒業から2年後。
母校が吹奏楽コンクール全国大会出場を決めました。
今ではすっかり全国常連校の母校ですが、それまでは関西の全国出場常連校3校は「御三家」なんて呼ばれたりしてて、全国出場枠が不動だったんです。
それを覆したんですからすごいことです。
おめでたいことですよね。
だけど手放しには喜べませんでした。
で、卒業してから2年も経ってなおこんな気持ちになるだなんて、その時まで気付けませんでした。
2年後ということは私がギリギリ被ってた代の子たちが全国行ってるので、私の同期にもSNSで「全国おめでとう!」って投稿してる人も何人もいました。私にはできませんでした。
めちゃくちゃダサいな〜の一言に尽きます。
それ以降は「この高校が出身で〜」みたいな話をしたらほぼ100%「すごいじゃないですか!」みたいな反応が返ってきます。今は全国バンドなので。
その度に「いやいやでも私のときは一回も全国行ってないですから…」なんていらぬ謙遜をしていないと自分を保ってられないのも恥ずかしかったです。(今は全然平気です)
そんな調子なので吹奏楽部の話題はしばらく遠巻きにしていました。
吹奏楽という音楽は好きでも、やっぱり部活という要素が絡んでくると、楽しい3年間だったという思いはありつつも複雑な気持ちを抱えてしまう。
でもこれを心残りだとか後悔だなんて風には考えたくなかったから見ないようにしていたのでしょうか。
ですが間違いなくその悔しさが音楽を続ける原動力にもなっていたと思います。
コンクールが全てじゃないと顧問の先生はおっしゃってましたし私もそれは確かだと思いますが、コンクールに全力になってしまった経験は、それはそれと割り切るには大きすぎるものでした。
ですが当時も今も、たくさんの方との出会いがあり音楽を楽しんでいることには変わりありません。
いろいろと書いてるととんでもない文章量になってしまったので、途中で切りました。
次回に続く、ということで今日はこのあたりで失礼します。
最後までお読みいただきありがとうございました。