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【子どもの思考が見えるルーチン】フレイヤーモデルって?
今、私は国際バカロレアの認定校であるサニーサイドインターナショナルスクールで小学5/6年生の担任をしており、概念型探究をどのように実践しているのかをまとめていけたらと思います。まだまだIB教員2年目の実践ログなので、どのような場面に難しさを感じながら概念型探究の授業にトライしているのかについてまとめていけたらと思います。
さて、概念型探究を実践する上で、教材のコンテンツ、コンテンツへのアプローチ方法、学習者が「学び方を学ぶ」ための思考のルーティーンをどのように取り入れていくと子どもたちの概念的理解が構築されていくのかを試行錯誤しています。
教材のコンテンツとしては日本の学習指導要領から内容を取り出し、授業のアプローチ方法として概念型探究を取り入れています。また、概念型探究の肝には、学習者が概念的思考者になることを目指しています。
さて、今回のnoteのテーマは「子どもの思考が見えるルーティーン」です。今回紹介するのは、「Frayer Model(フレイヤー・モデル)」になります。
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フレイヤーモデルとは?
フレイヤーモデル(FRAYER MODEL)は、リスニング、読解、映像視聴の際に出会った語彙の意味を明らかにしたり、理解したりするためのグラフィックオーガナイザー(視覚的な整理ツール)です。このモデルは、読解の前に背景知識を活性化するため、読解の途中に語彙を確認するため、または読解の後に語彙を評価するために使用されます。この手法は、語彙の定義、特徴、例、非例を調べるための構造を提供することで、生徒が新しい単語を習得し、リソースを活用することを支援します。語彙学習では、その単語が意味のある文脈で何度も繰り返し使われることが重要です。
このフレイヤーモデルを使得ことで、ユニットの中で学習者が理解するべき概念の理解をサポートしていきます。
例えば、今5/6年生と学習しているユニットにおいて、「地形(landforms)」の特徴と変化の原因を探究しています。これまでに、フィールドトリップで、身近にある河原や鍾乳洞、断層を見てきて、私の中では子どもたちは地形というものを理解していると思っていました。
そこで、冬休みの課題として、以下の課題を出しました。
身の回りにある、気になる「今も変化し続けていると思われる地形」を見つけて写真を撮る&場所の記録!
>プレートの動きや水の働きに関係のありそうな地形を見つける!
>「Google earth」のストリートビューで検索してスクショしたものでもOK!(ただし場所は記録すること!)
しかし、ここで児童から「そもそも地形とはどういうものか?」「水たまりや木、道路の地割れは地形に含まれるのか?」という質問が上がってきました。この質問を受けた時に、子どもたちが「地形というものを概念的に理解するプロセスが踏めていなかったこと」に気づかされました。
そこで、思考を可視化できる整理ツールとして「フレイヤーモデル」を使って、思考の整理を行いました。
⚫︎ フレイヤーモデルの特徴
定義 (Definition):概念の正確な意味や説明
特徴 (Characterizations):概念を裏付ける重要な要素や性質
具体例 (Examples):概念に当てはまる具体例
例外 (Non-Examples):概念に当てはまらない具体例
最初のステップとして、「そもそも地形とはどういうものなのか?」という地形の特徴について問いかけてみました。
特徴の切り口として、「永続性」「規模感」「形成方法」を提示し、これまでの経験から地形の特徴となるものを整理していきました。「地形」の定義と特徴を確認したところで、地形に当てはまる具体例と例外を身の回りの地形から出していきました。特徴から定義を理解することで、「地形」というものの概念を掴むことができているようでした。
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このフレイヤーモデルというのは、概念型学習において、学習者がおさえるべき概念の理解のサポートにつながると思いました。
良かったら自由に以下のフォーマットを使ってもらえたらと思います。
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子どもたちの思考って見えそうで見えないことがほとんどで、見えない思考を可視化することで、子どもたちが何を理解していて、何を理解していないのかがクリアになり、子どもたちの思考から授業をつくることができるようになります。
今後も子どもの思考を可視化するルーチンのツールの具体的な実践事例をシェアしていけたらと思います。
いつも読んでいただきありがとうございます。
moimoi!