【米紙記者が明かす】あなたが持っている英語力を活かす3つのスキル
英語学習というと、ほとんどの人が、単語や文法、発音といった「語学」の勉強を思い浮かべると思います。
でも英語は、会話やミーティング、プレゼン、メールでのやりとりなど、相手がいる場面で使うものです。
その目的は、正確に情報を伝える、説得する、信頼関係を築くなど様々ですが、「綺麗で正しい英語を使う」ことではありません。
もちろん、単語や文法、発音も大切です。でも、そればかり磨いていても、いつか実戦では頭打ちになります。
コミュニケーションに必要なのは、言語だけではないからです。
今回は、「伝え方」「聞く力」「知識」という、言語以外に大切な3つのコミュニケーションスキルについて説明します。
英語に、これら3つの力を掛け合わせることで、コミュニケーション力が一気に高まります。逆に、これらの力がないと、どんなに英語ができても活かしきれません。
ぼくが提唱する「人生が100倍楽しくなる英語術」で紹介するテクニックのほとんどが、これから説明する3つのスキルに当てはまります。
上の図が表す考えを理解して、相手と正確に意思疎通をする、信頼関係を気づくことに意識を向けていれば、今持っている英語力だけでも、様々な場面を乗り切れます。
それでは、3つのスキルを、詳しく見ていきましょう。
伝え方
まずは、どのように相手に意思を伝えるかです。
ここに含まれるのが、例えば「話し方」です。
丁寧な表現を使うのか、それともカジュアルなのか。明るいトーンなのか、シリアスなのか。ゆっくり、それとも早口で話すのか。どれくらい「間」をとるのか。
話や文章の「組み立て方」でも、伝わり方は変わります。
結論を先に持ってくるのか、それとも最後にとっておくのか。具体的なエピソードを散りばめるのか。アイスブレーカーとなる軽い話を最初にするのか。
言葉以外のノンバーバルな表現も重要です。
例えば、ジェスチャー。言葉があまりできなくても、身振り手振りと組み合わせれば、かなりの情報が伝達できます。
ぼくは、ほとんど英語が分からない相手に事件取材をした時に、ジェスチャーだけで必要な情報を引き出したことが何度かあります。
(厳密には、絵や地図なども描いて見せました。この「書く・描く」というテクニックは非常に有効なのに、使っている人は多くありません。いつか詳しく説明しますが、英語が苦手な人ほどメモ帳を持ち歩くことをお勧めします。)
あまり意識されていないのが、「姿勢」や「表情」「視線」「ファッションや髪型などの身だしなみ」です。
猫背なのか、ピンと背筋が伸びているのか。話を聞く時に前のめりなのか、ふんぞりかえっているのか。
笑顔なのか、ブスッとしているのか、それともニヤニヤしているのか。相手の目を直視しているのか、うつむいているのか。
ビシッとスーツを着ているのか、それともダボダボのTシャツに穴あきジーパンなのか。軍人のような短髪なのか、ジャニーズのような無造作ロングヘアなのか。
同じ「伝え方」をしても、国や文化によって「受け取り方」は異なります。
謙遜や婉曲的な表現が好まれる場合もあれば、逆に、まどろっこしいと感じる場合もある。日本では良しとされる髪型やファッションを奇抜だと見る人もいます。
あまりに違いを気にしすぎて、萎縮してはいけませんが、日本の伝え方が万国共通ではないことを、念頭に置くことが大切です。海外にいる方は、せめて自分が暮らす文化の「伝え方」を知っておくべきです。
聞く力
これは英語の聞き取り、リスニングのことではありません。聞き上手になるということです。
世間では、淀みなく話せる人、面白いことを言える人がコミュニケーション上手だと思われがちです。
でも、実は「話し上手」よりも「聞き上手」の方が、相手には信頼されます。
デール・カーネギーさんの名著『人を動かす』にも、相手に心から興味を持って、話を聞くことが人に好かれる秘訣だと書かれています。
ぼくは、記者として、有名人やギャング構成員など、思想や立場が全く異なる数千人ものアメリカ人に取材してきました。その経験からも、カーネギーさんの教えが正しいと断言できます。ほとんどの人は、そのままを尊重して、何の偏見も持たずに熱心に話を聞けば、心を開いてくれます。
聞き上手になることが、コミュニケーション成功の何よりの秘訣かもしれません。
ただ、残念なことに、日本人と接していて、弱いなと感じることが多いのも、この「聞く力」です。たとえ日本語でも、遠慮があるのか、あまり質問をしてこないので、「自分にあまり興味を持ってくれていないのではないか」との印象を持ってしまいます。
英語が苦手な人でも、相手に気持ちよく話してもらえれば、会話を弾ませることができます。「聞く力」は、語学力を補う最大の武器でもあるのです。
知識
会話を弾ませるには、共通の話題が欠かせません。
そのための知識がないと、たとえ言葉ができる人でも、なかなか外国人と仲良くなることはできません。日本人同士でも、話が噛み合わない人とは、友達になろうとは思いませんよね。逆に、自分の興味あることを相手も知っていると、いっきに親近感が湧きます。
帰国子女が、大人になって海外に行っても、あまり現地で馴染めないというケースは、知識不足が原因の一つです。帰国してから、日本のテレビやニュースばかり見て育ったら、同じ国に戻ったとしても、共通の話題が不足します。
海外駐在している人が、現地で流行っているテレビ番組や、話題のニュースについて何も知らなければ、同僚たちの話の輪に入るのは難しいでしょう。
前出のカーネギーさんも、「相手の興味に合わせて話す」ことが大切だと述べています。まさに、「相手を立てる」の発想です。
そのためには、幅広い知識が役立ちます。文化や習慣、宗教、ポップカルチャー、スポーツ、芸術、地理、歴史、時事など。
ぼくは記者という職業柄、日頃から、幅広い分野の知識を仕入れています。なので、あらゆる人と話を合わせることができる。この点に関しては、記者になって良かったといつも感じています。
まとめ
「伝え方」「聞く力」「知識」を駆使すると、英語でのコミュニケーション力がグンと高まります。
すると、仕事がうまくいき、人の輪が広がり、人生が楽しくなる。まさに、「人生が100倍楽しくなる」術です。
なので、英語力を上げると同時に、これら3つのスキルも意識して磨くことが大切です。これから、その詳しいテクニックを配信していくので、興味ある方はぜひフォローしてください。
(下記のサイトで、音声配信もしています。)