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『響け!ユーフォニアム』パワーを考える。

音楽、中でも管楽器にあまり馴染みのない方は「ユーフォニアム」なんてワードを耳にする機会は滅多にないかと思います。

私がユーフォニアムを始めた十年以上前なんて、今以上にユーフォニアムの知名度は低いものでした。
「ユー…何??」「UFO?」あるあるです。


ですがそんなユーフォニアム界?に舞い降りたのが皆さんご存じ『響け!ユーフォニアム』という作品です。
京都アニメーション制作のアニメでよく知られるようになりましたが、原作は小説です。

小説出版当時のこともよく覚えています。

あの頃はちょうど私もユーフォニアムを始めて1,2年経ったくらいの時期でした。
曲もそれなりに吹けるようになって楽器が楽しくて仕方ない時期に立ち寄った本屋で「ユーフォニアム」の文字を見つけたときの高揚感たるや…。

そうこう言っているうちに、昔は少々肩身の狭かったアニメ文化も大衆的な存在となり(私自身割としっかりオタクをしていたので)、気付けば『響け!ユーフォニアム』がアニメ化され、ユーフォニアムの名前を出せば「ああ、あのアニメの?」と言われることも珍しくなくなってきた今日この頃。嬉しいです。


さて、少し前置きが長くなりましたが、この作品の影響力は本当にすごくて、『響け!ユーフォニアム』きっかけでユーフォニアムを始める方は意外といるそうで!

最近もそれきっかけでユーフォを始めたという話を身近で聞いたので、今日のnoteを書こうと思い立った次第です。


一昔前の感覚であればびっくりなんですが、最近は吹奏楽部のパート決めでもユーフォが人気なことがあるみたいです。
部員数の関係でユーフォができなかったから外で習ってるって人もいるそうで…。

もちろん部活でないところでも。
SNSを見ていると、アニメを見て影響受けてユーフォ買いましたとポストしている方も見かけます。

ユーフォの中でも比較的安価なモデルだったとしても、簡単に購入に踏み切ることはできないくらいのお値段はするはずですから、かなりの影響力です。


言わずもがなですが、なんでここまでのパワーを生むのかと考えてみるとやはりタイトルにユーフォニアムの名前が入っているというのが強いんだと思います(大ヒットするくらい面白い作品であることは大前提として!)。

『響け!ユーフォニアム』という作品自体はあくまで高校吹奏楽部の人間模様を描いた作品であり、「ユーフォニアム」の作品ではないかと思います。

音楽的側面に焦点を当てるとしても、どちらかと言えば吹奏楽フィーチャーな作品のイメージです。

吹奏楽で有名な曲が取り上げられたり、実際の吹奏楽コンクールで演奏された曲が劇中で登場したりと、吹奏楽経験者にはもちろんのこと、音楽に馴染みのない人にも音楽っていいな、吹奏楽って面白いなと思わせるポイントが散りばめられています。

それだけ吹奏楽を取り上げた作品として成り立っていながらも、タイトルはユーフォニアム一本。

もちろん作品内でユーフォの音がピックアップされる場面もありますし、ユーフォっていい楽器だなあと思うきっかけにもなりうると思いますが、言ってしまえば主人公の担当する楽器がユーフォであるというだけ。

野球部が題材の『走れ!中堅手(センター)』ってスポ根アニメがあったとしても、多分センターのお仕事をひたすら掘り下げるんじゃなくて、野球部を舞台として部員たちの成長やライバルとの友情を描くんじゃないでしょうか。

ユーフォニアムというのも吹奏楽部という枠の中で見るとスポーツのポジションみたいなものです。



ですがもちろん野球のポジションと比べてしまうと、「ユーフォニアム」というワードはまだまだ一般的ではありません。
(物心つく前から阪神ファンなものでして世間一般では野球のポジションがどのくらいメジャーなものかが分かりませんが…)

作品発表当初の肌感でいくと、知らない人からすると響け!ってついてるからギリ楽器と分かるかな、どうかな…くらいの知名度だったんじゃないかと思います。


ですがそれが逆に効いたのでしょうか…。
聞き馴染みのないワードだからこそどこか耳に残るという効果もおそらくあるみたいです。

実際『響け!ユーフォニアム』ファンの皆さまの中では「ユーフォ」というワードが作品の略称として用いられているようですし、そう考えると覚えにくい名前だと思っていたユーフォニアムがキャッチーな言葉のような気もしてきました。


作品の影響はアニメを見て(小説を読んで)いない方にまで!

作中では宇治市を舞台としているので(京アニクオリティの街並みさすがです)、宇治の駅構内が『響け!ユーフォニアム』一色になっていたりとコラボもあるおかげで、特に京都方面の方にはアニメを見ていなくても「知ってるその楽器!」と言ってもらえることもございます。

まだまだメジャーとは言えないこの楽器にとって名前を知ってもらうことが一番の進歩ということでしょうか。
『響け!ユーフォニアム』様様です。


初対面の方とお話しするとき、今はまだ「ユーフォニアムっていう楽器やってて…」と切り出しています。

でもいつか「ユーフォニアムやってるんです」と言って当たり前に通用するくらいにユーフォニアムがメジャーなものになれば素敵ですね。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。




P.S.
このnoteを書きながら京阪沿線の駅のホームにいたんですが、アナウンスから聞き覚えのある声が…!
今も絶賛『響け!ユーフォニアム』コラボ中みたいです。ナイスタイミングでした。

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