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フィンランドGTP事前研修1st&2nd

いよいよ第6回のフィンランドGTPの研修プログラムがスタートしました。初回の研修では、お互いの関係性を深めるために、お互いのバックグラウンドをシェアする時間を作りました。オンラインでの研修ではあるのですが、すごく安心感のある時間を感じていました。
日本全国から、13名の教育に思いを持った高校生から社会人が集まり、運営メンバー3名を加えて16名で「より良い教育」を探究する6ヶ月間がスタートしました。

研修の流れ

第2回の研修では、そもそもフィンランド教育に興味を持ったきっかけをシェアするところから始まりました。

▼ 研修生の声(一部)
・クロスカリキュラム (理科×数学等)により、子どもたちが実生活とつながる学びをしているところを見てみたい。
・生徒が興味を持っている課題を先生がサポートする役割とはどのようなものなのかをみてみたい。
・成績評価を相対的に行うのではなく、個人内評価で行うので具体的な評価方法に興味がある。
・純粋にイメージがいいので実際に見てみたい。
・日本では、教壇に立ち、みんなが同じ方向をむいて一緒に学ぶことに違和感を感じているので、授業そのもののあり方を見つめ直したい。
・異年齢の混じり合いの授業を見てみたい。
・ソファに寝転がりながら授業を受けている背景にある価値観(自由度)のある授業を実際に見てみたい

参加者の声

お互いの興味関心をシェアし、場が温まってきたところで、いよいよ探究パートに入っていきました。この研修では、大きく3つのパートに分かれており、探究パート>授業づくりパート>相談パートのサイクルを回していきます。

研修のサイクル

探究パートは、教育システムを変えるための枠組みをHigh Tech Highの大学院で教育実習をしながら学んでいるひらしんさんに研修を進めてもらいました。

探究パート資料 by Hiraoka Shinya

まずは「本当の問題とは何か?」という切り口で話をしてもらいました。

探究パート資料  by Hiraoka Shinya

問題とは理想と現実の間にあるもので、理想と現状が鮮明になるほど本当の問題がわかるということで、具体的な例としてエレベーターの待ち時間が長いことの本当の問題と解決策についてブレインストーミングを行いました。何となく、問題への見方を変えることが、本当の問題の捉え方が変わる感覚を掴んだところで、本題のワークに入っていきました。

本題のワークでは、工藤勇一氏が書かれた『学校の「当たり前」をやめた。』の本の中に書かれている「指導の優先順位」についてディスカッションするワークを行いました。実際にこのワークについては、研修で取り扱うことで、フィンランドの先生方ともディスカッションしても面白そうだなと考えています。

探究パート資料  by Hiraoka Shinya

グループワークの中で、どんな理由でどんな順序になったのかを考えていきました。

▼  研修生の印象的だったディスカッション内容
・人の生命に関わるものが最上位にくるのではないか。
・他人に対して実害や権利を奪っているものが最上位にくる(法に関わる)
・目に見えないけど、いつかは実害になるものも上位の次にくる。
・授業中のスマホは協働的な学びをする上で、共に学ぶ人の学ぶ機会を薄めるという意味では上に来るかな。
・個人的な問題だけど、相手によくない影響をもたらす可能性のあるもの
・個人的な問題(相手の権利を奪っているものではない行為)
・学校の中外どちらで行われているのか?(学校の責任範囲とは?)
・危険だと分かっている行為を注目することにより、負の注目(アドラー心理学)になるかどうかの見極めを考える。

研修生のシェア

印象的だったのは、グループによって最上位に来るものが異なったことです。また、ディスカッションを聞いて「学校の責任範囲はどこまでなのか?」「授業中の学習者の自由度はどこまで許容するのか」という視点は北欧と日本の学校の先生の考え方に違いがあるのかも気になりました。

さらに、このような価値観のすり合わせを共に学ぶコミュニティで行うことで、チームビルディングにも繋がるので、スピンオフや現地での対話でより深い対話を行うきっかけになるのではないかと思いました。
ここまでのワークを踏まえて、ミニリフレクションを行いました。

◎リフレクションテーマ①
『 あなたは何を「基準」に、優先順位をつけましたか? 』
▼ 研修生の声
第1に命にかかわるもの
誰かを傷つけるもの
自分・他人の命の大切さを教える事
相手が生きる権利が守られること
命、他人に危害を与えるか、自己責任か
法に触れる系触れない系
「人権問題」その場だけでなく、その人の一生に関わること
倫理観
緊急性があるかどうか
実害が出る、法に触れる
命/法、他害
人を尊重すること

研修生の声

◎リフレクションテーマ②
『 「あなたの基準」が学校で実現されている』のか?
理想と現状の間にある本当の問題とは何か?

リフレクションの問い

具体的な例として、High Tech Highの理想(共有されている価値)と現状と問題についてシェアをしてもらいました。

探究パート資料  by Hiraoka Shinya

High Tech Highでは、元々襟付きの服を着る校則があったのですが、今では襟付きの服を着なければならないという校則はなくなり、equity(公平であること)という共通の価値に照らし合わせたときに「人種差別に繋がる服を着てはいけない」という明瞭なルールが示されています。High Tech Highの事例を通して、考えやすくなったのではないかなと思います。

また、研修内で共通言語を作っていくことと、現地研修に向けたインプットも兼ねて、課題図書を共通で読むことも始まりました。

探究パート資料  by Hiraoka Shinya

さらに、今回の研修の最終課題とも繋がる「あなたの学校で変化を1つ作るなら?」あなたは、何を問題と捉えて注目したいですか?2つ以上考えてみる課題が出ました。

また、このGTPの研修で大切にしていることの1つが「Challenge by choice」です!自分自身の余白も大切にしながら、研修までにじっくり、ゆっくり準備を進めていける課題になるといいなと考えています。

第2回の研修を終えて、いよいよフィンランドGTPの研修も核の部分に迫っていきます。一緒に学びを深めていく6カ月間の始まりです。このnoteを通じて、研修の学びを伝えていきます。是非楽しみにしていただけたらと思います。

moimoi(フィンランド語でこんにちは)

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