未来のダート界を背負う馬たちの頂上対決 #ジャパンダートクラシック 予想
3歳ダート三冠路線が整備されての初年度となりますが、いきなりの超好カード。クラシックレースだと、日本ダービーは性質上最高クラスのカードになる事が多いですが、JRAからの出走枠が制限された地方交流重賞でこれだけのメンバーが集まるのは稀。その上で、JRAの出走馬は次世代のチャンピオンホース級がゾロゾロ居るという、近年の世代戦でもトップクラスにハイレベルな一戦。ラヴズオンリーユーが除外されましたが2019年桜花賞、2021年・2022年日本ダービーに並ぶほどの好勝負に期待したいです。
今回はJRA登録馬と地方馬(サントノーレ)の8頭について短評を書こうと思います。フジユージーンとかシンメデージーとか良い馬なんですけどね、本当。評価はやや辛口に付けていますが、それでも指数値A以上が6/8頭を占めています。クラシックレースでは、恐らくこれ以上というのは殆ど見られないかと思います。
JRA出走馬はハイペースの自力勝負を勝ってきた馬ばかりで、その上で指数自体はカフェファラオのユニコーンSに匹敵するレベルの超高指数。晩成傾向の強いダート界でこのレベルは正直向こう3年はこの馬たちの時代が来てもおかしくない程の豊作。展望としては、シンプルな力勝負になると思います。それ故に騎手の思惑どうこうより、馬の能力で純粋比較して問題の無い案件。前が競り合うなら若干後ろが有利ですが、vsフォーエバーヤングを掲げる陣営も多そうで、そうなるとペースは遅くなるかもしれません。
各馬見解
アローワンスを貰った際にどこまでやれるかが基準となっています。比較用にウィルソンテソーロとキングズソードを並べましたのでご覧ください。
○ウィルソンテソーロ(比較用)
指数:A+(GⅠ級・上位)
追走:-
末脚:A+
○キングズソード(比較用)
指数:S(マルチGⅠ級)
追走:B
末脚:B
●カシマエスパーダ
指数:A(GⅠ級)
追走:B
末脚:C
評価:A
鳳雛Sの内容が凄まじく優秀で、斤量差があったとはいえブルーサンが刻んだハイラップを力で捩じ伏せ完封。ブルーサンは他馬の短評にも出てくるキーホースで、度々強烈なハイペースを刻んでいます。追走力の高さが為せるレースでもありましたが、減速しないラップ構成を見るに、消耗戦というよりはスピードの違いで押し切ったという内容、前走は楽な流れだったかと思いますが、サンライズジパング相手にキレ負けしたような形。3馬身の着差は額面通り受け止めなくても良いとは思います。
自力で刻んではいますが、現状で好走するゾーンはかなり狭いと考えており、スピードの違いでキツいペースを自力で踏んで行くか、破滅的な逃げに引っ張ってもらうかの流れを、減速率を抑えながら押し切るという内容がベスト。格落ちする相手なら問題無いでしょうけど、今回のような自力上等の馬が集まりすぎると途端に相手依存になりそうです。どれだけ自分が楽をしながら相手に楽をさせないか、という馬で、何だかんだダートのトップホースってこういう馬も多いんですよね。その「楽」の基準を容易に引き上げられる指数は持っていますし、父ホッコータルマエもそんな感じの馬でした。
●サトノエピック
指数:B+(重賞級・上位)
追走:B
末脚:-
評価:B
近2走はしっかりと完敗しており、しっかりと減速もしています。世代レベルを考えても重賞級の強さではあるのですが、あまりにも相手が悪すぎるという状況です。恐らく逃げるんじゃないかと思うのですが、幾ら何でも後ろに構えている馬が強すぎます。いつでも捕まえられるという状況での逃げとはなりますが、ノーマークになりそうなのは事実。ラストまでほぼストレスフリーで走れるのであれば残しても良いのでないでしょうか。速いペースで流れ込むようなレースが今後の勝ちパターンとなりそうですが、手頃な中央重賞ぐらいならいつでも取れそうではあります。
●サントノーレ
指数:B+(重賞級・上位)
追走:B
末脚:-
評価:B
京浜盃は相当にキツい流れでしたが、先行して完勝しており追走力の価値は高いです。戸塚記念も中々に激流でしたが余力の違いを見せつけました。2歳時から素質を見せており、距離が伸びるほどにパフォーマンスを向上させている点からもスタミナは見た目以上にありそうです。まあ、京浜盃の時計価値がそこまで高いといえばそうでもなく、シンプルに減速率を抑えたが故でもありますから、地方馬の中では相当に期待しても良いというレベルで、最上位層とはまだ差があるように感じます。中央馬があまりにパフォーマンスダウンするペースと考えれば価値は高いですが、こういうレースで余力を残しまくってる馬が複数頭参戦する状況だと…。穴を開けるならこれ感。
●サンライズジパング
指数:A+(GⅠ級・上位)
追走:C
末脚:A
評価:A
フォーエバーヤングに負けはしましたが、JBC2歳優駿の内容が秀逸で、超レベルの消耗戦の経験をホープフルSや若葉Sにも生かしている形。春2戦は素晴らしいレベルのレースを経験し、前走の不来方賞ではカシマエスパーダを完封。緩めの流れとはいえ、上がりの脚はかなり圧倒していました。同型のラムジェットやフォーエバーヤングが強すぎて何ともですが、末脚自体は超強力。前がやり合う消耗戦であれば差し込んできそうです。
フォーエバーヤングとラムジェット相手に比較すると、やや自力感が欠けているのは懸念点。展開が向く可能性はあると思いますが、途中から動いて行くというよりは、溜めて瞬発力を発揮するというようなレース運びに映ります。2頭をマークした際の余力消耗度はかなり高そうなので、動く位置には注目ですね。やや微妙な評価を下しているものの、能力は普通にGⅠ級。生まれた時代が悪い。
●フォーエバーヤング
指数:SS(チャンピオンホース級)
追走:B
末脚:A+
評価:S
現日本競馬で指数値SSは、ダートだとこの馬を除いてウシュバテソーロしか居ません。間違い無く次代のチャンピオンホースですし、現日本競馬でも太刀打ちできる馬が居るかどうか。
同型のラムジェットの項でも書きますが、この馬は他馬が失速する流れを自力で差し込むのが得意で、これを今回の出走馬基準、ひいては世界基準で熟してきた経験を誇ります。前走のケンタッキーダービーも直線で接触する不利がありながら0.1秒差にも満たない3着。追走力、末脚、スタミナ、勝負根性の全てが高水準で、既に木場を含めた国内ダートでも指折りのトップホースにある状況。アローワンスを加味すればウシュバテソーロとも好勝負できると思います。
懸念点は最内枠ぐらいでしょうか。基本的に外から捲って勝つのが勝ちパターンなので、内で揉みくちゃにしてしまえば負けるかもしれません。一応国内式ゲートは久々なのと、普通に海外でも出遅れているので致命的であれば敗色は強まります。まあ遅れたらそれはそれで外には出しやすくなるのですが。あとはデキの問題でしょうか。追い切りを見る限り悪くはないので何とも。相手も手強いですが、圧勝してブリーダーズカップへ進んで欲しいです。
●ポッドロゴ
指数:-
追走:-
末脚:B
評価:C
普通に同世代でも上位の馬でクラス水準ぐらいはあるのですが、ここと並べられると流石に力不足の感は否めません。末脚のレンジは高いので、超消耗戦となるレースに参加せず最後に追い込む形であれば上位入線も可能でしょうか。フジユージーンとシンメデージーより少し下ぐらいの指数値かと思います。
●ミッキーファイト
指数:A(GⅠ級)
追走:A
末脚:-
評価:A
こちらもブルーサンの強烈な逃げ相手に真っ向勝負で勝ち切っている馬で、対戦成績は2戦2勝となりますが、どちらも高指数。カシマエスパーダど同型になり、スピードレンジと持続性能が高い馬です。ユニコーンSで消耗戦を経験した分、追走面ではややこちらに軍配が上がるような格好となりますが、力関係としては五分でしょう。前走で1馬身差としたサトノフェニックスが、不来方賞ではカシマエスパーダに3馬身と千切られていますが、追走力と余力の差の部分で、1F長ければ同等の差にはなっていたと思います。
レパードSの指数はユニコーンSと同程度のため、開催時期を考慮してラムジェットを上に取っています。それでも十分アローワンス込みでGⅠでやり合える数字であり、層の厚さを感じますね。末脚のレンジはそこまでなので、時計の掛かる大井の砂での2000mはやや不安が残ります。懸念点をもう一つ挙げるとすれば、他馬に比べて成長曲線がやや緩やかな点。急激にメンバーレベルが上がるレースだと力を出し切っても…という感じなのかもしれません。ユニコーンSも完敗でしたし。
●ラムジェット
指数:S(マルチGⅠ級)
追走:C
末脚:A+
評価:A
脚質的にも、フォーエバーヤングに真っ向勝負で勝てそうなのはこの馬ぐらい。とにかく相手が減速した所を差し込める馬で、超強力な持続性能があります。1400mも熟していますが絶対的なスピード能力自体はそこまでで、相手が止まれば止まるほど真骨頂を発揮するタイプ。それでも今のダートマイルぐらいのメンバーレベルであれば、来年のフェブラリーSも順当勝ちしそうではあります。
特性上、ペースの上がる上級レースの方が走りやすいタイプであり、距離が持つのもそうですが、クラスが上がってより着差を広げています。地味にヒヤシンスSでフェブラリーSにおける6着相当のタイムを出している辺りスピードレンジも2000mを基準とすれば高いんですよね。コース勝ち鞍もあり優位性は高いですが、全馬が余力十分なレースだとやや不安は残ります。とはいえ能力は双璧。
予想
買い目
フォーエバーヤング 単勝1点
(もしくは)◎→○→▲△☆ 三連単3点
予想もヘッタクレも無いですが、十中八九この5頭で決まると思います。ペースは読めませんが、誰が逃げようが捲る脚のあるフォーエバーヤングとラムジェットが支配する以上、後半に超消耗戦になるようなラップがある程度想定されます。カシマエスパーダとミッキーファイトはどこまで踏ん張れるかが鍵となりますが、上2頭は余力値が相当に高いレベルで、早めに捲られるとなす術が無い状況。全馬がマトモに走った際の勝率としては、フォーエバーヤングが70%、ラムジェットが20%、サンライズジパングが5%、カシマエスパーダとミッキーファイトで合わせて4.9%、他は0.1%ぐらいの力差かと。
フォーエバーヤングとラムジェットは末脚値A+で自力で差し込める追走力を有していますので、正直他馬がどうこうという次元にありません。ここが早めにやり合えばサンライズジパングの我慢の程度で逆転はあって良いと思います。ミッキーファイトとカシマエスパーダはラストスパートまでにいかに消耗しないかが焦点となります。今回印を打った5頭は次世代のダート界で間違い無く頂点を競い合うライバルになると思いますので、予想の結果はともかくとして、ダート改革元年に相応しい熱い戦いに期待したいです。まずは全馬無事に。
馬券は申し訳ないですがフォーエバーヤングの単勝1点です。三連複や三連単のオッズも見ましたが、シンプルに単勝勝負の方が低めが来ても安心できます。ラムジェットを絡めるとオッズが崩壊しているので、アタマと馬券は空っぽの方が夢を詰め込める、という事で。夢は大きくブリーダーズカップに。フォーエバーヤングはそれができる馬だと信じています。
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