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「街とその不確かな壁」

村上春樹さん作、6年ぶりの長編小説ということで期待いっぱいに、発売されてすぐ書店で購入しました。

ですが買ったものの、読み終えるまでに1ヶ月近く経っていました。長編を読む筋肉みたいなものが衰えたのかもしれません、、読み落とさないようにじっくり読んでいました。
この本に限らず村上春樹さんの作品は一人静かな場所で、時間をかけてゆっくりと読むのが個人的にはいいなと思います。じわじわと文章が沁み込んでくるような重厚感のある文体です。

村上ワールドとよく言われていますが、村上春樹さんの創り出す世界観には現実世界と非現実世界とがバランスよく溶け合っている魅力があると思います。
この本も強く惹きつけられる「1Q84」とはまた違った不思議さがありました。


人は吐息のごときもの。その人生はただの過ぎゆく影に過ぎない
自分の周りの人が前触れも無く突然消えてしまう、そんな危うさや心に穴が空くような恐さがこの本から一貫して感じました。

孤独とはまことにつらいものです。…しかしそれでもなおわたくしには、かつて誰かを心から愛したという、強く鮮やかな記憶が残っております。

p.374


作中の好きな言葉

この世界は日々便利に、そして非ロマンティックな場所になっていく。

p.435

誰かが地面であなたを受け止めてくれることをです。心の底からそれを信じることです。留保なく、まったく無条件で

p.639


最後に、最近図書館に行った際に併設している喫茶店でマフィンを見つけ、思わず買ってしまったマフィン。もちろんブルーベリー🫐。

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