【書評】『利他・ケア・傷の倫理学』
こんにちは!友為です。
今回は「【書評】『利他・ケア・傷の倫理学』」というテーマで、本をご紹介します。
「余計なことをしなくていい」っていう状態が何で起きるのか?を解き明かした本だなあと思いました。常々これは相手より自分のことを優先してしまった場合に起きるのだろうと思います。
例えば仕事でも、上司のことを思ってやったことが、実は上司にとっては「余計なこと」であったりします。そのときに部下に起こっている心情は、「上司の評価を上げたい!」という気持ちが、「何とか負担を減らしたい!」という気持ちより勝ったからではないかと思います。
その時に相手の気持ちを優先させることが、利他であります。そして、システム上逸脱してしまっても、相手に手を差し伸べることが「ケア」なのかなと思います。
システム上逸脱というのは、例えば会社で言うと、違うグループや部署の人が、困っている人を見て、助けてしまうような現象です。違うグループや部署の人が手助けしても、自分の評価にはなりにくいのに、手助けをした。システム上その手助けの行為は自分にとってはあまり意味がないのに、困っている人を見かけて、助けてあげたくなったというようなことです。
そして、自分が負った心の傷が多いほど、その「利他」や「ケア」の心が強くなるという関係を持つのだろうと感じました。
最終的に大切なのは自己変容することだと感じました。どうしても利他という言葉だけを見ると、自己犠牲というイメージが湧きます。ただその自己さえも変えてしまえば、その自己は犠牲になりません。変わらない自己があるという認識が、利他を自己犠牲に連想させるのではないかなぁと感じます。
人は助け合って生きていく生物。
利他やケアの心を持つことで、自分の生活を充実させることができるようにしていきたいと考えています。