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気をつけよう!ネット社会が生んだ4つのリスク

タイトルだけ読んで誤解しないでくださいね。インターネットを否定する気なんてありません。

私自身、ネットの恩恵を日々、感じています。

インターネットがなかった私の子供・学生時代は、何か分からないことがあれば、百科事典を調べるか、本屋か図書館に行くか、もしくは、こども電話相談室に問い合わせるかくらいしか方法はありませんでした。とてつもない時間と労力、お金がかかりました。

でも、今は、ポケットの中からスマホを取り出せば、あらゆる情報に瞬時にアクセスして答えを得られます。

こうやってブログやSNSなどを通じて、いつでも、どこでも、無料で世界中の人に、自分が情熱を持つことを発信することもできる。以前は、プロの記者や作家になるか、新聞や雑誌に投書するか、大枚を叩いて広告スペースを買うくらいしか、大勢に意見を伝える方法がありませんでした。

本当に素晴らしい時代になりました。

しかし、良いことばかりではありません。インターネットやデジタルデバイスが一気に普及したことで、新たなリスクも生まれました。

今回は、米ストーニーブルック大学と香港大学が提供するニュースリテラシー講座を参考に、デジタル時代のニュースの受け手が直面する4つの問題を取り上げます。

危険性を理解しておくことが、上手にネットを使い、情報リテラシーを高める第一歩だからです。

1. 情報過多

インターネットには、約10億ものサイトが存在します。更には、1分間に約48万件のツイート、インスタグラムには約4万8000枚もの写真がアップされ続けています。

途方もない量ですが、そのほとんどが検証されていない、信頼性の低い「生(ナマ)」の情報です。その中に埋もれた価値ある情報を見つけるのは、言い方は悪いかもしれませんが、ゴミ捨て場から宝を探すような作業です。

以前は、新聞、出版社、テレビ局など、大きなメディアしか情報を流せなかったため、訓練された記者や編集者が、質の低い情報を排除する門番の役割を担っていました。

しかし、今はインターネットによって、誰が流したかも分からないような情報が、私たちのもとに大量に届きます。その質を見極める役割は、私たち自身に委ねられているのです。

2. 信憑性の危機

たとえ情報量が多くても、質の高いものと、そうでないものが簡単に見極められればいいのですが、最近では「本物」ぽく見える「偽物」が増えています。

今の時代、洗練された見た目のサイトを作るのは難しいことではありません。それっぽい感じのドメインも取得できます。

なので、デザインや名称だけ見れば信頼できそうだけど、コンテンツは怪しいという情報サイトが山ほどあります。

写真や動画の加工・編集も簡単です。犯罪者と政治家の顔をすり替えたり、看板やプラカードの文字を変えたりもできる。

SNSで、有名人になりすましたり、肩書・経歴を偽ったりするのは簡単です。ツイッターやインスタグラムでバズっている投稿で、捏造でないことを示す証拠を添えているものは多くありません。

これらに騙されないためには、ブランド物の服やバッグなどと同じように、「偽物」を見抜く専門知識が必要になります。

3. 「正確さ」よりも「スピード」

記者をして学んだことの一つが、「事実を得るには時間がかかる」ということです。

検証に検証を重ねる必要があるからです。

事件の「当事者」や「目撃者」などが言ったことも鵜呑みにせず、他の方法で確認をとらなくてはなりません。

しかし、ネットでは、ニュースは素早く配信されればされるほど、より多くのクリック数を集めます。「スピード」を重視した方が見返りが大きいのです。

だから、テロや自然災害など大きな事件があると、訓練された記者でさえも、事実確認が十分にできていない段階で情報を流してしまうことがあります。

ニュースの受け手は、テレビやパソコンの画面に一日中かじりついて動向を追うのではなく、1日の終わりに信頼できるメディアから検証された事実だけを得る方が、余計な心配をせずにすみます。

4. 深まるバイアス

バイアスとは、先入観や偏見のことです。

よく「メディアは偏っている」という声を聞きますが、ここではニュースの受け手のバイアスについて触れます。

インターネットやSNSのアルゴリズムは、私たちの好みに合った情報が流れるような仕組みになっています。

興味ある情報が流れてくるのは喜ばしいことですが、逆に言えば、好みに合わない情報に触れる機会がなくなるということでもあります。

例えば、右寄りな人のTwitterやYouTubeには、自身の政治思想に合った、トランプ大統領を賞賛する記事や投稿ばかりが表示されます。その一方、左寄りな人は、トランプ大統領の批判ばかりを目にします。

注意すべきなのは、その中にしか身を置いていないと、どんどん「自分の意見だけが正しい、自分の見方が全てだ」と思ってしまうことです。アメリカの分断が悪化している大きな要因です。

「マスコミは偏っている」と決めつける前に、「自分は偏って見ていないか?」とまずは自問してみてください。

ネットには偏見を助長する性質がある。だからこそ、意識して触れる世界を広げなくてはなりません。

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