国別のDJとお客さんの雰囲気の話
なんかふと思いついたので書きます。今現在、僕はベルリンにいるんですけど、2011年~2013年はロンドンにいました。まぁロンドンに居た時は、友達とパーティーやる時ぐらいしかDJをやる機会が無かったのですが、色々な国でDJを見たり、プレイする度にその国のお国柄なのかよくわかんないですけど、何かしら雰囲気の違いがあるな~と思ったので書いてみます。ベルリン、ロンドン、東京にしか長期滞在したことないのでこの3都市メインで。勿論、人それぞれみんな違うのは大前提にありますが、なんとなくな大まかな傾向ってぐらいで捉えてもらえたらと。ちなみにまぁ大体がドラムンベースのパーティーでのお話です。
・ベルリン(ドイツ)
全体的にDJはみんな上手い。あと、ミキサーの音量をしっかり赤ランプを点滅しないようにコントロールしてるイメージ。限界突破でエナジーバリバリ!というより、曲の持つ原音を壊さずクリアに音を出す事を心掛けている印象。BPMも極端に早くする人もすくなく、ドラムンベースだと180まで上げる人は結構稀。174‐178あたりが多い。あと、DJ交代の時は、前のDJからそのまま繋いでいく事はほぼ無い。一旦切る感じ。お客さんはストイックに踊る人が多い。いわゆるウェーイ!みたいなパーティー感は比較的控え目な印象。以前、システム入ってるDUBのパーティーいったら、結構な人数が入ってたけど、フロアの9割の人がシステムの方向いて踊ってた。気持ちはわかるけど、さすがにDJの方向いてあげて欲しい気もした。
あと感覚的に、良いDJをしたら踊ってくれるけど、良いDJをしなければフロアからたちまち離れる、という結構お客さんがシビアな気がする。
若干、ジャッジされてる感もある。音楽を真摯にちゃんと聴く姿勢は好きだけど、馬鹿みたいに踊らないでちゃんと音の良し悪しを判断してる俺カッコいい!みたいな印象の人もたまにいる。ファッション感というか。
けどまぁ、その分やるこちら側も生半可なプレイは出来ないな、と身が引き締まる。ドイツ郊外になると、僕がいくつかやった印象ではベルリンよりパーティー感が強まる。勿論、ストイックに踊る人も沢山いるけど、ウェーイみたいなお祭感が強くなる気がする。ベルリンは多分パーティーありすぎて、みんなのパーティーに求めるレベルが高いのではないかな?と。
あと、お客さんも分散してしまうしね。対して郊外の方はパーティー数が少ないから、たまにのパーティーにしっかり遊ぶぞーー!!っていう気合が見える。個人的には郊外のバイブス、大好きです。
あと、そうそう、全てではないけど、クラブ入る時に携帯のカメラにシール張られたりする事が結構ある。あまりフロアで携帯いじってる人も少なくて、みんな真摯に音楽聴きにきてる感が強い。フロアで携帯をいじる事がバイブスを下げる、という暗黙の了解があるのかもしれない。
・ロンドン(イギリス)
DJは上手い人も沢山いるけど、下手な人も沢山いる印象。ロンドン滞在時、某有名プロデューサーのDJを見に行ったけど、めっちゃくちゃ下手でびっくり。という様な事がチラホラ。でもこれは、プロデューサーとしてキャリアスタートして、そこで結果を出す事でDJ出演に繋がるという流れがUKの場合は多いのでは?と思う。日本とは逆な印象。だから、曲は良いけどまだDJ経験が浅い、みたいな人が結構いるのかもしれない。
あと、DJのやる気にもムラがある気がする。出演交渉の時点であんま満足していないディールだったのかなと勘繰るレベル。BPMは結構早めにする人が多い印象。正確なBPMは分からないけど180とかザラな気がする?
ドイツの郊外でDJした時に、UKからBenny Pageが来てて、その次DJしたけど、交代時のBPMは180で、ミキサーの音量は真っ赤っかでした。なんかそこにUK感を感じた時でもありました。ジャンル問わず、なんとなく音で殺してやるっていう気概を感じる。ディストーションな国だし、ノイズの中に人をあげるバイブスがあるのをナチュラルに知っているのかもしれない。
とある箱(わりと小さ目)で、AMCのDJを見た時、MIX中とか爆音すぎて何を聴いてるのか分からないレベルだった。音が詰まって詰まって詰まりまくっていって、ドロップで音が抜けて、そこで上がる。みたいな。テクニック、というかパワープレイで上げていくDJが多い印象。あとDJ交代時は、ベルリンと同じくそのまま前のDJの曲から繋げる事はほぼ無い。お客さんはストイックに踊る人、パーティー感を楽しみ、ウェーイ!と遊ぶ人、ナンパする人、宇宙と繋がってる人、とにかく色んな人が混ざり合ってカオス。男の半裸率が高い。これぞクラブといった感じで、その中に入るだけで自分のテンションも上げてくれる空間がそこにある。気がする。遊び行くと、ほぼ毎回知らん人が絡んでくれる。あと、これはベルリンも同じくだけど、はー疲れた、と思ってフロアの後ろの方で腰かけていると、Are you alright? と声をかけてくれる。Fucked upしてる人も沢山いるから、気にかけての上の人もいるけど、中にはちょっと煽り気味というか、へいへい!なにやってんだよ!踊ろうぜ!みたいな人もいる。ほっとけ。疲れたんじゃ。
あと多分僕の思い込みだけど、スピーカーの前を陣取るなら、しっかりと踊らなきゃいけないような気がする。でもって、フロア前の方でめっちゃ踊ってると、同じくめっちゃ踊ってる奴と仲良くなりがち。戦友みたいになる。
フロアの携帯使用率はどうなんだろ。僕がいた時はスマホが今ほど普及してなかったと思うし、あまり印象に残ってないです。今はどうなんだろ?
・東京(日本)
とにかくみんなDJめっちゃ上手い。テクニックで言えば上記2都市よりアベレージ高い気がする。日本人のマメさなのか、MIXが丁寧。音の好みはそれぞれあれど、DJが下手すぎてハズレのパーティーなんてほぼ無いんじゃないかな?その分?パワープレイで上げていくDJは比較的少なめな気がする。ミキサーも赤にいかない様に気をつけてる印象。というかそれがDJのすべき、クラブ側の機材への配慮な様な気もするし、多分多くの人がそんな感じだと思う。ここはベルリンと通ずる所がある気がする。
個人的には、(選曲は置いといたとして)日本はパワーとか圧であげるというより、テクニックであげるっていうのが主流な気がする。日本に来る海外アーティストもパワー系よりも、テクニシャン系の方が評価されがちな気がする。ヨーロッパ、UKと日本の電圧の違いとかも関係してるのかもしれない。パワー系DJにはあの電圧が必要なのかもしれない。超絶適当だけど。
DJ交代時は最近は分からないけど、前のDJの曲から繋いでいく人が多い印象。日本のDJの方達は、自分のDJだけじゃなくて一晩通してのパーティーのグルーブを大切に保とうとする人が多い。エゴを出す人が少ない。結果良いパーティーが多い気がする。凄く日本人的。
お客さんは、とにかくドラムンベース詳しすぎる。というか悲しいかな、お客さんもDJという事も多々ありますしね。ベルリンだとドラムンベースというジャンルはほぼ大体の人が知ってるけど、曲まではそんなには知らないという人が多いと思う。日本はお客さんがめっちゃマニア。MIX中に次の曲を察知される事も多々あって、すげーってなる。あと日本ではマイナーなジャンルでお客さんの数も他ジャンルに比べたら少ないからか、みんなすげー良い人。変な人がほぼいない気がする。そして音楽愛が強い気がする。でもフロアの携帯使用率は上記2都市比べるとぶっちぎりの1位。世俗から完全に切り離して遊びつくす!というのが僕らは苦手なのかもしれない。クラブという異空間にいてもソーシャルに繋がろうとするというか。ふと今思ったけど、そもそも上記2都市のお客さん達はスマホのスクリーンとか見たくない状態になっちゃてる人も多そう。
その他、自分がDJしたorクラブに遊び行った場所でいうと、プラハ(チェコ)、ブラティスラヴァ(スロバキア)、リエージュ(ベルギー)、ペヤ(コソボ)等々あるけど、いずれも1度の体験なのであまり語れる事もないかなと。
ホント国ごとに微妙にDJとかお客さんの雰囲気が違うのが面白い。勿論みんな楽しみに、踊りに来てるっていう大きな共通点はあるけど。
もっと色んな所に行って色々感じてみたい。しばらくはまだベルリンにいる予定だけど、ニュージーランドに住んでみたいなとも思ってます。っていうか南半球に住んでみたい。季節逆で見える星も違うとか、同じ地球でありながら、もはや異世界じゃん。あ、もしみんなの体験した海外クラブ話あったら聞いてみたい。
終わり