音と形、光と水
楽器制作の肝は、等音面の実現にあります。
等音面とは、共鳴板の各点の振動数分布が同一のスペクトルを表す特殊な共鳴板です。
もしも、このスペクトル分布が異なりますと、相互に不協和関係になってしまいます。
音が濁って聞こえたり、ミュートして聞こえてしまうのはこのためです。
また、ヴァイオリンなどでよくあることなのですが、ある音程は物凄く大きく聞こえるのに、他の音程は小さくかすれて聞こえたり、アクションに対して反応性が悪く遅れて音が出てきたりすることがあります。
音程によって反応が違う楽器は弾きにくいですね。
全ての音程が同一のアクションをするためには、やはり、等音面の概念と実現が必要なのです。
生来、耳が良い人は、タッピングトーンを頭の中でフーリエ分解することができ、本能的に等音面を作っていたと思われます。
身体の弛緩と緊張という問題は、和音の協和、不協和に対応します。
タッピングトーンは、ある種の和音ですから、削るごとに、変化していく和音の推移を、身体の弛緩と緊張に読み替えれば、楽器を削っていくことは、音楽そのもの、作曲そのものと言えます。
弛緩と緊張を繰り返していった先に、すべてを解消した先に、等音面(ホワイトノイズの物質相)があります。
音は形が無いと出すことが出来ません。
空間を伝わることはあっても、必ず個体同士がぶつからないと音が出ません。
音は個体(物体)とセットであると考えることが出来ます。
個体の形状を変えることで音の共鳴状態を変えることが出来ます。
個体に太陽の光を当てたところで、楽器の共鳴状態は変わりません。
楽器のフォノグラムを変化させるためには、楽器を物理的に削っていかなくてはなりません。
これに対して、近赤外線領域の光の波長に、水が相互作用することが解っています。
光を当てれば、水のフォノグラムを変更することが出来ます。
水は記憶媒体ですから、モーツアルトを聞かせれば、それを記憶するという話もあります。
共鳴板にモーツアルトを聞かせても、おそらく何も起きません。
*楽器を弾いたり、音楽を聞かせたりすると音が良くなる理由は、音楽に共鳴して弦が鳴った結果、駒がベストな位置に調整されるからです。
また、楽器を30分くらい弾いていると、音色が良くなるという話がありますが、これは楽器が変わったのではなく、弾いている人の身体の共鳴状態が変わったから、楽器の音が変わったように聞こえただけです。
ある意味にいて、楽器の音色は、楽器だけの問題ではなく、弾き手の身体の共鳴状態の問題でもあります。
つまり、楽器と奏者の身体、合わせて楽器だと考えたほうが自然です。
身体共鳴が優れている名人が悪い楽器を弾いても、さほど変に聞こえないのはこのためです。
初心者ほど、共鳴の良い楽器を使ったほうが良いです。
楽器が人を選ぶとかいう人がいましたが、よい楽器は人を選びません。
むしろ、人を選ばない楽器こそ良い楽器です。
これは人間性と同じです。
さて、話を人間の身体に移していこうと思います。
人間の身体は、個体ではあるが、70パーセントが水で出来ています。
音にも光にも相互作用します。
特に身体のフォノグラムを動かす方法は、音に関しては、ポリフォニックヴォイスがあります。
フォノグラムの渦の終点をルート音と考え、自然倍音列を同時に出すことが出来るポリフォニック誘導によって、ダイナミックに身体の共鳴状態を変えることが出来ます。
音の場合、あくまで二つ以上の自然倍音が同時になっていることでしかこのような反応は誘発されません。
ある特定の振動数の音に意味は無いと考えています。
そして、身体は70パーセント水で出来ていることから、近赤外線の光と相互作用します。
近赤外線治療器によって、身体の水のフォノグラムに変更を与えることが出来ます。
また、光によって変更を与えた水を身体に入れても身体のフォノグラムは変更されます。
初期状態の赤ちゃんの身体と、大人の身体の水の状況を近赤外線分光器で計測して比較研究していけば、どういった水をデザインしていけば薬になっていくかわかるのかもしれません。