「同世代のイケてる起業家に追いつきたい」既存事業が安定していない中で焦って新規事業を立ち上げ撤退した話〜デリバリー出店の裏側の全て〜
同世代のイケてる起業家に負けたくない。自分も早く追いつきたい。
この欲が全ての始まりです。
スケールするビジネスモデルで自分も挑戦したい。
この気持ちが先行していたのだと思います。
悪いことだとは思わないのですが、今回の僕の間違いは今あるものをしっかりと積み重ねる前に次に行こうとしたことです。
その結果、自分で自分の首を絞める形となったのです。
組織の基盤が整う前に勢いだけで事業を拡大させに行こうとしたら想像以上に大変なことになったので包みかくさずに何があったかについて書きたいと思います。
▼デリバリーに挑戦するぞと決めた時に書いたnote
この3ヶ月間はかなりハードでした。
自分の未熟さも痛感し、今はいい意味で落ち着きしっかりと地に足をつけ目の前のラーメンとお客さんにど真剣に向き合い感動していただくことだけを考えて動いています。
出店前の計画は希望的観測に過ぎなかった話
恥ずかしいのですが4月に書いた事業計画書をせっかくなので貼っておこうと思います。
夢を語れ千葉をオープンした時は3つのシナリオを描いていました。
理想のケース
普通のケース(理想でも最悪でもない)
最悪のケース
夢を語れ千葉の出店時の一番の目標はお店を潰さずに継続し日々進化させていくことでした。良い店を作るには昨日より今日、今日より明日確実に良くなっていれば良いので、初めのスタート地点が悪かろうと継続させることを1番の目的としていました。
そのため、最悪のケース(お客さんが1人も来なかった場合、正社員はいなかったのでアルバイトをしてテナント料を払うことができれば潰れない)になったとしても財務的に問題はないかを吟味した上で出店したことを今でもよく覚えています。
結果は有難いことにオープン初日外には100名さん近くの方が並んでくれていました。
有難いことに理想のケースでスタートを切れたのです。
初めは用心深く常に3つのシナリオを描きある程度のリスクを把握した上で日々何かしら選択をする場合はワクワクする方を選んできていました。
しかし、上手く行くにつれ、初めの頃は大丈夫かなとしっかりとリスクも考えた上で判断をしていたのにいつの間にか
「理想のケース・普通のケース(理想でも最悪でもない)」の2つしか考えずに意思決定をするようになったいました。
恥ずかしい話ですが僕ならできると天狗になっていました、、。
1時間3杯しか売れない現実を突きつけられたオープン初日
そんな天狗になっていた僕は等々現実を目の当たりにするのでした。
オープンしても注文が入らなかったのです。
初めのうちは絶対にどうにかしてやると意気込んでいましたがあまり現実が想像とは違い次第に気持ちも落ちていきました。
1番の問題は売れなかったことではなく僕自身がリーダーとして最悪のケースを考え切っていなかったことです。
その為、意思決定に時間がかかってしまいました。
何かが起こってから考えているようでは遅いのです。
常に起こりうリスクを考えて予め準備しておかないといけないのに僕はそれができていませんでした。
口で言うのは簡単だし今だとなぜそれができていなかったんだと思うのですがそれが事実です。
設備投資と人件費も新規事業の方に比重を割いていたこともありかなりバーンレート(会社経営に際して、1ヶ月あたりに消費されるコスト)が上がっていました。1店舗の立ち上げに使うべき金額ではなかったなと今では思います。
事業計画書をみていただくと察しがつくかとは思いますがとにかくスピードを求めていました。
夢を語れ千葉をオープンした時は仲間と一緒に夢と目標を追いかける日々でした。
いつの間にかそれがずれていってた。本当に情けないです。
悩みに悩みメンターをしてくださっているライフイズテックの水野社長に
「幸せって何ですか?」と聞きました。
事業を大きくするもっと自分自身が成長することばかりが先行していることにも薄す自分でも気づいており、このままではいけないと思っていたので相談しました。
水野さんは僕の目を見て幸せとは夢と仲間だと思っていると言ってくれたことを今でもよく覚えています。
僕は既に幸せだったんです。
仲間と夢があったから。
今ある幸せをいつしか当たり前と思い、もっともっと幸せになろうとばっかり考えていました。(幸せとは何かについても考えずに、、。)
今は少し考え方が変わっています。
幸せってすでにそこら辺に転がっていてそれに気づく力が大切なんだなと今回の経験を通して学びました。
その気づき力は何かを長く継続することで磨かれることにも同時に気がつきました。
それに気づいても現実は変わっていません。
仲間の顔から笑顔は消え、キャッシュアウトに怯える日々
売上が上がらないことよりもキツかったです。横にいる仲間が笑っていない。これほど辛いことはありません。
でも全て僕が招いたことだと受け止め、とにかくまずは売上を上げるんだと切り替えたことをよく覚えています。
飲食店の店舗とデリバリー専門店では戦い方が大きく違った話
夢を語れ千葉で沢山お客さんが来てくれたこともあり、同じやり方で上手くいくと考えていました。(ここにおいても楽観的になっていました。)
でも、夢を語れ千葉(店舗型の飲食店)とUberEatsなどのデリバリーPFでラーメンを注文する人は求めているものが違ったのです。
夢を語れ千葉でもUberEatsをしており1時間で平均7杯くらい売れています。なので東京だと3倍の人口がいたので最初から10杯くらいは売れるだろうと考えたのです。
しかし前提が大きく違っていました。夢を語れ千葉は路面店ということ、既にたくさんのお客さんが来店されておりブランド認知が高まっています。
夢を語れ千葉のUberEatsを注文されたお客さん30名さんにヒアリングをさせていただくと、下記のことがわかりました。
東京に出店したデリバリー専門ブランド「TokyoRamenWorks」はブランド認知もなければそのエリアで食べた人もいなかったのです。
大きな誤算です。
この流れになったのです。そうすると1時間3杯しか注文の入らない店になりました。
更に後発出店であったこともありUberEatsを開いても中々お店が表示されないことにも気がつきました。
夢を語れ千葉の時はずっと上位表示だったのにと頭を抱えたことをおぼえています。
目的来店なのか通りすがり来店なのかの違いに近いとオープンして2日目に気づきました。
落ち込んだり悩んでいても何も始まらない進まないと切り替え、「できること、知ってること、やっていること」だけにフォーカスしようと言い片っ端から思いついたことをやっていきました。
注文が止まらなくなる店にするまでに僕たちがやったこと
UberEatsの配達可能エリアが半径3km内だったので半径3km外への認知獲得を一旦捨てSNSはHP制作をストップしました。
限りあるリソースをこの2つに集中させたのです。
・半径3km内にビラを配り公式LINEに誘導する。
・半径5km内の個人飲食店に足を運びオーナーと仲良くなり宣伝してもらう。
泥臭くできることをやり続くた結果、注文が止まらなくなりました。
意思決定を間違えたくさん失敗をしましたが諦めずに結果を作ることにフォーカスし小さくはあるけれど前進できてよかったです。
決していい数字とは言えませんが昨日より今日、今日より明日絶対に何かしら良くするんだという気持ちを絶やさずPDCAを回したこともあり右肩上がりに数字を伸ばしていけました。
後に、自分の意思決定のあまさが理由となり撤退せざるを得なくなります。
▼デリバリー専門店開業から撤退までの全体像についてはこちらのnoteを読んでください。
今回の学び
今回、身体と心が壊れかけ休んだことで自分と対話する時間が増えました。
なぜ、働くのか?
何のために働くのか?
自分が本当にしたかったことは何なのか?
色々と考えながら振り返ってみると
これまでは「面白そうだから」とか、「負けたくないから」とか「楽しいから」とかといった「衝動」と「予感」によって人生を切り開いていてきました。
歳を重ね事業が進むにつれ、徐々に「期待」と「責任」という感覚が強く芽生え自責思考が身についてきました。
いつしか必要以上に自分で自分の追い込んでしまったり責めてしまったりしていたように思います。
「期待」や「責任」「承認欲求」は使い方次第でプラスにもマイナスにもなります。
僕は器用な人間ではありません。
これまでも沢山の人に応援してもらい支えら日々走って来ました。
器用に沢山のことをしようとするのではなく、どうしてもやりたい一つのことに集中し感謝の気持ちを忘れず、誰よりも手を動かし汗をかき夢を語っていれば大きなことも成し遂げれるのではないかなと思っています。
今回の経験を通して自分をいう人間についてとても理解を深めれたと思います。
これまでは「面白そうだから」とか、「負けたくないから」とか「楽しいから」とかといった「衝動」で動いていたので継続する力が弱かったです。
そのエネルギーを一つのことにフォーカスし、気づき力を磨くことでもう一段階成長できるような気がしています。
学ために仕事をし描いた未来を実現させるために実力をつけたいと思います。
人に勝ったや負けたで承認欲求を満たすのではなく「慢」はモチベーションとして活用し自分の原動力にします。
目の前のことに全力を注ぎ1つのことに集中し、昨日の自分より今日の自分が成長しかただけを見つめながら走って行こうと思います。
たくさん挑戦し失敗して来ましたが諦めることなくこれからも挑戦して行こうと思います。
このnoteが悩みながらも日々挑戦する皆さんの何かしらのお役に立てたら嬉しいです。
ともに頑張っていきましょう!