宅建試験の勉強前に絶対にこれは知っておけ(基礎情報編)
こんにちは。独学2ヶ月で宅建試験45点を獲得したT.S.プロです。
宅建試験を受けよう!と決意したあと、すぐに参考書を購入して勉強スタートさせる人が結構多いのですが、その前に宅建試験に関する基礎情報をしっかりインプットしておくべきというのが私の持論です。
それはなぜかと言うと、簡単にいえば合格率が変わるからです。
例えば、宅建試験に合格するために必要な勉強時間を知らないとペース配分が掴めませんよね。本来300時間は勉強が必要なのに、200時間くらいのペース配分で勉強してしまうと、勉強不足のまま試験日を迎えることになってしまいます。また、高得点が狙える分野があるにも関わらず他の分野に多くの勉強時間を割いてしまうと、結果的に合格点に達することができなくなってしまいます。
「そりゃそうだよね」って感じる人も多いかもしれませんが、基礎情報を知らないことによって不合格になってしまう人が本当に多いのが現実なのです。情報をキチンと調べない人って損しかしないんですよ。せっかくヤル気を出して試験勉強しているのにもったいないよな〜って思っています。
なので、この記事を読んでいる皆さんには、基礎情報をしっかり理解していただき、ちゃんと勉強すれば合格できるという状態になっておいて欲しいと思っています。それだけで他の受験者より優位に立てるので、間違いなく合格率は高まります。
というわけで、ここからは大切な基礎情報と私の独自の分析をお届けしようと思います。ぜひご一読いただければ嬉しいです。
宅建試験は難しいのか?
「そもそも宅建試験って難しいの?」
宅建試験を初めて受験する人が素朴に感じる疑問ではないでしょうか。結論から言いますと、
・宅建試験の合格はかなり難しい
・今後さらに難しくなっていく
です。ちょっと勉強した程度では到底受からないですし、2〜3ヶ月毎日みっちり勉強してようやく合格ラインに届くかどうかのレベルだと思ってください。そして2025年以降はドンドン難しい資格試験になると私は予想しています。
実際、近年の宅建試験の合格率は毎年17%くらいで推移しています。これ言い換えれば「100人受けて83人不合格になる試験」と同じ意味ですよね。当然難易度は高いです。しかも宅建試験の受験者はちゃんと勉強していてそこそこレベルが高い人たちばかりなので、その中で17/100に入るのは容易ではないです。このあたりは後ほど詳しく解説します。
なお誤解なきようお願いしたいのは、難易度というのは人によって全く異なるということ。東大生のような頭脳明晰な人や不動産の実務で知見がある人からすれば、宅建試験の難易度はさほど高く感じないかもしれませんし、不動産知識がなかったり受験経験もない人からすればかなり難しいと感じるかもしれません。あくまで一般的な話をしていますのであしからず。
過去の宅建試験データから読み解く
では具体的な基礎情報をご紹介していこうと思います。
資格試験というのは必ず傾向というものがあるので、過去の試験データを読み解くのは基本中の基本です。まずは過去5年間の宅建試験データを表にまとめましたので貼っておきます。
「合格率は17%くらいか結構むずそうだな」
「だいたい36点以上取れたら合格できるんだな」
こういった分析を軽くやるだけの人がほとんどですが、はっきりいって不十分です。もっと深く理解しないと合格率を上げることはできないので、私なりの分析をお伝えします。ぜひご確認ください。
1.申込者数
まずは申込者数ですが、ここは増加傾向にあるということだけ押さえておけば大丈夫です。
令和3年度は一時的に受験者数が増えていますが、年々受験者数が増えています。令和6年度は申込者数だけで受験者数が30万人に到達しました。人口減少、少子高齢化が進んでいる日本において、これだけ受験者数が増えているということは驚きです。それだけ宅建人気が高まっていると言えますね。
2.受験者数
受験者数は知っておいた方が良い知識があるので、しっかり読んでおいてくださいね。
表にあるとおり、申込者数と受験者数は5〜6万人の差がありまして、簡単に言えば受験会場に来なかったということですね。毎年受験率は約80%で推移しています。「受験料払ったんだから来いよ〜」って普通に思いますが、おそらく勉強してなくて合格する見込みがないから来ないんでしょうね。
はい、そうなんです。受験会場に来ない人は合格見込みがない(急な体調不良などの人は除いて)んですよ。これを逆に言えば、受験会場に来るほとんどの受験者はちゃんと勉強して合格目指している人たちなんです。当たり前と思うかもしれませんが、他の受験者たちを侮ってはいけませんよ。みんな必死で勉強してきた人たちばかりであり、勉強しなかった人はそもそも受験会場に来ていないのです。ライバルは強いので油断なきよう。
3.合格率
最重要ポイントはここです。まず一番大事なことを2つ知っておいて欲しいのですが、
①合格率=申込者数ではなく受験者数に対する割合
②合格者の50%以上が実務に関わる職種の人
まず合格率については毎年17%前後で推移しているのですが、この割合は受験者数に対する割合なので勘違いしないようにしましょう。私自身最初は申込者数に対する割合だと思っていたので、「どうせ当日来ない人も多いだろうから、まあ実質合格率30〜40%くらいあるんじゃないの」とか思って舐めていました。
これを言い換えると「ちゃんと受験会場に来た100人の中から17人だけが合格できる」ということです。先ほども言ったとおり、受験会場に来ている人は合格を狙ってしっかり勉強してきた人たちなので、総じてレベルは高いです。その中でさらに上位17%に入る必要があるわけですから、ちゃんと勉強しておかないと普通に不合格になります。
もう1つ押さえておきたいのは、合格者の職業についてです。
宅建試験に合格した人たちの職種のデータなのですが、上位3職種(52.2%)
は全て実務に関わっています。不動産業は言わずもがなですが、金融業も不動産を担保にした融資業務がありますし、建設業も建築確認や住宅販売などで宅建の知識が必要になります。つまり、宅建試験合格者の50%以上が普段から実務で知見を持っている人たちなので、実務経験者が有利な資格試験と言えますね。
私もそうですが、不動産未経験の方はデータ的に不利だと言えますので、もしあなたが不動産経験がないのであれば、より勉強を頑張らないと合格を勝ち取ることは難しいですね。
4.合格率(予想)
ここからは少し脱線するので、必要がないと思う人はそのままスルーいただいて結構ですが、私は今後宅建試験の合格率はもっと低くなるのではと予想しています。少し突っ込んで分析してみましょうか。
宅建試験の申込者数が30万人に達するほど増えていることからも分かるとおり、不動産業を営む宅建業者や宅建試験に合格したらなれる宅建士の数も年々増えています。ただ注目すべきは新築着工件数は年々大幅に減少しているという事実です。政府の試算によれば、2040年には約58万戸まで激減する予測だそうです。要するに新築物件がどんどん減っているわけですが、まぁ人口減少が加速しているので当然と言えば当然ですね。つまり不動産取引を行う宅建業者が増えているのに、取引される新築着工物件の件数が減少しているという逆転現象が起こっているわけです。
さて、ここから何を読み取るべきか。私個人としては「国は宅建士をこれ以上増やしたくない」と考えているのではないかと推測しています。年々宅建業者も宅建士も増えている一方で、新築物件の件数が大幅に減っているんだから、これ以上業者も宅建士も増やす必要はないと思いませんか。私が政府の立場だったら、宅建試験の難易度を上げて、合格者数をもっと減らそうとしますね。
となると、今後は17%から徐々に合格率を下げていくのではないかと思っています。もちろん2025年からいきなり大幅に下げることはないと思いますが、15〜16%くらいになる可能性は大いにあるでしょう。気をつけた方がいいですよ、と忠告しておきます。
5.難易度
宅建試験の難易度は高いですよというお話を続けてきましたが、果たしてどれくらい難しいのかイメージしておきたいですよね。凄くシンプルに表現すると難易度はこんな感じです。
①参考書に載っている基本知識→出ない
まずシンプルに参考書に載っている基本知識を問う問題は出ません。例えばですが、こんな感じです。
これはどの参考書にも赤字で載っている基本情報ですが、上記のような問題は出ません。こんな問題出たらほぼ100%の正解率を叩き出すでしょう。難易度が高い宅建試験において、基本知識が問われるシンプルな設問は出てこないです。
②参考書に載っている細かい基本知識→ほぼ出ない
ここもほとんど出ません。①と②はどちらも出題されることはかなり少ないのですが、言いたいことは「基本知識を問うような暗記問題は出ないよ」ということです。
詳しくは勉強方法の記事でご紹介しますが、暗記型の勉強では宅建試験は通用しません。学生時代の勉強のように知識詰め込み型の人はことごとく宅建試験で躓きますので、決して知識だけで勝負しないよう心がけましょう。
③基本知識を使った応用問題→一番出る
宅建試験で最も問われるのはこの部分です。覚えた知識を活用もしくは組み合わせて解いていく問題が大半を占めます。難易度は問題によって異なりますが、私の体感だと8割は基礎知識を使った応用問題だと思っています。
皆さんに知っておいて欲しいのは「暗記で満足するな」ということです。参考書に書いている知識の暗記はあくまでスタートラインなのに、暗記して満足してしまう人が非常に多い。こういう勘違いをしている人は不合格になる可能性が高いので、ゴール設定を間違えないように今から注意しておいてください。ちなみにですが、この③の正解率で合否が分かれます。
④参考書に載ってない問題→出る
近年増えてきているのがこの問題。どの参考書にも載っていない知識が問われる問題なので当然正解率は低く、毎年1〜2問は「勘」で答えざるを得ない問題が出題されています。
ただし、参考書に載っていない問題でも正解を導くことは可能です。詳細は別の記事で書くので割愛しますが、出題者の意図を読みつつテクニックを活用すれば解くこともできます。ちなみに④の問題は不正解でもさほど合否に影響は出ませんので、超難問だった場合は潔く諦めてもOKだと思います。
宅建試験に挑む時の心構え
改めて、この記事をとおして知っておいて欲しい情報を2つお伝えします。
・宅建試験の合格はかなり難しい
・今後さらに難しくなっていく
これは絶対に肝に銘じて欲しいポイントですが、要するに「舐めてかかるな、勉強の手を抜くな、油断するな。さもなければ普通に不合格になるよ」ということです。宅建は大人気の資格試験なのでついつい難易度を低く見積もってしまう人が多いので、こういった基礎情報を押さえて気を引き締めることはとても大事なのです。
今回は宅建メソッド1記事目なのでここまでにしておきたいのですが、引き続き色んな記事を書いていこうと思っています。興味があればぜひチェックしてみてくださいね。