佐野徹夜『君は月夜に光り輝く』を読んで
発光病という不治の病にかかった女の子と、交通事故で姉をなくした男の子。
高校生2人のラブストーリー。
この表紙にひかれて手に取ると、3月に映画化されるということで読んでみました。
病気の女の子と、控えめな男の子の構図はよくみる気がする。『君の膵臓をたべたい』とか。
そのなかでもこの作品は2人とも死というものを身近に感じるもの同士というところが特徴かなと思う。
2人は互いに変化していく。
男の子はこの女の子に出会い、恋することで、死んだ姉の気持ちに寄り添うことができた。きっと愛する人の死を意識してはじめて、気づくことができたんだろう。
そして死と毎日隣り合わせのなかで、人生すべてが後悔の対象だと思っていた女の子が、最後に生きたいという本当の気持ちに気づくことができた。
2人の変化は大切な人が出来たからなんじゃないか。家族でも友達でもない特別な人が。
人は、人と出会うことで変わるのだ。
そう考えると、人との出会いは特別であると感じるとともに、恋愛というのは偉大だと感じた。
そんなことを読んでいて思いました。