1回きりの人生を、自分にも人にも堂々と生きていきたい。

私は嘘つきでした。弱虫でした。でも、今の私は他の人から見ると「強く」見えるそうです。

「やりたいことは歩けるうちにやる」

これは私が3年前から自分に言い聞かせてる言葉です。

私の祖母は脊髄小脳変性症という難病でなくなりました。
頭の中にある小脳という部分が萎縮してしまう病気です。
歩行時のふらつきや、ろれつがうまく回らないなど、様々な動きを円滑に行えない「運動失調」という症状が起こります。
症状は徐々に徐々に進行し、意識があって考えることもできるのに、話す事ができなくなります。

この病気は治療法が未だ見つかっておらず、薬物療法やリハビリテーションで進行を妨げることしかできません。
遺伝歴がない場合にも、遺伝歴がある場合にも発症する場合があります。
低い確率ですが、私もいつかはこの病気で歩けなくなるかもしれません。

私は小さい時から変にプライドが高く、恥ずかしがり屋で、いじっぱりでした。

ダンスは可愛い女の子がやるもの。
学級委員は適役な人じゃなくて目立ちたがりな人がやること。
人前で1人だけ一生懸命になるのはカッコ悪い。

今考えると、単純に自信がなく、失敗を恐れて、常に逃げ腰だったんだと思います。

初めて脊髄小脳変性症を知ったのは、ドラマ「1リットルの涙」をみてからです。
これだけ医療が発達している現代で、リハビリテーションでしか進行を妨げられないなんて、信じられませんでした。
祖母の病名を知ったのは大学入学前だったと思います。
とても信じられませんでしたが、私の知っている祖母の約20年を考えると、信じざるをえませんでした。
そして、遺伝的に発症する事があると授業で知りました。
正直にとても怖かったです。
今すでに戦っていらっしゃる方がいる中で言うことはとても不謹慎ですが、今ある日常が、日常でなくなる時がくると想像をすると、涙が出ました。

ですが、考えたとしても、私がどうなるかは神様しか知らないんです。
それに、私は少なくとも今現在、自分の足で歩いて、友達と喋って、やりたいことができるんです。
なので、
発症した時に悔いのないよう、今を一生懸命に生きる。
やりたいことは偏見やプライドを捨てて挑戦する。
ことにしました。

その時から、それまでの自分なら絶対に挑戦しなかったような、リーダー職への立候補や率先したグループワークへの参加、物理的な冒険や音楽や食べ物の冒険に挑戦するようになりました。
もちろん中身は同じ人間なので、頭の中での葛藤はいつも起きます。
でも、今やらなかったらできなくなる時がくるかもしれないんです。

周りの意見が自分とは合わなかった場合も、必ず自分に誠実であり、誰にでも胸を張っていられるよう、後から後悔することがないように、自分の意見は必ず伝えるようになりました。


そのような私をみて「すごい」「強い」と言ってくれた人がいました。
私には、そうする他に手段がないから、そうしてるだけなんです。

けど、実は誰でもそうなんじゃないでしょうか。
誰だって、この次の瞬間に不幸にも交通事故に遭うことだってありえます。
大きい地震に襲われることだって可能性がないとは言い切れません。

ただ、私は祖母の件があって、良くも悪くも、その事実を正面から見つめ合う機会があって、他の人より少しだけ向き合っただけなんです。
人間誰でも、いつどこで何が起こるかなんてわからないですよね。
不幸な未来なんてわざわざ考えようなんて思いもしません。
私だって、このことを知るまでは逃げ回って生きてたんです。
(まだまだ20年ちょっとの人生ですが...)

つまり、私は強くなんてないんです。すごくもないんです。
誰だって、このことに気がつけば、考える機会を得るんです。

私は自分の1回きりの人生を、自分にも人にも堂々と生きていきたい。
そう感じてるだけなんです。

※脊髄小脳変性症に関しては他のホームページを見て記載いたしましたが、内容に誤りがありましたらコメント等で教えていただけますと幸いです。

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