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期限切れフィルム、中国製フィルムの現像とデータ化を依頼
自分が現像するわけではありません。現像とデータ化を期限切れフィルムの現像やデータ化を得意としているチャンプカメラさんにお願いさせていただいています。
一部の方から誤字があるとの指摘があり修正していますが完全ではありません。どうぞお手柔らかにお願いいたします
期限切れフィルムについて
期限切れフィルムというのは基本的に「品質や描写、その他のあらゆるトラブルについての対応は致しかねる」という前置きの置かれたフィルムです。というかそうなってしまったものです。これはトラブルフィルムでもそういわれますが期限切れフィルムというのは基本トラブルフィルムと変わりません。お店によっては断りを入れられますし第一自家現像ですら危ないのです。
期限切れフィルムにとやかく言いたい人たちへ
「期限切れフィルムを好んで使うあほ人間がいる」などとのツイートは昨今見かけましたが、自分はこの「好んで使う層」です。
当然、一般的ないたって普通のフィルムも使います。本来はそのフィルムで撮るものが写真であり性能であるわけです。ではなぜ使うのかと言うことです。
そのフィルムの期限が切れ、品質が落ち、性能を発揮しませんと言われるものを使うのです。
はたから見たら確かにあほな考えですがそれは決して「けち臭い」とか「そういう写り」とか「なんかエモい」とかそんな軽い様子で使うものでないのは皆さんわかっていると思います。
理由、人それぞれにいろいろな写真表現があるように、人それぞれどのフィルムをどのようにつかい、評価するかは個人の主観なのです。押しつけをすることはやめましょう。
そうはいってもいう人は居るでしょう。当たり前です、その価値観できてるのですからこちらも認めなければなりません。ただ自分は「それってあなたの感想ですよね」とかいう「いかにも対話を避けるかのような、討論を避けるような否定的な捉えはしない」です。
なぜ、そうなるのか、かの上の文は当の本人(ひろゆき氏ですが)は討論やトラブルを避けるために使用したものではなく、あくまでその人の価値観ってその人独自のものですよね、と問いかけているもの。決して今の語弊を招く使われ方のような「それはお前の感想だからお前がとやかくこっちに突っかかってくるな」ではありません。それではこちらが一方的に相手の意思を無視して尊重していないことになるのです。ひろゆき氏はわざわざ相手の意思を無視するような対話はしていないはずです。なんでその感想なのか、なんでそういう思考なのか、なんでお気持ち表明したか、そういうところまで煮詰めていかなきゃいけないのに今は足りないと感じることが多くあります。これは他のNoteでも散々言ってるのでここでは省略。
ということを踏まえて、期限切れフィルムについて意見や感想、主張があれば遠慮なく言っていただけると嬉しいのです。なぜあなたがそう思いその発言をするに至ったのか、そこまでこちらとしては深く知り、それを捉え次に繋げることで写真表現の幅を広げようと考えている人ですので。当然これは錯誤をするためです。堅苦しい感じですが自分自体はものすごくカジュアルなスタンスでいます。それでは続きへ。
今回の登場フィルム
今回使用したものは以下になります。
・ProImage100(現行期限内)
Kodakの定番フィルムになりつつある最近なぜか「低価格」扱いされているフィルム。本来の低価格はGOLDやUltraMaxであってこれではないようにも感じますが、、これは期限内ですので通常のフィルムです。
・Konica Minolta CENTURIA SUPER400
よく品質で非常に劣化の速いといわれているDNP製でないもの。これは品質がある程度は保たれていたデッドストック品放出のモノですが、それでも期限切れ、ISO感度は下げて取り扱い、100相当から80相当の2-2.5段補正をかけて現像を依頼しました。2008年切れ。
・中国 Lucky Super New100 by中国乐凯胶片集团公司
いかにもなフィルム。中国の中国乐凯胶片集团公司が販売していた今回のモノは2008年製フィルム。期限は2010年8月となっておりこれも輸入放出品。パッケージが開いていないのにフィルムケースが変色しているなど相当数のトラブル感が予想できるフィルムでしたので感度は大幅に補正してISO25相当にしています。ただフィルムは増感耐性はあまりよろしくないと聞くのでこれが吉と出るか凶と出るか。保管状態が悪いことが言われており、感度を上げても気泡やムラはあると思われるので期待はしていない。
後日予定
・中国 上海申光400 劍誠攝影 上海申光牌400
これはそこそこ有名なんじゃないんでしょうか。中国上海製のおなじみ高品質?フィルムと言われていたフィルムの期限切れ。期限切れで3年です。場合によっては補正をかけることを検討しています。おそらくかけても半段程度にしようと思います。
使用したレンズ、カメラは以下
・Kodak Proimage100
OLYMPUS μ[Mju](初代)
・Konica Minolta CENTURIA SUPER400
Canon AE-1 +Canon FD 50mm f1.8(Ⅰ)初期玉 +Canon FD 70-210mm f4
・中国 Lucky Super New100 by中国乐凯胶片集团公司
Nikon FM + ※1NIKKOR-H Auto f2 50mm + NIKKOR-S•C Auto 50mm f1.4 + NIKKOR-H Auto 28mm f3.5
・(後日予定)中国 上海申光400 劍誠攝影 上海申光牌400
※2 PRAKTICA VLC2 + SMC Takumar 55mm f1.8 + (※3)RMC Tokina 35-140mm f3.5-4.5 MC MACRO + C.C Petri 200mm f4 (SUN)
※2一部海外輸入専売品あり。
※3RMC TokinaはF3.5始まりの上位版。なお海外専売品かどうか調査中(Passedシール有)
現像結果
さっさと現像結果に参りましょう。
・Kodak ProImage100
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・Konica Minolta CENTURIA SUPER400
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・中国 Lucky Super New100 by中国乐凯胶片集团公司
とにかくこいつが強烈。まさに本当の期限切れ。
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総評
ProImageに関してはやはり期限内なので安心して写ってる反面、意外と期限切れの期間が同じCENTURIAとLuckyでは全くと言ってもいいレベルの結果の差が生まれました。ある意味期限切れの強烈な刺激を求めた色味の結果はLuckyのほうがいいかもしれないです。
またISO16設定や25設定などかなり下げても映らないこともあると言うことはわかりました。CENTURIAが真面目に写ってるように錯覚できるかもしれませんがそれでも2段ずらして露出を組んで撮影していますのでかなり影響してきてはいます。さらに厳密に言えば紫色の被りを持ってもいますのでそれだけでも強烈と言う部類に入れるのもいいと思います。
またLuckyは斑点模様の黒い点やフィルムの劣化による粒状感の増加などあります。特にスタッフさんも「このフィルムは反りがすごいものでしたね…」とのことでしたのでやはり劣化は進行していたのでしょう。フィルムケースの変色を見るにやはりと言う結果でした。
ルーツとほかの作例
乐凯胶片はそのままの名の通り、Lucky filmグループが製作していた写真産業のうちの一つとして販売されていたもので現在は写真産業では印画紙などに参入しているそうですが、フィルム産業には参入しておりません。
Lucky Super 100 New
— sᴠᴇɴ. (@ehahrf2) January 15, 2023
中国乐凯胶片集团公司
China Lucky Film
Expired 2010 pic.twitter.com/Bg2eXAeo0R
CENTURIAのほうに関しては先述の通り復刻版のコニカミノルタ版であり、DNP製ではありません。クリスタルカラーが特徴的なこのフィルムは案外持ちがよかったです。(こちらにはパッケージの作例写真はありません、ご承知おきを)
Luckyのほうのフィルムがなぜこれだけの劣化をしているのかをなんとなくで想像してみます。
Lucky自体のフィルムパッケージは英文表記のいわゆる「輸出版」です。本国仕様のフィルムパッケージではほとんどの説明は中国語表記で書かれたものでそれは主にRED等の中国コミュニティではよく見られます。もし知りたくなったら検索してみてください。Baiduではあんまり出てきませんでしたがREDでは割とポンポン出てきました。
いったいどこからこんな中国製品フィルムの輸出版を仕入れてくるのかはさっぱりわかりませんが、タイ、シンガポール、韓国、台湾、マカオなどでも同様にフィルムを取り扱うお店がまだ残っており、一部にはベトナムにも存在するそうです。
ほとんどがアジア圏で最近ではベトナム、タイ、韓国あたりがそれに強く韓国ではミニラボが少しブームになったようで無人のフィルム販売機などもあるそうですが、少し値段は張っていました。
タイあたりではデジタルのCCDが一部で再燃したようにまたブームが起きているらしく需要が伸びてきているそうです。(タイのコミュニティフィルムショップの一部文献から引用、まあこの文の書き方で大体どこかは把握できていることでしょう)
アジア地域で日本よりも熱い地域での取り扱いが多いとどうしてもフィルムは劣化の進行が早まったりします。
アジアでの露店販売や日中での日光にさらされている中でフィルムを購入すると今回の自分のフィルムのようにふたを開けていないのに変色があったりなんて話もざらにあるそうです。もしかしたらその周辺地域で手に入れたものなのかもしれませんね。。
また少し話がそれますが海外のコミュニティでは期限切れフィルムのみを取り扱うExpired_film_clubと呼ばれるものがあります。主に日本の期限切れフィルム製品やヨーロッパのフィルム製品を再販売しているもので現像ではThedarkroomlab(EU内のみ)を通しているそうです。日本からもインターネットで購入できますが、海外からの輸入での購入をすることになると思いますので送料を考えるとまだ日本で直接買った方が安いのかもしれません。
終わりに
初心者は絶対に安いからと期限切れフィルムを買ってはいけません。また経験者で初めて買う方も「それ相応の覚悟とエラーへの寛容」を持っていないと後悔することになります。上記のように選び方によっては強烈なフィルムの劣化個性を叩き出すことがあります。もちろん、それは企業の目指した品質ではない、のである意味では冒涜、反感を買いかねません。そうした面でも注意が必要ですが、それをいかに楽しもうと推敲すれば相当良い経験を得ることができるかもしれません。
雑記
ちなみにLuckyを購入したのも上海を購入したのもチャンプカメラさんからでしたが、よく買う期限切れはAGFA、Primeraです。AGFAに関してはいよいよなくなるところですのでもう見れなくなるかと思いますが上海がいい色をしているので大丈夫かなとは思っています。(結局アグファは買いました、たけぇ笑)PrimeraはCartenzなどある程度名の知れたフィルムなのでご存じの方もいるかも知れませんが、割と良い色を出してくれるので好みです。
そこまで踏まえてなぜ期限切れなのか、なぜそれで無いといけないのか理由を絶対持ってないといけないの?という話になってくるかも知れません。そうじゃ無いです。理由がないなら理由がないなりの理由があります。あまりに抽象的ですね。なんで抽象的か。淡白だからです。淡白なのは同じ言葉が羅列してるからです。子供っぽく。期限切れである必要性がないなら期限内のフィルムを使うのが一般的、なぜ一般的、そう考える理由は何か、本来の性能がないからなのか、保証のしない写りをするからなのか、単に楽しめないからなのか、色々な理由と事例があります。それを踏まえた上での期限切れフィルムです。そうした理由がない、ということもまた理由です。「写真に理由を求める」「なんでそうなったのか」という理由事例そのものを捉えるようなツイートをしている方はまだまだです。思考が足りません。少なくとも自分はそう思います。理由なき事柄はない、という表現の所以はそこからです。だから期限内に撮ることが普通だと考えるのはフィルムを販売する会社のみだと思っています。
例えば青春フォトを撮りたいとなった時に「なんか海にラムネやらソーダやら置いてジャンプして写真を撮ってエモい感じに加工してインスタのストーリーに掲載する」という事例があったとしましょう。なぜエモいのか、なぜラムネなのか、なぜストーリーに掲載するのか、そうした面を煮詰めることそれ自体を「理由を求めなくてもいいだろ」という方がいます。「とくに理由なんかないだろ、それが感性だろ」という方がいます。むしろ「それ」が理由です。「感性で感じた(?)ことそれが理由」「ラムネやソーダや海に向かってジャンプして写真を撮るそれ自体がなんか自分の頭の中で幻想的にノスタルジックでエモく感じるから、そしてそれを自分のなかの青春や欲求を満たすためにインスタのストーリーに投稿して満たしてあげたいから、共有したいから」それも理由です。理由を求めない?違います。理由は必ずあります。ただ言語化してないだけです。言語化できないのも理由です。理由もなくご飯を食べます、そんなことありますか?なんとなくでご飯を食べるにしても「なんとなく食べたいから」が理由です。理由に当てはめなくてもそう説明する時には理由になります。何かの根拠、理由、事例があってこその行為です。そこを理解しなくてはいけないのです。
とだらだら駄文を連ねましたが理由に縛られるのもまた良くないことなのです。感性のままに。意のままに。