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手術をせずに性別変更ができる件での誤解

こんにちは。トランスジェンダー男性の浅沼智也です。

2004年に施行された「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」の要件がいよいよ2008年以降ぶりに改正されるようです。

下記、特例法の要件です。

去年10月には手術要件に対して最高裁判で違憲との判決が出ました。

2008年以降、特例法の要件緩和がされなかったことを踏まえると大きな一歩だとは思います。

もちろん手術をしたい人はすればいいと思いますし、その決断を否定するつもりもありません。

しかし、手術をすることにはリスクがあります。性別適合手術だけではなく、どんな手術であっても体にメスを入れるということはリスクもついてきます。
どのようなリスクがあるかは、術式や部位などにもよりますので、手術をする際にきちんと医師から説明をうけ理解をした上でする方がよいと思います。

ところで、先日戸籍上女性だった方が性別適合手術をせずに戸籍上の性別を男性に変更したというニュースがありました。
※前回の僕の記事でもあげてますので、よかったら拝読ください。

これにより、「手術をせずに性別が変更できる」といった認識に繫がった方が多いと思いますが、実際には異なります。

5号の外観要件は差し戻しになっており、望む性別の外性器に近い状況にしなければなりません。

つまり僕のように生物学的に女性だった人に関しては
①2名の精神科による診断書があること
②現に結婚をしていないこと
③未成年の子どもがいないこと

をクリアすれば、家庭裁判所に行き性別変更の申請をすることで戸籍上の性別を男性に変更できる可能性が高いです。
改名もそうですが、各家庭裁判所により判断が異なりますのでできない可能性もあります。

生物学的に男性だった人に関しては
①2名の精神科による診断書があること
②現に結婚をしていないこと
③未成年の子どもがいないこと
④女性器に近い外性器にすること

がクリアの条件となります。

ここで疑問を抱かれた方もいると思いますが、
ポイントとして
女性→男性に変更する場合は、陰核部(クリトリス)が男性器としてみなされるため、例え膣がある状況でも戸籍上の性別を男性に変更できるのです。
ただ僕は、男性ホルモン療法をした上で性別変更をした人しか知らないので、未治療のまま今後女性から男性に戸籍を変更できるかは分かりません。
※男性ホルモン療法をした場合、陰核部が肥大化します。僕の経験では、肥大化した陰核部を医師が診察し、外観要件を満たしていると診断をしていました。

以上のことからも、女性から男性に性別を変更することに関しては条件のハードルが緩和されましたが、男性から女性に性別を変更する場合は例え生殖腺を残したとしても、外観要件をクリアする必要があるので条件のハードルの高さは今までと変わりません。

勘違いをされている方が多くいらっしゃるように感じたので、記事にしました。




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