「王とサーカス」
米澤穂信さんのミステリーの好きなところは、急降下したときに感じるような、ひやりとする感覚と「そこが繋がっていたのか、、!」と物語の後半にかけて何度も驚かされる見事な伏線回収の連続です。
東京に行く機会があり、4年前に読んだこの本を改めて読み返そうと思い携えていきました。
空き時間に読んでいたのですが、上野公園で読書をした時間がとてもよかったです。カフェの店内が混み合っていて、外の軒下にあった椅子に座って読んでいました。いつもは屋外で本を読むことがないので新鮮な気持ちで、少し肌寒かったけど風が心地よくて落ち着いて過ごすことができました。
選択するということは、
何かを選択しないということ。
この小説ではジャーナリズムについて取り上げられています。報道は誰かを笑顔にする一方で誰かを不幸にすることもあります。桜の開花宣言をニュースで見ると春がきたと温かい気持ちになりますし、ミサイルが発射されたと聞くと不安な気持ちになります。報道は人の感情を揺さぶり、行動を変容させる力を持っています。
誰かの人生を大きく変えてしまう可能性を秘めた報道の情報を選択することには大きな責任を伴います。
この本の主人公である太刀洗万智は、タイムリミットのギリギリまで現地に赴いて調査をして一つの決断に至りました。私も自分の眼でしっかりと見て、話を聴いて、目先の利益に囚われずに物事の判断ができるようになりたい。
大きな決断をする時は、この本を教訓にしようと思いました。
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