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ゴールをどこにおく?

みなさんは、チームで仕事をするときに、どうやって目標となるゴールを定めていますか?

プロジェクトリーダーから提示されたゴールをそのまま「達成すればいいもの」と受け取ったり、クライアントから出された要件の実現そのものが目標(というより、必須条件)となっていることもあるかと思います。

しかしながら、関係者との期待合わせという意味でも、「達成したいこと」を言葉にして、認識を揃えることは重要です。実は、チームの外側にいる関係者のみならず、チームの中での目線も意外と合っているようで合っていなかったりするので、意識的に行いたいところです。

インセプションデッキで言語化する

では、どうやってゴールについての共通認識をつくるのか。そのひとつとして、インセプションデッキというツールがあります。プロジェクト立ち上げ時に作成するチームも多いのではないでしょうか。

インセプションデッキそのものについては、ググると詳しい情報がたくさんありますので割愛しますが、ポイントはこのあたりです。
(インセプションデッキ自体は、「ゴール」を決めるだけのものではなく、プロジェクトの関係者マップやスケジュールイメージ、制約などを言語化するものです)

プロジェクトのビジョンミッション、取り巻く状況背景制約などを記した簡易なドキュメント
プロジェクト開始時に整えておくべき10の項目について用意された問いのあつまり(テンプレート)
一度つくったらおわりではなく、状況に応じてアップデートをかけるもの

「われわれはなぜここにいるのか」に答えたい

インセプションデッキの10の問いのうち、1つめにくるものが「われわれはなぜここにいるのか」です。まさに、チームのミッション、ゴールを言語化する問いとなっています。

この問いにチームで答えていくときに、こんな落とし穴があります。

ミッション、ビジョン、実現したい世界など、夢のある話をするので、議論は盛り上がるが、あまりにも遠い将来の話をしてしまい、結局足元のゴール感が定まらない

チームメンバーが各自想い描くゴール感を出し合うと、粒度がバラバラでディスカッションが噛み合わない。目線を合わせようにも、見ている対象が異なるので、平行線を辿ってしまう。

プロジェクトを進めるためにやるべきことを洗い出し、なにから取り組むかを定めたいものの、そもそものゴール感がいつまで経っても決まらない、ということ、ありませんか。

インセプションデッキをうまくつくるコツ

先ほどの落とし穴は、時間軸が合っていないことによるものではないでしょうか。

将来のことを語るのは、別に問題ではありません。むしろ、チームの根幹にある大きなビジョンを言語化することは、チームのモチベーションにもつながるので素晴らしいことです。しかし、直近で取り組む方向性が見えないままではもったいないです。

ゴールの粒度がそろわないチームも、多様な視点をもったメンバーで構成されたチームなので、その視点は十分に活かせるところがあるかと思います。一方で、メンバー間でまずはどの粒度を攻めていくのか、を合わせておかないと、歩みが揃いません。

そこで、たったひとつ、デッキをつくる前に共通の前提を置いてみましょう。


「このデッキは、いつまでのものか」

1年後なのか、半年後なのか、3ヶ月後なのか、対象とする期間をはじめに合意してから作成することをおすすめします。

また、2つの異なる時間軸(短期、中長期)のデッキを用意することも、有用な場合があります。必要に応じて、使い分けてみてください。

これを合わせるだけで、「われわれはなぜここにいるのか」に限らず、インセプションデッキ作成がぐっと引き締まります。

そして、ふりかえる

時間軸を置くということは、「どんなに長くても、この期間が経ったらデッキをアップデートする」というタイミングを置くということでもあります。

たとえば、3ヶ月を対象とするデッキを作成したのならば、3ヶ月後には必ず見直しますよね。なぜなら、その先のことはデッキに描かれていないのですから。

もちろん、その期間の中でも、チームで必要に応じてデッキをふりかえり、アップデートをしてもよいと思いますが、「どんなに長くても」というタイミングを、ある種強制的に置くことができる、という副次的効果もあります。

デッキ作成やチームのゴール決めにあたり、当たり前に行っていることかもしれませんが、やっていなかった(暗に合っていると思っていた)という方は、ぜひ一度、意識してみてください。

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